「甲状腺機能低下症と言われたけれど、ごはんはこのままでいいのかな」
「おやつは何が良いの?あげないほうがいい?」
愛犬が甲状腺機能低下症と診断されると、食事でのケアも気になりますよね。
甲状腺機能低下症の犬の食事は、「太らせないこと」「脂質をとりすぎないこと」が基本です。
この記事では、食べていいもの・控えたいものを詳しく解説します。
ごはんと一緒に気をつけたい「お薬の飲ませ方」も紹介しますので、ご活用ください。
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食事管理が大切な理由

甲状腺機能低下症は、体にある甲状腺から分泌されるホルモンが足りなくなり、体全体の代謝が落ちてしまう病気です。
犬のホルモンの病気のなかでは比較的よく見られ、とくに中高齢の犬に多いとされています。
代謝が落ちると、体の中では次のような変化が起きやすくなります。
・食べる量は変わらないのに、体重が増える
・血液中のコレステロールや、中性脂肪が高くなる(高脂血症)
とくにコレステロール値の上昇は、この病気の約8割に見られるといわれています。
そのため、食べ物については「カロリー」と「脂質」の2つを上手にコントロールすることが大切になります。
参考
動物の末梢神経および神経筋接合部の代謝障害 – 神経系 – MSD獣医マニュアル
食事だけでは治らない
甲状腺機能低下症は、食べ物を工夫するだけでは治りません。
足りなくなった甲状腺ホルモンをお薬で補うことが、治療の基本となります。
一方、食事管理はお薬の治療を支える補助の役割を果たしています。
体重や脂質を整えることで、愛犬が快適に過ごしやすくなります。
食事を工夫しているから大丈夫と自己判断でお薬を止めず、量も減らさないようにしましょう。
お薬の量を減らしたいなどの希望がある場合、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
甲状腺機能低下症の犬に良い食べ物

甲状腺機能低下症の犬には、脂肪は控えめでたんぱく質はしっかりの食事と愛犬に合ったカロリーを保つのが大切です。
良質なたんぱく質
- 鶏ささみ
- 鶏むね肉
- タラなどの白身魚
- 卵など
たんぱく質は筋肉を維持するのに欠かせない栄養素です。
筋肉量が保たれると、代謝が落ちないよう支えてくれます。
皮膚や被毛をつくる材料にもなるため、毛が薄くなりやすい甲状腺機能低下症の犬にとって、大切な栄養です。
味付けは不要なので、脂身の少ない部位を選び、しっかり加熱してからあげましょう。
食物繊維を含む野菜・いも類
- にんじん
- かぼちゃ
- きのこなど
食物繊維はおなかがふくれやすく、低カロリーでも満足感を得やすいのが特徴です。
体重管理や、便通のサポートにも役立ちます。
ただし、かぼちゃやいも類には糖質も多く含まれるので、与えるときは少なめにしましょう。
また、食物繊維の多い食事は、甲状腺のお薬の吸収に影響することがあるといわれています。
繊維の多いフードに切り替えるときは、お薬の量を見直す必要が出る場合もあります。
そのため、与える前に獣医師へ相談しておくと安心です。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)は、イワシやサバなど青魚や魚油に多く含まれています。
甲状腺機能低下症では、脱毛や皮膚トラブルが起きやすくなります。
そのため、オメガ3脂肪酸は皮膚や被毛の健康を保つサポートとしてよく取り入れられています。
青魚を与える場合は、しっかり加熱して骨を取り除き、少量にしましょう。
魚は脂質も含むため、与えすぎには注意が必要です。
なお、手軽に取り入れたい場合は、サプリメントを使う方法もあります。
ただし、サプリメントを使うときは、次の点に気をつけましょう。
- 服用している薬へ影響がないか、使い始める前に獣医師に相談する
- ほかの魚油・オメガ3サプリとは重ねて使わない
- 貝や甲殻類のアレルギーがある子には注意する
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療法食・体重管理用フード
毎日の主食は、栄養バランスの整った総合栄養食が基本です。
先ほど紹介した食材は、主食に少し加えるトッピングとして使うイメージです。
高脂血症や肥満がある場合は、獣医師から低脂肪フードや減量用の療法食をすすめられることもあります。
愛犬の体重や血液検査の結果によって合うフードは変わるため、自己判断で切り替えず、かかりつけの獣医師とよく相談して選びましょう。
フードを変えるときは、今のフードに少しずつ混ぜながら、1週間ほどかけて切り替えるとおなかを壊しにくくなります。
さつまいもは食べていい?

