インコは、羽粉や食べ物のかすなどが鼻に入ったとき、一時的にくしゃみをすることがあります。
しかし、以前より明らかに増えたり、鼻水や呼吸音の変化を伴う場合は、呼吸器などに異常が起きている可能性があります。
この記事では、一時的なくしゃみと病気が疑われるくしゃみの違い、考えられる原因、病院での治療や自宅でのケア方法などについて解説します。
ぽちたま薬局では、インコ・オウム・文鳥などの鳥類に使用される医薬品なども取り扱っています。
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目次
一時的なくしゃみと病気が疑われるくしゃみの違い
くしゃみが単発で、特に様子に変化がない場合は一時的な反応の可能性があります。
一方、以下のような変化を伴う場合は、病気や飼育環境の問題が隠れている可能性があります。
| チェック項目 | 一時的な反応の可能性 | 病気の可能性 |
|---|---|---|
| くしゃみ | 単発で、その後は繰り返さない | 連続して出る・以前より明らかに増えた |
| 鼻水 | みられない | 透明・白濁・黄色・緑色などの鼻水が出る |
| 鼻周り | 清潔で乾いている | 濡れている・汚れている・羽が固まっている |
| 元気 | 普段どおりに動いている | 元気がない・羽を膨らませてじっとしている |
| 食欲 | 普段どおり食べている | 食べる量が減っている |
| 鳴き声・呼吸音 | 普段と変わらない | 声がかすれる・鳴き声が変わる・呼吸音がする |
くしゃみの回数には個体差があるため「何回までなら正常」と一律に判断することはできません。
明らかに回数が増えたり、鼻水を伴っている場合は、早めに動物病院へ相談しましょう。
インコのくしゃみ・鼻水の主な原因

インコのくしゃみや鼻水はさまざまな原因によって起こります。
症状の見た目だけで原因を特定することは難しいですが、代表的な例を以下にまとめます。
細菌・クラミジア・真菌などの感染症
細菌やクラミジア、真菌などが鼻腔や副鼻腔、気管、肺などに感染すると、くしゃみや鼻水のほか、呼吸音の変化がみられることがあります。
| 種類 | 主な原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 細菌感染 | さまざまな細菌やマイコプラズマなど | 鼻水や副鼻腔炎、呼吸器症状などを起こすことがある |
| 鳥クラミジア症 | 鳥クラミジア | 鼻水、元気消失、食欲低下などがみられることがあり、人に感染する可能性もある |
| ウイルス感染 | 鳥種によってさまざまなウイルス | 抗菌薬はウイルス自体には効かず、支持療法や二次感染への対応が中心になることがある |
| 真菌感染 | アスペルギルスなど | 栄養不良、免疫力の低下、カビの多い環境などが発症に関係することがある |
原因によって使用する薬や治療期間は異なります。
自己判断で薬を使用すると、症状の悪化や副作用、適切な診断の遅れにつながる可能性があります。
必ず鳥を診られる動物病院で診察を受けましょう。
副鼻腔炎
副鼻腔炎とは、鼻腔につながる副鼻腔に炎症が起きた状態です。
インコでもみられ、細菌や真菌などの感染、ビタミンA欠乏などが関係すると言われています。
- くしゃみや鼻水が続く
- 鼻周りの羽が濡れている・汚れている
- 鼻孔が赤い・腫れている・詰まっている
- 目の周りが腫れている
- 涙や目やにが出る
- 鳴き声が変わった・かすれている
- 元気や食欲が落ちている
炎症が長引いた場合や、栄養状態・飼育環境などの関連要因が改善されていない場合は、治療に時間がかかったり、症状を繰り返したりすることがあります。
ビタミンA欠乏
くしゃみや鼻水の原因として見落とされやすいのが、ビタミンA欠乏です。
