犬のフィラリア予防薬は種類が多く、含まれている有効成分もそれぞれです。
当然どのお薬も安全性が高いものですが、コリー系の犬種は「イベルメクチン」と「ミルベマイシンオキシム」という成分には注意が必要といわれています。
理由としては、コリー系の犬が遺伝的にこれらの成分の影響を受けやすいとされているからです。
ただ、このリスクは高用量を投与した場合に起こるもの。
フィラリア予防薬に含まれるのはそれよりもさらに低用量なので、基本的に心配はいりません。
それでも、コリー系の犬種への投与に対する判断は動物病院によっても異なります。
飼い主さんとしても、「少しでもリスクがあるなら、より安心できるお薬を使いたい」という気持ちがありますよね。
そんな飼い主さんのために、「ぽちたま薬局」のスタッフがコリー系の犬種にも安心して投与できるフィラリア予防薬を紹介します!
コリー種におすすめのフィラリア予防薬を
すぐに知りたい方はこちらからどうぞ
目次
イベルメクチンや
ミルべマイシンオキシムが
コリー犬へ与える影響
少し専門的な話になりますが、コリー系の犬種は「MDR1遺伝子」に変異がある可能性が高いです。
MDR1遺伝子とは、体内でP糖タンパク質を作る役割を持つ遺伝子のこと。
このP糖タンパク質は、毒性のある物質や異物を血中に戻し、細胞への侵入を防ぐバリア機能を果たしています。
しかし、MDR1遺伝子に変異が起こりやすいコリー系の犬種 はこのバリア機能が低下するため、神経系の副作用を受けやすくなるのです。
もちろん、コリー系の犬種の中には副作用が出ない子もいますが、遺伝子検査を受けてみるまでわかりません。
このような背景から、コリーにはイベルメクチンやミルベマイシンオキシムの投与に注意が必要と言われているのです。
参考
MDR1-deficient genotype in Collie dogs hypersensitive to the P-glycoprotein substrate ivermectin(外部リンク)
イベルメクチンを含むフィラリア予防薬には、以下のような製品があります。
イベルメクチンを含む
フィラリア予防薬
- イベルメック錠
- カルドメックチュアブル
- ハートメクチン錠
- パナメクチンチュアブル
など
一方、ミルベマイシンオキシムが使われているのは、以下のようなお薬です。
ミルベマイシンオキシムを
含むフィラリア予防薬
- ネクスガードスペクトラ
- クレデリオプラス
- ミルプラゾンチュアブル
など
イベルメクチンとミルベマイシンオキシムの副作用
イベルメクチンの副作用
イベルメクチンの副作用
- 神経症状
- 唾液分泌過多
- 抑うつ
- 運動失調
- 視野異常
- 昏睡 など
コリー系の犬種では、体重1kgあたり150~340μg/kgのイベルメクチンを与えると毒性が発現するとされています。
しかしフィラリア予防薬としてのイベルメクチンの含有量はそれよりも低用量なので、心配はいらないという見解もあり、実際に論文も発表されています。
参考
コリーにおけるIvermectinの 安全性の評価(外部リンク)
コリー種にとって問題となるのは、フィラリア予防薬よりもニキビダニや疥癬の駆除薬。
体重1kgあたりイベルメクチンが200~600μgほど含まれている場合があります(100μg=0.1mg)。
ミルベマイシンオキシムの副作用
ミルベマイシンオキシムをコリー系の犬種が使用する場合は、体重1kgに対し1日1.5mgで神経毒性の副作用が起こる恐れがあります。
その症状は、以下の通りです。
ミルベマイシンオキシムの副作用
- 抑うつ
- 運動失調
- 視覚障害
- 昏睡
- 死亡 など
死亡と聞くと怖くなってしまうかもしれませんが、フィラリア予防薬に含まれるミルベマイシンの基準量は、体重1kgあたり0.5mg。
フィラリア予防薬におけるミルベマイシンの含有量は、神経毒性を引き起こすリスクが伴う数値には及びません。
フィラリア症予防を目的する投与量であれば、コリー系の犬種でも安全に使用できるでしょう。
上記の内容からわかるように、イベルメクチンやミルベマイシンオキシムを使ったからと、必ず副作用の影響を受けるわけではありません。
ただ、どちらも用法・用量はしっかり守ってください。
参考
ミルベマイシンオキシムのコリーに対する安全性(外部リンク)
犬と猫の治療薬ガイド. 2023(外部リンク)
いくら安全と言われても、「使うのはやっぱり心配…」と思う方もいるでしょう。
そんな飼い主さんは、イベルメクチンやミルベマイシンオキシムを含まないフィラリア予防薬を選ぶのがいいでしょう。
次項目から、ぽちたま薬局おすすめのフィラリア予防薬を紹介します。
コリー種でも安全に使える
フィラリア予防薬の成分は?
