フィラリア注射の値段と副作用の危険性。飲み薬とどっちがいいの?

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フィラリア注射の値段と副作用の危険性。飲み薬とどっちがいいの?

フィラリア注射は、1度の接種でこの先1年間のフィラリア予防が完了します。

投薬のし忘れや通院時の手間が省けるメリットがあるので、利用されている方も多いかと思います。

その一方で、フィラリア注射にはノミやダニ、お腹の虫には効果がないということで、これらを一度に駆除できる予防薬を選択する方も増えています。

この記事では、フィラリア注射の効果や副作用、予防薬との比較など、フィラリア注射にまつわる幅広い情報をご紹介していきます。

この記事の結論
フィラリア注射はノミ・ダニ、お腹の虫駆除薬が別で必要
フィラリア注射を接種できない犬もいる
フィラリア注射の値段は小型~中型犬で約10,000~13,000円
フィラリア注射を受ける時期は各地域・動物病院で異なる

※フィラリア予防薬は、フィラリアに加えてノミダニ・お腹の虫もまとめて駆除できるオールインワンタイプが主流となっています。

フィラリア注射と効果について

そもそもフィラリア注射とは

フィラリア予防注射は、1年に1回接種することで、体内に侵入したフィラリアの幼虫を駆除し続ける予防方法です。

注射した部位に1年分の薬剤を体内に貯蓄することで、徐々に体内に浸透させていく効果があります。

モキシデックSR 1回の注射で6ヵ月間持続(年2回)
※現在使われておりません
プロハート12 1回の注射で1年間持続

モキシデックSRは、2004年9月に副作用報告数が多いことから、アメリカFDA(アメリカ食品医薬品局)の要求により、製造中止と回収を行っています。

そのため、現在はプロハート12が主流となっています。

【参考】
農林水産省│動物医薬品検査所(外部リンク)
ProHeart12-Drugs.com(外部リンク)

注意!ノミ・ダニ、お腹の虫には効果がない

フィラリア注射には、主に以下の注意点があります。

・ノミ・ダニ、お腹の虫には効果がない
・接種する際は、毎年血液検査が必要
・狂犬病、混合ワクチンなどの接種と同じ日には受けられない
・効果はフィラリアのみで、ノミやダニなどの寄生虫には効かない
・食物アレルギーやアトピー、ノミアレルギー皮膚炎などの既存のアレルギー疾患のある犬は注意が必要

予防が必要な寄生虫は、フィラリア以外にもたくさんいます。

フィラリア予防を注射で行う場合、注射とは別にノミやダニ(マダニも含む)、お腹の虫を駆除する薬も必要になります。

投薬回数が増えることで愛犬の負担にならないか心配な飼い主さんは、寄生虫を一度に駆除できるオールインワンタイプのフィラリア予防薬を検討してみるのも一つの方法です。

フィラリア注射を接種できない犬

フィラリア予防注射は、全てのワンちゃんが接種できるものではありません。

下記に該当する場合はフィラリア注射を接種できないため、飲み薬タイプや滴下タイプのフィラリア予防薬を使用しましょう。

・6ヵ月齢未満の子犬
・成長期の犬
・シニア期の犬
・妊娠中の犬
・初回投与が10歳以上の犬
・重い持病があるの犬
・以前お薬でアレルギー反応を起こしたことがある犬

