愛犬に「明るい場所で物にぶつかる」「眼が白っぽく見える」などの様子がみられるときは、白内障を発症している可能性があります。
すでに愛犬が白内障と診断され、手術をすべきか悩んでいる飼い主さんもいるでしょう。
白内障は視覚障害が発生する進行性の目の病気で、視力を回復する方法は手術のみ。
しかし、シニア犬や他の持病がある場合、手術は合併症や死亡など大きなリスクを伴います。
犬の白内障自体は、放置したとしても痛みはなく、失明することもありませんが、高確率で合併症を引き起こすため、その影響で失明に至る可能性はあります。
さらに、最悪の場合は眼球摘出手術になる恐れも…
この記事では白内障の犬が手術を受けないままほっとくとどうなるのか、白内障を放置した場合のリスクを解説します。
目次
犬の白内障、ほっとくとどうなる?
白内障は進行性の病気であり、手術以外に視力を回復する方法はありません。
「手術しないとどうなるの?」と気になる飼い主さんも多いと思いますが、実は犬の白内障は、進行しても視覚障害が出るだけで、痛みを感じたり、寿命が短くなったりすることはありません。
片目だけしか発症していない場合は、ほとんど変わらずに生活ができますし、白内障でも寿命をまっとうすることができるでしょう。
しかし、白内障が進行すると、ほかの眼の病気(合併症)を発症する確率が高まり、それにより失明や眼球を摘出せざるを得ない状況になることも。
白内障の合併症は、主にぶどう膜炎、緑内障、網膜剥離の3種が挙げられます。
白内障の放置リスク① ぶどう膜炎
白内障が進行すると、眼球にある水晶体の成分が溶け出し、眼の中で炎症が起こることでぶどう膜炎を発症します。
ぶどう膜炎は、白内障が急激に進行したときにとくに発症しやすく、強い痛みを伴います。
ぶどう膜炎の症状
- 充血
- 目をシパシパさせる
- 目やにが出る
- 縮瞳(しゅくどう):瞳孔が収縮した状態
縮瞳は暗い部屋で弱い光を当てると目視しやすく、ぶどう膜炎が片目だけに発症していれば左右差が確認できます。
このぶどう膜炎は、緑内障や網膜剥離を引き起こす要因となるので、放置せず点眼薬で治療しましょう。
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白内障の放置リスク② 緑内障
通常、眼球の中では眼房水という液体が分泌と流出を繰り返すことで、一定の量を保っています。
しかし、白内障が原因でぶどう膜炎になると、眼房水を流出する経路に障害が発生。
それにより眼房水がたまり、一定量を保てなくなると、眼圧が上昇して緑内障を続発します。
白内障が進行し、水晶体の成分が眼球内に溶けだす
↓
炎症が発生し、ぶどう膜炎に
↓
ぶどう膜炎により、眼房水の流出経路に障害
↓
眼房水がたまって緑内障に
犬の緑内障は強い痛みを伴いますが、飼い主さんが初期に気づくことは難しいとされています。
充血や目が大きく見える、目を痛そうにしているなどの異変があるときは、すでに視力に影響が及んでいる可能性があります。
緑内障が進行して視力が低下した場合、治療したとしても視力は回復できません。
白内障の放置リスク③ 網膜剥離
網膜剥離とは、目の奥にある網膜が剥がれることで栄養を供給できなくなり、失明してしまう病気です。
白内障によりぶどう膜炎になった場合、炎症によって出てきた液が網膜の下にたまることで、網膜剥離を続発する可能性があります。
白内障が進行し、水晶体の成分が眼球内に溶けだす
↓
炎症が発生し、ぶどう膜炎に
↓
炎症によって生じた液体が網膜の下にたまる
↓
網膜が剥がれる
進行して視力が低下している場合は、物にぶつかる、あまり動こうとしない、散歩を嫌がるなどの様子が見られます。
痛みや目立った症状がなく、普段通りの生活もできるため、飼い主さんが気付きにくい病気です。
白内障が治るのは手術のみ
白内障で低下した犬の視力を回復できるのは、手術のみ。
手術では、白く濁った水晶体という部分を取り除き、人口レンズを挿入します。
手術の成功率は80~90%と比較的高いですが、ぶどう膜炎や緑内障、網膜剥離などの合併症を発症するリスクがあります。
手術しても放置しても合併症を発症する可能性があるなら、リスクを負って手術する必要はないんじゃない?と思うかもしれません。
しかし、手術によって視力が回復し、犬の白内障は治るというメリットがあります。
白内障手術の費用
白内障の手術費用は、およそ20~40万円。
動物病院によっても差はありますが、検査や入院などの諸々の費用を合わせると、30~60万円ほどかかります。
ほとんどのペット保険は、白内障も補償対象としているので、ペット保険に加入していれば費用負担は少なくて済みます。
犬の白内障手術のリスク
白内障の手術は、基本的に年齢制限はありませんが、高齢犬の場合は注意が必要です。
シニア期になると体力や免疫力、臓器機能が低下するほか、持病を抱えているケースが多く、全身麻酔のリスクが高まります。
高齢の犬でも健康な状態であれば、手術による死亡率は0.4%ほど。
しかし、ほかにも病気を抱えている、食欲が低下しているなど、健康状態が悪い犬の死亡率は6%まで高まります。
白内障手術をすべき?
