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犬・猫に生肉を与えるメリットとデメリット

食事の仕度をしていると、足元に愛犬愛猫がすり寄ってきますね。
そのかわいらしい姿になんでも与えたくなってしまうのが飼い主の心理。

思い返してみると、お肉を切っているときに限ってすり寄って来ているな…なんてことないですか?
どうやら犬や猫は、動物性たんぱく質の匂いには敏感なようです。

はたして、愛犬愛猫に生のお肉を与えても害はないのでしょうか?
ここでは生肉を与えるメリットとデメリットについて、掘り下げてみます。

犬・猫に生肉を食べさせても大丈夫?

犬・猫に生肉を食べさせても大丈夫?
犬も猫も、自然界で野生で生活していた時代は、肉を調理する手段など持ち合わせていなかったはず。
かつて彼らの祖先は、狩った小動物を生のままで食べていました。

犬や猫の体は、そもそも生肉を食べるようにできているのです。
なので、犬も猫も生の肉を食べても問題ありません。
問題どころか、生肉を食べることで受けられる恩恵もあります。

しかし一方で、人間と長い間一緒に暮らしている犬や猫にとっては、決していい面だけではないということも、飼い主は理解しておく必要があります。

生肉を食べさせるメリット

生の肉には、加工・加熱された肉には含まれていない酵素が自然に含まれています。

酵素は、生の野菜や果物にも含まれていますが、これは加熱することでその作用を失ってしまいます。
食物に含まれる酵素は「熱に弱い」という特徴を持っています。

人間が、サンマの塩焼きに大根おろしを添えたりするのは、生の大根に含まれる酵素によって胃の消化吸収を助けるためですが、犬や猫は生肉を食べることで酵素を補うことができます。

ドッグフードやキャットフードは加工されているので、生の肉に含まれる酵素を補うことができません。
よって、ドッグフードやキャットフードだけを食べ続けるよりも、たまには生の肉を食べた方が、食物酵素を補うことができて、胃腸に負担をかけにくくなると言えるでしょう。

また、肉は加熱したものよりも、生のものの方が消化吸収がよいのです。

生肉を食べさせるデメリット

現代を生きる犬や猫たちに生の肉を食べさせることには、デメリットもあります。

毎日の食事がドライフードで、体がそれに慣れてしまっている場合は、急に生の肉を与えることによって、下痢や嘔吐を起こす場合があります。

また、生の肉には、寄生虫や雑菌も存在します。
日本の国内で売られている食肉は、生産の段階で衛生状態が管理されているので、寄生虫に対する心配は少なく済みますが、雑菌は調理の段階で付着するものなので、家庭で調理する際には衛生面に配慮する必要があります。

また、食肉の中でもシカやイノシシなどのジビエは、現代の日本国内においても生産段階での衛生管理がなされていないため、生のままで与えることは厳禁です。
シカやイノシシを与える場合は、よく加熱してからにしましょう。

犬・猫への生肉の与え方

犬・猫への生肉の与え方
与え方は、新鮮な生の肉を切って食べさせるだけ…です。

ところが、生肉だけでは現代を生きる犬猫にとっては栄養が充分とはいえないので、必ず主食となるドッグフードやキャットフードと一緒に、トッピングする程度に与えてください。
主食とするフードは「総合栄養食」と記載のあるものを選ぶと、栄養面で不足することはないでしょう。

※「総合栄養食」と表示のあるものは、AAFCO(米国飼料検査官協会)が定めた栄養基準を満たしたフードである証明です。

大型犬の場合は、肉を大きめの塊のまま与えても噛み切ることができるでしょう。
しかし、顎の大きさが小さい猫や小型犬には、ひき肉程度の細かさになるまで切ってから与えることをおすすめします。
特に、咀嚼せずに丸飲みにすることが多い猫の場合は、大きいまま与えると食道や消化器官に詰まらせる可能性があるからです。

また、生肉を与えた経験のない犬や猫の場合は、生肉の量をごく少量から与え始めてみることをおすすめします。
目安量としてはティースプーン1杯くらいです。
毎日の主食がドライフードで生の肉に耐性が無い場合や、年齢と体調によって、急に生肉を摂取することで下痢や嘔吐を起こす可能性があるからです。
もし下痢をしてしまった場合は、食事を元のものに戻して便の状態を観察しつつ様子を見ましょう。

生肉を与える際の注意点

肉自体の鮮度には充分注意してください。
スーパーで購入した肉を与える場合は、なるべく購入したその日に、脂肪の多い部位を避けて、赤身部分を与えるようにしましょう。
ただし、アレルギーを持つ犬猫には与えないでください。

また、調理する際の衛生面にも注意が必要です。
食中毒を引き起こす雑菌類は調理している器具から発生することが多いので、包丁やまな板をきちんと洗うことが大切です。

新鮮な生肉を使用し、調理器具を清潔に保った状態であれば、食中毒の心配をすることなく生肉を与えられますが、心配な場合は、肉の周囲だけ加熱した「たたき」の状態にして与えても良いでしょう。

犬・猫に与えたい生肉、与えてはいけない生肉

犬・猫に与えたい生肉、与えたくない生

与えたい生肉はコレ!!

  • 馬肉

  • たんぱく質、カルシウム、鉄分、グリコーゲンの含有に優れています。
    エネルギー補給や、疲労回復に効果的な肉です。
    グリコーゲンは糖の一種ですが、エネルギーの貯蔵庫のような働きをします。
    グリコーゲンは摂取後すぐにエネルギー変換される点で優れた栄養素です。

  • 羊肉

  • 脂質と亜鉛を多く含み、コレステロールが低く、疲労回復と代謝の改善に効果的です。
    亜鉛は新陳代謝やエネルギーの代謝、免疫などの働きをサポートする栄養素です。
    ラムの脂質は良質な不飽和脂肪酸を含み、血管の健康をサポートします。

  • 鶏肉

  • たんぱく質だけではなく、ビタミンAやB群、Kなどが豊富に含まれています。
    ビタミンAは成長や生殖、視角、感染予防などの幅広い生理機能に関与する栄養素で、ビタミンKは血管や骨の形成を促す効果のある栄養素です。

  • 牛肉

  • 筋肉や皮膚、臓器、爪、被毛など、体の器官を作るのに欠かせない栄養素であるたんぱく質を豊富に含みます。

    与えてはいけない、避けた方がよい生肉

  • 豚肉

  • 疲労回復に欠かせない、ビタミンB群をはじめとするビタミンやミネラルが豊富に含まれており、ぜひ食べさせたいと思う肉ですが、生の豚肉にはトキソプラズマや寄生虫、E型肝炎などのウイルス感染の心配があるので与えない方がよいでしょう。
    豚肉を与える場合は、よく加熱してから与えましょう。

  • 内臓部分

  • レバーやハツなどは鉄分やビタミンが豊富で与えたくなってしまうところですが、内臓は寄生虫がいる可能性が高く、また、食中毒の危険性が高い部位です。
    日本では、生肉の内臓部分は、基本的に加熱調理して摂取することを前提にして販売されています。
    人間用でも、生食で提供することは禁止されている部位ですので、犬猫にも内臓を生で与えるのは避けた方が良いでしょう。

    もしも愛犬が下痢や嘔吐などの症状に見舞われていたら

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