猫のフィラリア予防

猫のフィラリア予防薬は滴下タイプと飲み薬タイプがあり、滴下タイプが主流です。

フィラリアは犬がかかる感染症と思われていることが多いですが、猫も感染するため、猫のフィラリア予防も必要です。

猫のフィラリア予防について、詳しく知りたい方はコチラの記事を参考にどうぞ。

フィラリア注射とワクチン接種について

フィラリア予防注射とワクチン(狂犬病予防また混合ワクチン)接種、両方一緒に受けていいのか気になる方は少なくありません。

しかし、同時接種を勧めていない動物病院が多いです。

ワクチンと併用すると、アナフィラキシー反応およびアナフィラキシー様反応が発生したとの報告もあります。

フィラリア予防注射とワクチンはどちらも薬なので、副作用が出る可能性があります。

そのため、ワクチン接種とフィラリア予防注射の時期が近い場合は、獣医師に相談のうえ接種日をご相談ください。

フィラリア注射の値段

フィラリア注射の値段

接種1回分の値段は、ワンちゃんの体重によって異なります。

また、動物病院ごとに設定されている金額によっても変わりますので、体重別の平均費用をまとめました。

体重 1回分の値段
5kg未満 6,920円
5~10kg未満 8,730円
11~20kg未満 12,870円
20~30kg未満 17,980円
30~40kg未満 20,910円
40~50kg未満 23,790円
50~60kg未満 24,500円
60~70kg未満 27,630円
70~80 kg未満 30,070円

※価格は病院によって異なります。
※動物病院4院の平均費用(セラピー動物病院、西湘動物病院、エルザ動物病院、しんめい動物病院)

フィラリア注射を受ける時期は?いつから?

フィラリア注射を受ける時期

フィラリア予防注射は1年間効果が持続するため、接種時期は明確にいつから、とは決まっていません。

しかし、フィラリア予防注射の薬剤は、一度開封すると2ヵ月以内に使い切らないといけないという理由から、動物病院によっては1月~5月までなど期間限定で接種しているところもあります。

フィラリア予防注射の接種を希望している場合は、動物病院に問い合わせてみると良いでしょう。

フィラリア予防を開始する適切な時期について詳しく知りたい方は、地域別の摂取時期を以下の記事で紹介しているので参考にどうぞ。

フィラリア注射の副作用

フィラリア注射の副作用

フィラリア予防注射「プロハート12」の副作用は、下記のとおりです。

・アレルギー反応または、アナフィラキシーショック
・注射部位の腫脹
・食欲不振

モキシデックSRよりも安全性は高いことが確認されていますが、副作用がまったく無いわけではありません。

2013年~2023年7月までに報告されている副作用は、下記のとおりです。

・下痢
・呼吸促迫
・心拍・血圧低下
・虚脱
・可視粘膜蒼白
・顔面腫脹
・蕁麻疹
・掻痒
・発熱
・意識消失 など

また、コリー犬およびその系統の犬種は、イベルメクチン系薬剤によって神経毒性を示したとの報告があるので注意が必要です。

コリー種に投与できるフィラリア予防薬は、下記の記事で詳しく説明しています。


【参考】
ゾエティス│注射用プロハート12(外部リンク)

フィラリア注射接種後の死亡事例

2013年1月~2023年7月まであった死亡報告数は61件。

以前のフィラリア注射(モキシデックSR)よりも、副作用や死亡例の報告は少ないようです。

しかし、ごく稀に接種後、死亡の報告がありますが、因果関係ははっきりしていません。

2023年の死亡事例:7件
犬種・年齢 健康状態・既往歴 因果関係
ビーグル(12歳) 健康状態:良好
既往歴:あり
因果関係がないとはいえない
ミニチュアダックスフンド(12歳) 健康状態:良好
既往歴:不明
不明
コーギー(12歳) 健康状態:良好
既往歴:不明
不明
柴犬(4歳) 健康状態:不明
既往歴:不明
不明
パグ(3歳) 健康状態:不良
既往歴:外耳炎、接種する1ヶ月前に軟口蓋切除、鼻腔内拡大手術を避妊手術と一緒に行った
因果関係がないとはいえない
ポメラニアン(2歳) 健康状態:良好
既往歴:なし
因果関係があると考えられる
チワワ(11歳) 健康状態:不良
既往歴:2022/11から心臓病を治療中
不明

【参考】
農林水産省│動物医薬品検査所(外部リンク)
注射用プロハート12-動物用医薬品等データベース(外部リンク)

フィラリア注射と飲み薬どっちがいい?

