半ば強引にペットの手作りご飯を広めようとしているぽちたまブログですが、全てをいきなり手作りに変えるいうのは無茶な話です。
前回の記事「市販品と手作りペットフードのメリット・デメリット」にも書きましたが、手作りご飯はレシピに頼らずに作るとカロリーや栄養バランスの計算などが面倒ですし、栄養が偏れば愛犬・愛猫の体調が崩れるリスクがあります。
また、私たちのご飯とは別にもう一品作らなければいけないのは結構な手間です。
ですので、まずは現在の市販フードを1~3割ほど減らして、生の素材や調理したものを「トッピング」することから始めてみるのはどうでしょうか。
ヨーグルトや納豆、野菜のみじん切りなどを普段のフードにトッピングするだけならスグにでも始められそうです。
必要な栄養はトッピングのベースとなる市販フードである程度まかなえているので、初めのうちはそれほど栄養バランスを気にしなくても大丈夫です。
まずは始めてみて、愛犬・愛猫の体重や毛艶、ウンチなど体調の変化を観察しながら色々な食材を試してみて、カロリーや栄養素を覚えていけばよいでしょう。
そして徐々に手作りご飯の割合を増やしながら最終的に完全手作りに切り替えていく方法なら、健康を損なわず手作りご飯にシフトできるので安心です。
目次
ペットの手作りご飯にレッツチャレンジ!
ベースとなるペットフードはいつも食べているものにします。
トッピングするので、分量はいつもより1~3割少なめに。
愛犬・愛猫の様子をみながら市販フードと手作りの割合を徐々に変えていき、フェードイン・フェードアウトさせます。
今回は完全手作りフードに移行するまでの4つのステップをご紹介します。
ステップ1 いつもの市販フードにトッピング
いつものフードに犬や猫が食べられる食材を味付けせずに乗せたり混ぜるだけ。
トッピング食材は、白身魚の刺身やキャベツ、ニンジンなどの野菜のみじん切り(猫の場合は少量で)、無糖のヨーグルト、納豆などがおすすめです。
これだけで、食いつきがグッと良くなり、食材の酵素や善玉菌なども摂れるのでお試しあれ。
ただしヨーグルトはお腹が下ることもあるので加減しながら与えてください。
ステップ2 単品食材のスープでお茶漬けに
肉や魚、野菜を単品で煮込んだスープをドライフードにかけてお茶漬けのようにします。
スープはヤケドしないように人肌よりもちょっと暖かいくらいまで冷ましてから与えてください。
ほんのり暖かく、美味しいエキスが染み出したスープと、スープを吸ってふやけたドライフードの新食感で食欲アップ間違い無しです。
ご飯と一緒にたっぷり水分が摂れるので、冬場に水を飲む量が減った時などにおすすめです。
スープは煮込んだ具と一緒に与えますが、スープだけでもよいでしょう。
スープだけを与える場合は、市販フードの量を減らす必要はありません。
肉のスープ
鶏肉や牛肉、豚肉、ラムなどを食べやすい大きさに切ってスープを作ります。
調味料は加えません。灰汁が出たら取りのぞきます。
ダシを取るために骨も一緒に煮込んでもいいですが、鶏の骨は煮込みが足らないと割れて尖った破片が危険なので、提供する前に取りのぞきましょう。
肉類はタンパク質が豊富で、猫に必要なタウリンも豊富です。ぜひ具財としてスープと一緒に。
脂質が気になる場合は、スープに浮いた油の上澄みを捨てるか、材料に皮なしの鶏の胸肉やササミを使えば、脂質を抑えられます。
愛犬・愛猫が手作りご飯に慣れるまでは、ベースとなるフードのフレーバー(ビーフ、チキン、ポーク、ラム、フィッシュなど)と同じ食材を使う方がよいかもしれません。
筆者がいつも作っているのは鶏の手羽先のスープです。
タンパク質やコラーゲンなどが豊富で、栄養価が高く、美味しいスープが取れます。
時間はかかりますが、骨が指で崩れるまで煮込めばスープはより濃厚に、手羽先は骨ごと食べられるようになります。
