犬の外耳炎の4つの原因と代表的な症状とは|外耳炎のサインを見つけて早期治療

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犬の外耳炎の4つの原因と代表的な症状とは|外耳炎のサインを見つけて早期治療

犬に多くみられる外耳炎は、アレルギーや細菌感染が原因で起こることが多い疾患です。

外耳炎を発症した犬は、かゆみや発疹、腫れなどの症状があらわれます。

厄介なことに、外耳炎は再発を繰り返しやすい疾患です。

この記事では、こうした外耳炎の特性についても解説し、自宅でのケア方法なども紹介します。

愛犬の快適な毎日のためにも、ぜひ参考にしてください。

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犬によく起こる外耳炎とは

犬によく起こる外耳炎とは

外耳炎とは、耳の入り口から鼓膜までの「外耳」という部位に起こる炎症の総称で、犬の耳の病気の中でポピュラーな病気の1つとされています。

発症すると耳が赤くなったり、かゆみが起こったりするなど、犬にとって不快な症状が伴います。

犬が外耳炎になりやすい理由

犬によく起こる外耳炎とは

犬が外耳炎になりやすい理由は、『耳の形』にあります。

上のイラストのように、犬の耳の管(耳道)はL字に曲がっています

この形状によって通気性が悪くなり、湿度が高くなります。

多湿な耳内は細菌が繁殖しやすい環境となり、炎症なども悪化しやすくなるのです。

犬が外耳炎になる原因

犬の外耳炎はさまざまな原因が考えられ、1つに特定するのが難しいことも珍しくありません。

よくみられる原因としては、次のようなものが挙げられます。

アレルギー・アトピー性皮膚炎

アレルギー・アトピー性皮膚炎

外耳炎は、アレルギーやアトピー性皮膚炎に起因することがあります。

とくにアトピー性皮膚炎を患う犬の約半数は、外耳炎を併発しているとも言われます。

アトピーで皮膚のバリア機能が低下すると、マラセチアなどの細菌感染も併発しやすいため、対策が重要になってきます。

アレルギー・アトピーによる外耳炎の特徴
激しい痒みで掻きむしり、脱毛や出血が見られる

参考
犬の外耳炎とアレルギー性疾患(外部リンク)

異物の混入

異物の混入

植物や小さな虫が入り込んだり、自分の被毛が混入したりして炎症を起こすことで、外耳炎になるケースもあります。

お散歩中に草むらに突っ込む癖のある犬は、とくに注意が必要です。

犬の耳道はL字に曲がっているため、異物が入ってしまうと簡単には取り出せません

綿棒などで取ろうとすると、逆に耳の奥へ押し込んでしまう危険があるので、動物病院で除去してもらいましょう。

異物による外耳炎の特徴
突然しきりに頭を振る、片方の耳だけ痒がる

参考
当院での治療例|北川犬猫病院(外部リンク)

細菌・真菌(マラセチアなど)

細菌・真菌(マラセチアなど)

細菌や真菌も、犬が外耳炎になる原因のひとつです。

なかでもマラセチアという菌は、犬の皮膚に常在するカビの一種で、過剰に増えることで外耳炎を引き起こします

この菌は皮脂が多い部位で繁殖しやすいため、耳以外の脇やお腹などの広い範囲でも炎症やかゆみが起こります。

夏の暑い季節に悪化しやすいため、とくに気をつけてあげましょう。

マラセチアによる外耳炎の特徴
耳から独特の酸っぱい臭いがする

参考
犬外耳炎の臨床微生物学的精査およびβ-thujaplicinによるマラセチア感染性外耳炎の治療に関する研究(外部リンク)

寄生虫(ミミヒゼンダニなど)

寄生虫(ミミダニなど)

寄生虫も外耳炎の原因となります。

なかでも代表的なのがミミヒゼンダニです。

ミミヒゼンダニは、0.3~0.5mmほどの極小のダニで、肉眼では確認できません。

耳垢や分泌物を食べて繁殖し、激しいかゆみを引き起こすのが特徴です。

動物間の接触で感染するため、多くの犬がいる環境には注意が必要です。

ミミヒゼンダニによる外耳炎の特徴
臭いを伴う黒い耳垢が大量に出てくる

参考
耳ダニ|駒沢どうぶつ病院(外部リンク)

