キャベツ、あげて大丈夫ですよ。生でも茹ででも食べられます。細かく刻んであげてください。
芯はかたいので、薄く切って茹でるか、取りのぞいて。野菜炒めやロールキャベツなど、味つけした料理はあげないで。
量は、体重5kgの子で1日約40gまで(キャベツの葉1枚より少し少ないくらい)が目安です。
よく聞かれることは、こちらからどうぞ。
犬の食べ物コラム一覧
とんかつの付け合わせにキャベツを千切りしていると、シャキシャキという音にワンちゃんが耳を立てて飛んでくる。床に落ちたひとかけらを、得意げに食べていた。そんな経験のある方も多いと思います。
この記事では、愛犬にキャベツをあげるときに知っておきたいことを、順番にまとめました。
犬にキャベツをあげても大丈夫?
大丈夫です。キャベツは、玉ねぎやぶどうのように「犬が食べると中毒を起こす成分」が知られている野菜ではありません。ドッグフードの原材料にもよく使われています。
気をつけたいのは、次の4つです。
- 細かく刻む(大きい葉や長い千切りのまま飲み込ませない)
- 芯は薄く切って茹でるか、取りのぞく(かたい)
- 味をつけない(野菜炒め・ロールキャベツ・コールスローはなし)
- 少しずつ(水分と食物繊維で、たくさん食べるとお腹がゆるくなりやすい)
キャベツって、犬にとって何がいいの?
キャベツを成分表の数字で並べると、こうなります。
| キャベツ 100gあたり | ||
|---|---|---|
| 生 | 茹で | |
| エネルギー | 23kcal | 19kcal |
| 水分 | 92.9g | 93.9g |
| 脂質 | 0.1g | 0.2g |
| 食物繊維 | 1.8g | 2.0g |
| ビタミンK | 79μg | 76μg |
文部科学省 食品成分データベース(日本食品標準成分表(八訂)増補2023年)の「キャベツ 結球葉 生」「キャベツ 結球葉 ゆで」より。
- カロリーがとても低い。100gで23kcalと、かさのわりに軽い野菜です。ダイエット中の子の「かさ増し」にも使えます
- ほとんどが水分。生でも90%以上が水分です
- 脂肪がほとんどない。100gあたり0.1〜0.2gです
- 食物繊維を含む。便通に関わる成分です(多すぎるとお腹がゆるくなります)
- ビタミンKを含む。犬にも必要なビタミンのひとつです
「キャベツのビタミンU(S-メチルメチオニン)が胃腸を整える」という説明もよく見かけます。人の胃腸薬の成分としても知られていますが、犬で確かめた研究は、見つけられませんでした。「胃腸のために食べさせる」ではなく、軽くてシャキシャキした、喜んで食べてくれるおやつくらいに考えるのがちょうどいいと思います。
気をつけたいのは、どこ?

生のままでも大丈夫?
生でも大丈夫です。シャキシャキした食感が好きな子も多いですよね。ただ、生の葉はかたくて、大きいままだと噛まずに飲み込みやすいので、次の点に気をつけてください。
- 細かく刻む(みじん切りくらいが安心)
- 長い千切りのまま渡さない。のどや口の中にからみつくことがあります。短く切ってから
- お腹が弱い子や、はじめての子は、茹でてやわらかくしてからのほうが安心です
生と茹ででは、カロリーや食物繊維はほとんど変わりません。大きく違うのはカリウムで、茹でると生の半分以下(100gあたり生190mg・茹で92mg)になります。カリウムを気にしている子は、茹でて茹で汁を捨てるのがおすすめです。
芯も食べられる?
食べられます。ただ、芯は葉よりずっとかたい部分なので、薄く切ってからやわらかく茹でて、細かく刻んでください。小型犬や早食いの子なら、取りのぞいてしまってもかまいません。生の芯をかたまりのまま渡すのは避けましょう。
紫キャベツは?
あげてもかまいません。色が濃いだけで、扱い方はふつうのキャベツと同じです。成分表では、ふつうのキャベツより食物繊維がやや多め(100gあたり2.8g)なので、量は少し控えめに。
文部科学省 食品成分データベースの「レッドキャベツ 結球葉 生」より。
はじめての子は、ほんの少しから
キャベツはブロッコリーや大根と同じアブラナ科の野菜です。どんな食べ物でも体に合わない子はいるので、はじめてのときは刻んだものをひとつまみだけ。その日は、いつもと違うところがないか見てあげてください。
口のまわりや体をかゆがる、赤くなる、吐く、下痢をする。こうしたようすがあれば、次からはあげないようにして、続くときは動物病院に相談しましょう。
どうやってあげればいい?
キャベツのあげ方
1. 葉を1枚はがして、よく洗う
2. 芯の太い部分は切りとる(あげるなら薄く切る)
3. 生なら細かく刻む。茹でるなら塩を入れずにやわらかく
4. 茹でたら冷ましてから刻む
5. 味つけせずにあげる
毎日あげてもいい?
下の表の量に収まっていれば、毎日でもかまいません。ただ、ごはんの代わりにはしないで、トッピングやごほうびとして少し添えるくらいがおすすめです。便がゆるくなるようなら、量を減らしてください。
野菜炒めやロールキャベツは?
あげないでください。味つけの塩分に加えて、炒めものは油を吸っています。成分表で見ると、油で炒めたキャベツは100gで78kcal、脂質6.0gと、生のキャベツ(23kcal・0.1g)の3倍以上のカロリーです。玉ねぎが一緒に入っていることも多い料理です。
あげるなら、味つけと油を入れる前に、生か茹でたものを少し取り分けておきましょう。玉ねぎの入った料理を食べてしまったときは、犬が玉ねぎを食べてしまったときの見かたを確認してください。
文部科学省 食品成分データベースの「キャベツ 結球葉 油いため」より。
どれくらいまであげていい?
おやつやトッピングは、1日に必要なカロリーの10%までが目安とされています(世界小動物獣医師会・WSAVAの栄養ガイドライン)。生のキャベツの重さに直すと、こうなります。
| 体重別・1日の上限(生または茹で) | ||
|---|---|---|
| 体重 | カロリー上の 上限 |
実際の目安 |
| 2kg | 約82g | 約20g以下 |
| 5kg | 約163g | 約40g以下 |
| 10kg | 約274g | 約65g以下 |
| 20kg | 約461g | 約115g以下 |
| 30kg | 約624g | 約155g以下 |
算出方法:安静時エネルギー要求量(RER)=70×体重(kg)の0.75乗、1日に必要なカロリー=RER×1.6(避妊去勢済みの健康な成犬の係数)とし、その10%を生のキャベツ100gあたり23kcalで割ったもの。「実際の目安」はその4分の1を、切り捨てて丸めた値です。茹でたキャベツは少し軽い(19kcal)ので、同じ量でかまいません。

