大切な愛犬が亡くなった―――
「いったい何からすればいいのか」と戸惑うのは自然なことです。
まずは、愛犬の体を安置することから始めましょう。
そのあとに、火葬や必要な手続きを少しずつ進めて行けば大丈夫です。
この記事では、安置の詳しい手順から、火葬プラン・料金、法律上の手続きまで、チェックリスト形式でまとめています。
愛犬を温かく見送るためのガイドとしてお役立てください。
目次
柴犬が死んだときの『やることリスト』

愛犬が亡くなった後は、以下の順番で落ち着いて進めていきましょう。
最初にやるべきは、遺体の傷みを防ぐための安置作業です。
まずは遺体を“安置”する
愛犬が息を引き取ったことを確認したら、遺体が傷まないよう速やかに安置の準備を行います。
自宅での安置方法
自宅で遺体を安置する際は、以下のステップに沿って丁寧に作業を進めます。
(1) 姿勢を整える
手足を胸元へそっと折り曲げて、横向きに寝かせて自然な姿勢を作ります。
まぶたや口はそっと閉じてあげましょう。
(2) 体を清める
固く絞ったタオルで全身を拭きます。
口元や下腹部など、汚れている部分もしっかり拭き取ります。
(3) 遺体を安置する
ペットシーツを敷いた箱に愛犬を寝かせます。
体液漏れを防ぐため、畳んだタオルで頭を少し高くしておくと安心です。
(4) 保冷する
保冷剤をタオルで包んでお腹や体の下に当てます。
毛布やバスタオルをかけると保冷効果が高まります。
直射日光が当たらない涼しい場所を選び、室温は25℃以下(できれば20℃以下)に保ちます。

安置できる日数
体が大きな子ほど腐敗が進みやすい傾向があります。
標準的な柴犬(体重10kg前後)の場合、安置できる日数の目安は以下のとおりです。
柴犬の安置日数(目安)
夏場:24時間以内
冬場:2〜3日以内
ドライアイスやペット専用の保冷庫を利用すると、1週間ほど延ばせる場合もあります。
いずれにしても、翌日~3日程度を目安に火葬の手配を進めることをおすすめします。
次に“火葬・葬儀”を行う
愛犬の身体をきれいに整えたら、次は火葬や葬儀の手配を行います。
火葬サービスには大きく分けて、『民営』と『公営(自治体)』の2つがあります。
飼い主さんの希望や予算に合わせて選びましょう。
(1) お骨を返却してほしい・手厚く見送りたい
⇒ 民営の火葬サービス
(2) 費用をできるだけ抑えたい
⇒ 公営(自治体)の火葬サービス
民営の火葬サービス
愛犬のお骨を持ち帰りたい方や手厚く見送りたい方は、民営の火葬業者が適しています。
柴犬(10kg前後)における一般的なプランと費用目安は以下のとおりです。
| プラン | 特徴 | 費用目安 (柴犬の場合) |
|---|---|---|
| 合同火葬 | 他のペットと一緒に火葬。お骨の返却はなく合同墓へ埋葬 | 約20,000円〜25,000円 |
| 一任個別火葬 | 業者に委託して個別火葬。スタッフがお骨上げをして後日返骨 | 約30,000円〜40,000円 |
| 立会個別火葬 | 家族が火葬に立ち会い、自分でお骨上げをして返骨 | 約40,000円〜50,000円 |
こうしたペット火葬は、以下のような流れで行われます。

基本的には火葬業者がお迎えにきて、移動式の火葬車で火葬が行われます。
火葬は自宅の駐車場や自宅から離れた場所まで移動するなどして行われ、柴犬の場合は1時間半~2時間ほどで終了することが多いです。
火葬業者によってプラン内容やオプション料金が異なるため、事前の見積もりや確認をおすすめします。
公営(自治体)の火葬サービス
自治体が運営する斎場や清掃事業所でも、ペットの火葬を行っています。
民営のサービスよりも費用を大幅に抑えられる点がメリットですが、基本的には「合同焼却扱い」となり、お骨は返却されません。
| 主要都市 | 特徴 | 費用目安 | 返骨 |
|---|---|---|---|
| 東京都 (23区) |
各区の清掃事務所などで対応 | 約2,000円〜3,000円 | 基本的に不可 (一部個別対応あり) |
| 大阪市 | 環境事業センターへ持込みまたは収集依頼 | 約2,000円〜3,000円 | 不可 |
| 名古屋市 | 愛護センターや環境事業所への持ち込み | 約1,500円〜3,000円 | 不可 |
収集をお願いできるケースもありますが、基本的には飼い主さんの持ち込みとなります。
また、自治体によっては事前予約が必要になるので、必ずお住まいの自治体公式サイトをご確認ください。
お骨が返ってきたら“供養”をする
無事に火葬が終わってお骨を引き取った後は、ご家族で供養を行います。
焦って決める必要はありません。
気持ちが落ち着くまで自宅に置いておくことも可能です。
手元供養(自宅で保管)
手元供養は、愛犬をいつでも身近に感じていたい方に選ばれている供養方法です。
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ご自宅に骨壺を安置します。デザイン性の高い骨壺カバーやペット用仏壇を利用する方も多いです。 |
