シニア期に入った柴犬を見て、「最近なんだか様子が違う」と感じることはありませんか?
“夜中に吠え続ける” “呼びかけても反応しなくなる”といった変化は、加齢だけでなく認知症(認知機能不全症候群)のサインであることがあります。
認知症は早めに気づき、適切なケアを行うことが大切です。
この記事では、柴犬に起こりやすい認知症の症状や対処法、予防のポイントをわかりやすく解説します。
目次
柴犬の認知症について

犬の寿命が延びたことで、認知症を抱えるシニア犬も増えています。
認知症は、加齢によって脳の機能が少しずつ低下し、行動や生活習慣に変化が現れる病気で、犬では「認知機能不全症候群(CDS)」と呼ばれます。
「柴犬は認知症になりやすい」と言われることが多いですが、実はまだ科学的に証明されているわけではありません。
小型犬も認知症になりますが、柴犬は体が大きく夜泣きの声も大きいため、とくに表面化しやすいのかもしれません。
何歳から気をつけるべき?
犬の認知症は、14~15歳以上になると発生率が高まります。
ある研究では、11~12歳で約10%、15~16歳では約35%の犬に、2つ以上の行動障害が認められました。
予防を始めるのに早すぎることはありません。
愛犬の認知症対策は、できるだけ早いうちから始めるのが理想です。
柴犬の認知症に多い初期症状をチェック

認知症は少しずつ進行していきます。
初期の変化を見逃さないよう、次のような様子がないかチェックしてみましょう。
- いつもの場所がわからなくなる
- 飼い主さんへの関心が薄くなる
- 昼夜が逆転して夜泣きをする
- トイレの失敗が増える
- 名前を呼んでも反応しない
- 唸る、噛むなど攻撃的な行動が増える
- 以前できていたお留守番や「オスワリ」などのコマンドができなくなる
これらは加齢による変化だけでなく、脳の機能低下が原因になっている可能性があります。
気になる症状が続く場合は、自己判断せず動物病院へ相談しましょう。
愛犬の様子を動画で撮影してから病院へ行くと、診断がスムーズになります。
柴犬の困った行動への対処法はこちらをご覧ください。
認知症リスクを高める要因

日々の生活環境が認知症の発症に影響していることもわかってきました。
一例として、次のような要因が認知症のリスクを高めるとの報告もあります。
- 低品質なフード
- 特発性てんかんの既往歴
- 室温が合わない(暑い・寒い)
- 寝床がかたい
- 体の痛みやかゆみ
- 不安やストレス
- 空腹感・口の乾き
これらに思い当たるものがあれば、早めに改善してあげましょう。
一方で、若い頃から散歩や遊び、しつけのトレーニングをたくさん行ってきた犬は、認知症リスクが低下する傾向があるようです。
柴犬の認知症は治るのか
残念ながら、現在の獣医療では犬の認知症を完全に治すことはできません。
そのため、認知症治療の目的は(1) 発症を予防する、(2) 進行を遅らせる、(3) 夜泣きなどの症状を緩和する、といったことが中心になります。
お薬やサプリメントを上手に取り入れることで、穏やかな時間をできるだけ長く続けていくことを目指しましょう。
認知症で夜泣きがひどいときの選択肢

柴犬の認知症で特に多い悩みが、昼夜逆転して夜中に吠え続けてしまう「夜泣き」です。
聞いたことがないような大きな声で泣くことも多く、家族の睡眠不足やご近所への迷惑につながりやすい深刻な問題です。
まずは愛犬の生活リズムを整えることが基本ですが、飼い主さんの生活に支障が出るなど緊急性の高い場合には、獣医師の判断で睡眠を促すお薬を取り入れることがあります。
こうしたお薬は愛犬の体質や症状に合わせて処方されます。
必ず獣医師の指導のもとで使用しましょう。
犬の夜泣きについては、こちらのコラムで詳しく解説しています。
柴犬が認知症になったときの対処方法

