【猫の寄生虫の種類一覧】こんなにいる!寄生虫ごとの特徴や症状、対策を解説

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【猫の寄生虫の種類一覧】こんなにいる!寄生虫ごとの特徴や症状、対策を解説

猫の寄生虫には、よく知られるノミ・ダニ以外にも、実はたくさんの種類がいることをご存知でしょうか。

愛猫の健康を守るために対策をしないと…と思っても、どんな寄生虫がいるのかがわからないと、具体的にどう対策を取ればいいのかわかりませんよね。

本記事では、そんな飼い主さんのために寄生虫の種類を一覧にしてまとめました。

どんな寄生虫がいるか、それぞれどんな症状を引き起こすのか、そしてどんな対策が有効なのか、詳しく解説していきます。

猫の寄生虫は大きく外部寄生虫、内部寄生虫に分けられる

猫の寄生虫は大きく外部寄生虫、内部寄生虫に分けられる

猫の寄生虫と一言で言っても、その種類はさまざま。

まず大きな括りとして、猫の寄生虫は「外部寄生虫」と「内部寄生虫」の2種類に分けられます。

簡単に言うと、「外部寄生虫」は皮膚や被毛など身体の体表に寄生する虫。

そして、「内部寄生虫」は小腸・大腸や心臓など内臓に寄生する虫です。

「外部寄生虫」と「内部寄生虫」、それぞれの代表的な種類について、症状や感染対策を紹介します。

寄生虫の感染経路や猫にどんな症状を引き起こすのかは以下のコラムでも説明しているので、あわせて確認してみてください。


外部寄生虫は猫の体表に寄生する

「外部寄生虫」は、猫の皮膚や被毛など体表に寄生する虫です。

主に屋外の草むらや山地に生息していますが、人間が外に出た際に付着して家の中に連れ込んでしまうことがあります。

外部寄生虫の中でもとくに猫の被害が多く見られるのは、ノミ、マダニ、ミミヒゼンダニ、シラミの4種類です。

外部寄生虫は猫の体表に寄生する

猫の外部寄生虫①ノミ

屋外、室内問わず繁殖するノミは、つねに愛猫を脅威にさらすでしょう。

吸血寄生虫であるノミは、気温が13℃あれば繁殖が可能。家の中は繁殖するのに都合のいい環境となり、連れ込んだ場合、駆除しないかぎりノミがずっと増え続けてしまいます。

ノミが猫の体表に寄生すると、24~48時間で体表に卵を産みます。適切に対策をしないと、その卵が室内で孵化し、次から次へとノミが増殖……なんてことにもなりかねません。

猫がノミに寄生されると、発疹やかゆみなどの症状を引き起こすノミアレルギー性皮膚炎を発症することがあります。

また、ノミが媒介する寄生虫や病気に感染するリスクも…。

対策としては、ノミの駆除薬が効果的です。定期的に投与をして愛猫を守りましょう。

>>ノミの駆除薬はこちらからご覧ください。

ノミについては、以下のコラムでより詳しく説明しています。

猫の外部寄生虫②マダニ

ダニの一種であるマダニ。寄生するのは、毎日散歩で外を出歩く犬だけ…というイメージもありますが、実は猫にも寄生します。

マダニが寄生するのは、ほかの外部寄生虫と同じく猫の体表。

とくに頭や耳など皮膚の薄いところを狙って吸血し、貧血や皮膚炎を引き起こします。

また、マダニは多くの病原体を保有しており、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)や猫ヘモプラズマ感染症などの感染症を引き起こすことも。

