蚊を媒介して犬や猫に感染する寄生虫フィラリアは、蚊が発生する期間・時期に合わせて予防薬を投与すれば、100%予防できます。
2024年は記録的な猛暑・異常気象で蚊の生息期間が長かったため、フィラリア予防薬もこれまでより長い期間で投与が必要になっています!
この記事では居住地域ごとにフィラリア予防薬の投与が必要な期間を紹介するとともに、フィラリア予防薬のギモンにお答えします!
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目次
フィラリア予防薬の投与期間はいつから、いつまで?
フィラリア予防薬は、蚊がいる期間だけ与えればいい、と思いがちですが、実は不正確!
そもそもフィラリア「予防薬」の実際の効果は、フィラリア「駆虫薬」なんです。
フィラリア予防薬の効果
✕誤り→ 投与すれば1ヶ月間、フィラリアに感染しない!
〇正解→ 投与すると、その時点で体内にいるフィラリアの幼虫が死滅する
フィラリアは蚊の体内に潜伏し、吸血時に犬や猫に移動することで感染しますが、その体内に侵入したミクロフィラリアと呼ばれる幼虫・子虫を駆除してくれるのが、フィラリア予防薬です。
フィラリア予防薬を投与しないと、血液中を移動し、成虫になったフィラリアが心臓内や肺動脈に寄生し、こうなると駆除する手段がなくなってしまいます。
このような感染メカニズムなので、フィラリア予防薬は蚊がいなくなった後に投与・接種して幼虫・子虫を死滅させることで、初めてフィラリアの感染を完全に防ぐことができます。
感染して成虫まで成長してしまうと駆除が困難になるので、屋外飼育・屋内飼育に関わらず、犬猫ともにフィラリア予防薬を投与することが大切です。
フィラリア予防薬の投与期間が、いつから、いつまでなのかをまとめます。
フィラリア予防薬の投与開始時期(いつから) | 蚊が出始めてから1ヶ月後 |
---|---|
フィラリア予防薬の投与終了時期(いつまで) | 蚊がいなくなってから1ヶ月後 |
気温=地域によって、期間は異なる!
この「投与開始する時期」と「投与終了時期」を守り、その期間中は月1回投薬することでフィラリア症の予防ができます。
※フィラリア予防薬は休薬期間を設ける場合、毎年シーズンの投薬開始前に必ず抗原検査を行ってください。フィラリアに感染していた場合、大量の幼虫の死骸が発生することにより副作用・アナフィラキシーショック・アレルギー反応などのショック症状が発現する場合があります。
2025年はフィラリア予防薬が何月から何月までの期間に必要?【都道府県別に解説】
フィラリア予防薬は、5月から12月の期間に投与する必要があると一般的に言われています。
しかし、近年は温暖化の影響で気温が上がり、蚊の生息期間が長くなっているため、フィラリア予防薬の投与期間も長くなってきています!
とくに2024年は4月~11月下旬や12月まで蚊が生息していた地域が多く、フィラリア予防薬も4月から翌年1月まで必要になる地域も出てきており、注意が必要。
そこで、ぽちたま薬局が過去11年の気温データをもとにしたHDUという数値により、感染開始日と感染終了日を算出!
47都道府県別に何月から何月までの期間でフィラリア予防薬を投与すればよいのか、感染期間を算出しました!
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▼こちらからもアクセスできます▼
・【北海道エリア】のフィラリア投与期間
・【東北エリア】のフィラリア投与期間
・【関東・甲信エリア】のフィラリア投与期間
・【北陸・東海エリア】のフィラリア投与期間
・【近畿エリア】のフィラリア投与期間
・【四国エリア】のフィラリア投与期間
・【中国エリア】のフィラリア投与期間
・【九州エリア】のフィラリア投与期間
・【沖縄エリア】のフィラリア投与期間
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子犬・子猫はいつからフィラリア予防薬を与えられる?
上記で解説した各地域の蚊が生息する期間は、子犬・子猫でも蚊を介してフィラリアに感染する可能性があります。
フィラリアの幼虫が体内に侵入したあとも、約2ヶ月の間にフィラリア予防薬で駆虫できれば、感染を防ぐことができます。
そこで、気になるのが子犬・子猫にいつからフィラリア予防薬を使用できるかですが、子犬・子猫に対する使用可能期間は薬によって異なります。
子犬・子猫は生後42日(6週齢)からフィラリア予防薬を使用できる
もっとも早いもので、フィラリア予防薬は生後42日(6週齢)から使用できます。
薬の種類によって、生後42日(6週齢)から使用できるものと、生後56日(8週齢)から使用できるものがあるので、お使いになる薬がいつから使用できるかを確認しましょう。
なお、子犬・子猫にフィラリア予防薬を使用する場合、生まれた時期や住んでいる地域も影響します。
【東京】
フィラリア予防薬の期間は5月下旬~12月上旬
8月生まれ:できるだけ早く、生後42日から使いたい
2月生まれ:5月からでもOK
【沖縄】
フィラリア予防薬の期間は通年
何月に生まれでも、できるだけ早く、生後42日から使いたい
フィラリアだけでなくノミ・ダニ・回虫なども予防できるオールインワンタイプのものは、ほとんどが生後56日(8週齢)からです。
オールインワンタイプの中で6週齢から使える予防薬は「レボスポット」で、犬用・猫用それぞれ用意されている滴下タイプのフィラリア予防薬になります。
フィラリア予防薬は毎月どのくらいの間隔・期間で投与する?
