猫のオールインワンの寄生虫駆除薬といえば、「ブロードライン」が有名ですが、2023年12月にメーカーで生産終了となったため動物病院でのストックがなくなり次第、「ネクスガードキャットコンボ」という新しいお薬に切り替わるようです。
しかしこのネクスガードキャットコンボは、いったいどういう薬なのでしょうか?
ちゃんとブロードラインと遜色なく使えるのか、価格は上がらないのか、不安ですよね?
今回はそんなネクスガードキャットコンボとブロードラインの違いについて、詳しく解説します。
目次
ネクスガードキャットコンボとブロードラインの違い
ネクスガードキャットコンボとブロードラインは、猫用の寄生虫駆除薬です。
2つの商品の一番の違いは、駆除できる寄生虫の数です。
ネクスガードキャットコンボの方が駆除できる数が多く、10種類の寄生虫駆除と予防ができます。
他にもいくつかの違いがあるので、それぞれ解説していきます。
ミミヒゼンダニ・犬小回虫も駆除できる
ブロードラインでは駆除できなかったミミヒゼンダニ(耳ダニ)・犬小回虫が、ネクスガードキャットコンボでは駆除できるようになりました。
新しく駆除の対象となった犬小回虫は名前に「犬」がついていますが、犬・猫どちらにも寄生する寄生虫です。
また、犬小回虫は人にも寄生することがあるため注意が必要であり、猫に寄生している場合は駆除しておくことが大切です。
妊娠中・授乳中の猫にも使用可能
ネクスガードキャットコンボは妊娠中・授乳中の猫への安全性が確認されているので、安心して使用できます。
一方ブロードラインは妊娠中、授乳中の猫に対しての安全性試験が実施されていません。
他のお薬による治療や予防が困難な場合にのみ使用と制限があるため、安易には使用できないという違いがあります。
【参考リンク】
ネクスガード キャット コンボ®
動物用医薬品等データベース|ブロードライン
子猫にも使用可能
ネクスガードキャットコンボとブロードラインは、両方とも子猫に使用できます。
ただし、使用可能な子猫の範囲に違いがあります。
・ネクスガードキャットコンボ
┗生後8週齢の子猫から使用可能
・ブロードライン
┗生後7週齢の子猫から使用可能
ネクスガードキャットコンボについて
ネクスガードキャットコンボは、猫用の寄生中駆除薬です。
犬の寄生虫駆除薬として有名なネクスガードシリーズの商品で、体重0.8㎏以上から使用できます。
猫用の寄生虫駆除薬の中では最も多くの寄生虫を駆除・予防できるオールインワンのお薬であり、ブロードラインの上位版として発売されています。
動物病院では、ブロードラインからネクスガードキャットコンボに切り替えて処方するところも増えています。
【参考リンク】
動物用医薬品等データベース|ネクスガードキャットコンボ
ネクスガードキャットコンボの効果
ネクスガードキャットコンボでは、10種類の寄生虫の駆除と予防ができます。
駆除・予防対象の寄生虫は下記の通りです。
予防 | |
---|---|
駆除 |
ネクスガードキャットコンボの有効成分
ネクスガードキャットコンボには、3種類の有効成分が含まれています。
それぞれの成分には以下の働きがあります。
エサフォキソラネル | |
---|---|
エプリノメクチン | |
プラジクアンテル |
ネクスガードキャットコンボの副作用
ネクスガードキャットコンボの副作用には、以下の症状があります。
・一過性の流涎
・投与部位の脱毛、掻痒(かゆみ)
副作用は一時的な症状であることが多いですが、症状が長引いたり悪化する場合は、動物病院で診察を受けてください。
ネクスガードキャットコンボの使い方
ネクスガードキャットコンボは、スポットオンタイプ(滴下タイプ)です。
知名度の高い犬用のネクスガードやネクスガードスペクトラがおやつタイプなので、ネクスガードキャットコンボもおやつタイプと思われることもありますが、スポットで塗布する外用薬ですので違いにご注意ください。
・月に1回、猫の肩甲骨の間にあたる部分の被毛をかき分けて、皮膚の部位に1本分の薬液を滴下します。
※1回の投与で約1か月間、効果が持続します。
こんな猫ちゃん、飼い主さんにおすすめ
