柴犬は、日本で飼育頭数2位の犬種で、人気のあるペットとしてたくさんの人に愛されています。
長寿で丈夫な体をもつ柴犬ですが、実は3匹に1匹は皮膚トラブルを抱えています。
この記事では、柴犬の発症率が高い病気ランキングに加えて、原因や予防法なども解説していきます。
目次
柴犬がなりやすい病気ランキング │ 皮膚病が圧倒的トップ!
ペット保険が調査した、実際に動物病院で受診した柴犬の病気割合ランキング、トップ5がこちら。
柴犬にはこんな特徴があるので、他の犬種と比べてかかりやすい病気があります。
- 体重7~12kgの中型犬
- 柴犬の中でも5kg前後のものは小型犬「豆柴」
- 毛色は、赤、黒、胡麻、白の4種類
- 飼い主に忠実で、警戒心が強い性格の日本犬
- 肌のバリア機能が弱い
- 寿命が長く、長生きな分、シニア期の病気に注意
- アトピー性皮膚炎
→ほとんどが1歳未満で発症。顔や足先を痒がって赤みが出る。 - アレルギー性皮膚炎
→特定の食べ物を食べたときにかゆがるときは可能性あり。 - 趾間皮膚炎(指間炎)
→指の間が痒がる仕草や腫れているときはこの皮膚炎かも? - 胃腸炎/嘔吐/下痢
→神経質でストレスを溜めやすい柴犬はお腹の調子が悪くなりがち。 - 寄生虫症状
→小腸などに寄生する回虫・線虫・原虫類。子犬に多く、下痢や血便が続くときは感染しているかも? - 外耳炎
→耳をしきりに掻いたり、頭を振るときは外耳炎かも? - 前庭疾患
→急に頭を斜めにして歩いたり、旋回や嘔吐が見られるときは要注意。 - アナフィラキシーショック
→主にワクチン接種や薬の投与時に起きる、アレルギーを原因としたショック症状。命を落とすことも。 - 膝蓋骨脱臼(パテラ)
→足をピンと伸ばしたり、痛がるときは膝の不調かも? - 股関節形成不全
→先天性の要因により発症する。歩き方がおかしいときは要注意。 - 認知症
→老犬がトイレの失敗や夜鳴きをしたら認知症の疑いあり。 - 白内障
→目に白い濁りが出たら、早急に治療が必要!
病気それぞれの特徴と原因、予防法に加えて、実際に柴犬を飼っているぽちたまスタッフの経験談も併せて紹介します。
▼犬種別かかりやすい病気を見る▼
柴犬がなりやすい病気1位:皮膚の病気
柴犬は、皮膚のバリア機能が弱く、アレルギー体質の子が多い傾向があります。
とくに春と秋の換毛期は、大量に抜ける毛で皮膚が蒸れてしまい、皮膚トラブルが起きがち。そのため、換毛期は丁寧なブラッシングを行うことが大切です。
また、柴犬の皮膚病は、生後6ヶ月~3歳の時期に発症しやすいので、注意しましょう。
皮膚病の中でも、柴犬アトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、趾間皮膚炎になりやすいです。
アトピー性皮膚炎
皮膚の病気であるアトピー性皮膚炎は、アレルギー性皮膚炎の一種で、環境中のハウスダストや花粉、ダニなどを原因物質として発症します。
また、室内で喫煙する家庭では、アトピー性皮膚炎の発症率が高いことも報告されています。
皮膚の保湿能力やバリア機能を担うセラミド
↓
柴犬は、このセラミドが少ない犬種
↓
日常生活で自然に触れる、環境中の原因物質が皮膚から侵入しやすい体質
↓
柴犬は皮膚病の中でも、とくにアトピー性皮膚炎を発症しやすい
アトピー性皮膚炎の症状は、「痒み」と「赤み」です。
アレルギー性皮膚炎との違いは、皮膚がただれて感染症や脱毛の状態が慢性化すると、皮膚が分厚く黒くなっていくことです。
アトピー性皮膚炎の症状がとくに出やすい場所は、顔や耳、足先に症状など、皮膚が弱いところ。
また、アトピー性皮膚炎にかかっている犬は、かゆみや脱毛を引き起こす膿皮症にもなりやすいので注意しましょう。
近所の柴犬仲間さんの中にもアトピー持ちの子が何頭かいます。
