桃は基本的に犬に食べさせても大丈夫なフルーツです。
しかし、桃は口腔アレルギーの原因となることが分かっています。口腔アレルギーは花粉アレルギーとの関係性が指摘されているため、花粉症を患っているワンちゃんにとっては要注意の食べ物でもあります。
今回は犬に桃を食べさせるメリットとデメリットを解説します。
犬に桃を食べさせるメリット
即効性のエネルギーとなる炭水化物(糖質+食物繊維)が多く、水分量も豊富な桃は夏バテや肉体疲労時に最適な果物。
そんな桃にはどのような栄養素が含まれており、どんな効果が期待できるのでしょうか。
桃に含まれる犬に有益な栄養素
ジューシーなイメージの桃ですが、実はバナナよりも食物繊維が豊富で、桃の食物繊維の約半分は水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維には、お通じや腸内環境を改善する効果があります。
トコフェロールとも呼ばれていて、抗酸化作用やアンチエイジングに効果があります。
ビタミンEの欠乏は犬の健康を損ないますので、しっかりとフードや食事で与える必要があります。
体内の異物を解毒する、免疫機能を向上させるなどの作用があります。アスコルビン酸とも呼ばれています。
犬は肝臓でビタミンCを合成できる生き物ですが、肝臓でのビタミンC合成は個体差はありますが、最大で60mgと言われています。
一方、犬が1日に必要なビタミンCの量は小型犬500mg、中型犬1500mg、大型犬3000mgという説があるため、ビタミンCも食事で補って損はありません。
桃1個に含まれるビタミンCの量は約33mgです。
カリウムは細胞内外の水分やミネラルなどのバランスをコントロールする成分です。
カリウムの不足は脱力、神経過敏、不整脈などを発症する可能性があるため、きちんと食事で与える必要があります。
カリウムの必要摂取量はタンパク質の摂取量に比例するとされており、高タンパク質の食事を与えるときには、カリウムも補ってバランスを取る必要があります。
桃1個に含まれるカリウムの量は180mgととても豊富ですので申し分ありません。
桃が犬にもたらす効果
桃は「便秘解消」の効果が期待できます。
水溶性食物繊維が豊富で腸内環境を整え、保水性をあげることで便秘に働きかけます。
またビタミンは体の成長を保護してくれます。
さらに水分量が豊富なため、夏の暑い時期は熱中症対策としても最適です。
犬に桃を食べさせるデメリット
桃にはアレルギーや犬に有害な栄養素、種には毒があったりと、与え方には注意が必要です。
口腔アレルギー問題
桃を食べて唇や口、喉がイガイガしたり、痒みを感じたことはありませんか?
実はそれ、口腔アレルギー症候群というアレルギーで、犬も発症するのです。
口腔アレルギー症候群は、ハンノキ、オオバヤシャブシ、シラカンバの花粉症患者に多く発症することが分かっているので、花粉症を持っている犬は注意が必要です。
種は絶対に食べさせないで!
桃は犬が食べても大丈夫だと紹介してきましたが、注意しなければならないポイントがあります。
それは「種は絶対に食べさせてはいけない」ということです。
桃の種には「アミグダリン」という、犬にとって有害な成分が含まれています。
アミグダリンは、バラ科サクラ属植物の未熟果実の趣旨に含まれる青酸配糖体のことを指します。
犬のような動物が体内にアミグダリンを入れると、分解される時に青酸毒を発生させてしまうのです。
それにより中毒症状が現れたり、最悪の場合死に至る危険があります。
また種を食べさせてはいけない理由として、「のどに詰まらせやすい形状」をしていることも挙げられます。
犬が飲み込むと、窒息や腸に詰まるなどの危険が伴います。
もし腸に詰まってしまった場合には、開腹手術を行わなければならないので、十分に注意してください。
桃の皮や缶詰はNG
桃の皮は消化しにくかったり、農薬残留の危険があったりするので、与えるのは基本的にNGです。
また桃の缶詰はシロップに大量に砂糖が入っています。
糖分の過剰摂取は肥満に繋がりますので、缶詰のものを与えないようにしましょう。
犬に桃まとめ
食物繊維と水分をたくさん含んだ桃は犬にとっても有益なようです。しかし、わざわざあげるほどでもないのも確か。
一番のメリットは、飼い主さんとほんのりと甘酸っぱくてジューシーな桃の美味しさを共有できることではないでしょうか。
種の問題がありますので、与えるときは、飼い主さんと同じように皮をむいて切り分けた物を少量与えるようにするとよいでしょう。
ぽちたま薬局のメルマガ担当。
手術しても再発する愛犬の腫瘍に悩まされていましたが、ご飯を手作りに変えてから病気の改善を目の当たりに。
それから5年、手作りご飯のチカラを信じて毎日レシピとメルマガ企画を考える日々を過ごしています。