フィラリアが犬や猫の体内に侵入してから血管内へと移動するには、約2ヶ月かかります。
フィラリア予防薬は、その2ヶ月間のみ幼虫を駆除する効果がある薬。
そのため、1ヶ月ごとにフィラリア予防薬を飲ませて、幼虫を駆除していく必要があります。
血管に移動した後はフィラリアを駆除する手段がなくなってしまうので、フィラリア症を予防するには、この2ヶ月間に幼虫を確実に駆除することが必要です。
フィラリア予防薬は2ヶ月に1回の投与でも大丈夫?
フィラリアの幼虫が、犬や猫の体内に侵入してから血管へと移動するには、約2ヶ月必要です。
そう聞くとフィラリア予防薬の投与も、1ヶ月ごとではなく2ヶ月ごとでいいと思うかもしれません。
しかし、この2ヶ月間はあくまで推定期間・目安。もし早く成長したフィラリア幼虫が2ヶ月経たないうちに血管へと移動してしまうと、タイミングによってフィラリアを駆除することができず、完治することがないフィラリア症になってしまいます。
そのため、フィラリア予防薬を2ヶ月1回するだけでは不十分で、1ヶ月に1回の投与が必要です。
毎月与えることによる費用負担や動物病院を受診する手間を気にされる飼い主さんは、動物病院より安い価格で販売している通販サイトを利用すると、負担を軽減できます。
動物用の医薬品を扱うぽちたま薬局では、フィラリアに加えてノミ・マダニも予防できる人気のネクスガードスペクトラも販売しています。
フィラリア予防薬を飲み忘れた場合の対処法
フィラリア予防薬の投与を数日間飲み忘れてしまった場合と、1ヶ月以上飲み忘れてしまった場合で、対処法は異なります。
数日間~1週間の飲み忘れた場合
数日間~1週間、飲み忘れた場合は、思い出した時点ですぐにフィラリア予防薬を投与してください。
その後は通常のスケジュールに戻して、次の投与日をカレンダーに記録しておくことをおすすめします。
数日間の遅れであれば問題ありませんが、心配な場合は念のためかかりつけの獣医師にご相談ください。
1ヶ月以上飲み忘れた場合
1ヶ月以上フィラリア予防薬を飲み忘れてしまった場合は、すぐに獣医師に相談してください。
この期間中にフィラリアに感染している可能性があるため、フィラリア検査が必要です。
フィラリア検査を行うことでフィラリアに感染しているかどうかを確認し、感染が確認された場合は適切な治療を行います。
なお、フィラリア検査で陰性であった場合は獣医師の指示に従い、フィラリア予防薬の投与を行います。
フィラリア予防薬の飲み忘れとその対処法について、より詳しく知りたい方はこちらのコラムもご覧ください。
フィラリア予防薬の投与忘れで感染するケース
フィラリア予防期間中に予防薬を2ヶ月投与しなかっただけでも、フィラリアに感染します。
フィラリア予防薬を飲み忘れたり、投与しなかったことで、実際にフィラリアの寄生が認められたケースを紹介します。
①のケースでは、9月と10月にフィラリア予防薬を投与しなかったことが原因で、フィラリアに感染しました。
②のケースでは、8月までフィラリア予防薬を投与しなかったことが原因で、フィラリアに感染しました。
これらの事例からも分かるように、たった数ヶ月の飲み忘れでもフィラリア感染のリスクが高まります。
参考
犬糸状虫症予防薬の不適切な投与を受けた犬に認められた犬糸状虫成虫の寄生(外部リンク)
フィラリア予防薬の投与期間は、お住まいの地域の気温も関係してくるので、かかりつけの獣医師さんと相談して決めるのが一般的です。
・【北海道エリア】のフィラリア投与期間
・【東北エリア】のフィラリア投与期間
・【関東・甲信エリア】のフィラリア投与期間
・【北陸・東海エリア】のフィラリア投与期間
・【近畿エリア】のフィラリア投与期間
・【四国エリア】のフィラリア投与期間
・【中国エリア】のフィラリア投与期間
・【九州エリア】のフィラリア投与期間
・【沖縄エリア】のフィラリア投与期間
フィラリア予防薬は通年投与がおすすめ
近年、日本の動物病院でもフィラリア予防薬の通年投与を推奨しているところが増えています。
通年投与とは、フィラリア予防薬を1年間、毎月1回投与し続けるもので、休薬期間を設けない予防方法です。
フィラリアの予防注射薬を注射することによって1年間予防することも可能ですが、フィラリア単体の予防となり、ノミやダニなどを併せて予防することはできません。
ここでは通年投与のメリット・デメリットを解説します。
通年投与のメリット:毎月同じ日で、飲み忘れを防げる!