コリー種でも安心して使えるフィラリア予防薬には、「モキシデクチン」や「セラメクチン」を含むお薬があります。
イベルメクチン、ミルベマイシンオキシム、モキシデクチン、セラメクチンは、この成分にそれぞれどのような違いがあるのか、以下の表に簡単にまとめました。
ぜひ参考にしてください。
成分名 | フィラリア 以外の効果 |
コリー種への安全性 |
---|---|---|
イベルメクチン | 疥癬の改善 | 注意が必要 |
ミルべマイシンオキシム | 内部寄生虫 疥癬の駆除 |
注意が必要 |
モキシデクチン | ニキビダニ症の改善 | 安全 |
セラメクチン | 内部寄生虫 ノミダニの駆除 |
安全 |
コリー種でも安心の
フィラリア予防薬
ここからは、「ぽちたま薬局」でも取り扱いのある人気のフィラリア予防薬を紹介します!
お薬選びをする際は、ぜひ参考にしてください。
【シンパリカトリオ】
ノミ・マダニ、内部寄生虫にも効果あり!
シンパリカトリオは、サロラネルとモキシデクチン、ピランテルを含むお薬。
3種類の成分はフィラリア、ノミやマダニ、お腹の虫と、広範囲の寄生虫に効き目を発揮します。
お肉風味が楽しめるチュアブル錠で、食いつき抜群の人気商品です。
【レボリューション】
フィラリア・ノミ・耳ダニに効果あり!
レボリューションは、アポキルやサイトポイントいったお薬も製造する「ゾエティス」の製品。
有効成分のセラメクチンは、フィラリア症の予防効果と、ノミ、耳ダニの駆除効果があります。
このお薬はスポットタイプなので投与が簡単。
使用方法は月に1回、首筋や肩甲骨のあいだにお薬を垂らすだけ!
イベルメクチン感受性コリー犬に対する安全性も各種試験で確認されています。
【レボスポット】
幅広い効果がありながら価格が安い!
レボスポットは、先に紹介したレボリューションのジェネリック医薬品で、有効成分は同じセラメクチンです。
効果もフィラリア症予防やノミ・耳ダニの駆除と同じ。
価格が安くコスパ重視で選びたい方には、こちらがおすすめ。
ちなみにジェネリック医薬品とは、先発薬の特許が切れたあとに製造・販売されるお薬のこと。
「正式なお薬じゃないのかな?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。
先発薬と成分も効果も同等だから、とってもお得な製品なんです!
まとめ
コリー系の犬種はMDR1遺伝子に変異が起こる可能性が高く、「イベルメクチン」や「ミルベマイシンオキシム」を使うと、副作用が出やすいとされています。
ただ、フィラリア予防薬では成分量がそもそも少ないので、問題なく使用できることがほとんどです。
そのため、投与が必ずしも危険というわけではありません。
それでも少し不安という方は、コリーにも安全性が高い「モキシデクチン」や「セラメクチン」を含むフィラリア予防薬の使用を検討してください。
ぽちたま薬局では、幅広いラインナップのフィラリア予防薬を取り扱っています。
ぜひ愛犬の健康にお役立てください!
フィラリア予防薬をお買い求めの方はこちらからご利用ください
>>お得に買える!
フィラリア予防薬の通販ページへ
(ぽちたま薬局)

ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。