「ご飯、全然食べてくれないな…」
でも元気はあるから動物病院に行くべきか迷ってしまう…。
そんな悩みを経験している飼い主さんは多いのではないでしょうか?
基本的には元気であれば様子を見ても良いのですが、食欲不振は数日続くと命の危険のある病気に発展する恐れがあることを知っておきましょう。
この記事では、猫の食欲不振の原因と対処法、そして気を付けなければならない病気について触れていきます。
目次
猫の食欲不振は何が原因?
猫の食欲不振には、以下のような原因が考えられます。
食欲不振の原因は…?
- 体質/性格
- 好み
- ストレス
- 病気
猫は繊細な子が多く、些細なことで機嫌を損ねて食欲がなくなってしてしまう場合も。
飼い主さんの多くは、今回が初めてではないという方がほとんどでしょう。
猫には、少しずつしか食べない、すぐ飽きる、フードにこだわりがあるなど、食欲が一定ではない子もいます。
さらに、気候や騒音などにストレスを感じてしまうなど、猫が食欲不振になる原因はさまざまです。
参考
犬と猫の食欲と行動学の関わり(外部リンク)
食欲不振の症状が現れる病気
症状として食欲不振が現れる病気は多岐にわたります。
一例として以下にまとめました。
- 口内炎、歯周病、口腔内腫瘍
- 腎臓病(慢性腎不全)
- 猫風邪(ヘルペス・カリシウイルス・クラミジア)
- FIP(猫伝染性腹膜炎)
- 胃捻転、腸閉塞、便秘 など…
あくまで一例ですので、紹介した以外にも猫の食欲不振には様々な病気が隠れていることがあります。
中には腎不全や腫瘍など、命に関わる病気もある点は見過ごせません。
元気があるなら様子見でもいい?
食欲不振でも「元気はある」という場合もあります。
そのような状態であれば、1日程度は様子を見ても問題ありません。
ただし、これは成猫で他に気になる症状がないというケースに限られます。
基本的に子猫やシニア期の猫、他に病気がある場合には早めの対処が必要です。
これらに該当する場合、様子を見ている間に状態が悪化する恐れもありますので、早めに動物病院を受診しましょう。
元気でも油断できない「肝リピドーシス」とは?
愛猫が食欲不振の場合「肝リピドーシス」の存在を頭に入れておく必要があります。
肝リピドーシスは、エネルギー不足によって肝臓の機能が低下し様々な症状をもたらす病気です。
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
- 体重の減少
- 脱水(皮膚の乾燥や毛艶の低下)
- 意識障害
- 食欲低下、嘔吐
無治療だと死亡してしまうケースも少なくありません。
しかしそれ以上に厄介なことが、治療には食事が必要な上に快方に向かうには数ヶ月を要するという点です。
死亡例も多く、治療も困難。
このことから、いくら元気だったとしても、愛猫の食欲不振には注意を払う必要があるのです。
「肝リピドーシス」は死亡リスクが高く治療も困難な病気、今のうちに知っておくことをオススメします。
猫にご飯を食べてもらう方法について
1日程度の食欲不振は問題ないといっても、愛猫が毎日ご飯を食べることに越したことはありません。
肝リピドーシスのリスクを避けるためにも、食欲がないときは、以下のような方法を試してみましょう。
食の好みを探る
猫にも食の好みがあり、フードを切り替えると食べてくれなくなる場合があります。
また、同じフードに飽きて食欲がなくなるケースもあるでしょう。
そんなときは、愛猫の好みを見極めて食事を見直すことも大切です。
食べてもらう為の工夫
- フードの種類を変えてみる
- ドライフードにウェットフードを混ぜてみる
- ぬるま湯やささみのゆで汁等でふやかしてみる。
- ウェットフードは軽く温めて香りを立たせる
- フードボウルを変えてみる
など工夫をしてみましょう。
ストレスの原因を取り除く
ストレスは、猫の食欲不振を招く原因のひとつ。
猫がストレスを感じる原因には、以下のようなものがあります。
猫の主なストレス要因
心当たりはありませんか?
- 引っ越し
- 部屋の模様替え
- フードボウルを変えた
- 家族が増えた(結婚やペット、人間の赤ちゃんなど)
- 知らない人が家に来た
- 長時間の留守番
- 気温の変化
- 苦手な音(雷、風、地震、騒音など)
- 飼い主さんに遊んでもらえない
- キャットフードを変えた
- 食事やトイレの場所に人がよく通るので落ち着かない
これらのストレスに、心当たりはありませんか?
思い当たる方は原因を取り除き、ストレスがたまらないようにしてあげましょう。
もしもの時は強制給餌
いろんな方法を試しても食欲が戻らない、命の危険があるケースには強制給餌が用いられる場合もあります。
強制給餌とは、飼い主さんの指やシリンジを使い、食欲がない子に強制的に食事させることです。
愛猫に強制給餌が必要な場合は、以下のようなものを準備しましょう。
強制給餌に必要な物
- 高栄養のウェットフード(ドライフードはフードプロセッサーなどで滑らかなペースト状にする)
- シリンジ
- 大きめの毛布やタオル
落ち着かせるために毛布などで優しく包み、ペースト状にしたフードを猫の上顎に塗る、もしくはシリンジで直接食べさせます。
強制給餌はやり方が難しく、長時間行うと猫から嫌われてしまう可能性もある点に注意しましょう。
強制給餌の具体的なやり方と注意点については、コチラの記事を参考にどうぞ。
食欲増進剤を使用する
食欲増進剤は、猫の食欲を刺激してくれるお薬です。
自発的に食べることを促してくれるので、何をしても食欲が戻らない猫でも改善される場合があります。
強制給餌のようにいくつもの道具を用意する必要がなく、愛猫との信頼関係が崩れてしまう心配もありません。
また、食欲増進剤には飲み薬や液剤、塗り薬など種類が豊富で、猫の性格や好みに合わせて選択できる点も優秀です。
オススメの食欲増進剤の効果や使い方については、コチラの記事を参考にどうぞ。
参考
食欲不振のメカニズムと食欲増進薬(外部リンク)
「よくあること」で片付けないで、よく観察を!
猫の食欲不振は、元気があれば1日程度は様子見しても問題ありません。
しかし、よくあることだからと慣れてしまうのは、とても危険です。
上述したように、肝リピドーシスを発症すれば命を落としてしまう可能性があります。
愛猫の食欲がないときは他に異変がないか、よく観察することが重要。
気になる様子がある、食欲が戻らない場合はすぐに動物病院を受診しましょう。

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このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。