マダニの駆除薬は効果が1か月続くので、感染対策として定期的な駆除薬の投与がとても効果的です。

>>マダニの駆除薬はこちらをご覧ください

猫の外部寄生虫③ミミヒゼンダニ

「耳ダニ」とも呼ばれるダニの一種で、マダニとはまた違う寄生虫。その名の通り耳に寄生し、耳ダニ症を引き起こします。

かゆみから耳を異常に掻いてしまい、炎症や外耳炎、掻きむしりなどにつながることも…。

また、黒い耳垢が出てくるという特徴的な症状もあります。

ミミヒゼンダニも、効果が続く駆除薬を定期的に投与することが有効な対策となります。

>>耳ダニの駆除はこちらをご覧ください

猫の外部寄生虫④シラミ

猫に寄生するシラミは「ネコハジラミ」という種類で、猫以外には寄生しません。

ネコハジラミは猫の毛に寄生し、卵を産みます。

そして孵化した後、数回の脱皮を繰り返し成虫になり、一生を同じ猫で過ごします。

猫の毛に動くフケのようなものがついているときは、シラミが寄生している可能性が高いので注意しましょう。

猫にシラミが寄生しても無症状であることも多いですが、かゆみや脱毛、炎症などの皮膚トラブルを引き起こすこともあります。

シラミは駆除薬のほか、駆虫効果のあるシャンプーでも対策できます。

猫の内部寄生虫は内臓に寄生する

「内部寄生虫」は、猫の内臓に寄生します。症状も感染経路も虫によってさまざま。

比較的発見しやすい外部寄生虫とは違い、肉眼では確認できないため感染に気付きにくい、厄介な虫でもあります。

どんな種類がいるのか詳しく見ていきましょう。

紹介するのは内部寄生虫の中でも代表的な、フィラリア、条虫、線虫、原虫の4種類。

猫の内部寄生虫は内臓に寄生する

また、感染経路や症状については、こちらのコラムでも解説しているのであわせて確認してみください。

猫の内部寄生虫①フィラリア

フィラリアといえば耳にしたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

犬に寄生することで広く知られているフィラリアですが、確認されている数が犬より少ないだけで、猫にも寄生します。

フィラリアは蚊を媒介とし、吸血することにより感染する内部寄生虫です。

消化器官に寄生する他の多くの内部寄生虫とは異なり、肺動脈や心臓に寄生することが特徴で、命に関わることもあります。

猫がフィラリアに感染しても症状が現れにくく、咳や苦しそうな呼吸、嘔吐などの症状が見られたときには、すでに危険な状態になっていることも珍しくありません。

フィラリアは予防薬を定期的に投与することで対策できるので、愛猫の命を守るためにも定期的な投与をオススメします。

>>フィラリアの予防薬はこちらをご覧ください

猫のフィラリアについては以下のコラムでも詳しく説明しています。

猫の内部寄生虫②条虫

条虫は、見た目が真田紐に似ていることから「サナダムシ」とも呼ばれている内部寄生虫です。

主に猫の小腸に寄生し、無症状の場合が多いですが、大量に寄生されたり、子猫のように免疫力が低い場合には下痢や嘔吐などの症状が出ることもあります。

条虫は数種類おり、ここでは瓜実条虫、マンソン裂頭条虫、エキノコックスを紹介します。

猫の内部寄生虫②条虫

猫のサナダムシについては以下のコラムでも解説しています。

瓜実条虫

条虫の中でも感染機会が多いのが「瓜実条虫」です。

ほとんどの場合は無症状ですが、多数の瓜実条虫に寄生されると下痢や嘔吐などの消化器症状を引き起こします。

瓜実条虫はまずノミに寄生し、そのノミを猫が食べることで猫に寄生します。

そのため、瓜実条虫症にかかったときは、条虫の駆虫薬とは別にノミの駆除薬も投与しましょう。

マンソン裂頭条虫

マンソン裂頭条虫症は、感染しているカエルやヘビを猫が食べることで感染します。

小腸に寄生しますが多くの場合は無症状。

ただ、多数寄生されると下痢や嘔吐などの症状を引き起こし、重症化すると虫が腸に詰まり腸閉塞を起こすこともあります。

マンソン裂頭条虫には、ドロンシット錠など条虫類に効果のある駆除薬で対策しましょう。

マンソン裂頭条虫については以下のコラムでも詳しく解説しています。


>>ドロンシット錠の通販ページはこちらをご覧ください

エキノコックス

北海道のキツネに寄生していることがよく知られているエキノコックスですが、実は本州でも感染が確認されている条虫です。

