「クレデリオ」はノミ・マダニの駆除薬として人気のお薬。
駆除以外にもイヌニキビダニの駆除による全身性毛包虫症の改善効果もあります。
しかし、犬の疥癬には効果があるのでしょうか?
実は、疥癬(ヒゼンダニ)への効果が期待できるのはクレデリオではなく「クレデリオプラス」のほうです。
本記事では、クレデリオ、クレデリオプラスのそれぞれの効果の違いや疥癬に効果のあるお薬を紹介します。
ぜひお薬選びの参考にしてください。
目次
犬の疥癬(かいせん)症はヒゼンダニが原因の皮膚疾患
犬の疥癬症は、ヒゼンダニというダニの一種が犬の皮膚に寄生することで発生する病気です。
ヒゼンダニは犬の皮膚に卵を産み付けそこで繁殖を繰り返しますが、ダニや卵が分泌する物質が犬の体内でアレルギー反応を引き起こし、これが激しいかゆみを伴う疥癬症の原因となります。
かゆみがひどくなることで、犬は頻繁に皮膚を掻きむしり、さらに状態が悪化することも……。
しかも、ヒゼンダニは犬から人にも感染する可能性もあるので注意が必要です。
愛犬がかゆがっていたり体を掻いていたら、早急に原因を突き止め対応しましょう。
ステロイドを使うと悪化する恐れがあるので注意
犬の疥癬はヒゼンダニの寄生によって引き起こされる皮膚疾患ですが、かゆがっている=疥癬と決めつけるのは避けましょう。
誤ってアレルギー性皮膚炎や犬アトピー性皮膚炎と同じようにステロイドを使用すると、かゆみが改善しないばかりか、症状が悪化する恐れがあります。
ステロイドは炎症を抑える薬ですが、ヒゼンダニが原因の場合、効果的な治療にはなりません。
犬がかゆみを感じている場合は、まずその原因をしっかりと調べ、それから適切な治療をおこないましょう。
クレデリオは疥癬の治療薬になる?
クレデリオは、ノミやマダニの駆除や、イヌニキビダニによる全身性毛包虫症の改善に有効です。
しかし、ヒゼンダニに効果があるとされる成分は含まれていません。
ただ、フィラリア予防もできる「クレデリオプラス」にはヒゼンダニに効果があるミルベマイシンオキシムが有効成分として含まれています。
そのため、一部の動物病院では疥癬の治療にクレデリオプラスを使用することがあるようです。
参考
・瘙痒症を伴う犬におけるイベルメクチンおよびミルベマイシンオキシムによる犬疥癬の診断的治療効果(外部リンク)
犬の毛包虫症とは?
犬の毛包虫症は、毛包虫が犬の毛包や皮脂腺に寄生し、急激に増殖することで発生する病気です。
毛包虫は、ニキビダニ、アカラス、デモデックスなどとも呼ばれます。
毛包に炎症が起こり、脱毛や発赤が見られるのが特徴で、細菌感染が進行すると膿皮症を併発する危険性もあります。
クレデリオとクレデリオプラスの違い
「クレデリオ」と「クレデリオプラス」は、その効果に違いがあります。
クレデリオの効果は主にノミ・マダニの駆除と、イヌニキビダニによる全身性毛包虫症の改善。
一方、クレデリオプラスはこれらの効果に加えて、フィラリア予防や犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫の駆除にも対応しています。
つまり、クレデリオプラスはクレデリオの機能を拡張したもので、より多くの寄生虫に対応できる点が特徴です。
クレデリオプラスの詳細については、以下のコラムでも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
犬の疥癬の治療法は?
ここからは犬の疥癬の治療方法について紹介します。
治療方法には主に以下のようなものがあります。
一つずつ説明していきます。
イベルメクチンやセラメクチン、ミルベマイシンオキシムなどの駆虫薬を使う
犬の疥癬の治療には、ヒゼンダニに対する駆虫効果を持つ薬が使用されます。
代表的なものとして挙げられるのは、イベルメクチン、セラメクチン、ミルベマイシンオキシムなど。
投与量や回数は症状の程度によって獣医師と相談しましょう。
これらの薬は、犬のフィラリア症の予防薬と同じ成分を含んでおり、犬がフィラリアに感染している場合、使用することはできません。
使用の際には事前の診断と注意が必要です。
コリー犬へのイベルメクチンの投与について
コリー種は、遺伝的にイベルメクチンの影響を受けやすい犬種とされています。
これは、コリー種の犬が血液脳関門のバリア機能に欠損や不完全さを持っているため、通常よりも多くのイベルメクチンを脳や脊髄に取り込んでしまうことが原因です。
その結果、中毒症状や副作用が発生するリスクが高まります。
遺伝的に副作用を起こさないかどうかを確認するには遺伝子検査が必要です。
フィラリア予防薬に含まれるイベルメクチンは低用量のため心配ないという見解もありますが、不安な飼い主さんはほかのお薬を検討してみてください。
詳しくは以下のコラムでも解説していますので、参考にしてください。
疥癬治療薬(クリーム)を使う
ペルマイトクリームは、ヒゼンダニやシラミを駆除する治療薬。
疥癬の原因であるヒゼンダニやシラミを駆除し、症状を緩和します。
また、ペルマイトクリームは本来人間用のお薬ですが、動物に対する安全性も認められ、犬用の治療クリームとして用いられるようになりました。
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疥癬の原因であるヒゼンダニに効果のあるお薬は?