葉っぱ1枚で、だいたい50g
キャベツの葉1枚は、大きさにもよりますが50gくらいです。体重5kgの子なら1枚より少し少ないくらい、10kgの子なら1枚と少しが目安になります。
キャベツはとても軽い野菜なので、カロリーで計算すると上限がかなり多めに出ます。でも、ほとんどが水分で、かさが大きい食べ物です。一度にたくさん食べると、カロリーより先にお腹がゆるくなります。なので実際は表の右の列で考えてください。
食べすぎちゃったときは?
| ようすと、見かた | |
|---|---|
| おならが 増えた |
アブラナ科の野菜ではよくあることです。量を減らせばおさまることがほとんどです |
| 便が ゆるくなった |
1日ようすを見て、お水はいつでも飲めるように。下痢が続くなら受診を |
| うんちに 緑のかけら |
噛まずに飲み込んだ葉が、消化されずに出てきたものです。元気なら心配いりません。次からは細かく刻んで |
| 芯のかたまりを 丸呑みした |
吐く・食べない・便が出ないがあれば動物病院へ |
動物病院に連絡する目安
吐くのを繰り返す/ごはんを食べない/お腹を触られるのを嫌がる/便が出ない。どれかひとつでもあれば、動物病院へ。
電話のときに伝えることは、いつ・何を・どれくらい食べたか/体重/持病と飲んでいる薬/便と吐いた回数です。
かたいものを丸呑みしたときの見かたは、犬が骨を飲み込んだときの記事も参考にしてください。
こんな子は、やめておいたほうが安心です
| 先にかかりつけに相談したい子 | |
|---|---|
| 腎臓病・ 心臓病 |
療法食で管理している子は、自己判断であげないでください。キャベツはカリウムを含む野菜です(茹でると半分以下になります) |
| 甲状腺の 病気 |
アブラナ科の野菜と甲状腺の関係を気にする声があります。治療中の子は、先に相談を。食事全体の考え方は甲状腺機能低下症の犬の食事にまとめています |
| 胆のうの 病気 |
胆泥症などで食事の指示を受けている子は、トッピングも含めて先に相談を |
| 尿路結石 | 結石の種類によって食事の考え方が違います。療法食の子は、あげる前に相談を(最後の節も参考に) |
| お腹が 弱い子 |
生より茹でたものを、ほんの少しから |
| 子犬・ シニア犬 |
丸呑みしやすいので、やわらかく茹でて、細かく刻んで |
持病のある子は、キャベツに限らず、新しい食べ物をあげる前に一度相談しておくと安心です。この記事は獣医師の監修を受けたものではありません。
「キャベツで結石になる」って本当?
最後に、よく見かける説明について。「キャベツにはシュウ酸が含まれるので、シュウ酸カルシウム結石の子は注意」と書かれていることがあります。成分表で確かめてみました。

| シュウ酸(生・100gあたり) | |
|---|---|
| キャベツ | 0g |
| ブロッコリー | 微量 |
| ほうれん草 | 0.7g |
文部科学省 食品成分データベースの有機酸成分表「キャベツ 結球葉 生」「ブロッコリー 花序 生」「ほうれんそう 葉 通年平均 生」より。成分表の「0」は、検出されなかったか、ごくわずかという意味です。
日本の食品成分表では、生のキャベツのシュウ酸は「0」でした。シュウ酸が多い野菜としてよく名前が挙がるほうれん草(0.7g)とは、まったく違います。少なくとも「シュウ酸が多い野菜」とは言えません。
ただ、結石には種類があり、シュウ酸カルシウム結石とストルバイト結石では食事の考え方が違います。シュウ酸だけで食べ物の良し悪しは決められないので、結石の治療中や療法食の子は、キャベツに限らずトッピングを足す前に相談してください。
まとめ
- キャベツは、犬にあげて大丈夫な野菜。生でも茹ででも、細かく刻んで
- カロリーが低く、ほとんどが水分。かさ増しにも使える
- 芯は薄く切って茹でるか、取りのぞく。紫キャベツも扱いは同じ
- 野菜炒め・ロールキャベツなど、味つけした料理はあげない
- 量は5kgの子で1日約40gまで(葉1枚より少し少ないくらい)
- 生のキャベツのシュウ酸は成分表で「0」。ただ結石の子は、種類ごとに相談を
千切りを作るとき、刻む前の葉っぱを少しだけ取り分けておく。それを細かく刻めば、ワンちゃんの分のできあがりです。
冬に旬を迎える野菜では、犬にブロッコリーをあげるときや犬に大根をあげるときの注意点もまとめています。

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