犬にはノミダニが寄生して吸血したり卵を産んだりしないように、お薬による予防が必要です。
犬がノミダニに感染すると、最悪のケースでは死に至ることもあります。
しかしノミダニへの対策が必要なことは知っていても、いつから始めればいいのかわからない飼い主さんもいらっしゃいます。
この記事ではノミダニ予防薬の開始時期や、ノミダニが与える影響などについて詳しく解説します。
目次
犬のノミダニ予防薬はいつから始めた方がいい?
犬のノミダニ予防薬は、いつから始めた方がいいのでしょうか。
一般的には4月から始めることが多く、春から秋にかけての期間で投与します。
この時期はノミダニが活発になる時期なので、予防は月1回の間隔での継続が必要です。
また、動物病院によっては3月から投与を勧めているところもあります。
屋外での活動が多い犬の場合は、年間を通しての投薬が推奨されています。
ノミやダニは屋外の植物や動物の体の表面に生息していることが多いため、しっかり予防してあげましょう。
子犬のノミダニ予防薬はいつから?
子犬にノミダニ予防薬を投与する場合は、生後2カ月後から使用するのが一般的です。
子犬の健康状態などによっては、開始時期が変わってくる場合もあります。
子犬にノミダニ薬をいつから使用した方がいいか気になっている飼い主さんは、獣医師さんと相談して開始時期を決めましょう。
犬に寄生するノミについて
犬に寄生するノミは昆虫の仲間で、日本では約80種類が存在しています。
犬がノミに寄生された際に起こる症状は、貧血やアレルギー性皮膚炎です。
さらに、犬が体を舐めた時に瓜実条虫(サナダムシ)を体内に持つノミが口に入ることで、感染する可能性もあります。
犬にノミが寄生したときに起こるのは強いかゆみで、人間がノミに刺された場合にも激しいかゆみがおこります。
ノミは繁殖力が高いため、放っておくと危険です。
気温や室温が13℃以上になると繁殖しはじめて、約20〜30℃では大量繁殖します。
ノミに寄生されるリスクを防ぐためにも、犬のノミ予防は必ずおこないましょう。
参考
2016年~2017年および2019年~2020年の冬季に東京都の市街地域において屋内飼育されていた犬と猫におけるノミの感染状況(外部リンク)
犬に寄生するダニについて
犬に寄生するダニには多くの種類が存在していて、日本で2000種類以上が確認されています。
ダニの中でも、とくに注意する必要があるのはマダニです。
マダニの寄生によって起こる症状には、貧血や皮膚病などがあります。
さらに、マダニが多くの病原体を媒介することで、犬バベシア症・ライム病・Q熱などの感染症にもかかる可能性があります。
ダニは繁殖スピードが速いため、ダニの寄生が確認された場合は早めの対策が欠かせません。
1匹のダニが1ヶ月に2000〜3000個の卵を産むこともあります。
マダニは冬でも犬に寄生していることが確認されているため、年間を通じて予防が必要です。
参考
日本の犬と猫におけるマダニの寄生状況調査(外部リンク)
マダニは人間にも寄生する
マダニは人間にも寄生して、人獣共通感染症を引き起こします。
人獣共通感染症とは、「脊椎動物と人の間で自然に移行する病気や感染」です。
マダニによる人獣共通感染症の中には、重症熱性血小板減少症候群があります。
重症熱性血小板減少症候群を発症した犬や猫から、人間に感染することが確認されています。
重症熱性血小板減少症候群は、死亡例もある危険な感染症です。
有効な治療法がなく対症療法のみになるため、特に感染に注意する必要があります。
マダニは森林や草むらなどに多く生息していますが、市郊外や市街地にも存在するため、日頃から予防しておきましょう。
参考
厚生労働省|重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A(外部リンク)
栄研化学|ダニ媒介性感染症(外部リンク)
犬のノミダニ予防薬は通年投与が推奨されている
犬のノミダニ予防薬については、通年投与が推奨されています。
ノミダニの感染ピークは梅雨の時期から夏にかけてではありますが、ノミは気温が13℃以上であれば冬でも活動・繁殖が可能です。
生命力・繁殖力が強いマダニも一年中生息しています。
近年は犬を室内飼いする家庭の増加や、温暖化による気温上昇などで環境が変化しています。
寒さによる影響が減ったことで、ノミダニは昔のように活動が低下しません。
冬でも暖房が効いた室内では、ノミダニが大量発生する可能性もあるのです。
近年の環境変化に合わせて、予防薬を投与する期間も長くなっています。
通年投与が推奨されるワンちゃん
通年投与が特に推奨されるワンちゃんを紹介します。
以下に該当する場合は、毎月予防をしてあげましょう。
- 散歩でよく草むらに行く
- 外出が多い
- キャンプに出かける機会が多い
- 外に出かける習慣のある猫も一緒に飼っている
また、上記以外にもノミダニが寄生したワンちゃんや野良猫との接触によって、感染する可能性があります。
ドックランやドッグカフェなど、他のワンちゃんと接触の機会がある場合も感染するリスクがあるため、飼い主さんが注意して感染を防いであげましょう。
なお、猫も一緒に飼っていて、その猫が外に出かける習慣がある場合は、犬猫どちらもノミダニの感染対策が必要になります。
犬のノミダニ予防薬は必要?