毎月の通院・毎日の投薬が欠かせないケースもありますが、しっかりケアを行っていれば症状を軽減させることができます。
治療法
アトピー性皮膚炎は一度発症したら一生付き合っていく病気で、完治させる治療法がないため、医療費や日々の薬代の負担も大きくなりがち。
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原因・予防法
先述した通り、アトピー性皮膚炎の原因になるのは、環境に潜んでいる物質です。
予防法としては環境中に含まれるアレルゲンの除去が効果的ですが、完全に除去することは難しいので、シャンプーや保湿などで肌のコンディションを強化することも有効な対策です。
また、バリア機能が弱い柴犬は多岐にわたるアレルゲンに反応してしまうので、抗炎症薬やかゆみ止めのお薬が用いられるケースもあります。
アレルギー性皮膚炎
柴犬がなりやすいアレルギー性皮膚炎は、主に食べ物に対するアレルギー反応が原因です。
皮膚のかゆみや赤みなどの症状がお腹周辺に出やすく、他にも顔や耳、腰など、体のさまざまな場所に見られます。
かゆみが強くなると、掻く・噛む・舐める・体を床にこすりつける動きなどを繰り返します。
また、同じ皮膚の病気であるアトピー性皮膚炎とは違い、オナラの増加や軟便、下痢などの消化器症状が見られるのも、アレルギー性皮膚炎の特徴です。
柴犬がアレルギー性皮膚炎になりやすいのは1歳未満ですが、季節性はありません。
治療法
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原因・予防法
アレルギー性皮膚炎は、原因物質(アレルゲン)に反応して発症します。
原因物質はドッグフードやおやつに含まれる鶏肉などの動物性たんぱく質であるケースが多いですが、犬によって異なるので、まずは動物病院の検査で原因を特定しましょう。
原因が特定できたら、原因物質が含まれる食べ物を与えないことで、症状の発生を防ぐことができます。
趾間皮膚炎(指間炎)
柴犬がなりやすい趾間皮膚炎は、指と指の間に炎症が起こる病気で指間炎とも呼ばれます。
症状は激しいかゆみや赤み、腫れなどを伴いますが、患部は被毛で覆われていて見えにくいため、飼い主さんもなかなか発症に気づけません。
さらに、犬もかゆみがあるのでしきりに気にしますが、患部には届かないため、症状が長く続くと精神的なストレスも大きくなります。
治療法
趾間皮膚炎は、患部を舐め続けることで、さらに悪化しまうため、まずはエリザベスカラーで患部を舐めることを防ぎます。
そのうえで、大きく分けて3種類ある発症原因に応じた、治療薬を使用します。
- アレルギーが原因の場合
アレルギー・アトピーの治療薬を使い、アレルゲンを除去する - 細菌・真菌感染が原因の場合
抗菌薬を使用 - ストレスが原因の場合
ストレスになっている環境を改善する
趾間皮膚炎は、散歩中にできた傷などをきっかけに細菌・真菌感染で発症することが多いので、イリウム・ネオコートクリームなどの皮膚炎改善薬を使用します。
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原因・予防法
柴犬はダブルコートで被毛が多いため指の間が蒸れやすく、細菌のエサになる皮脂も多いことから、原因菌が繁殖して趾間皮膚炎を起こしやすいです。
予防法には、肉球ケアや洗浄などがあります。
柴犬は短毛でトリミングに行く機会も少ないですが、定期的にプロに預けることで異変にも気づきやすくなるほか、足裏カットなどで指の間の毛量を減らす処置もしてくれます。
また、かゆみが続いてストレスが蓄積すると、犬はさらに足先を舐めたり、噛んだりするため悪循環です。
趾間皮膚炎になった場合はストレスが溜まらないように、遊ぶ時間を増やしたり、新しいおもちゃを与えたりして、かゆみから気を逸らしてあげましょう。
柴犬がなりやすい病気2位:消化器の病気
