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犬のマダニの症状とは?危険な感染症と対処法について

愛犬がマダニに寄生された際は、血を吸われて痛そうに感じ可哀そうだと思うでしょう。

しかし、本当に怖いのは吸血されたことだけではなく、マダニが媒介する感染症であり、場合によっては愛犬が死んでしまうこともあります。

本記事では、マダニが咬みついた際に起こりうる症状や、その際の対策について詳しく解説していきます。

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犬にマダニが引き起こす症状

犬にマダニが引き起こす症状

マダニは吸血する際に頭部を犬の皮膚に食い込ませて咬みつきます。

一度寄生するとなかなか離れず、メスの成ダニでは長くて2週間も吸血を続けるものもいるほどです。

そのため、マダニに吸血された犬は咬みつかれたことによる皮膚炎だけではなく、貧血を起こしたり、元気や食欲が減退したりといった症状が現れます。

また、吸血する際にマダニの種類によっては毒性の物質を分泌するものもいます。

毒性の分泌物が犬の神経に影響を与え、急速に体調を悪化させることがあります。

マダニが媒介する危険な感染症

マダニが媒介する危険な感染症

犬と暮らしていると、犬と外出する機会が多くなる方もいらっしゃることと思います。

犬との外出の際はマダニ対策を注意喚起されることが多いかと思いますが、それはマダニによる感染症のリスクがあるからです。

犬が感染するおそれのあるマダニが媒介する危険な感染症について、以下で詳しく解説していきます。

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。

感染時の主な症状は、発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状などです。

潜伏期間は6日~2週間ほどとされています。

犬へはマダニによって媒介される感染症ですが、犬からヒトへの直接感染も確認されており、致死率は犬の場合に40%、ヒトに感染すると30%と報告されています。

そして、この病気の有効な治療法や予防薬はありません。

発熱や消化器症状に対して対処するなどの対症療法となります。

犬バベシア症

犬バベシア症は、バベシアという原虫に感染することで起こります。

バベシアは、マダニが吸血する際に体内に入り込み、犬の赤血球に寄生します。

寄生したバベシアが赤血球を破壊するため、貧血などの症状を引き起こします。

症状は軽度なものから重症までさまざまで、黄疸、元気の消失、貧血により歯茎が青白くなる、尿の色が濃くなる、リンパ節の腫れ、脾臓の肥大、痩せる、ふらつき、発作などの症状が現れます。

潜伏期間はおよそ3週間です。

治療法はジミナゼンなどの薬剤の投与となりますが、一度バベシアに寄生されると完全に除去できる治療薬はありません。

投薬で一旦治まったように見えても、免疫力が落ちることで再発する恐れがあることから、バベシアの増殖を抑えて症状を緩和させる治療を続けることになります。

日本紅斑熱

日本紅斑熱は、マダニが媒介するリケッチアという病原体に感染することで引き起こされます。

潜伏期間は2~8日ほどで、感染すると頭痛や発熱などが急激に現れ、発熱とともに痒みのない米粒大の紅い斑点が全身に多数出現します。

重症化すると、痙攣や意識障害などを引き起こし、死亡することもある危険な病気です。

この病気の治療法は、なるべく早いうちにテトラサイクリン系の抗菌薬を投与することです。

ライム病

ライム病は、マダニが媒介するボレリアという細菌によって引き起こされる病気です。

犬では症状が現れないこともありますが、発熱や元気の消失、起立や歩行困難、全身の痙攣などが見られます。

潜伏期間は1~3週間ほどで、症状が進行すると腎臓や心臓にも影響が及ぶ場合があります。

ライム病の治療法は、テトラサイクリン系やペニシリン系の抗菌薬の投与となります。

マダニ感染症は犬から人にうつる?

マダニ感染症は犬から人にうつる?

マダニが媒介する感染症は、犬から人間にうつることもあります。

特に、SFTSでは犬から人間にうつり、人間が死亡したという例もあります。

マダニが媒介する感染症の多くは、かつて西日本を中心とした地域で確認されていましたが、現代では日本全国で確認の報告があります。

SFTSも例外ではなく、西日本から徐々に東日本へと確認地域が広がっており、どんな犬や人間でも感染する可能性が出てきました。

愛犬のマダニ対策はお済ですか?詳しく知りたい方はコチラの記事を参考にどうぞ。

犬がダニに噛まれたら時の対処法

犬がマダニに咬まれた時の対処法についてご紹介します。

マダニは吸血する際、頭部を犬の皮膚に食い込ませるため、マダニをむやみに引っ張って取ろうとすると、頭部だけが皮膚の下に残ってしまう可能性があります。

マダニは細菌やウイルスを持っていることがあるため、潰してしまったり体をちぎったりすることは危険です。

インターネットでは細いピンセットを用いたりお酢で除去する方法が紹介されていますが、経験が無いと難しい作業となります。

もしも愛犬にマダニがついているのを見つけたら、すぐに動物病院へ行って処置してもらうことをおすすめします。

マダニの中には2週間吸血し続ける個体もいるため、自然に外れるのを待つのはおすすめできません。

もしもの時のためにマダニの取り方を知っておきたいという方はコチラの記事を参考にどうぞ。

愛犬のマダニ予防の徹底を

マダニによる感染症で愛犬を危険にさらさないようにするためには、日頃からマダニの予防を徹底することが最善の手です。

マダニの予防として最も効果的なのは、マダニ駆除薬の投与です。

マダニ駆除薬には、おやつのように食べられるチュアブルタイプをはじめ、スポットタイプのお薬など、愛犬の体質や生活に合うものを選んで使うことができます。

マダニだけではなく、ノミやフィラリア、おなかの寄生虫も同時に予防することができるものが多く流通しています。

また、ブラッシング定期的なシャンプー、生活する室内の清掃などを徹底して、物理的にマダニを遠ざけることも大切です。

マダニは、時に犬だけではなく、飼い主にも害を及ぼす感染症を媒介します。

日頃からマダニ予防を意識して、愛犬との生活を安心して楽しめるようにしておきたいものです。

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