フィラリア注射とフィラリアの飲み薬は、それぞれにメリット・デメリットがあります。

ここでは、各メリットとデメリットについて紹介します。

注射のメリット・デメリット
飲み薬のメリット・デメリット

注射のメリット・デメリット

メリット
  • ・1年に1回の接種で済む
  • ・投薬忘れの心配がない
  • ・確実に予防できる
  • ・投薬時の手間を省ける
  • ・通院回数を減らせる
デメリット
  • ・ノミやマダニは駆除はできない
  • ・接種できない犬もいる
  • ・対応していない病院もある
  • ・ごくまれに死亡例がある

飲み薬のメリット・デメリット

フィラリアの飲み薬

メリット
  • ・価格が安い
  • ・薬の種類が豊富
  • ・副作用が少ない
  • ・ノミ、マダニ、お腹の虫も一緒に駆除できる
デメリット
  • ・毎月投薬する必要がある
  • ・投薬を忘れると予防が不完全

飲み薬のメリットは、種類が豊富でフィラリア予防と同時に他の寄生虫も駆除できることです。

オールインワンタイプと呼ばれている飲み薬なら、ノミやマダニといった厄介な寄生虫も同時に駆除することができます。

オールインワンタイプのフィラリア予防薬の詳細は、コチラの記事を参考にどうぞ。

注射と飲み薬の価格比較

注射と飲み薬の価格を比較してみました。

体重 5kg未満 5~10kg 10~20kg 20~30kg 30~40kg
注射 6,920円 8,730円 12,870円 17,980円 20,910円
飲み薬(7ヵ月) 6,160円 7,700円 9,240円 9,240円 12,320円
飲み薬(12ヵ月) 10,560円 13,200円 15,840円 15,840円 21,120円

※価格は病院によって異なります。
※飲み薬は、ペット予防医療センターの価格を参考に掲載しています。
※ペット予防医療センターでは、7ヵ月から通年投与を推奨しているため、飲み薬は7ヵ月分と12ヵ月分の価格を掲載しています。

飲み薬を7ヵ月間使った方が安く、通年予防する場合は注射の方が安いです。

しかし、フィラリア予防注射はフィラリアの予防はできますが、ノミやマダニなどの寄生虫の駆除はできません。

そのため、注射とは別でノミやマダニの駆除・予防薬を投与する必要があります。

注射と飲み薬、おすすめのワンちゃんは?

フィラリア注射は、以下に該当する犬や飼い主さんにおすすめです。

フィラリア注射がおすすめ

  • 飲み薬が苦手なワンちゃん
  • 薬の飲ませ忘れを防ぎたい飼い主さん

一方、フィラリア予防薬(飲み薬)は、以下に該当する犬や飼い主さんにおすすめです。

飲み薬がおすすめ

  • 注射が苦手なワンちゃん
  • ノミやマダニも同時に駆除したい飼い主さん

注射と飲み薬はどちらもメリットとデメリットがあるので、悩んだ時は獣医師さんに相談しましょう。
愛犬に最適なフィラリア予防薬を選択するのが一番良いです。

フィラリア注射に関するQ&A

フィラリア注射は年に何回接種したらいい?

年に1回の接種で問題ありません。
ただし、犬の年齢や健康状態によっては接種できないことがあります。

フィラリア予防注射を接種後に、散歩しても大丈夫?

注射後、散歩しても問題ありません。
ただし、注射後に蕁麻疹や呼吸困難、腫れなどのアレルギー反応を起こす場合があります。
これらの症状が現れた場合は、すぐに動物病院に連絡してください。

フィラリア注射は猫も受けられる?

残念ながら、猫のフィラリアを予防する注射はありません。
猫のフィラリア予防は、滴下タイプ(スポットタイプ)が主流となっています。
フィラリア予防を行う際は、猫用のフィラリア予防薬を使用してください。

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まとめ

  • フィラリア注射の値段は、犬の体重や動物病院によって異なる
  • フィラリア注射は以前よりも安全性は高いが、副作用が全く無いわけではない
  • フィラリア注射の接種後、死亡事例もある
  • フィラリア予防はできるが、ノミやダニなどの駆除はできない
  • フィラリア注射は年齢や健康状態によっては接種できないことがある
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