犬を飼っている方なら、「クレデリオプラス」の名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
クレデリオプラスは犬用の寄生虫駆除薬で、ノミ、マダニ、線虫、回虫などの複数の寄生虫が駆除でき、フィラリア症の予防にも効果がある人気のお薬です。
目次
犬の寄生虫駆除薬
昔はたいていの犬は室外で飼われているものでした。しかし、今はペットも家族の一員。室内で飼う方も少なくありません。
室内でも愛犬と過ごせて幸せではありますが、そこで気を付けないといけないのが、犬の寄生虫駆除です。
犬に寄生虫がいると犬の健康を損ないますが、私たち人間にも感染する場合があります。室内で犬を飼っている場合は、人への感染度がさらに高まります。
クレデリオプラスは、犬と人との幸せな共存のため開発された犬専用の寄生虫駆除薬です。
このお薬だけでノミ、マダニ、フィラリア、回虫など複数の寄生虫を駆除、予防できるのが特徴です。
クレデリオの進化版
クレデリオプラスよりも先に販売されている犬用の寄生虫駆除薬「クレデリオ」は、ノミとマダニの駆除しかできませんでした。
しかし有効成分「ミルベマイシンオキシム」をプラスすることで、フィラリア症やお腹の中の虫も駆除することができるようになりました。
よってクレデリオプラスは、クレデリオの進化版になります。
優れたポイント
クレデリオプラスの優れたポイントは、以下3つです。
この3つのポイントについて、それぞれ詳しく説明します。
①寄生虫をまとめて駆除
・ノミ、マダニ
・フィラリア予防
・回虫駆除
クレデリオプラス一つで、寄生虫をまとめて駆除できます。
クレデリオのようにに駆除できる寄生虫がノミ、マダニだけだった頃は、フィラリア症予防や回虫駆除のための薬を別で飲ませる必要がありました。
それにより、投与の手間やワンちゃんの負担が今の倍でした。
しかし1錠ですべての寄生虫駆除と予防が可能になった、クレデリオプラスのようなオールインワンタイプが発売されてからは、毎月の投与が1回だけでよいため、ワンちゃんと飼い主さまの負担がかなり減りました。
②効き目は早く、効果は長く
ノミ・・・投与後6時間以内
マダニ・・・8時間以内
クレデリオプラスは、すでに寄生しているノミ・マダニが上記の時間内で99%の駆除が可能です。
さらに、その効果は約30日ほど継続します。
継続使用することでノミ、マダニから愛犬を守り続けることができます。
③ビーフフレーバー付き錠剤
犬の嗜好に合わせたビーフフレーバー付きの錠剤です。
錠剤のサイズも犬のサイズに合わせて約0.6cm~2cm、一番大きな大型犬用の錠剤でも2cmと小さめなので、直接あげたり、フードに混ぜたりと愛犬に合わせた方法を選べます。
錠剤のサイズ | ||
---|---|---|
超小型犬用(1.4~2.8kg未満) | S | 約0.6cm |
小型犬用(2.8~5.5kg未満) | M | 約0.8cm |
中型犬用(5.5~11kg未満) | L | 約1cm |
大型犬用(11~22kg未満) | LL | 約1.5cm |
超大型犬用(22~45kg未満) | XL | 約2cm |
クレデリオプラスで駆除可能な寄生虫
クレデリオプラスは、ノミ、ダニ駆除薬「クレデリオ」に、有効成分ミルベマイシンオキシムが加わり、フィラリア症予防やお腹の中の虫の駆除も可能になったお薬です。
駆除できる寄生虫としてはノミ、マダニ、フィラリア予防、犬回虫、犬鉤虫、犬鞭虫に効果があると公表されています。
次の項目では寄生虫ごとに詳しく説明します。
ノミ
犬や猫だけではなく、人にも寄生して血を吸います。
ノミに刺されると、激しい痒みに襲われ、ぽつぽつと皮膚から隆起した発疹や、水膨れ、色素沈着、かさぶたなどになります。
◆ノミへのクレデリオプラスの効果◆
すでに寄生しているノミは、投与後6時間以内に99%死滅します。
30日後の再投与の際には、新しく寄生したノミは4時間以内で死滅します。
マダニ
動物の血液を餌とする節足動物。吸血中は無理に引っ張ると口器だけが皮膚内に残り、化膿の原因となったりするので、専用のピンセットで除去するか、動物病院で処置してもらうのが良いでしょう。
吸血の際にウイルスや細菌の媒介者となることがあり、人にも感染します。見つけ次第駆除することが望ましいです。
◆マダニへのクレデリオプラスの効果◆