愛犬が認知症と診断されても、日常のケアで症状の急激な悪化を防いで快適に過ごせる場合があります。
症状に合わせて、無理のない範囲で取り組んでみましょう。
トレーニング
脳への刺激は認知機能の維持に役立つと考えられています。
次のようなトレーニングで刺激を与える習慣をつけましょう。
- 毎日のお散歩(コースを変える)
- 簡単なコマンド練習(オスワリ・マテなど)
- 知育トイを使った遊び
- ボール遊び
- おやつ探しゲーム
難しいことを教える必要はなく、まずは「愛犬が考える時間」を作ってあげることを意識してみてください。
柴犬のお散歩やしつけの方法は、こちらのコラムをご覧ください。
サプリメント・食事療法
認知症対策では食事管理も重要です。
脳の健康維持をサポートするとされる栄養素を含む「療法食」や「サプリメント」を上手に取り入れるのもケアにつながります
▼脳の健康維持をサポートするとされる栄養素
■ 脳血管の老化防止・認知機能改善に期待
・オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)
■ 加齢に関与する酸化ストレスへの抗酸化物質
・ビタミン群(ビタミンA・E・C)
・ユビキノン(コエンザイム Q₁₀ など)
・ルテイン・葉酸・ポリフェノール類
こうした栄養素を効率的に摂れるサプリメントとして、Vetsplusの「アクティベート」という製品があります。
オメガ3脂肪酸やビタミン類がバランスよく配合されているのが特徴です。
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薬物療法
現在、犬の認知機能不全に対して国内で承認されている治療薬はありません。
一方で、海外では次のようなお薬が承認されており、日本でも獣医師の判断で用いられることがあります。
■ セレギリン
脳内のドーパミンを増やして認知機能の障害を改善させる。
国内では覚醒剤原料に指定されているので、取り扱いには注意が必要。
■ プロペントフィリン
脳の血流を改善して脳細胞に酸素を行きわたらせることで、元気や意欲を取り戻すのを助ける。
こうしたお薬は、犬の症状や体質などに応じて処方されます。
必ず獣医師の指示のもとで使用してください。
ぽちたま薬局では、このほかにも犬の認知症に用いられるお薬を取り扱っています。ぜひお役立てください。
犬の認知症のお薬を見る
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飼い主さんの負担を減らすには
認知症を患った柴犬のお世話は、24時間気が休まることがないため、飼い主さん自身が心身ともに疲れ果ててしまうことがよくあります。
愛犬を想うあまり、ひとりで抱え込んでしまうのはとても危険です。
まずは家族と役割を分担したり、かかりつけの獣医師やトリマーに相談したりすることから始めてみてください。
それでもしんどいときは、プロの手を借りることも検討しましょう。
最近では、老犬を日中預かってくれるデイケアサービスや、老犬対応のペットホテルも増えています。
飼い主さん自身がしっかり休息をとることは、共倒れを防ぐためにとても大切な選択です。
愛犬の認知症を経験した飼い主さんの体験談
認知症の愛犬をお世話したことがある飼い主さんの体験談を集めました。
ケース1:共働きでの温かな見守り
「認知症の影響でこれまで以上に甘えん坊になったので、在宅時は抱っこをして安心させ、休日も片刻も離れず一緒に過ごして寄り添い続けました。
ある日急に体調が変わってお空へ旅立ちました。うちは共働きで仕事を続けながらお世話できましたが、自力排泄ができなかったらどうなっていたかわかりません」
ケース2:夜泣きがひどいときはドライブも
「ご近所さんに配慮して、夜泣きがすごい日は深夜に愛犬を乗せてドライブに出ることもありました。寝たきりになってからは夜間も定期的に体位を変えたりと、まとまった睡眠をとるのは難しいと感じました」
ケース3:夜泣きと徘徊に向き合った
「深夜の徘徊や壁への激突があり、加えて激しい夜泣きもあって毎晩深刻な寝不足に。
仕事中も休憩のたびに自宅へ戻ってお世話をし、寝たきりになった最後の2ヶ月は会社を休ませてもらって介護の日々。最期は体調を崩して入院し、2日後に静かに旅立ちました。
睡眠薬を勧められても怖くて使いませんでしたが、今思えば使ってもよかったのかもしれないと考えることもあります」
認知症のお世話は、頭では理解していても実際に直面すると迷いや不安が尽きないものです。
ひとりで抱え込まず、早めに周囲の力を借りるようにしてください。
気になる様子があれば早めの相談を
柴犬の認知症は高齢になるほど発症リスクが高まります。
次のような変化が見られたら、認知症のサインかもしれません。
- ・夜泣きが増えた
- ・昼夜逆転している
- ・トイレを失敗するようになった
- ・呼びかけへの反応が鈍い
認知症は完治する病気ではありませんが、早期に対処することで進行を緩やかにできる可能性があります。
「年齢のせい」と決めつけず、気になる変化があれば動物病院へ相談してみてください。
このほか、柴犬に関する気になる情報はこちらをご覧ください。
▼犬種別かかりやすい病気を見る▼
参考サイト(外部リンク)

ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフです。
10年以上の犬の飼育経験と動物介護士の知識をもとに、ペットの病気やお薬の情報を発信します。



