愛犬が白内障になった場合、費用面をクリアできるのであれば、基本的に手術した方がよいでしょう。
ただし、手術が最善の治療方法であるかは、犬の健康状態によって異なります。
とくに高齢の場合、全身麻酔をする手術は死亡リスクが伴うため、慎重に検討することが重要です。
動物病院によっては13歳以上の犬には、白内障の手術をしないというところもあります。
白内障手術のポイント
メリット、デメリットを考慮して決める
- 手術費用
→費用負担は問題ないか、ペット保険等で軽減できるか - 全身麻酔の死亡リスク
→年齢、持病の有無 - 白内障の進行度合い
→初期であれば、まずは目薬で進行を抑える - 視力回復のメリット
→若い犬=余生が長いほど、メリットが大きい
白内障になったら、犬の視力は低下するものの、寿命には影響しません。
高齢犬は全身麻酔のリスクについて十分考慮し、本当に手術をすべきなのか判断してあげてください。
なお、初期の白内障であれば目薬で進行を遅らせることも可能です。
獣医師さんに相談したうえで、すぐに点眼薬治療を開始し、病気の悪化を防いであげましょう。
「クララスティル」に含まれる有効成分、N-アセチルカルノシンは、犬30匹の58眼に対する試験が行われており、80%の改善が認められた研究結果があります。
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参考
犬の老年性初発白内障に対するピレノキシン点眼剤の効果(外部リンク)
白内障は進行性の病気
犬の白内障は、徐々に進行していく病気。
水晶体の濁りの程度や症状によって、次のように4つのステージに分けられます。
- 初発期
水晶体の濁りは、15%以下。
この段階では、視力にほとんど影響がないため、気づきにくいのが特徴。 - 未熟期
濁りは15~99%で、多くは飼い主さんも確認できる状態。
犬の視力は、見えづらい状態。 - 成熟期
水晶体は全体が濁り、飼い主さんも確認できる状態。
光に対する反応はあるが、犬の視力は失明もしくは失明に近い。 - 過熟期
水晶体の萎縮が起こり始め、表面にしわができたように見える状態。
犬は視力をほぼ失っているうえ、眼の中に炎症が生じる可能性もある。
白内障の症状や初期症状の見分け方については、チェックリスト形式で解説しているので、こちらのコラムをご覧ください。
参考
イヌの先天性及び若年性白内障の臨床(外部リンク)
犬白内障の進行度とそのレンズ上皮細胞の面積変化(外部リンク)
白内障初期は目薬、進行後は手術
犬の白内障に用いられる治療は、ステージに応じて異なります。
白内障がステージ3、もしくは4に進行している場合には、手術を行うことが一般的。
ただし、進行しすぎている状態であれば手術しない場合もあります。
健康状態が悪い高齢犬も、視力が回復するメリットより、全身麻酔を伴う手術の死亡リスクが上回る場合は同じです。
なお、ステージ1と2の段階の白内障では、目薬を投与して進行を遅らせることが可能です。
この段階で治療を始めれば、視力の低下も最低限に抑えられるでしょう。
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まとめ
白内障で低下した視力を回復させる唯一の方法は、手術のみ。
しかし、手術には全身麻酔が必要なので高齢犬は死亡するリスクもあり、絶対に受けられる治療とはいえません。
そんなときは、点眼薬による治療で進行を抑えることも可能です。
愛犬の年齢や健康状態を考慮し、獣医師さんと相談しながら最適な治療を選択してあげてください。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。