フィラリア予防薬を通年投与することは、次の4つのメリットがあります。
近年、温暖化の影響で蚊の活動時期が長くなっています。
「季節はずれの暖かさ」の日があると蚊に刺されるリスクもあがるため、フィラリア予防薬を通年投与することで、蚊の活動期間に関わらず確実に感染を予防できます。
また、毎月同じ日に投与する習慣ができるので、予防薬を飲み忘れるリスクを減らすことができます。
フィラリア予防薬は一度投与を忘れるとフィラリア症を一生抱えるリスクがあるため、これらは大きなメリットになります。
通年投与のデメリット:予防薬の費用がかかる
フィラリア予防薬の通年投与には、薬の費用がかかるというデメリットもあります。
予防薬を通年投与することで、毎月のお薬代がかかりますが、通販でまとめ買いすることで、薬代の負担を軽くすることができます。
ファリラリア薬の5~12月投与と通年投与の価格比較
体重 | 5~12月投与 | 通年投与 |
---|---|---|
1.8~3.6kg | 18,400円 | 27,200円 |
3.7~7.5kg | 19,466円 | 28,800円 |
7.6~15kg | 22,300円 | 33,000円 |
15.1~30kg | 23,800円 | 35,200円 |
30~60kg | 27,966円 | 41,400円 |
※ぽちたま薬局のネクスガードスペクトラ、2024年10月時点の価格をもとに計算しています。
ぽちたま薬局では、動物病院でも処方される「ネクスガード・スペクトラ」や価格の安いジェネリック医薬品など、多くのフィラリア予防薬を取り扱っています。
動物病院よりも安価で購入でき、まとめ買いでの割引もあるほか、ポイントも付与されるので、通年投与をしている飼い主さんの負担を軽減できます。
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予防薬を投与しなかった場合に、フィラリアに感染する確率
フィラリアに感染する確率は、全国平均で犬が30~40%、猫が5%ほどです。
ただし、地域や気候、外飼いか室内飼いかなどの飼育環境によって、感染リスクが大きく変わります。
フィラリアの感染確率やリスクを高める要因についてより詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご覧ください。
とくに、外飼いの犬に対してフィラリア予防薬を投与しなかった場合、3年間で90%以上の確率でフィラリアに感染します。
予防しなかった期間 | 感染率 |
---|---|
1年 | 38% |
2年 | 89% |
3年 | 92% |
犬がフィラリア症に感染すると、初期ではほとんど症状があらわれませんが、進行すると咳が出たり、運動時に失神したりすることもあります。
さらに肝臓や腎臓などの臓器にも障害を起こし、一度感染してしまうと完治が難しく、生涯にわたり治療が必要になる病気です。
愛犬・愛猫の健康を守るためにも、フィラリア予防薬を投与して、感染を防ぎましょう。
フィラリア予防薬の投与期間Q&A
フィラリア予防薬の投与期間に関するよくある質問と回答をまとめました。
Q.完全室内飼いの犬猫も、毎月投与した方がいい?
蚊は室内にもいますので、フィラリア予防は必要です。
また、散歩中に蚊に刺されて感染することがあります。
少数ですが、完全室内飼いのワンちゃんが感染してしまった例もあります。詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
Q.フィラリアの薬は毎月同じ日に飲ませないといけない?
1週間程度、日にちが前後しても問題ありません。
毎月1回、同じ日にフィラリア予防薬を投与するを決めることで、投与忘れを防ぐことができるため、毎月1日、毎月15日など投与日を決めておくといいかもしれません。
Q.蚊を見なくなったので、投与をやめてもいい?
フィラリア予防の期間は、蚊がいなくなってから1ヶ月後までです。
住んでいる地域によって異なりますが、近年、地球温暖化で気温が上がり、冬でも蚊が発生していることもあります。
自己判断はせず、かかりつけの獣医師にご確認ください。
まとめ
- フィラリア予防薬の投与期間は5月~12月が一般的だが、住んでいる地域によって異なる
- 子犬は6週齢あるいは8週齢からフィラリア予防薬を投与できる
- フィラリア予防薬は1ヶ月ごとに投与する必要がある
- フィラリア予防は通年投与がおすすめ
- フィラリア予防薬を飲み忘れても数日~1週間ならすぐに投与すれば問題ない
- フィラリア予防薬は通販で安く購入できる
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このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。