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お骨の一部を小さなカプセルやペンダント、ミニ骨壺に納め、持ち歩ける形に加工します。 |
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持ち家の庭などに穴を掘り、お骨を埋める方法です。 |
実情では、自宅に骨壺を置いて供養する方が多いようです。
ただ、お骨のまま長く保管するとカビが生えてしまうことがあるため、室温や湿気には注意しましょう。
最終的に埋葬することになる場合もあるので、記事後半の「埋葬や散骨はどこで行ってもいい?」もご一読ください。
ペット霊園への納骨・埋葬
ペット霊園や寺院の施設にお骨を納めて、定期的にお参りをする方法です。
| 種類 | 特徴 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 合同墓・合祀墓 | 他のペットたちと一緒に大きな供養塔へ埋葬。維持費がかからない | 約5,000円〜30,000円 |
| 納骨堂(屋内施設) | 屋内の棚やロッカーに骨壺を安置。天候を気にせず参拝ができる | 年間約10,000円〜30,000円(管理費別) |
| 個別墓(屋外施設) | 屋外の区画に専用の墓石を建てて納骨。手厚く供養できる | 約100,000円〜300,000円前後 |
| 人と一緒に入れる墓 | 飼い主と同じお墓に入れる区画。近年需要が高まっている | 霊園・寺院の定めに準ずる |
施設費用に加えて、永代供養料や年間管理料など、別途費用がかかる場合もあります。
契約前に確認しておきましょう。
散骨・樹木葬
自然に還してあげたいという思いから、散骨や樹木葬を選ぶ方も増えています。
■ 散骨
お骨をパウダー状(粉骨)に加工し、許可された海や山林に撒く方法です。専門業者に依頼して実施するのが一般的です。
■ 樹木葬
墓石の代わりにシンボルツリー(樹木や花木)を植え、その根元周辺にお骨を埋葬する方法です。
柴犬が死んだときに必要な手続き
愛犬が亡くなった後は、行政機関での手続きが必要です。
基本的には、環境省への「マイクロチップ情報の死亡届」だけで完了するケースが多いですが、必要に応じて対応していきましょう。
| 手続き | 期限 |
|---|---|
| 自治体等への死亡届 ∟マイクロチップ情報の死亡届(環境省) ∟狂犬病予防法に基づく死亡届(市区町村) |
30日以内 |
| ペット保険の請求・解約 | 基本的になし(保険会社による) |
| その他の手続き | 基本的になし |
自治体等への死亡届
愛犬が死亡した際は、法律に基づき原則30日以内に死亡届を提出する必要があります。
必要な手続きは、愛犬にマイクロチップが装着されているかどうかで異なるため、いま一度確認するようにしましょう。
■ マイクロチップを装着している場合
愛犬にマイクロチップが装着されている場合は、環境省の専用サイトから手続きを行います。
- 期限:死亡日から30日以内
- 場所:環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」
- 方法:オンライン
- 必要な情報:マイクロチップ識別番号、暗証番号
マイクロチップ識別番号等は、愛犬を迎えたときに渡される「登録証明書」に記載されています。
お住まいの自治体が「狂犬病予防法の特例制度」に参加している場合は、上記の手続きをすることで自治体への死亡届も自動的に完了するため、別途、役所へ出向く必要はありません。
一方で、特例制度に参加していない自治体の場合は、役所での手続きも併せて必要になります。
各自治体の特例制度への参加状況は、環境省の「狂犬病予防法の特例制度に参加する市区町村一覧」をご確認ください。
■ マイクロチップが未装着の場合
愛犬にマイクロチップが装着されていない場合は、お住まいの市区町村で死亡届を提出します。
お住まいの自治体が特例制度に参加していない場合も同様です。
- 期限:死亡日から30日以内
- 場所:市区町村役場または保健所
- 方法:窓口・郵送・オンライン(自治体による)
- 必要な情報:鑑札番号、狂犬病予防注射済票
手続きには、犬鑑札や狂犬病注射済票が必要になることがあります。
基本的には、死亡届の書類を役場窓口へ提出・郵送して手続きを行います。
なかにはオンラインで完結できる自治体もあるなど、それぞれ手続きの手順が異なるため、お住まいの自治体の公式サイトで詳細をご確認ください。
ペット保険の請求・解約
ペット保険に加入している場合は、解約手続きを行います。
- 期限:なし(保険会社による)
- 場所:保険会社の公式サイト等
- 方法:電話・オンライン等
- 必要な情報:死亡日が確認できる書類(動物病院の診療明細書・領収書、火葬証明書のコピー等)