例えばシードを中心とした食事は、ビタミンAをはじめとする栄養素が不足しやすいと言われています。
ビタミンA欠乏と呼吸器症状の関係
治療後も症状を繰り返す場合は、ビタミンA欠乏などの栄養状態が関係していないか確認することも重要です。
ただし、くしゃみや鼻水の原因がビタミンA欠乏とは限りません。
食事改善や栄養補助が必要かどうかも含め、まずは動物病院で原因を確認しましょう。
参考
鳥のビタミンA欠乏症と呼吸器疾患の関連(Merck Veterinary Manual)(外部リンク)
羽粉・ホコリ・煙などの刺激
空気中の羽粉やホコリ、餌の粉などが鼻を刺激して、くしゃみが出ることもあります。
それ以外にも、タバコの煙や香水、芳香剤なども鳥の呼吸器を刺激する原因になり得ます。
刺激物を取り除いてもくしゃみが続く場合や、鼻水などを伴う場合は、病気の可能性があるため受診しましょう。
鼻孔内の異物や腫瘤
餌の殻や植物片などの異物が鼻孔に入り、くしゃみや鼻水を引き起こすことがあります。
また、頻度は高くありませんが、鼻腔や副鼻腔にできた腫瘤などによって、鼻水や顔の腫れ、呼吸音の変化が起こる場合もあります。
鼻孔に異物が見えても、ピンセットなどを使って無理に取り除かないでください。
奥へ押し込んだり、鼻孔を傷つける危険があるため、動物病院で処置を受けましょう。
鼻水の色や状態から分かること
鼻水の色や粘り気は、インコの状態を確認する手がかりになります。
| 鼻水の色・状態 | 注意点 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 透明・さらさら | 刺激物や感染症の初期など、さまざまな原因が考えられる | 繰り返す、量が増える、ほかの症状を伴う場合は早めに受診 |
| 白く濁る・粘り気がある | 鼻腔や副鼻腔に炎症が起きている可能性がある | 早めに鳥を診られる動物病院へ相談 |
| 黄色・緑色・固まっている | 膿を含む分泌物や強い炎症などの可能性がある | できるだけ早く受診 |
| 血が混じる | 外傷、異物、強い炎症、腫瘤など複数の原因が考えられる | 速やかに受診 |
色にかかわらず、鼻水が続いている場合や、元気・食欲・呼吸に変化がある場合は、早めに動物病院へ相談してください。
参考
鳥の呼吸器疾患の総合解説(VCA Animal Hospitals)(外部リンク)
すぐ病院へ!呼吸困難が疑われるサイン

以下の症状は、インコが呼吸するために強い負担を感じている可能性を示します。
- 口を開けて呼吸している
- 呼吸に合わせて尾羽が大きく上下している
- ゼーゼー・プチプチなどの呼吸音がする
- 首を伸ばして苦しそうに呼吸している
- 止まり木に止まれない
- ケージの底でうずくまっている
- 羽を膨らませてぐったりしている
- 食事や水をほとんど取れない
- 反応が鈍い・意識状態がおかしい
呼吸が苦しそうなインコを捕まえたり、何度も触ったりすると、さらに呼吸状態が悪化することがあります。
できるだけ静かに移動させ、鳥を診られる動物病院へすぐに連絡してください。
呼吸困難がなくても早めに受診したい症状
以下の症状がみられる場合も、鼻腔や副鼻腔などに異常が起きている可能性があります。
緊急性の高い呼吸困難がなくても、できるだけ早く鳥を診られる動物病院へ相談しましょう。
- 以前よりくしゃみが明らかに増えた
- 鼻水が出ている
- 鼻周りの羽が濡れている
- 鼻孔が赤い・腫れている
- 目の周りが腫れている
- 涙や目やにが出ている
- 鳴き声が変わった・声が出にくい
- 元気や食欲が落ちている
鳥は体調不良を隠す傾向があります。
症状が目立つようになった時点で、すでに病気が進行していることもあります。
そのため、受診を先延ばしにしないことが大切です。
病院ではどんな検査をするの?