エキノコックスに寄生されたネズミを猫が口にすることで感染します。

猫は無症状の場合が多いですが、人に感染した場合は重篤な肝機能障害を引き起こし、病気が進行すれば治療が困難になる恐ろしい寄生虫です。

猫のエキノコックスを発見するには糞便検査をし、条虫類の駆除薬で対策をしましょう。

>>条虫類(瓜実条虫・エキノコックス)の駆除薬はこちらをご覧ください

猫の内部寄生虫③線虫

細いミミズのような形をした線虫類。代表的な種類には猫回虫、猫鉤虫、鞭虫などがおり、主に猫の小腸に寄生します。

感染経路は、感染猫の糞便とともに排出された虫卵や寄生されているネズミを口にする経口感染、感染猫の母乳を飲んでうつる母子感染など。

ほとんどの場合で無症状ですが、条虫と同じく大量寄生された場合や子猫など免疫力が低い場合はその限りではありません。

嘔吐・下痢などの消化器症状、脱水や栄養失調などを引き起こすことがあります。

治療には線虫類に効果のある駆虫薬を投与します。

>>線虫類(回虫・鉤虫・鞭虫)の駆除薬はこちらをご覧ください

猫の内部寄生虫④原虫

原虫は、アメーバやゾウリムシと同じ顕微鏡レベルの単細胞生物です。

原虫の中でも代表的なジアルジア、トリコモナス、コクシジウムの3種類について、それぞれの特徴を見ていきましょう。

猫の内部寄生虫④原虫

ジアルジア

ジアルジアは、感染猫が糞便とともに排出された虫卵を猫が口にすることで感染します。

ジアルジア症にかかりやすいのは成猫よりも子猫。免疫力や体力がないため、症状が出やすいのです。

治療には抗原虫薬が使用されますが、薬で虫体の数は減らせるものの、完全に死滅させられないこともあります。

そのためケージやトイレを清潔にする、熱湯消毒するなど、感染しないよう普段から予防対策をすることが大切です。

猫のジアルジア症については以下のコラムでも説明しています。

トリコモナス

トリコモナスもジアルジア同様、感染猫の糞便とともに排出された虫卵を猫が口にすることで感染します。

トリコモナスに感染するのはほとんどが1歳以下の子猫で、下痢、血便、軟便などの症状が出ます。

治療にはメトロニダゾールという有効成分を含んだ抗原虫薬が使用されますが、苦みのあるお薬なので嫌がる猫も少なくありません。

トイレやケージを綺麗にする、定期的に検査をするなどの予防対策を普段からしておきましょう。

>>メトロニダゾールを含む「フラジール」の通販ページはこちらをご覧ください

猫のトリコモナス症については以下のコラムでも解説しています。

コクシジウム

コクシジウムは、感染猫の糞便とともに排出された虫卵を口にしたり、感染しているネズミを食べたりすることで感染します。

成猫はほとんどの場合で無症状ですが、免疫力が未発達の子猫の場合、発熱や下痢、血便などの症状を引き起こすコクシジウム症を発症します。とくに1歳未満の子猫が発症するケースが多いです。

治療は日本で唯一承認されているコクシジウム駆除薬「プロコックス」を投与するか、抗菌剤「サルファ剤」を1週間程度投与するのが一般的です。

猫のコクシジウム症については以下のコラムでも解説しています。

寄生虫の対策は完全室内飼いをすること

寄生虫の対策は完全室内飼いをすること

愛猫を寄生虫から守りたいなら室内飼いを徹底しましょう。

外部寄生虫、内部寄生虫にかかわらず外に出ることで感染リスクが高まります。

とはいえ、完全室内飼いだからといって油断は禁物。

ノミやダニは、人に付着して室内に持ち込まれる可能性があり、フィラリアを媒介する蚊も室内に入ってきますよね。

完全室内飼いに加えて、定期的に寄生虫の駆除薬を投与するなど、対策は十分におこないましょう。

まとめ

代表的な猫の寄生虫を紹介しました。

それぞれ症状や感染経路が異なり、種類に応じて対策や予防が必要になります。

しかし、飼い主さんが知識を持っておけば、予防だけでなくいざ感染したときにも早期発見につなげることができます。

ぽちたま薬局ではさまざまな寄生虫のより詳しい情報も掲載しています。

愛猫の飼育環境で感染する機会がありそうな寄生虫について、よければ確認してみてください。







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