ヒゼンダニに効果があると言われているのは「サロラネル」「アフォキソラネル」「フルララネル」といった成分です。
参考
・イソキサゾリン経口投与治療が奏功した痂皮性ノルウェー疥癬の猫の一例(外部リンク)
・フルララネルを有効成分とするチュアブル製剤 ʻ ブラベクト錠 ʼ に対する犬の嗜好性(外部リンク)
ここからは、これらの成分が含まれたお薬を紹介します。
それぞれノミやマダニの駆除以外に効果があるものもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
クレデリオプラス
クレデリオプラスの有効成分「ミルベマイシンオキシム」が、疥癬の原因であるヒゼンダニに効果を発揮します。
この薬はビーフフレーバー付きのチュアブル錠なので、おやつ感覚で簡単に投与できるのもポイント。
ノミやマダニ駆除のほか、フィラリア予防、お腹の寄生虫も駆除してくれる、オールインワンなお薬です。
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ネクスガード
ネクスガードは、有効成分アフォキソラネルを含んでいます。
おやつタイプなので、薬が苦手な犬でも簡単に投与でき、ストレスなく使えるでしょう。
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さらに、フィラリア予防もできる「ネクスガードスペクトラ」もおすすめです。
ノミ・マダニのほかお腹の寄生虫からも愛犬を守ってくれます。
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有効成分:アフォキソラネル、ミルベマイシンオキシム
シンパリカ
シンパリカは、有効成分サロラネルを含むノミ・マダニの駆除薬です。
ノミは8時間、マダニは12時間で駆除が完了し、効果が速やかに現れます。
さらにサロラネルは寄生虫の神経細胞に結合するように設計されており、哺乳動物に対する毒性が低く、安全性が高いとされています。
また、イベルメクチン系の薬に感受性を示すコリー犬に対しても、最大推奨量の3倍に相当する量を投与しても有害反応が確認されていないため、安心して使用できます。
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フィラリア予防を同時に行いたい場合は、「シンパリカトリオ」もおすすめです。
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有効成分:サロラネル、モキシデクチン、ピランテル
犬の疥癬を予防するには
定期駆虫は疥癬を予防するのに大切ですが、駆虫以外にもしたい対策が以下です。
愛犬の健康を守るために、日頃のケアもおこなっていきましょう。
感染動物との接触を避ける
疥癬は、感染している動物のフケやかさぶたなどを媒介にして広がります。
そのため、ドッグランやペットホテルなど、犬同士の接触が多い場所は注意しましょう。
また、多頭飼いをしている場合、もし一頭でも疥癬に感染してしまったら、他の犬全員に治療が必要です。
感染を防ぐためには、感染の可能性がある動物との接触を避け、定期的に健康チェックをおこなうことが重要です。
定期的にシャンプーをする
疥癬の予防には、薬用シャンプーなどで愛犬の皮膚を清潔に保つことも効果的です。
ヒゼンダニだけではなく、ノミやマダニの予防の効果も期待できるので、日頃からケアをしてあげましょう。
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飼育環境を清潔に保つ
疥癬は、免疫力の低下によって発症リスクが高まる可能性があります。
とくに子犬や老犬は、健康な成犬と比べて感染のリスクが高いと言われています。
そのため、飼育環境を清潔に保ち、健康状態を維持することが大切です。
定期的な掃除や消毒をおこない、ベッドやおもちゃなども清潔に保ち、感染や再感染のリスクを低減させましょう。
まとめ
犬の疥癬症はヒゼンダニが原因で発生する皮膚疾患で、激しいかゆみなどの症状を引き起こします。
「クレデリオ」にはヒゼンダニに効果を発揮する成分は含まれていませんが、「クレデリオプラス」にはミルベマイシンオキシムというヒゼンダニに効果のある成分が含まれています。
ほかにもネクスガード、シンパリカといった駆虫薬も効果的。
駆除対象となる虫がそれぞれ違うので、愛犬に合ったものを選んであげましょう。
また、疥癬を予防するためには、日常的なケアや飼育環境の清潔さを保つことも大切です。
適切な治療と予防策をとり、愛犬の健康を守りましょう。
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ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。