ちなみに筆者の場合はじっくりと1日数時間ずつ、3日間煮込んでいるのですが、圧力鍋を使えばで3時間位に短縮できるかもしれません。
ちょっと難易度は高めかもしれませんが、免疫力がつき、関節に良く、毛ヅヤも見違えて良くなるので、筆者が最も愛用するご飯です
魚のスープ
具として与える場合は、タラやサケなどの白身魚が良いでしょう。
切り身からウロコと骨を取り除いてスープにします。こちらも灰汁が出たら取りのぞきます。
イカやタコ、貝は有毒なのでダメゼッタイです。
中骨やアラでダシを取っても良いでしょう。この場合も骨などは取り除きます。
肉のスープと同じように脂分が浮くことがありますが、それは必須脂肪酸のオメガ3を豊富に含んだ良質な脂ですので、ぜひそのまま与えてください。
野菜のスープ
野菜はビタミン、食物繊維が豊富で、満腹感も得やすいためおすすめの食材です。
しかし、完全肉食動物の猫の場合は率先して野菜を摂る必要がないため、スープのみでも良いかもしれません。
キャベツ、ニンジン、トマト、大根などを一口大に切りってスープにしましょう。もちろん調味料はなしです。
選ぶ野菜はできるだけ旬のものを。
ただし、ネギやニンニクなど犬や猫に有害な野菜も多いので注意が必要です。
おすすめはカボチャ。腹もちが良く、βカロテンとビタミン類、食物繊維、カリウムなどの栄養素をたっぷり取ることができます。
乾物のスープ
かつおぶし、干しシイタケ、昆布、煮干しなどからとったお出汁をドライフードにかけるのもおすすめです。
私たちのお味噌汁用に出汁を取った後の二番出汁でも十分です。
干しシイタケや昆布の出汁がらは、みじん切りやフードプロセッサーで細かくすればスープと一緒に与えることができます。
ステップ3 複数の食材を組み合わせた調理
慣れてきたらトッピングする食材を複数組み合わせてみましょう。
肉や魚に野菜を合わせれば、それぞれ単品よりも栄養バランスが取りやすく、かさ増しにもなるので経済的です。
魚はお刺身で、肉類は生でも安全なもの以外は必ず火を通します。
お肉はカリカリに焼くと香りが立って食欲をそそるようですが、茹でてもいいですし、炒めてもいい(油は良いものを使ってください)と思います。忙しければレンチンでも十分です。
卵もタンパク質などの栄養が豊富でおすすめです。黄身は半熟でもいいですが、白身は必ず火を通してください。
スープにトッピングを組み合わせるのもおすすめです。
また、手羽先のスープはコラーゲンで煮こごりになるので、冷ましてジュレのようにトッピングしてもいいですし、その他のスープもゼリーや寒天で固めればジュレにすることができます。
ステップ4 手作りご飯の割合を増やしていく
ある程度慣れてくると、愛犬・愛猫の好みの食材や、食材に含まれるカロリーや栄養素も覚えてきます。
そこで、今度は1~3割だった手作りご飯の割合を様子を見ながら5割、そして7割と増やしていきます。
愛犬・愛猫の体調に不調があれば栄養が偏っているので、元の割合に戻すか、食材のバランスを変えましょう。
問題なければ、完全手作りご飯だけを与えてみましょう。
まとめ
いきなり全てを手作りで賄うのは大変ですが、トッピング程度なら難しくないと思います。
また、やってみると結構楽しいもので、それほど大変ではないことが分かります。
何より愛犬・愛猫の喜ぶ姿に、つい「また作ってあげようかな」という気持ちになるものです。
愛犬・愛猫の様子を見ながら、慣れてきたら次のステップに進むといった具合にマイペースで続けていれば、最終的には完全手作りで賄えるようになります。
難しく考えず、ぜひ最初の一歩を踏み出してみませんか?
ぽちたま薬局のメルマガ担当。
手術しても再発する愛犬の腫瘍に悩まされていましたが、ご飯を手作りに変えてから病気の改善を目の当たりに。
それから5年、手作りご飯のチカラを信じて毎日レシピとメルマガ企画を考える日々を過ごしています。