オメガ3脂肪酸や抗酸化物質が豊富なことで知られるクルミ。
良質な脂肪と食物繊維、食感が少量でも満腹感を与えるので、ハイカロリーだけどダイエットにも適した食品として注目されています。
とはいえ、クルミのようなナッツ類は食べ始めると止まらなくなりがちです。オツマミやオヤツに一つまみだけと思っても、気が付けばごっそり食べてたなんてことも。
ところで先日、我が家でクルミを一粒床に落としてしまったとたん、愛犬が滑り込んできて食べてしまったのですが、犬的に大丈夫だったのでしょうか。
まぁ、ケロッとした顔で、いつも通りハァハァしてたのできっと平気だったのでしょう(と信じたい)。
今回はそんなクルミについて考えてみましょう。
目次
犬はクルミを食べても大丈夫?
そもそも少量であれば犬もクルミを食べて大丈夫です。
もちろん、人間用に味付けされたものはNGです。
与える時は、味付けがされていない生か素焼きのタイプを選びましょう。
ご存知の通り、クルミには必須脂肪酸が含まれています。
必須脂肪酸は私達だけでなく、犬にとっても必要な栄養素です。
必須脂肪酸とは生きていくうえで必要な栄養素でありながら、体内で生成できないために、食品を通じて外部から取り入れなければならない脂肪酸の総称です。
不足すると欠乏症を起こし、体調にも皮膚にも不調が出てきます。
また、クルミにはアンチエイジングにも効果があると言われていますが、これは犬でも同じです。
クルミに含まれる必須脂肪酸のオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が犬の皮膚・被毛のツヤとハリを維持し、赤ワインを上回る含有量のポリフェノールにより抗酸化作用も期待できます。
食べても良いクルミの量は?
言わずもがな、クルミはハイカロリーな食品です。
与える時はごく少量をご飯にトッピングして与える程度にとどめた方がよさそうです。
分量でいえば、1~2粒で充分ではないでしょうか。
【クルミに含まれる栄養素】
(クルミ100g中)
・カロリー:674カロリー
・食物繊維:7.5g
・たんぱく質:14.6g
・脂質:68.8g
・炭水化物:11.7g
果実が乗っていないショートケーキのカロリーが327kcal/100g中とのことなので、クルミがいかにハイカロリーな食べ物かお分かり頂けるかと思います。
摂りすぎると肥満の原因になることうけあいです。
また、クルミは食物繊維の量が7.5gとお高めです。
これは、食物繊維の多い野菜の代表格ともいえる、ゴボウよりも高い数値です。(ゴボウは5.7g/100g中でした)
雑食でも肉食寄りの動物である犬は、食物繊維の消化が得意ではないため、多すぎる食物繊維は下痢の原因となります。
また、良質とはいえ、クルミに含まれる必須脂肪酸も脂質ですので、摂り過ぎると消化不良の原因になります。
クルミを食べた時のデメリット
クルミをあげたときの、デメリットについて深掘りしてみます。
繰り返しになる項目もありますが、まとめてみました。
食べすぎによる肥満に注意
クルミは100g中のカロリーが674kcalとお高めなので、食べすぎると肥満を招くことがあります。
犬が一日に必要なカロリー量は
・2kgほどの超小型犬で188kcal
・20㎏の大型犬では1059kcal
とのことです。
とくに超小型犬などは、1日に必要なカロリー量が約200kcalも満たないほど少ないため、日々のフードに加えて一粒あげるだけでもカロリーオーバーになる可能性があります。
クルミの食べ残しをごっそり袋ごといかれないように、クルミの保管には充分な注意が必要です。
食物繊維と脂質による消化不良に注意
食物繊維はゴボウよりも多く、脂質は豚バラ肉よりも多い値でした。
(生の豚バラ肉の脂質は35.4g/100g中でした)
食物繊維は便通を良くする栄養素ですが、消化されない成分のため、食べすぎは下痢を引き起こす要因となります。
また、脂質も同様に消化のよい成分ではありません。
愛犬がクルミを多く口に入れてしまったときは、その後の便の様子を確認しましょう。
丸飲みによる喉つまりに注意
犬は、食べ物を丸飲みすることも多いので、丸ごとのまま口に入れて、喉に詰まらせてしまう可能性があります。
特に小型犬は、注意してあげたいものです。
あげる時は細かく砕くか、ペースト状にすりつぶしてあげるのが良いでしょう。
古いクルミの食品中毒に注意
ここ近年、古いクルミの実から、「アフラトキシン」というカビの毒が検出されました。
これは非常に発がん性が高いカビ毒で、微量で肝臓がんを発症するおそれがあることが分かっています。
大袋でクルミを大量に購入した場合など、保管する場所に配慮するとともに、消費期限にも充分に気を付けましょう。
犬にクルミまとめ
クルミで摂取できる栄養素は、ほとんどが他の食材で賄うことができます。
わざわざリスクを冒してまで可愛い愛犬にクルミを与える必要はないのかもしれません。
ただ、ご主人様が無意識にパクついている謎の木の実に対して愛犬が興味を持つのは自然なこと。
可愛い瞳におねだりされてしまうと、どうしても食べているものをあげたくなっちゃう気持ちもわかります。
そんな時のために、与えて良い量やリスクを理解しておきたいものですね。
■参考リンク:文部科学省の食品成分データベース
■参考リンク:獣医師広報板「犬のカロリー計算」
ぽちたま薬局のメルマガ担当。
手術しても再発する愛犬の腫瘍に悩まされていましたが、ご飯を手作りに変えてから病気の改善を目の当たりに。
それから5年、手作りご飯のチカラを信じて毎日レシピとメルマガ企画を考える日々を過ごしています。