柴犬は皮膚病に次いで消化器の病気になりやすく、中でも多いのが胃腸炎による嘔吐や下痢、寄生虫感染によるものです。
胃腸炎 / 嘔吐 / 下痢
柴犬は、胃や腸などの粘膜に炎症が起こる、胃腸炎にも注意が必要です。
胃腸炎は気温や環境の変化などさまざまな要因によって起こるため、明確な原因はわからないことがほとんどです。
柴犬は神経質な一面があるため、ちょっとした環境の変化でストレスを感じ、胃腸炎などの病気にかかることも多いです。
また、主な症状である嘔吐や下痢は悪化したり、長引いたりすると、食欲低下や元気消失、脱水などを引き起こす恐れもあるため注意しましょう。
犬ならどの犬種でもなりやすい胃腸炎や原因不明の嘔吐や下痢。
私の柴犬も何度か経験がありますが、動物病院で点滴による薬の投与を行い、1日で症状が改善したときもあれば4~5日症状が続いたことも。
柴犬は飼い主に従順で神経質な面もあるので、環境の変化はもちろん飼い主の感情までも察して体調面に影響が現れることがあります。
治療法
胃腸炎などの症状に対しては、下痢止め・吐き気止めに加えて、点滴などで水分を投与し、脱水症状を改善する形で治療をすることが多いです。
よく見られる症状なので、治療法も症状の程度などによって大きく違います。
ぽちたま薬局では、胃腸をケアするサプリメントを販売しており、胃腸薬の売れ筋ランキング4位のデジトンプラスが人気商品となっています。
よく見られる症状なだけに、日ごろから胃腸のケアを行っておくことで、胃腸炎を防ぐことができます。
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寄生虫症状
柴犬がなりやすい消化器の病気には、寄生虫症状も含まれます。
代表的なのは回虫症や条虫症、糞線虫症やジアルジア症、コクシジウム症などです。
寄生虫感染で見られるのは主に下痢ですが、症状は寄生虫によっても違います。
また、寄生虫は母犬から子犬に感染するケースもあるため、迎え入れたばかりの柴犬の子犬が発症することも珍しくありません。
進行した場合は、脱水や栄養失調なども引き起こすので、とくに重症化しやすい子犬は注意しておきましょう。
治療法
寄生虫が原因の消化器症状の場合、感染した寄生虫を駆除する薬を投与しながら、吐き気止めや下痢止めなどの対処療法を併せて行って治療していきます。
駆虫薬は様々な種類がありますが、動物病院では多くの寄生虫に効果が発揮するフラジールを処方することが多く、ぽちたま薬局でも虫下し薬の売れ筋ランキング1位になっています。
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原因・予防法
寄生虫症状の原因は、感染犬の糞に含まれる寄生虫の卵や幼虫の経口感染です。
愛犬と散歩に出かけるときは、他の犬が排泄した糞や衛生環境が整っていない場所などに、近づかせないようにしてください。
また、子犬を迎え入れる際は、動物病院で検査を受けておくと安心です。
柴犬がなりやすい病気3位:耳の病気
柴犬がなりやすい病気ランキング3位は、外耳炎や前庭疾患といった耳の病気です。
外耳炎
外耳炎は外耳の部分に炎症が起こる病気で、耳のかゆみや痛み、臭いなどの症状が見られます。
外耳炎で耳が痛くなると、耳を触ろうとしたときに嫌がって攻撃的になることがあるので注意が必要です。
耳の外側に近い部分に起こる外耳炎の症状は、放置すると内側まで広がっていくため、鼓膜が破れて中耳炎になる恐れもあります。
愛犬が頻繁に耳を掻いたり、頭を振ったりする様子が見られるようになった場合は、外耳炎を発症している可能性があります。
私の柴犬も、しきりに耳を掻いて気にする仕草が見られたので動物病院にかかったところ、外耳炎と診断されました。
シャンプー後の乾燥が不十分だったことが原因だったようです。点耳薬を滴下して、数日で完治しました!
