いちごは犬が食べられる食べ物です。
ただし、いちごに対してアレルギーを持つ犬や、腎臓病を抱えている犬には与えないようにしましょう。
また、子犬や老犬にも注意が必要な場合があります。
この記事では、いちごに含まれる栄養素や、犬にいちごを与える際の注意点について解説します。
目次
犬はいちごを食べても大丈夫
いちごは、犬にとって「食べてはいけない食べ物」には該当しません。
ただし、
「食べても大丈夫だから」
「ウチの犬はいちごが好きだから」
と、大量に与えることは避けましょう。
特に、普段の食事の代わりとして与えてしまうと、栄養が偏って体調を崩す原因となりかねません。
犬にいちごを与える時は、おやつや食事のトッピング程度に留めておきましょう。
いちごに含まれる栄養素・成分
いちごには、以下の栄養素・成分が含まれています。
- ビタミンC:抗酸化作用、免疫力アップ
- 食物繊維:腸内環境を整える
- カリウム:塩分の排出、血圧を下げる
- アントシアニン:抗酸化作用
- キシリトール:天然甘味料
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用があり、免疫力をアップしてストレスから身体を守る働きを持つ栄養素です。
体内でコラーゲンと呼ばれるたんぱく質を生成する手助けをするため、皮膚や粘膜を強くして健康に保つ効果もあります。
【参考リンク】
犬と猫の栄養成分辞典|ビタミンC(アスコルビン酸)
食物繊維
食物繊維は、便通を整えて胃腸の健康を保つ働きがある成分です。
いちごには、水溶性のペクチンという食物繊維が豊富に含まれています。
ペクチンは便秘時に水分の少なくなった便を柔らかくし、排便を促します。
下痢の時には、ゼリー状の膜となって腸壁を守ります。
また、コレステロール値の上昇を抑えるため、動脈硬化の予防にも役立ちます。
カリウム
カリウムは体の細胞内に多く存在するミネラルで、ナトリウムと一緒に働きます。
細胞の機能を正常に保つ、体液の浸透圧を調節する、体内の余分なナトリウムの排出を促し血圧を下げたりするなど、生命維持に欠かせない栄養素です。
また、カリウムは筋肉の収縮や弛緩をサポートするので、腸内の筋肉の動きを促して活発にする効果もあります。
アントシアニン
アントシアニンはポリフェノールの一種で強い抗酸化作用を持ち、体の老化防止に欠かせない栄養素です。
特に目の健康維持への効果が高く、眼精疲労を予防する効果も期待できます。
【参考リンク】
農林水産省|いちごのあれこれ豆知識
キシリトール
キシリトールは、自然界に存在する多くの果実や野菜に含まれる天然甘味料です。
いちごは天然のキシリトール含有量が高く、いちご100gあたり350mgも含有していることがあります。
キシリトールは虫歯予防に効果があることで有名であり、虫歯の原因となるミュータンス菌の増殖を予防する、歯からカルシウムが溶け出すのを防いで歯を丈夫にするなどの働きが期待できます。
【参考リンク】
e-ヘルスネット(厚生労働省)|キシリトール
※キシリトールとカリウムには注意が必要
いちごが持つ栄養素の中でも、キシリトールとカリウムは犬が過剰摂取しないよう注意が必要です。
腎臓病の犬がカリウムを過剰に摂取すると、体外への排出がうまく行われず、高カリウム血症を引き起こし手足のしびれや心臓の異常など、重篤な症状が現れる恐れがあります。
人工甘味料のキシリトールは人間のお菓子や歯磨き粉などに含まれますが、犬が摂取して中毒を引き起こすと、意識低下や脱力、けいれんなどの症状が起こり、急性肝不全を引き起こすことがあります。
いちごに含まれるキシリトールは、人間のお菓子に含まれる量と比べると微量ですが、過剰摂取は避けた方が良いです。
犬にいちごを与える際には、大量に与えることは避けておやつ程度に留めましょう。
【参考リンク】
公益社団法人 埼玉県獣医師会|キシリトール
犬にいちごを与える際の注意点
犬にいちごを与える際、気を付けた方が良い注意点を紹介します。
与える量に注意
犬にいちごを与える時は、与える量に注意しましょう。
いちごに含まれる栄養成分をもとに、犬が食べてもいい1日あたりの目安量を紹介します。
1日あたりの目安量 | |
---|---|
超小型犬 (体重4kg未満) |
1/2粒程度 |
小型犬 (体重10kg以下) |
1粒程度 |
中型犬 (体重25kg未満) |
2粒程度 |
大型犬 (体重25kg以上) |
体重によって異なるが、3粒程度 |
へたは取りカットして与える
いちごのへたは硬くて食べにくく、消化も悪いので取り除きます。
いちごの果肉は、カットしたり潰したりして与えましょう。
超小型犬や小型犬では、いちごを一粒丸ごと与えてしまうと、丸吞みしてしまう恐れがあります。
喉に詰まらせないようにするため、必ずカットするか潰して与えるようにしてください。
生のいちごを与える
犬にいちごを与えるなら、生の状態で与えましょう。
いちごに含まれるビタミンCは熱に弱く、熱を通すとビタミンCの効果が半減してしまうため、加熱せず生の状態で与えてください。
いちごを食べさせるのがNGな犬もいる
健康な犬であれば、いちごを食べることに問題はありません。
ただし、中にはいちごを与えない方が良い犬もいます。
いちごに対してアレルギーがある犬
いちごに対してアレルギーを持つ犬には、いちごを与えてはいけません。
アレルギーを持っているかわからない場合や、いちごと同じバラ科の果物にアレルギーを持つ場合も、与えない方が良いでしょう。
ちなみにバラ科の果物には、以下のようなものがあります。
- 桃
- りんご
- さくらんぼ
また、花粉に対するアレルギーを持つ犬は、いちごに対してもアレルギーを起こす場合があるため、いちごを与えない方が良いです。
持病がある犬
腎臓病を抱える犬には、いちごに含まれるカリウムが負担となることがあるため、いちごは与えない方が良いです。
また、いちごに含まれる糖分が体に負担となるケースがあるので、糖尿病や心臓病、肥満の犬にも与えないようにしましょう。
子犬や老犬には食べさせない方が良い場合も
子犬や老犬には、いちごを食べさせない方が良い場合もあります。
子犬は胃腸の消化機能が未発達なことがあるため、いちごを与えると下痢や嘔吐を起こしやすいです。
老犬は胃腸の消化機能が衰えていることがあり、下痢や嘔吐を起こしやすくなります。
そのため、子犬や老犬にはいちごを積極的に与えることは避けた方が良いです。
もし犬がどうしても欲しがる場合には、ごく少量のいちごを細かく刻んだり、ペースト状にして与えましょう
よくある質問
犬にいちごを与える際によくある質問を紹介します。
犬にいちごのジャムは食べさせてもいい?
犬にいちごアイスはあげてもOK?
犬にいちごジュースは飲ませられる?
犬にいちご味のヨーグルトは与えていい?
犬をいちご狩りに連れて行くのはOK?
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。