「気温が上がってきたから 愛猫のためにノミ・ダニの対策をしないと!」
そんなノミ・ダニに対する意識が高まる時期にこそ飼い主さんに知っていただきたいのが、猫の寄生虫の存在です。
実は猫の寄生虫は、ノミ・ダニ以外にもたくさん存在します。愛猫の健康を守るためには、ノミ・ダニの対策だけでは不十分なことも…。
そこで飼い主さんが知っておくべき猫の寄生虫の種類や感染したときの危険性、感染対策などをこの記事で詳しく解説します。
目次
猫の寄生虫は大きく分けて外部寄生虫と内部寄生虫がいる
猫の寄生虫は、「外部寄生虫」と「内部寄生虫」に分類することができます。
・外部寄生虫
猫の皮膚・被毛など、身体の表面に寄生する
・内部寄生虫
猫の内臓など、身体の内側に寄生する
このように寄生する部位が違うので、症状も異なります。
そこでここからは外部寄生虫と内部寄生虫に分けて、それぞれ代表的な寄生虫の種類や症状を紹介します。
外部寄生虫の種類や症状
「外部寄生虫」とは、猫の皮膚や被毛に寄生する虫のこと。
ここでは代表的な外部寄生虫である、ノミとマダニについて説明します。
それぞれの種類や症状についてさらに詳しく知りたい方は、以下のコラムをご確認ください。
ノミ
ノミは体長2mmほどの吸血寄生虫。猫に寄生するノミはネコノミという種類がもっとも多いです。
主に春から秋にかけて活発に活動しますが、室内であっても13℃以上あれば活動するので冬も油断はできません。
猫がノミに吸血されると、アレルギー性の皮膚炎や貧血などの症状を引き起こします。
さらに、猫が毛繕い中に体についたノミを食べると「瓜実条虫」という内部寄生虫に感染することもあります。
猫のノミについて詳しくは以下のコラムでも詳しく解説しています。
マダニ
ダニの一種であるマダニ。緑の多いところに潜み、猫の体表に付着し吸血します。
体長2~10cm(1円玉が2cm)と、肉眼でも確認できる吸血寄生虫です。
マダニに吸血されると、吸血箇所の皮膚炎、貧血などの症状を引き起こします。
マダニは皮膚に噛み付く力がとても強く、無理に引っ張って取ろうとするとちぎれた頭部が皮膚内に残ることがあり、皮膚炎の原因になるので注意しましょう。
猫のマダニについては以下のコラムでも解説しています。
内部寄生虫の種類や症状
「内部寄生虫」とは、猫の内臓に寄生する虫のこと。
多くの種類が存在し、それぞれ寄生する部位が異なります。そのため症状も感染経路もさまざま。
そのなかでもとくに気を付けたいフィラリア、条虫(サナダムシ)、猫回虫 、猫鉤虫について説明します。
フィラリア
フィラリアは、蚊が猫を吸血することで感染します。猫の体内で約8ヶ月かけて成虫になり、肺や心臓の血管に寄生する恐ろしい病気です。
猫は犬と比べて症状が現れにくく、症状が出たときには危険な状態になっているということも…。
猫の場合は主に肺に寄生するため、咳や苦しそうな呼吸、吐き気などの症状を引き起こします。
フィラリアの成虫は1~3年で死滅しますが、その死骸が血管を詰まらせることで突然ショック状態になり死亡することもあるので、感染予防がとくに大切です。
猫のフィラリア予防については以下のコラムでも解説しています。
条虫(サナダムシ)
条虫は、サナダムシという名でも知られる猫の内部寄生虫です。
多くの種類がいる条虫ですが、とくに感染が多いとされるのが「瓜実条虫」。
瓜実条虫に寄生されたノミを、毛繕いなどで猫が口にすることで瓜実条虫症を引き起こします。
感染しても無症状であることが多いですが、大量に寄生されると下痢や嘔吐、食欲不振といった症状が見られるようになります。
猫の条虫については以下のコラムでも詳しく解説しています。
猫回虫
猫に寄生する回虫のほとんどが、猫回虫という種類の寄生虫です。
感染した猫の糞便中に含まれる虫卵を口にすることで感染します。
猫回虫に感染してもほとんどの場合が無症状ですが、下痢や嘔吐などの消化器症状が現れることがあります。
また、子猫は重症化しやすい傾向があり、栄養不調による体重減少やけいれんなどが起こる場合もあります。
猫鉤虫(こうちゅう)
猫に寄生する鉤虫の中でも「猫鉤虫」が代表的な種類で、猫の小腸に寄生し吸血します。
感染した猫の糞便中に含まれる虫卵が土壌などで生存し、それを口にすることで感染するほか、母猫からの授乳や、皮膚の毛穴などから入り込んで感染するケースもあります。
猫鉤虫に感染してもほとんどの場合で無症状ですが、大量寄生されると貧血や軟便などの症状を引き起こし、とくに子猫は重度の貧血で命が脅かされることもあります。
寄生虫は猫から人間にうつることもある
ここまで紹介した猫の寄生虫の多くは、人間にも感染する可能性があります。
ノミやマダニなどの外部寄生虫は接触することで感染するため、室内に持ち込まれてしまった場合はとくに注意が必要です。
内部寄生虫の場合は、猫の糞便が主な原因。猫の糞便とともに排出された虫卵や孵化した幼虫に触れたり、口にしたりすることで感染します。
内部寄生虫が人間に感染したとしても、ほとんどの場合は無症状ですが、下痢や腹痛などの症状が現れることもあります。
糞便を直接口にしなくても、床や地面で生存している虫卵や幼虫からも感染するので、とくに乳幼児や子どもは感染するリスクが高いです。
感染しないために、猫の糞を素手で処理しないことやよく手を洗うことが大切。
人間への感染リスクや予防対策は、以下の記事でより詳しく説明しているので、こちらもあわせてご覧ください。
寄生虫を発見するには?