柴犬の飼い主さんの中には、頻繁に外耳炎になる子もいて、点耳薬を常備しているという人も。
治療法
外耳炎は、点耳薬を使用して治療します。1日1~2回、耳に滴下し、マッサージするように軽く揉みこむように使用します。
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外耳炎は繰り返し発症することが多い病気なので、常備しておくと安心です。
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原因・予防法
外耳炎の多くはアレルギー体質に関係するとされていて、外耳炎を発症した犬のうち83%がアトピー性皮膚炎を発症しています。
皮膚のバリア機能が弱く、アトピー性皮膚炎をはじめとした皮膚病を発症しやすい柴犬にとって、とくに発症しやすい病気のひとつがこの外耳炎です。
柴犬は毛量が多く、換毛期には大量の毛が抜けるため、定期的に耳掃除やブラッシングをして、外耳炎を予防しましょう。
前庭疾患
柴犬がなりやすい前庭疾患は、耳の内側にある前庭の機能に異常が起こる病気です。
前庭は犬の平衡感覚に大きく関わっている器官で、体のバランスを維持するためには欠かせません。
その前庭に異常が生じることで神経症状を引き起こし、眼球が小刻みに震える眼振や、頭が斜めになる捻転斜頸、同じ方向に歩いて周る旋回や嘔吐などが見られます。
前庭疾患は一時的なもので快復するケースと、症状が日に日に悪化する深刻なケースがあり、後遺症が残ることもあるため、しっかりと経過を観察することが重要です。
治療法
前庭疾患は、早期治療を行うことが重要ですが、前庭疾患には脳腫瘍・脳梗塞などが絡むことも多く、その場合は治療が困難なことも多いです。
一方、内耳炎や三半規管のポリープが原因となっている場合は、手術による除去や投薬により快復します。
原因・予防法
前庭疾患の原因には外耳炎や中耳炎などが挙げられますが、老犬は突発的に発症しやすいとも言われています。
明確な予防法はないため、前庭疾患の対策には外耳炎の早期発見や早期治療が欠かせません。
前庭疾患になりやすい柴犬を守るためにも、定期的な耳のケアをしっかりおこないましょう。
柴犬がなりやすい病気4位:全身性の病気
ここからは、柴犬がなりやすい病気ランキング4位に該当する、全身性の病気について紹介していきます。
アナフィラキシーショック
皮膚病以外にも、柴犬のアレルギーは全身性の病気としての注意も必要です。
アレルギーは、食べ物や環境中にある物質だけでなく、病気の治療や予防に必要なお薬が原因で発症する恐れもあります。
また、アレルギーの中でもとくに重篤なのは、アナフィラキシー反応です。
致死的であるアナフィラキシー反応が最も起こりやすいタイミングはワクチン接種をしたあとで、数分~数時間で下痢や嘔吐などの消化器症状が見られます。
また、アレルゲンによって現れる症状は、アナフィラキシー反応の程度によって違いますが、重度の場合は全身性の症状として呼吸困難を引き起こします。
治療法
アナフィラキシーショックは一刻を争う事態となるため、基本的にすぐ動物病院を受診し、症状に応じた治療を受けることになります。
軽度なショック症状であれば、ステロイド注射により快復することも多いです。
原因・予防法
柴犬がアレルギーでアナフィラキシー反応を起こすのは、アレルゲンとの接触が原因です。
予防法としては、アレルゲンを避けることが効果的です。
初めての薬やワクチンはもちろん、過去にアレルギー反応がなかったものでも、柴犬に投与・接種させたあとはとくに安静にさせて、経過もよく観察してあげましょう。
柴犬がなりやすい病気5位:筋骨格の病気
柴犬がなりやすい病気ランキング5位は、膝蓋骨脱臼(パテラ)や股関節形成不全といった筋骨格の病気です。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
柴犬の約11%が発症している膝蓋骨脱臼(パテラ)は、膝のお皿とも呼ばれる膝蓋骨が内側や外側に外れて脱臼する病気で、両足に発症してしまう場合もあります。
膝蓋骨脱臼は、足の曲げ伸ばしにより自力で治すことができますが、脱臼を繰り返すうちに膝関節がずれて炎症や変形を引き起こし、症状が進行します。
病気の進行度に応じて、とくに治療の必要がないグレード1から、手術が必要となるグレード4に分類されます。
■グレード1
生活には問題ないが、運動後は後ろ足を上げて鳴く、スキップに似た動きをしている姿なども見られる。
■グレード2
日常生活に異常はないが、足の曲げ伸ばしによって脱臼が起こる。
■グレード3
膝蓋骨は日常的に脱臼するため、歩くときに後ろ足を引きずったり、他の骨が変形したりする場合も。
■グレード4
膝蓋骨は常に脱臼しているため、歩くときは後ろ足をつけなかったり、うずくまったりする様子が見られるようになり、他の骨も変形する。
私の柴犬は遺伝・先天性のパテラを患っていて、お迎えしたときからグレード1~2の診断がついていました。
ただ、痛がる様子や脱臼を直すときに見られるスキップのような仕草をすることもほとんどなく、健常な柴犬と変わらない毎日を過ごしています!
