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スコティッシュフォールドがかかりやすい病気は?確率・発症時期を解説

スコティッシュフォールドは高い人気を誇る、丸顔で折れ耳が特徴の猫です。
とても可愛らしい猫ですが、病気になる確率が高いとも言われています。

この記事では、スコティッシュフォールドがかかりやすい病気、病気になる確率、治療方法について詳しく解説していきます。

    【この記事の結論】

  • 立ち耳と折れ耳のスコティッシュフォールドではかかりやすい病気が異なる
  • スコティッシュフォールドの平均寿命は10~13歳
  • 骨軟骨異形成症は完治が難しく、治療は対症療法となる
  • 外耳炎など耳の病気は日ごろからの耳掃除で予防を
  • 気になる症状がある場合は、獣医師に相談すること

スコティッシュフォールドの立ち耳・折れ耳について

スコティッシュフォールドは折れた耳の印象が強い猫ですが、実、立ち耳(スコティッシュストレート)の猫もいます。

スコティッシュフォールドが立ち耳になる確率は約70%、折れ耳になる確率は約30%で、耳が折れる原因は軟骨異形成という遺伝性の病気によるものです。

折れ耳のスコティッシュフォールド同士で繁殖させると、遺伝によって折れ耳の猫が生まれます。

立ち耳の猫はスコティッシュフォールド同士の繁殖では生まれず、アメリカンショートヘアやブリティッシュショートヘアーと交配することで生まれ、立ち耳同士で繁殖させると折れ耳は生まれません。

立ち耳のスコティッシュフォールドは、耳が折れる軟骨異形成の遺伝子を持たずに生まれるため、軟骨異形成症になる確率は低いとされています。

また、耳が折れていないため、折れ耳のスコティッシュフォールドに比べると耳の通気性が良く、外耳炎にかかりにくいと言われています。

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気

スコティッシュフォールドがかかりやすいと言われている病気を、それぞれ紹介します。

骨軟骨異形成症(骨瘤)

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気の1つが、骨軟骨異形成症(遺伝性の骨形成の異常症)です。
スコティッシュフォールドの特徴である折れ耳は、この骨軟骨異形成の症状によって耳が折れていることによるものです。

骨軟骨異形成症は遺伝性の病気であり、耳以外では手首や足首に骨瘤ができる、痛みを覚える、歩き方がぎこちなくなったり、引きずるようになるなどの症状があります。

スコティッシュフォールドで有名な「スコ座り」(人間のように足を前に投げ出して上体を起こす座り方)も、通常の猫の座り方では痛みを感じたり、体に負担があることが原因ではないかと考えられています。

なお、折れ耳のスコティッシュフォールドは、必ず骨軟骨異形成症にかかっています。
一方、立ち耳のスコティッシュフォールドは骨軟骨異形成の遺伝子を引き継いでいないため、この病気にかからない、またはかかっても軽症で済む場合があります。

外耳炎

折れ耳のスコティッシュフォールドは耳が折れているので通気性が悪く、雑菌が繁殖しやすい状態にあるため、耳の皮膚に炎症が起こる外耳炎にかかりやすいです。

眼瞼内反症

目が大きいためまつげが当たりやすく、角膜炎や結膜炎な目の病気にかかりやすいです。

肥大型心筋症

心筋が肥大化して心不全を引き起こしたり、血栓ができやすくなります。

尿路結石症

スコティッシュフォールドに限らず、猫全般に起きる病気です。
腎臓や尿管、膀胱、尿道などで結石ができます。

多発性嚢胞腎

遺伝性の病気であるとされ、腎臓にある嚢胞が腎臓を圧迫して腎不全を引き起こします。

スコティッシュフォールドが病気になる確率

折れ耳のスコティッシュフォールドは、100%の確率で骨軟骨異形成症になります。
骨軟骨異形成症が原因で耳が折れているため、症状に差はありますが必ず骨軟骨異形成症にかかっています。