外耳炎でよく使われる治療薬

犬の外耳炎には、耳に直接垂らす点耳薬がよく使われます。

外耳炎の薬として、抗菌・抗真菌作用のほか、抗炎症作用や抗アレルギー作用をもつものがあり、原因や症状に合わせて選択されます

動物病院で処方される薬

品名 タイプ 投与方法 作用
モメタオティック 点耳薬 1日1回滴下 抗菌、抗炎症
ミミピュア 点耳薬 1日1回滴下 抗菌、抗真菌、抗炎症、抗アレルギー
ウェルメイト 点耳薬 1日1回滴下 抗菌、抗真菌、抗炎症、抗アレルギー
オスルニア ゲル 7日間隔で2回投与 抗菌、抗真菌、抗炎症、抗アレルギー
ネプトラ 点耳薬 病院で1回のみ滴下 抗菌、抗真菌、抗炎症

インターネットで購入できる薬

品名 タイプ 投与方法 作用
スロランイヤー
ドロップス
点耳薬 1日1回滴下 抗菌、抗真菌、抗炎症、抗アレルギー
ミミィーナ 点耳薬 1日2回滴下 抗菌、抗真菌
ヒビクス 軟膏薬 1日1~3回塗布 抗菌、抗真菌、抗炎症

動物病院で処方されるお薬を使うのが基本ですが、なかにはインターネットで買えるものもあります。

当サイト「ぽちたま薬局」では、さまざまな点耳薬を取り揃えているので、愛犬が外耳炎になってしまった飼い主さんは参考にしてください。

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人間用のお薬の使用について

犬のかゆみ治療薬として、人間用のリンデロンゲンタシン軟膏が使われるケースもあります

いずれもステロイド含有薬なので、自己判断ではなく、獣医師に相談してから使用するようにしましょう。

なお、犬の外耳炎治療薬については、こちらのコラムでも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。



犬の外耳炎にみられる症状

外耳炎を起こすと、次のような症状がみられます。

・耳をかいて痒がる
・耳の中が赤い
・耳の中が腫れる
・耳垢が増える
・黒い耳垢が出る
・耳が臭い

耳が赤く腫れて、しきりにかくようになったら外耳炎のサインかもしれません。

日頃からスキンシップをとり、異変に早く気づいてあげることが大切です。

ひどくなると耳に触れるだけで痛がったり、威嚇したりすることもあるため、早めに治療してあげましょう。

参考
ピマリシン外用液(ミミィーナ©)の犬の真菌性外耳炎に対する有効性と安全性に関する調査(外部リンク)

外耳炎の治療方法と治療期間

犬の外耳炎は、耳洗浄と点耳薬の投与で治療することが多いです。

耳の状態や症状によっても異なりますが、一般的には動物病院で鼓膜付近までしっかり洗浄と消毒をして、自宅で毎日点耳薬を投与する方法で治療をおこないます。

治療期間としては、1ヶ月ほど集中的に洗浄や投薬をおこない、症状が落ちついてきたら獣医師の指示にしたがって、点耳薬を使いながら症状をコントロールしていくことになります。

放置したらどうなる?

外耳炎は、基本的に自然には治らない疾患です。

放っておくと炎症が悪化したり、鼓膜の内側に進行したりして、中耳炎や内耳炎など重症化する危険があります。

とくに大型犬や垂れ耳の犬種は、耳を気にして頻繁に頭を振ることで、耳介(耳たぶ)に血液がたまる耳血腫になることも。

症状が重いと手術となるケースもあるため、こじらせないうちにしっかり治療しておくことをおすすめします。

外耳炎は再発しやすい

外耳炎は、一度治ったと思っても再発を繰り返すことが多い疾患です。

湿度が低くなる冬場には症状がおさまりやすい一方、高温多湿の夏になると症状がぶり返すなど、季節によって症状に波があるのも外耳炎の特徴といえます。

再発してもすぐ対処できるように、常備薬を置いておくと安心です。

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外耳炎を予防する方法

完全に外耳炎を防ぐことは難しいですが、日常的にケアをして耳を清潔に保つことは有効だと考えられます。

また、炎症を誘引するアレルゲンや細菌を排除することも、外耳炎予防につながります。

アレルギー由来の外耳炎

食事や食器、おもちゃなどのアレルゲンを取り除き、アレルギーの発生を防ぐ

異物混入による外耳炎

お散歩するときは、植物が生い茂る場所にできるだけ入らないようにする

細菌・真菌(マラセチア)