獣医師さんからは、体重が増えると膝に負担がかかるので適正体重をキープ!と釘を刺されています…
治療法
膝蓋骨脱臼(パテラ)を完治させるには手術を行うしかありません。
手術は費用面・体力面でも大きなリスクがあるため、症状が進行していない場合は痛み止め・鎮痛剤を使用しながら保存療法を行います。
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原因・予防法
膝蓋骨脱臼(パテラ)の原因は、遺伝や先天性であることがほとんどです。
予防法としては、膝に負担をかけないことが重要なので、滑らないように床の素材を見直す、太りすぎないように体重を管理するなどが効果的です。
さらに、高い場所から飛び降りる行為は膝に大きな負担がかかるので、ソファーやイス、ベッドなどの家具には登れないような対策もしてあげましょう。
股関節形成不全
柴犬がなりやすい股関節形成不全という病気は、若い時期に腰を揺らすモンローウォークや、跳ねるように歩くうさぎ跳びなどの症状が見られますが、成長して関節が再構築すると緩和されたり、治まったりします。
しかし、関節が安定することで治まった症状は、完治したわけではありません。
年齢を重ねるとまた現れるようになり、関節炎を発症することで痛みも伴うほか、関節を動かせる範囲も狭くなるので筋肉が落ちたり、散歩を嫌がるようになったりもします。
治療法
若い犬の場合は手術により機能回復や進行予防を行います。
老犬の場合は、保存療法を行うことが多く、痛み止め・鎮痛剤を使用します。
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原因・予防法
股関節形成不全は、遺伝や環境などが影響して発症すると考えられています。
両親が発症しているケースでは、正常な股関節で産まれる犬の確率は7%です。
また、肥満も関節に負担をかけて病状を悪化させる原因になるため、適度な運動や食事の管理で適切な体重を維持してあげることが重要です。
膝への負担を減らすためにも、床が滑りやすい場合はラグを敷く、ソファーやベッドなどの高さがある家具にはスロープなどの準備もしてあげましょう。
発病数は少ないけど、柴犬がかかりやすい病気
柴犬全体で見ると発病数が少なくても、他の犬種と比較すると発症率が高い病気もあります。
長生きしやすい犬種の柴犬はシニア期も長いため、柴犬がかかりやすい病気を予防しながら早期発見、早期治療につなげて発症リスクに最大限備えておきましょう。
認知症
現在、認知症は柴犬だけでなく、どの犬種もリスクがある病気です。
認知症は老化とともに発症しやすくなる病気です。
獣医療の進歩や飼育環境が変化し、犬の高齢化・長寿化が進んだ現在、認知症はどの犬種でも発症するリスクがある病気になりました。
その中で柴犬は、老衰が死因の上位を占めるほど昔から寿命が長かったため、認知症の発症数が他の犬種と比べて多いことが以前から確認されていました。
さらに、怒りっぽくてイライラしやすい子や、ストレスを溜めやすい犬が発症しやすいため、神経質な性格の柴犬は、認知症を発症するリスクが高いと言われています。
認知症の症状には、徘徊やトイレの失敗、夜鳴きなどが挙げられます。
発症して間もない時期は、部屋で同じ方向にウロウロしたり、壁に向かって吸い込まれるように歩いたり、狭い場所に入り込んで出られなくなったりします。
愛犬とはいえ、認知症を発症するとさまざまな問題が起こるため、飼い主さんだけでサポートすることは困難です。
獣医師さんなど、専門的な知識があるプロにサポートしてもらうことも選択肢として入れておきましょう。
原因・予防法
認知症は老化が原因で、とくに12~13歳くらいになると発症しやすいと言われています。
また、認知症の原因になる老化による脳機能の低下を防ぐためには、散歩や遊びなどが効果的です。
皮膚や手足などのマッサージも脳の活性化につながるため、スキンシップもしっかりとってあげてください。
脳を刺激するためにも、散歩コースを変更したり、芝生がある公園に連れて行ってあげたり、たくさん話しかけたりして、認知症を予防してあげましょう。
白内障
眼の水晶体が白く濁る白内障も、柴犬がかかりやすい病気です。
白内障は、多くが遺伝性と言われており、柴犬も例外ではありません。