また、他の猫よりも尿管結石や尿路症候群など病気の発症リスクが高いとされています。

スコティッシュフォールドの病気の発症時期

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気の発症時期を紹介します。

・骨軟骨異形成症
満1歳になる前から進行が始まる
※確率は低いが、立ち耳のスコティッシュフォールドも発症する可能性はあるため注意が必要。

・外耳炎
1歳以降から発症しやすくなる。
また、耳ダニなど寄生虫による感染リスクもある

・肥大型心筋症
7歳以降から発症しやすくなる

スコティッシュフォールドの寿命

スコティッシュフォールドの平均寿命は10~13歳です。
骨軟骨異形成症など遺伝的な病気にかかりやすいため、普段から注意深く様子を見ることや、健康管理が大事です。

特に骨軟骨異形成症は発症すると完治が難しいため、定期的に動物病院で検診を受けることをおすすめします。

スコティッシュフォールドの病気の治療方法

スコティッシュフォールドが特にかかりやすい病気、骨軟骨異形成症は完治が難しい病気です。

そのため、治療は主に対症療法で関節炎や痛みの緩和が中心となるため、骨軟骨の形成異常を止めたり、治したりするものものではありません。

対症療法であることを前提として行われる治療方法は、主に以下の3つです。

・外科手術
骨瘤の切除と関節の固定
・放射線治療
重度の骨軟骨異形成症の際に行う
・投薬治療
鎮痛剤などで痛みを緩和

治療にかかる費用

スコティッシュフォールドの治療にかかる費用は、以下の通りです。

・外科手術:約20万円
+入院(3~4日程度)が必要なため入院費も。
・放射線治療:1回の治療が約5万円。数回行う必要がある。
・投薬治療:鎮痛剤やサプリメントなど1回約5千円~1万円

骨軟骨異形成症は発症したら完治するものではなく、生涯ずっと付き合う必要がある病気です。

軽症であれば鎮痛剤やサプリメントなどの投薬治療で済みますが、生涯ずっと投与し続けるとなると、治療費も積み重なって高額になります。

そのため、最初は獣医師に薬を処方してもらい、次回以降は同じ効果の薬を通販で安く購入して治療費の負担を軽減するという方法もあります。

病気の予防方法

スコティッシュフォールドがかかりやすい病気のうち、骨軟骨異形成症は予防方法がないため、発症した場合は対症療法が中心となります。

そのため、日常生活でできることは激しい運動をさせない、段差を減らす、キャットタワーを上りやすくするなど足の負担を減らすことです。

また、定期的な健康診断でレントゲン写真を撮ってもらい、病気の早期発見に務めるのも一つの方法です。

外耳炎など耳の病気については、日頃から耳掃除をしておくことで予防ができます。
また、耳ダニなど寄生虫対策の薬を使うのも有効な方法です。

外耳炎は特に湿気の多い時期に注意が必要なため、耳の汚れや臭いが気になったら、早めに動物病院で診察を受けてください。

肥大型心筋症、多発性嚢胞腎症などの病気は、骨軟骨異形成症と同じく予防方法がないため、定期的な健康診断を欠かさず受けることで早期発見・治療に繋げられます。



気になる症状があったら獣医師に相談

折れ耳のスコティッシュフォールドは遺伝的に骨軟骨異形成症にかかっており、外耳炎などの病気にもかかりやすいです。
また、立ち耳のスコティッシュフォールドも骨軟骨異形成症に全くかからない訳ではありません。

もし歩き方がおかしいなど普段と違う行動をしていたり、気になる症状が出ていた場合はすぐに獣医師に相談してください。

まとめ

  • スコティッシュフォールドには立ち耳と折れ耳がいる
  • 折れ耳のスコティッシュフォールドは必ず骨軟骨異形成症にかかっている
  • 折れ耳のスコティッシュフォールドは外耳炎にかかりやすい
  • 立ち耳のスコティッシュフォールドは骨軟骨異形成症や外耳炎にかかりにくい
  • スコティッシュフォールドの平均寿命は10~13歳
  • 骨軟骨異形成症は完治が難しく、治療は対症療法となる
  • 骨軟骨異形成症は予防法がないため、定期的な健康診断が大切
  • 外耳炎など耳の病気は日頃からの耳掃除で予防を
  • 気になる症状がある場合は、獣医師に相談すること


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