くしゃみや鼻水の原因は、症状の見た目だけでは判断できません。
動物病院では、飼育環境や食事内容などを確認する問診と、鼻孔・口腔内・目・呼吸状態などの診察を行います。
必要に応じて、以下のような検査が行われることがあります。
- 鼻水や口腔内の分泌物の顕微鏡検査・細胞診
- 細菌培養検査・薬剤感受性検査
- 鳥クラミジアやマイコプラズマなどを調べるPCR検査
- 血液検査
- レントゲン検査
- 必要に応じた内視鏡検査やCT検査
すべての検査を行うわけではなく、症状や鳥の状態に合わせて必要な検査が選ばれます。
病院ではどんな治療をするの?
治療方法は、原因とインコの全身状態によって異なります。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 抗菌薬の投与 | 細菌感染や鳥クラミジア症などに対して、原因や検査結果に合わせて使用する |
| 抗真菌薬の投与 | アスペルギルスなどの真菌感染が疑われる場合に使用する |
| ネブライザー療法 | 薬剤や生理食塩水を霧状にして吸入させ、気道の加湿や薬剤の投与に用いることがある |
| ビタミンA欠乏への対応 | ビタミンA欠乏が疑われる場合に、獣医師の管理下で食事改善や必要な補充を行う |
| 鼻腔・副鼻腔の処置 | 分泌物がたまっている場合に、洗浄や排出などの処置を行うことがある |
| 異物の除去 | 鼻孔や鼻腔に異物が確認された場合に、安全に取り除く |
| 保温・酸素吸入・支持療法 | 呼吸状態や全身状態に応じて、保温、酸素吸入、輸液、栄養補助などを行う |
抗菌薬の種類や投与量は、鳥種、体重、原因となる病原体などによって異なるため、自己判断で投薬してはいけません。
ドキシサイクリンやエンロフロキサシンなどが選択肢になることはありますが、すべてのくしゃみや鼻水に使用できるわけではありません。
必ず獣医師の診断と指示に従って使用してください。
エンロフロキサシンはぽちたま薬局でも取り扱いがございます。
※商品ページは犬猫用のご説明となっている点にご注意ください。
参考
鳥の呼吸器疾患の臨床的アプローチ(DVM360)(外部リンク)
受診までに飼い主さんができること

静かで暖かい環境を整える
体調を崩したインコは、体温を維持するために体力を消耗することがあります。
ケージの一部を普段より暖かくし、エアコンの風などが直接当たらないようにしましょう。
ケージ全体を同じ温度にするのではなく、インコが暖かい場所と涼しい場所を自分で選べるようにすることが大切です。
口を開ける、翼を体から離す、落ち着かないなどの様子がみられた場合は、温めすぎの可能性があります。
すでに開口呼吸などがみられる場合は、自宅で温度調整を続けるよりも、動物病院への連絡と受診を優先してください。
安静にして触りすぎない
呼吸器に異常があるインコは、捕まえられたり追い回されたりするだけでも体力を消耗します。
必要以上に触ったり、何度も状態を確認するために捕まえたりしないようにしましょう。
食事と飲水の状態を確認する
普段と比べて、食べる量や水を飲む量が減っていないか確認しましょう。
体調を崩したインコは、止まり木から移動するだけでも負担になることがあります。
いつも食べている餌と水を、無理なく口にできる位置へ置いてください。
食べる量・飲む量が減ると、体力や脱水状態が急速に悪化する可能性があるため、早めの受診が必要です。
症状を記録する
受診前に、以下の内容を記録しておくと診察に役立ちます。
- くしゃみが始まった時期
- くしゃみの頻度や続き方
- 鼻水の色・量・粘り気
- 呼吸音や鳴き声の変化
- 食べた量と飲水量
- 体重の変化
- 普段与えている食事
- スプレーや芳香剤などを使用したか
- 新しい鳥を迎えたか、ほかの鳥と接触したか
可能であれば、くしゃみや呼吸の様子を動画で撮影しておきましょう。
ただし、撮影のために捕まえたりしてインコを興奮させないよう注意してください。