定期的なシャンプーやサプリメントで皮膚を健康な状態に保ち、高温多湿な環境を避ける

寄生虫(ミミヒゼンダニ)

ミミヒゼンダニに効果のあるノミ・ダニ駆除薬で、毎年しっかり対策する

外耳炎は若年齢のうちから発症しやすいため、子犬のうちから忘れずケアをする習慣をつけておくようにしましょう。

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外耳炎になりやすい犬種

外耳炎はどの犬種でも発症しやすいですが、とくに注意したい犬種は以下のとおりです。

外耳炎になりやすい犬種

さらに詳しく犬種をみる

短頭種のおもな犬種
フレンチブルドッグ、シーズー、ブルドッグ、ボストンテリア、ペキニーズなど
垂れ犬のおもな犬種
ミニチュアダックスフンド、ジャックラッセルテリア、ビーグル、キャバリアなど
耳の毛が多いおもな犬種
トイプードル、ミニチュアシュナウザー、シーズーなど
アレルギーを起こしやすいおもな犬種
柴犬、ラブラドールレトリバー、バグなど

マズルが短い短頭種は耳道が狭く、耳が腫れると通気性が悪くなって蒸れやすくなります

垂れ耳や耳の毛が多い犬種も、耳の湿度が高まり外耳炎のリスクが増加することが知られています。

また、アレルギー由来の外耳炎も多いため、アレルギーが起こりやすい犬種も外耳炎に気をつけましょう。

ここには載せていませんが、チワワやポメラニアンといった人気の犬種でも外耳炎になるリスクは大いにあります

▼犬種別かかりやすい病気を見る▼

トイプードルがなりやすい病気
柴犬がなりやすい病気
チワワがなりやすい病気
ミニチュアダックスフンドがなりやすい病気
ポメラニアンがなりやすい病気
シーズーがなりやすい病気
マルチーズがなりやすい病気
ヨークシャーテリアがなりやすい病気
ラブラドールレトリバーがなりやすい病気
ゴールデンレトリバーがなりやすい病気
ミニチュアシュナウザーがなりやすい病気
ジャックラッセルテリアがなりやすい病気
フレンチブルドッグがなりやすい病気
パグがなりやすい病気
コーギーがなりやすい病気
犬がなりやすい病気

外耳炎に関するよくある質問

さいごに、外耳炎に関するよくある質問を紹介します。

外耳炎は自宅で治療できる?

A. まずは動物病院へ。症状が落ちついたら自宅治療に移行します。

犬が外耳炎になった場合、まずは動物病院を受診しましょう。

お薬の効果を高めるためにも、病院で耳の奥まで洗浄するなど、適切な処置をしてもらうことが大切です。

症状が落ちついたら、獣医師の指示のもと、点耳薬を自宅で投与する自宅治療に移行します

外耳炎はうつる?

A. ミミヒゼンダニによる外耳炎は、他の犬猫にうつる可能性があります。

アレルギーやアトピーによる外耳炎が感染することはありませんが、ミミヒゼンダニという寄生虫が原因の外耳炎では、他のペットにうつる危険があります。

黒い耳垢が大量に出ていたり、耳にたくさん黒い耳垢がこびりついていたりする場合は、ミミヒゼンダニによる外耳炎の可能性があります。

犬用のダニ駆除薬で対処するなど、感染拡大させないよう注意しましょう。

外耳炎にかかってもシャンプーして大丈夫?

A. シャンプーして問題ないことがほとんどですが、使用するお薬によっては避ける必要があります。

とくに問題ないことが多いですが、使用するお薬の種類によって気をつけなければいけないケースがあります。

耳のお薬の中には、1回の投与で長期間効果が継続するものがあります

たとえばネプトラやオスルニアといったものは、効果が1週間や1ヶ月間など、一定期間続くように設計されたお薬です。

こうしたお薬を使うときは、一定期間シャンプーを避けるようにしましょう。

外耳炎はアレルギーや細菌感染などで起こる疾患

外耳炎はさまざま原因で引き起こされる病気ですが、よくあるものとしてアレルギーや細菌感染、寄生虫、異物の混入といったことが原因であることが多いです。

耳が赤くなってかゆみが出たり、腫れて耳垢が増えたりなど、耳に不快な症状があらわれます。

一度治っても再発するケースが多く、夏場はとくにぶり返しやすいと言われています。

日頃から愛犬の耳をチェックして、再発の兆候がみられたらすぐに対処できるよう、常備薬を手元に置いておくと安心です。

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