- 外に出る期間が多い猫
- 生後8週齢の子猫
- 保護した野良猫
- 妊娠中。授乳中の猫
- 1つのお薬でたくさんの寄生虫駆除・予防をしたい飼い主さん
ブロードラインについて
ブロードラインは、ネクスガードキャットコンボと同じく猫用の寄生虫駆除薬です。
8種類の寄生虫駆除・予防が行え、ネクスガードキャットコンボが発売されるまでは駆除・予防できる寄生虫が一番多いお薬でした。
特徴として子猫は生後7週齢から使用でき、体重制限もありません。
上記の点については、ネクスガードキャットコンボよりも優れています。
【参考リンク】
ブロードライン|ノミダニフィラリア.com
ブロードラインの効果
ブロードラインでは、8種類の寄生虫の駆除と予防ができます。
駆除・予防対象の寄生虫は下記の通りです。
予防 | |
---|---|
駆除 |
ブロードラインの有効成分
ブロードラインには、4種類の有効成分が含まれています。
それぞれの成分には以下の働きがあります。
フィプロニル | ノミ・マダニ類の神経に作用し死滅させる |
---|---|
(S)-メトプレン | ノミの発育を阻害する |
エプリノメクチン | 寄生虫の神経細胞に作用して麻痺を起こし、死滅させる |
プラジクアンテル | 寄生虫の外皮を空洞化させ、寄生虫を死滅させる |
ブロードラインの副作用
ブロードラインの副作用には、以下の症状があります。
・一過性の過敏症(投与部位のかゆみ、発赤、脱毛)
・一過性の流涎
副作用は一過性のものですが、症状が長く続く・悪化する場合は、動物病院で診察を受けてください。
ブロードラインの使い方
ブロードラインは、スポットオンタイプ(滴下タイプ)です。
・月に1回、猫の肩甲骨の間にあたる部分の被毛をかき分けて、皮膚の部位に1本分の薬液を滴下します。
※1回の投与で1か月間、効果が持続します。
こんな猫ちゃん、飼い主さんにおすすめ
- 外に出る期間が多い猫
- 生後7週齢の子猫
- 保護した野良猫
- 体重制限のないお薬を使いたい飼い主さん
- なるべく多くの寄生虫駆除・予防をしたい飼い主さん
ネクスガードキャットコンボとブロードラインはどちらが良い?
ネクスガードキャットコンボとブロードラインは、両方とも駆除・予防できる寄生虫の数が多いお薬です。
どちらが良いか迷った場合は、下記を参考にしてください。
・妊娠中、授乳中の猫にも使用したい
・ミミヒゼンダニ(耳ダニ)や犬小回虫など、より多くの寄生虫駆除効果を求める
→ネクスガードキャットコンボがおすすめ
・生後7週齢の子猫に使用したい
・ネクスガードキャットコンボでは体重制限(0.8㎏以上)に引っかかってしまう
→ブロードラインがおすすめ
よくある質問
ネクスガードキャットコンボとブロードラインについてよくある質問をまとめていますので、参考にしてください。
ネクスガードキャットコンボやブロードラインは楽天やAmazonで買える?
ネクスガードキャットコンボとネクスガードの違いは?
ブロードラインとフロントラインの違いは?
ネクスガードキャットコンボを舐めたらどうなる?
まとめ
- 駆除・予防できる寄生虫の数がより多いのはネクスガードキャットコンボ
- ネクスガードキャットコンボは妊娠中、授乳中の猫にも使用できる
- ブロードラインの使用には体重制限がない
ネクスガードキャットコンボとブロードラインの違いは、駆除できる寄生虫の数です。
どちらの商品を選んだらいいか迷う場合は、駆除したい寄生虫によって選んでください。
ミミヒゼンダニ(耳ダニ)や犬小回虫も駆除したいなら、ネクスガードキャットコンボを選ぶと良いでしょう。
しかしながら、ブロードラインはメーカーでの生産が終了しているため、国内の動物病院でも徐々にネクスガードキャットコンボへの切り替えが始まっています。
猫のオールインワンは選択肢が少ないため、ネクスガードキャットコンボへ切り替えを検討してみてください。
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このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。