犬にはノミダニ予防薬が必要です。
室内飼いでも、犬は散歩に行く時に必ず外に出るため、絶対に感染しないという保証はありません。
家の庭に出た時や、飼い主さんにくっついて室内に持ち込まれたノミやダニが寄生する可能性もあります。
暖かい動物の被毛は、ノミやダニにとって好都合な住みかになります。
愛犬をしっかりと守ってあげることも、飼い主さんの大切な役目です。
犬のノミダニ予防をしないとどうなる?
犬のノミダニの対策を怠ると、健康を損なう可能性があります。
ノミに寄生された場合はアレルギー性皮膚炎、ダニに寄生された場合は貧血やダニが媒介する様々な感染症を発症する恐れがあり危険です。
また、ノミダニはワンちゃん以外にも飼い主さんに寄生して、強いかゆみや感染症を引き起こすことがあります。
ノミダニは家の周囲や散歩でも寄生されることがあり、草などが多い公園や河川敷が近い場合には、さらにリスクが高まります。
なお、ノミダニは小さいので寄生されていることに気づかずに、病気が進行してしまうこともあります。
予防をしない場合、愛犬だけでなく飼い主さんも危険です。
犬のノミダニ予防薬は市販で買える?
犬のノミダニ予防薬は市販されているものもありますが、主な効果は虫が嫌がって寄り付かないようにすることです。
そのため、予防や駆除としての有効性はあまり期待できません。
商品によっても違いはありますが、一般的な市販薬での一日目の駆除率は35%、最大でも60%ほどで、効果も2~3週間までしか期待できません。
一方、処方薬では約100%の駆除率で1ヵ月経ってもほぼ同じ効果が継続します。
確実に予防したいのであれば、動物病院で処方されるノミダニ予防薬がおすすめです。
犬のノミダニ予防薬はいつまで必要?
犬のノミダニ予防薬の投与は、春から秋にかけての期間は絶対に必要です。
動物病院によっては11月、または12月までの投与を推奨しているところもあります。
獣医師によっても推奨する期間が違うので、いつまで投薬が必要なのか迷う飼い主さんもいらっしゃいますが、ノミダニに寄生されると最悪のケースでは命に関わります。
ノミダニは条件を満たしていれば繁殖が可能で1年中生息しているため、冬でも寄生のリスクはあります。
確実に予防したいのであれば、動物病院でも推奨されている通年投与を行いましょう。
まとめ
犬のノミダニ予防薬は必要な対策です。
いつから始めればいいのだろうと迷っている飼い主さんは、今から予防してあげたほうが良いでしょう。
ノミやダニは非常に小さく、寄生してしまってもなかなか気づくことはできません。
飼い主さんができる有効な対策は、ノミダニ予防薬を投与してあげることです。
予防をしなければ、愛犬も飼い主さんもノミやダニによって引き起こされる病気のリスクが高まります。
毎月1回の投与で、愛犬も飼い主さんも安心して楽しく生活を送れます。
大切な家族である愛犬の健康を、飼い主さんが守ってあげましょう。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。