犬にイカを与える場合、しっかり加熱して少量食べさせるくらいなら問題ありませんが、生のイカは犬の健康を害する恐れがあるので絶対に食べさせてはいけません。
このページでは、犬にイカを与えてはいけない理由と、もし愛犬がイカを食べてしまったときの対処法を説明します。
犬に生のイカを与えてはいけない理由
なぜ犬に生のイカを与えてはいけないのかというと、次のようなリスクが生じてしまう可能性があるからです。
- ビタミンB1欠乏症
- アニサキスによる食中毒
- 消化不良
上記に関して次の項目で詳しく説明していきます。
ビタミンB1欠乏症
生のイカには「チアミナーゼ」という、ビタミンB1を分解する酵素が含まれています。
ビタミンB1は、犬の体内で必要量を作ることができないため、生のイカを食べて体内のビタミンB1が欠乏すると、以下のような症状が現れます。
・下痢
・嘔吐
・食欲不振
・元気消失
・脳や神経の障害
特によく現れるのが、神経障害によるふらつきの症状です。
ビタミンB1欠乏症は症状が重くなると命に関わるため、まっすぐ歩けない、後ろ足を踏ん張れない、痙攣や嘔吐しているなどの症状が見られた場合は、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
【参考】
飼い主のためのペットフード・ガイドライン(外部リンク)
アニサキスによる食中毒
生のイカには寄生虫「アニサキス」が存在し、摂取してしまうと胃や腸壁に侵入し、以下の症状を引き起こします。
・嘔吐
・激しい腹痛
・じんましん
・胃痙攣
・腸閉塞
アニサキスは加熱することで死滅しますが、もし摂取してしまった場合は食後3~4時間ほどで症状が現れるため、愛犬の様子に異変が現れたらすぐに獣医師に診てもらいましょう。
消化不良
イカは生でも火を通していても消化するのに時間がかかる食材のため、犬の胃腸にかなりの負担がかかります。
犬によって差があるものの、消化不良が原因で嘔吐や下痢を引き起こす可能性があるため、加熱したイカであってもあまり積極的には食べさせない方が安心です。
【参考】
アニホック動物病院グループ(外部リンク)
犬にスルメ(あたりめ)を与えるのもダメ
人間がおつまみとしてスルメを食べているときに、近くにいる犬が欲しがった場合ついあげたくなってしまいますが、犬にとっては塩分が過剰に含まれている食材のため、あげないほうがよいでしょう。
塩分を摂取しすぎると心臓や腎臓に負担がかかってしまうため、犬の健康を害する恐れがあります。
またスルメは弾力があるため、大きい状態のままで飲み込むと喉や胃腸で詰まる可能性があります。
胃腸で消化液を吸って大きく膨らむ危険性も指摘されているため、あげないほうがよいでしょう。
犬がイカを食べてしまったときの対処法
もし犬がイカを食べてしまったときは、少量であればそれほど心配しなくてもよいため、以下の症状が出ないか経過観察しましょう。
・ふらつき
・歩行障害
・嘔吐
焼いたイカはビタミンB1を分解する酵素チアミナーゼの活性が失われるため危険性が低いですが、万が一上記の症状が現れた場合は、すぐに獣医師に診てもらいましょう。
イカ以外に犬に与えてはいけない食べ物
犬には、イカ以外にも与えてはいけない食べ物があります。
代表的なものをいくつか紹介します。
カニ、エビ | 酵素チアミナーゼによってビタミンB1欠乏症を引き起こす |
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チョコレート、ココア | テオブロミンにより下痢、嘔吐、痙攣、発熱を引き起こす |
コーヒー、紅茶、緑茶 | カフェインにより下痢、嘔吐、多尿、体温不調、尿失禁、テンカン発作を引き起こす |
ネギ類(長ネギ、玉ねぎ、ニンニク等) | 有機チオ硫酸化合物により、体内の赤血球が破壊される溶血性貧血を引き起こす |
ブドウ、干しブドウ | 成分は未特定だが、摂取すると腎機能障害を引き起こし最悪死に至る場合がある |
生肉 | 雑菌や寄生虫により食中毒や胃腸炎を引き起こす場合がある |
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