清潔な環境を保つ
- 餌入れ・水入れを毎日洗浄する
- ケージ内のフンや食べかすをこまめに取り除く
- 換気を行い、空気が滞らないようにする
- カビの生えた餌や敷材を使用しない
- タバコの煙・スプレー・芳香剤をケージ周辺で使わない
呼吸器症状のある鳥とほかの鳥を同じ部屋で飼育している場合は、感染症の可能性も考えられます。
可能な範囲で生活スペースを分け接触を避けたうえで、動物病院へ相談してください。
やってはいけないNG行動
- 自己判断で抗菌薬や抗真菌薬を与える
- 以前処方された薬の残りを使用する
- 症状が改善したからと自己判断で薬を中止する
- 人間用の風邪薬や点鼻薬を使用する
- 鼻孔に綿棒やピンセットを入れる
- 鼻水を取るために鼻周りを強くこする
- 呼吸が苦しそうな鳥を無理に捕まえる
- 自己判断で水や流動食を口へ流し込む
良かれと思って行った処置が、症状を悪化させることもあります。
薬の使用や強制給餌、鼻孔の処置などは自己判断で行わず、獣医師へ相談してください。
食事とビタミンAを見直す
シード中心の食事を続けている場合は、ペレットや緑黄色野菜などを取り入れ、栄養バランスを整えることが大切です。
にんじん、小松菜、ブロッコリーなどには、体内でビタミンAとして利用されるβカロテンなどが含まれています。
しかし、ビタミンAは過剰摂取にも注意が必要な栄養素です。
すでに総合栄養食のペレットを十分に食べているインコでは、ビタミンサプリメントを追加すると、ビタミンAなどを過剰に摂取する可能性があります。
栄養の偏りが気になる場合は、獣医師に相談したうえで、鳥用の栄養補助食品を取り入れる方法もあります。
ぽちたま薬局では、鳥用の栄養補助食品も取り扱っています。
※くしゃみや鼻水がある場合は、栄養補助食品だけで対応せず、鳥を診られる動物病院へ相談してください。
くしゃみや鼻水を繰り返さないための日常ケア
くしゃみや鼻水は、原因が十分に取り除かれていない場合に再発することがあります。
治療を終えた後も、獣医師の指示に従って日常のケアを続けましょう。
| ケア項目 | 内容 |
|---|---|
| 食事の見直し | シードだけに偏らず、ペレットや野菜などを少しずつ取り入れて栄養バランスを整える |
| 温度管理 | 急激な温度変化や冷気を避け、鳥種や体調に合った環境を整える |
| 乾燥対策 | 極端な乾燥を避ける。加湿器を使用する場合は、水を毎日交換してタンクやフィルターを清潔に保つ |
| 換気・清掃 | 空気が滞らないよう定期的に換気し、ケージ・餌入れ・水入れを清潔に保つ |
| カビ対策 | 餌や敷材を湿った場所に保管せず、変色や異臭があるものは使用しない |
| 刺激物を避ける | タバコの煙・香水・スプレー・芳香剤・強い洗剤などをケージ周辺で使わない |
| 十分に休ませる | 夜は静かで暗い環境を整え、十分な睡眠時間を確保する |
| 体重を確認する | 定期的に同じ条件で体重を測り、食欲低下や体調変化の早期発見につなげる |
| 定期健診を受ける | 鳥を診られる動物病院で定期的に健康状態や食事内容を確認してもらう |
まとめ
単発で、鼻水などを伴わないくしゃみであれば、一時的な反応の可能性があります。
しかし、明らかに頻度が増えたり、鼻水や鼻周りの羽が汚れている場合は、何かしらの病気が関係している場合もあります。
特に、口を開けて呼吸している、呼吸に合わせて尾羽が大きく上下している、止まり木に止まれない等の場合は、速やかに動物病院へ連絡しましょう。
ぽちたま薬局では、インコ・オウム・文鳥などの鳥類に使用される医薬品なども取り扱っています。
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幼少期にやんちゃなビーグル・うさぎ・ハムスターと過ごしました。現在は動物と暮らしてはいませんが、オウムと猫の動画を見て栄養補給を欠かしません。