すでに寄生しているマダニは、投薬後8時間で99%死滅します。
30日後の再投与の際には、新しく寄生したマダニを、48時間以内に死滅させることができます。
マダニの吸血が原因で感染し、最悪の場合は死に至ることもあるバベシア症は、マダニが吸血を開始してから48時間以降に感染すると言われています。
1ヵ月に1回クレデリオプラスを投与し続けることで、バベシア症の感染を回避し続けることができます。
フィラリア症
蚊が犬や猫の血を吸血することで幼虫が体内に入り込みます。
犬や猫の中で幼虫が成長、白く細長いそうめんのような成虫へと成長し心臓や肺動脈に寄生すると最悪の場合死に至ります。
◆フィラリア症へのクレデリオプラスの効果◆
フィラリアの幼虫は45~65日で予防薬が効かなくなる状態に成長する可能性があるので、感染してから45日以内にフィラリア予防薬を投与する必要があります。
フィラリア症の予防効果もあるクレデリオプラスなら、30日に1回継続して投与することで、フィラリアの幼虫を確実に駆除し、感染を防ぐ事ができます。
成虫がすでに体内に寄生している場合、予防薬を投与することでアナフィラキシーショックを起こし、死に至る場合があります。
初めて予防薬を投与する際は、必ず動物病院でフィラリアに感染しているかどうか調べてから使うようにしましょう。
犬回虫
犬の消化器官内に寄生する寄生虫です。人にも感染するので注意が必要です。
少数の回虫に感染している場合はそれほど症状も出ませんが、数が増えてくると以下の症状が現れます。
・下痢
・口から回虫を吐く
・便に回虫が混ざる
・食欲不振
・体重減少
・成長不良
・毛づやの悪さ
・腸閉塞
人間に感染した場合は脳や皮膚などの神経系、肝臓、目などに回虫が入り込み炎症や障害を引き起こします。
深刻な後遺症をもたらすこともあるため、みつけ次第駆除することが大切です。
◆犬回虫へのクレデリオプラスの効果◆
有効成分ミルベマイシンオキシムは、線虫や節足動物へ非痙攣性の麻痺を起こさせます。線虫に属する犬回虫も同様、有効成分により神経細胞が麻痺し、死に至ります。
犬鉤虫(成虫・幼虫)
頭部に鉤(カギ)のような構造のある消化管内に寄生する寄生虫です。
小腸に頭部の鉤のようなものをひっかけて、宿主の血を吸血しながら寄生します。
寄生されると下痢や血便の症状が現れるようになります。
◆犬鉤虫へのクレデリオプラスの効果◆
犬鉤虫も線虫類に属する消化器官内の寄生虫のため、有効成分ミルベマイシンオキシムにより非痙攣性の麻痺が起こり、死に至ります。
犬鞭虫
体長が6cm前後のレモンのような形をしている消化管内の寄生中です。
盲腸に寄生しますが、寄生する数が増えると大腸にも寄生するようになり、下痢などの症状が現れます。
◆犬鞭虫へのクレデリオプラスの効果◆
線虫類に分類される犬鞭虫は有効成分ミルベマイシンオキシムがとても有効です。
非痙攣性の麻痺によって死に至ります。
犬鞭虫は一度駆除しても再感染を繰り返すので、定期的な駆虫を続ける必要があります。
CMで有名な「ネクスガードスペクトラ」との違い
フィラリア予防薬にはたくさんの種類があります。
その中でもCMで有名なネクスガードスペクトラとクレデリオプラスはどのような違いがあるのでしょうか。
違いは薬の形状と有効成分
クレデリオプラスとネクスガードスペクトラ、この二つの薬の大きな違いは、薬の形状と有効成分です。
薬の形状 | 有効成分 | |
---|---|---|
クレデリオプラス | 錠剤タイプ | ロチラネル ミルベマイシンオキシム |
ネクスガードスペクトラ | チュアブルタイプ | アフォキソラネル ミルベマイシンオキシム |
次の項目ではそれぞれの特徴を細かく比べて行きたいと思います。
錠剤タイプのクレデリオプラス
フィラリア予防薬の薬の形状は大きく分けると、錠剤、おやつタイプのように与えることができるチュアブルタイプ、液状の薬を滴下するスポットオンタイプと3種類あります。
クレデリオプラスは、錠剤タイプのお薬となります。
ビーフフレーバーの錠剤
錠剤タイプのお薬は見た目やその形状から、犬に敬遠されてしまうのではと思う方もいるかもしれませんが、クレデリオプラスはビーフの香り付きの錠剤なので、その心配はいりません。
錠剤の大きさも体重に合わせて0.6~2cmと5種類くらいあり、大型犬用でも2cmほどしかない小さなサイズなので、直接口に入れても飲み込むことができます。