内部寄生虫は、感染可能な虫卵や幼虫が肉眼では確認できないことに加えて、感染したとしてもほとんどの場合で無症状。
症状が現れにくいため、愛猫が感染していたとしても気づきにくいです。
しかしそのまま放置していると、何らかの原因で免疫力が弱まったときに症状が出たり、人に感染したりするリスクもあるため、検査を行って早期発見に努めましょう。
内部寄生虫は一度の便検査では検出されないことも多いため、定期的な検査をすることが大切です。
外部寄生虫のノミやマダニは、定期的に駆除薬を投与すること。また、ブラッシングやシャンプーなどの日頃のケアも早期発見につながります。
詳しくは以下のコラムでも説明しています。
猫の寄生虫は駆除薬で治療する
愛猫が寄生虫に感染したときは、駆除薬や注射を投与して寄生虫を駆除する治療をおこなうことが多いです。
寄生虫の種類によって効果的な駆除薬は変わりますが、フィラリア予防、ノミとダニに加えて内部寄生虫も駆除できる「ネクスガードキャットコンボ」のようなお薬もあります。
>>「ネクスガードキャットコンボ」を含む、フィラリア予防薬はこちらをご覧ください
内部寄生虫の場合は寄生虫の種類を特定し、駆虫薬に加えて下痢や嘔吐を止めるための薬も対処療法として必要になります。
何らかの症状が出た場合は、まず動物病院を受診することをオススメします。
愛猫を寄生虫から守るための対策3つ
猫の寄生虫には、多くの種類がいることがわかりました。
では、寄生虫に感染するリスクから愛猫を守るためにはどうしたらいいのでしょうか?
飼い主さんが今すぐできる、3つの対策を紹介します。
完全室内飼いにする
どの寄生虫にも共通する対策方法が、完全室内飼いにすることです。
ノミやマダニは屋外で接触して感染することがほとんど。
また、内部寄生虫に感染している猫の糞便や虫卵、生物を口にするリスクも大きく減らすことができます。
蚊はよく室内にも入り込みますが、屋外で過ごすよりは感染リスクを減少させられます。
まずは外部の脅威から愛猫を守りましょう。
定期駆虫をする
外部寄生虫であるノミやマダニは、定期的に駆除薬を投与することで感染リスクをぐっと減らせます。
ノミ・マダニの駆除に加えて、フィラリア予防ができる薬など、ぽちたま薬局ではさまざまな駆除薬を販売しています。
なかでも1回の投与で効果が1ヶ月も続くネクスガードキャットコンボは、定期駆虫にぴったりです。
定期的に検査をする
駆除薬の定期投与に加えて、寄生虫の検査もしておくと安心です。
とくに内部寄生虫は自分だけで発見することは難しいので、定期的に検査をおこないたいところ。
また、子猫はペットショップやブリーダー環境中に感染していることもあるので、迎えたばかりの子猫は何度か検査をすることをおすすめします。
もし仮に寄生虫に感染していても、早期発見をして愛猫を守ってあげましょう。
まとめ
猫の寄生虫の中には、さまざまな寄生虫がいて、それぞれ症状や感染経路も異なることがわかりました。
・猫の寄生虫には「外部寄生虫」と「内部寄生虫」の2種類に分けられる
・ノミ、ダニなどの外部寄生虫は接触感染し、皮膚炎などを引き起こす
・フィラリア、条虫、回虫、鉤虫などの内部寄生虫は、経口感染や生物を媒介して感染し、主に消化器症状を引き起こす
・猫の寄生虫が人間に感染する可能性もある
・猫の寄生虫は、定期駆虫などで予防を行うことが大切
飼い主さんが寄生虫に関する知識を知っておけば、愛猫の健康を守ることにも繋がるので、ぜひ覚えておきましょう。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。