ペット保険は、解約すると日割りで保険料が返金される場合があります。
注意したいのが「死亡日が確認できる書類」を提出できない場合です。
このケースでは解約手続きの開始日をもって日割り計算をすることがあるため、早めに手続きを始めることをおすすめします。
なお、解約手続きを進める前には、生前の請求漏れがないか必ず確認しましょう。
その他の手続き
必要に応じて、次のような手続きも順次進めていきます。
登録団体への連絡
日本獣医師会(AIPO)のマイクロチップデータ登録制度や、ジャパンケネルクラブ(JKC)に登録している場合は死亡手続きを行います。
かかりつけ動物病院への報告
予防接種や検診の案内DMを停止してもらうため、連絡を入れておきましょう。
サブスクリプション・定期購入の解約
フード、サプリメント、定期配送のケア用品などの解約手続きを行います。
ペットロスに陥らないために
愛犬を失ったことで、心身に大きなダメージを受けるのはごく自然なことです。
しかしながら、悲しい気持ちに押しつぶされないためにも、次のようなことを試してみてください。
■ 感情の変化(グリーフワーク)を理解する
人が深い悲しみを乗り越えるとき、「否定→怒り→妥協→抑うつ→受容」というステップを踏むといわれます。

グリーフワークの5段階
否定:愛犬の死を認めたくない、信じられない状態
怒り:「なぜこんな目に」と理不尽さに怒りが湧く
取引:神仏や運命と交渉しようとする
抑うつ:何も手につかず、深い悲しみに沈む
受容:愛犬の死を静かに受け入れる
こうしたステップを行ったり来たりしながら、少しずつ愛犬の死を受け入れられるようになります。
心がどうしようもつらいとき、「自分は今、どのステップにいるのか」と客観的に捉えてみましょう。
少しだけ気持ちを切り替えられるかもしれません。
■ 自分を過剰に責めない
「あのとき、もっと何かしてあげられたのでは」
このように後悔や自責の念を抱くことは、それだけ愛犬を大切に想っていた証拠です。
逆に、ペットに愛情をもたない人がそんな後悔をするでしょうか?
完璧な看取りは存在しません。
自分を責める思考が浮かんだら、愛犬と楽しく過ごした時間に意識を向けるクセをつけましょう。
■ 気持ちを受け止めてくれる人に話す
一人で抱え込まず、家族や同じ経験を持つ友人などに素直な気持ちを話してみましょう。
言葉にして吐き出すことで、心の負担を少しずつ軽くしていけます。
悲しみを無理に閉じ込めず、自分の感情と優しく向き合うことが大切です。
柴犬を亡くしたときに抱く疑問
愛犬のお見送りに関して、飼い主さんが抱きやすい疑問にお答えします。
埋葬や散骨はどこで行ってもいい?
A. NGです。法律に抵触することがあります。
持ち家の庭など、ご自身の所有地にお骨や遺体を埋めることは法律上問題ありません。
しかし、以下の場所へ埋葬や散骨を行うことは禁止されています。
ペットの埋葬・散骨の禁止場所
・公園や河川敷などの公共施設・敷地
・他人の所有地
・賃貸マンション、アパートの敷地や共用部分
また、河川や山林への埋葬は不法投棄とみなされ、遺体を海に流す行為も禁じられています。
無用なトラブルを防ぐためにも、自身の所有地以外への埋葬や無許可での散骨は絶対に避けましょう。
獣医の対応に納得がいかないときは?
A. 冷静に説明を求めましょう。
「医療ミスがあったのでは」と不信感が残る場合は、まず落ち着いて動物病院へ詳細な説明を求めましょう。
カルテを開示してもらい、別の獣医師にセカンドオピニオンを求めることも選択肢の一つです。
一方で、医療への強い怒りは、グリーフワークの初期段階で見られる自然な反応でもあります。
自分の心が傷ついていることを冷静に受け止めることも大切です。
喪失感に耐えられないときはどうしたらいい?
A. 愛犬との出会いに改めて感謝しましょう。
強い喪失感に襲われたときは、“失ったもの”ではなく、“愛犬からもらった温かいもの”に意識を向けてください。
つらいときに寄り添ってくれたこと、そのおかげで乗り越えられたこと。
愛犬がくれたパワーや温かさを思い出し、出会えたことに改めて感謝しましょう。
少し気持ちが切り替わったら、部屋の大掃除をしたり、絵や文章を書いたりして、手を動かす作業に没頭するのも効果的です。
もし、食欲不振や不眠が続くときは、無理をせず心理カウンセラーや心療内科などに相談するようにしてくださいね。
柴犬との最後のときを心穏やかに過ごす
柴犬の死を確認したら、次のリストをもとに進めていきましょう。
愛犬の死は非常につらいことです。
しかし、丁寧にお見送りをして感謝の気持ちを伝えることが、飼い主さん自身の心を救うきっかけにもなります。
当サイト「ぽちたま薬局」は、すべての飼い主さんが愛犬と最後の時間を心穏やかに過ごせるよう、心から願っています。
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