与えるタイミング
クレデリオプラスを与えるには、有効成分ロチラネルの吸収を促進させるために、以下のタイミングが望ましいです。
・食事と一緒に
・食後30分以内
チュアブルタイプのネクスガードスペクトラ
ネクスガードスペクトラは、おやつのように与えることができるチュアブルタイプのお薬です。
匂いはもちろん、見た目もおやつにしか見えないので、錠剤が苦手な犬でもよろこんで食べてくれます。
噛んで食べる本物のおやつのような薬
チュアブルタイプの薬なので、本物のおやつのように噛んで食べることができます。
ただ、1個分をきちんと食べきらないと、必要な分の有効成分が体内に吸収されません。
噛んで食べているうちにぼろぼろと口からこぼれ落ちて、そのまま放置ということにならないように、食べきるまで注意深く見守ってあげましょう。
与えるタイミング
与えるタイミングは1ヵ月に1回ということ以外は、特になにもありません。
食事に左右されることもないので、遊んでいる時にあげてもよいし、リラックスしている時にあげても良いですね。
それぞれの有効成分の違い
クレデリオプラスとネクスガードスペクトラは、犬のフィラリア予防と寄生虫駆除薬という効果に関してはほぼ同じですが、有効成分には少し違いがあります。
有効成分 |
|
---|---|
クレデリオプラス | ネクスガードスペクトラ |
ロチラネル ミルベマイシンオキシム |
アフォキソラネル ミルベマイシンオキシム |
二つの薬共通の有効成分として、ミルベマイシンオキシムが含まれています。
クレデリオプラスだけの有効成分
ロチラネル
ノミ、マダニに効果があります。
昆虫の神経伝達物質に影響を与えることで昆虫の中枢神経のコントロールを不能にします。
哺乳類に関してはほとんど影響がないので、安全に使うことができます。
クレデリオプラスのひとつ前のタイプ、クレデリオにはこちらの有効成分しか入っていませんでした。
ネクスガードスペクトラだけの有効成分
アフォキソラネル
昆虫のような無脊椎動物の特定の受容体に結合し、塩素イオンの流入を阻害する事で、興奮状態にさせ、死に至らします。
ネクスガードスペクトラのひとつ前のタイプのお薬、ネクスガードにはこの有効成分しか入っていませんでした。
共通の有効成分
ミルベマイシンオキシム
クレデリオプラスとネクスガードスペクトラに共通して入っている有効成分です。
寄生虫の神経細胞や筋肉細胞の膜を過分極させることで、死に至らしめる作用があります。
ノミとマダニしか駆除できなかったクレデリオとネクスガードに、ミルベマイシンオキシムがプラスされました。
これにより、フィラリア症の予防と犬糸状虫症予防、消化管内の寄生虫駆除が可能となったクレデリオプラスとネクスガードスペクトラが誕生しました。
駆除可能な寄生虫
クレデリオプラスと、ネクスガードスペクトラで駆除可能な寄生虫は以下になります。
クレデリオプラス | ネクスガードスペクトラ | |
---|---|---|
ノミ・マダニ | 〇 | 〇 |
フィラリア予防 | 〇 | 〇 |
犬回虫 | 〇 | 〇 |
犬鉤虫 | 〇 | 〇 |
犬鞭虫 | 〇 | 〇 |
結局どれがいいの?
クレデリオプラスとネクスガードスペクトラを比較してきましたが、どちらもほぼ同じ効果が期待できます。
決定的な違いといえば、形状と、食事に左右されるかどうかでしす。
錠剤タイプのクレデリオプラスは、見た目はお薬ですが、犬の嗜好に合わせたビーフフレーバー付きです。
投与も食事中か食後30分以内が良いため、食べることが大好きなワンちゃんは食事の延長でよろこんで食べてくれます。
おやつタイプのように、食べているうちにぽろぽろこぼすということもないので、毎月の投薬の負担を手軽に済ませたい飼い主さまとワンちゃんにおすすめです。
フィラリア予防薬で話題のクレデリオプラスまとめ
クレデリオプラスは、フィラリアの予防薬として話題になっているお薬です。
ノミ、マダニ駆除薬だったクレデリオに、有効成分ミルベマイシンオキシムがプラスされることで、フィラリアの予防と回虫駆除が可能となり、さらに使いやすくなりました。
クレデリオプラスだけで気になる寄生虫はほぼ駆除できるので、月に1回与えるだけで愛犬とのハッピーライフを維持できます。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。