発症は1歳未満~高齢の犬までの広い層で起こり、視界が徐々にぼやけていきます。
また、白内障は症状によって、以下の4段階に分けられます。
■初発白内障
10〜15%以内の混濁。視覚障害はなく、行動にも変化はない。
■未熟白内障
混濁は15%以上だが全域までには至らない。早期は日常生活に変化はないが、徐々に視覚に関わる運動障害が現れる。
■成熟白内障
混濁は全域に及ぶため、視覚障害も顕著。急激に悪化した場合は水晶体核にY字型に亀裂が入り、水晶体嚢破裂やぶどう膜炎も起こる。
■過熱白内障
混濁は全域で、水晶体タンパク質の変性も進行した状態。モルガニー白内障の形成や嚢内の水晶体もほとんど消失するが、稀に視力の回復も起こる。続発するぶどう膜炎や緑内障、網膜剥離などの他に、回復不能な視覚喪失なども見られる。
原因・予防法
白内障の原因は遺伝や老化と言われており、糖尿病の犬はほぼ100%のケースで発症します。
予防は困難ですが、定期的に検査を受けて早期に気づいてあげることや、白内障を進行させる紫外線を避けることは、最も有効だと言われています。
他にも、サプリメントによって抗酸化物質を補う方法を取り入れている動物病院もあるようです。
柴犬は白内障を発症しやすいので、散歩は陽が昇っている時間帯を避けるなど、紫外線対策をしてあげましょう。
柴犬の寿命|平均寿命14.6歳、ギネス記録26歳
近年、犬全体の平均寿命は医療の進歩や食事内容の変化、室内で飼育する環境の変化などによって延びていますが、それ以前から柴犬は長寿犬種として知られています。
犬種 | 平均寿命 |
---|---|
柴犬 | 14.6歳 |
パピヨン | 14.5歳 |
トイプードル | 14.0歳 |
ミニチュアダックスフンド | 14.0歳 |
ヨークシャーテリア | 13.3歳 |
ゴールデンレトリバー | 13.2歳 |
マルチーズ | 13.1歳 |
ラブラドールレトリーバー | 13.1歳 |
シーズー | 12.8歳 |
ポメラニアン | 12.2歳 |
チワワ | 11.8歳 |
日本で飼育頭数の上位10種中、柴犬は最も長生きする犬種です。
ギネス記録でも、最も長生きしている柴犬として、26歳8ヶ月のプースケちゃんという子が認定されています。
ブースケちゃんは、老衰で亡くなるまでは自力でご飯を食べて、散歩もできる状態だったと伝えられており、健康なまま寿命を全うしたことがわかります。
柴犬の死因|「老衰」が上位!
柴犬の死因トップ5は、腫瘍、神経疾患、泌尿器疾患、老衰、胆囊・肝臓・膵臓系の疾患です。
とくに、死因の14%も占めている老衰は特徴的で、主要8犬種の中では唯一トップ5に入っています。
1位 腫瘍 24%
2位 神経疾患 15%
3位 老衰 14%
3位 泌尿器疾患 14%
5位 胆囊・肝臓・膵臓系の疾患 8%
丈夫で長生きしやすい犬種として知られている柴犬は、健康なまま寿命を全うするケースが多いことがわかります。
そのため、柴犬がかかりやすい病気に気を付けてあげれば、愛犬の寿命を伸ばせる可能性も十分にあります。
愛犬が長く健康でいるためには、予防できる病気をしっかり対策してあげることも大切です。
定期的に健康診断を受ける、適度に運動させる、ストレスが溜まらないようにコミュニケーションをたくさんとることなども効果的です。
飼い主さんとして、愛犬が長く健康でいられるように気を配ってあげましょう。
参考
動物病院カルテデータをもとにした日本の犬と猫の寿命と死亡原因分析(外部リンク)(外部リンク)
まとめ
柴犬は、長生きしやすい犬種です。
平均寿命は14.6歳で死因の上位には老衰も入っており、20年以上の寿命を全うする子もいます。
柴犬は、他の犬種に比べてシニア期が長いからこそ、白内障や認知症などのかかりやすい病気も増えます。
愛犬の健康を維持するためには、若くて元気な時期から柴犬がかかりやすいさまざまな病気に備えておくことが大切です。
飼い主さんは、毎日の食事や運動管理、ストレス解消などをおこない、愛犬が健康で長生きできるようにしてあげましょう。
フィラリア予防薬など
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ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。