さつまいもは加熱して少しだけなら、与えて大丈夫です。
さつまいもは食物繊維が多く、便通や満足感のサポートになります。
脂質がほとんど含まれていないのもメリット。
一方で、糖質が多くカロリーも高めの食材です。
甲状腺機能低下症の犬は太りやすいため、あげすぎないよう注意しましょう。
- 生は消化しにくいため、蒸すか茹でて、やわらかくしてから与える
- 味付けはしない
- 皮は繊維がかたく消化しにくいため、むくか細かく刻む
- ひと口大に切るか、つぶして、のどに詰まらせないようにする
なお、干し芋は水分が抜けている分、同じ重さでもカロリーが高くなります。
与えるならごく少量にしましょう。
また、スイートポテトや大学芋のように砂糖や油を使ったものは与えないでください。
量の目安として、おやつはさつまいも以外のものも含めて、1日に必要なカロリーの10%以内に収めるのが一般的な目安です。
適量は体重や運動量で変わるため、必要に応じて獣医師に確認してください。
ヨーグルトは食べていい?

砂糖などが入っていないプレーンタイプを少しならOKです。
ヨーグルトはたんぱく質を含み、乳酸菌によっておなかの調子を整えるサポートも期待できます。
ただし、与える前に次の点を確認しましょう。
- 加糖タイプやフルーツ入りは避ける
(糖分が多く、太る原因になる) - キシリトール入りは絶対に与えない
「低糖」「シュガーレス」の商品は、原材料表示を必ず確認 - 脂肪分の多いものより、低脂肪タイプを選ぶ
- 乳糖でおなかがゆるくなる子もいるため、はじめはごく少量から試す
なお、甲状腺のお薬は食べ物の影響で吸収が変わることがあります。
ヨーグルトなどの乳製品は、お薬を飲ませる時間と重ならないように少しずらすと安心です。
食べてはいけないもの

甲状腺機能低下症の犬には、病状を悪化させる食べ物があります。
「必ず避けたいもの」と「量に気をつけたいもの」について解説します。
脂肪の多い食べ物
- 豚バラ肉
- 牛の脂身
- ベーコン
- ソーセージ
- 揚げ物など
甲状腺機能低下症の犬は、血液中の脂質が高くなりやすい状態です。
脂っこい食べ物を食べてしまうことで、高脂血症がさらに進む恐れがあります。
また、脂肪の多い食事は膵炎のきっかけになることもあるため、注意が必要です。
ヨウ素の多い海藻類
「甲状腺にはヨウ素を含む海藻がいい」という話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、犬の甲状腺機能低下症には当てはまりません。
犬の甲状腺機能低下症の多くは、免疫の異常などで甲状腺そのものがうまく働かなくなることが原因です。
ヨウ素が足りないせいで起きているわけではないため、海藻をたくさん食べても病気が良くなることは期待できません。
むしろヨウ素のとりすぎは、甲状腺に負担をかける可能性が指摘されています。
昆布やひじきをたくさん与えるのは控えましょう。
海藻入りのサプリメントやおやつを使いたい場合は、事前に獣医師へ相談してください。
大豆製品・アブラナ科の生野菜
豆腐やおからなどの大豆製品や、キャベツ・ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜には、「ゴイトロゲン」と呼ばれる成分が含まれます。
ゴイトロゲンは、甲状腺の働きに影響を与える可能性がある成分です。
ただ、ふつうに与える程度の量で、加熱していれば、必要以上に心配しなくて大丈夫です。
気をつけたいのは、毎日のようにたくさん与えることです。
また、大豆製品は甲状腺のお薬の吸収に影響する可能性もあります。
与える際には、お薬を飲ませる時間と重ならないよう注意しましょう。
糖質・カロリーの高いおやつ
- ジャーキー
- クッキー
- 甘く味付けしたもの
- お菓子など
これらのおやつは、少量でもカロリーが高いものが多いです。
代謝が落ちて太りやすい状態の時には、おやつの量にとくに気を配りましょう。
おやつやトッピングは、合わせて1日のカロリーの10%以内が目安です。
その分、主食の量を少し減らして調整すると、カロリーのとりすぎを防げます。
そもそも犬に与えてはいけない食べ物
甲状腺機能低下症に限らず、犬に絶対に与えてはいけない食べ物があります。
- 玉ねぎ・長ねぎなどのネギ類
- チョコレート・ココア
- ぶどう・レーズン
- アルコール
- キシリトール(ガムや低カロリー食品などに含まれることがある)
これらは少量でも中毒を起こすことがあります。
愛犬がうっかり口にしないよう、保管場所にも気をつけましょう。
食事と一緒に気をつけたい、お薬の飲ませ方

食事と一緒に気を付けたいのが、毎日のお薬の飲ませ方です。
甲状腺のお薬は、飲ませるタイミングや食べ物との組み合わせで、体への吸収が変わることがあります。
お薬の効果を安定させるために、次のポイントを意識しましょう。
- 毎日同じ時間に、同じやり方で飲ませる
- 乳製品や大豆製品、カルシウム・鉄のサプリメントとは時間をずらす
- ほかに飲んでいるお薬があれば獣医師に伝える
- 自己判断でやめたり減らしたりしない
- 定期的に血液検査を受ける
お薬の量が多すぎると、落ち着きがなくなる、水をよく飲んで尿が増える、体重が減る、息が荒くなる<といった様子が見られることがあります。
愛犬にこのような変化が見られたら、早い段階で動物病院へ相談してください。
よくある質問
甲状腺機能低下症の犬の食事やお薬について、よくある質問を紹介します。
気になる疑問点がある場合は、参考にしてください。
Q. 甲状腺機能低下症は食事で治る?
食事だけで治すことはできません。
不足している甲状腺ホルモンをお薬で補うことが、治療の基本になります。
食事管理は、体重や血液中の脂質を整えて治療を支える補助の役割です。
お薬を続けて症状が落ち着けば、それまでどおり元気に過ごせる子も多いです。
Q. お薬を飲めばダイエットは必要ない?
お薬を飲みはじめると、元気がないなどの症状は、2週間ほどで改善してくることが多いとされています。
ただし、体重や皮膚・被毛の状態が戻るまでには、数か月かかることもあります。
そのためお薬を飲んでいる間も、食事での体重管理は並行して続けましょう。
急に食事量を減らしすぎると体に負担がかかるため、減量のペースは獣医師と相談して決めると安心です。
Q. りんごやバナナなど果物は?
少しだけなら与えても構いません。
ただし果物には糖分が多く含まれるため、他のおやつと合わせて1日のカロリーの10%以内span>にとどめましょう。
りんごは種と芯を取り除き、バナナは皮をむいて細かく切って与えます。
与えていいか心配な場合は、かかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。
食材ごとの量の目安は、以下の記事を参考にしてください。
Q. 薬を飲み忘れたら?
薬の飲み忘れは、気づいた時に1回分を飲ませます。
次のお薬までの時間が近い場合、飲み忘れた分は飛ばすのが一般的です。
注意点として、2回分を一度に飲ませることは避けましょう。
お薬の飲ませ方は与える量によっても変わるため、あらかじめ獣医師に確認しておくと安心です。
まとめ
甲状腺機能低下症の犬の食事は、「太らせないこと」「脂質をとりすぎないこと」がポイント。
そのうえで何より大切なのは、毎日のお薬を続けること。
食事の工夫は、お薬の治療を支えるものだと考えましょう。
甲状腺のお薬は、多くの場合一生続きます。
だからこそ、負担を抑えて無理なく続けられる方法を選ぶことも大切です。
毎日のごはんとお薬で、愛犬の元気な毎日を支えてあげてくださいね。
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実家で猫を保護したことをきっかけに猫の魅力に陥落。
猫に負けず劣らず犬にもメロメロ。
愛猫とゴロゴロしながらお茶を飲むのが一番の幸せ。











