アポキルは、アトピー・アレルギー性皮膚炎のかゆみ症状を抑える薬です。
「ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤」として日本で初めて認可され、すぐにかゆみを抑えられるので多くの動物病院でも使用されています。
ただし、アポキルの説明書には1年を超えて使用しないよう注意書きがされています。
「アポキルは危険」などの情報を目にした方もいるかも知れません。
アポキルを使用している飼い主さんの中には、長期服用と副作用の心配から「アポキルをやめたい」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、今アポキルを使っているなら「自己判断ですぐに投薬を中止する」ことは絶対にいけません。
この記事では、アポキルの効果的なやめ方と注意点について紹介します。
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目次
アポキルをやめた理由
アポキルをやめた主な理由は以下の3つです。
詳しく見ていきましょう。
副作用が心配になった
アポキルは他のアトピー治療薬と比べると副作用は軽微と言われていますが、飼い主さんにとっては、それでも安全が気になるものです。
いまのところ判明している副作用は、以下の5つです。
・膀胱炎(11.3%)
・嘔吐(10.1%)
・耳炎(9.3%)
・膿皮症(9.3%)
・下痢(6.1%)
アメリカで最長630日の期間において、5%超の副作用として確認されています。
通常5%程度までの副作用が、それなりの頻度で現れていると解釈されますから、10%を超える膀胱炎(11.3%)と嘔吐(10.1%)は頻度の比較的高い副作用といえそうです。
まだ長期服用についての副作用は未解明な部分もあるので、不安を感じる方が多いでしょう。
アポキルの副作用について、こちらの記事も参考にどうぞ。
アポキルが効かなかった
アポキルをやめた理由の中に「アポキルを処方されたが、かゆみが消えなかった」という声もあります。
そもそもアポキルの臨床試験は、治療成功率が50%前後です。そのため、効かないケースも当然あります。
有効性以外にも、アトピーや皮膚炎が原因ではないなどです。
舐めたり引っ掻いたり、という症状が「かゆみ」からくるものではなかった場合がありえます。
たとえば、以下のようなケースです。
・ストレスからくる「心因性掻痒症」
・食物アレルギー反応
・未知の原因による内分泌ホルモンのバランスの崩れ
アポキルが効かなかった場合、こうした原因も考えられるので、アポキルを処方された動物病院で相談、もしくはセカンドオピニオンで具体的な指示や処方を受けしましょう。
値段が高かった
アポキルは「アポキル錠」として薬剤メーカーのZoetis(ゾエティス・ジャパン株式会社)から販売されている薬です。
効果は期待できる一方で、動物病院からも値段が高いお薬と言われています。
例えば動物病院でアポキルを処方してもらった場合、お薬代に診察料などがプラスされるので、1万円以上かかるケースもあります。
アトピー性皮膚炎は原因を解明できておらず、完治が難しいため一生涯付き合っていかなければいけない病気です。
高価なお薬を毎日使用することになるため、費用が気になるところでしょう。
ぽちたま薬局では、以下の価格でアポキルを販売しています。
その他にも、アトピー治療に使われる代表的なステロイド製薬などを取り扱っています。
アトピー治療薬 | ||
---|---|---|
アポキル | プレドニゾロン(ステロイド剤) | シクロスポリン(アトピカ) |
20錠8,100円~ | 100錠2,900円~ | 15錠9,000円~ |
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上記商品を比較するとステロイド剤の「プレドニゾロン」が最も安く、次に「アポキル」「シクロスポリン(アトピカ)」です。
また、最近は従来のアポキルよりも低価格で購入できる「アポキルチュアブル」(20錠6,700円~)が販売されています。
アポキルのやめ方と注意点
アポキルの副作用がどうしても気になる方は、中止しても構いませんが、その場合は3つの注意点に気をつけましょう。
以上を理解して、注意事項を守ることが大切です。詳しくは以下で説明します。
急にやめるとリバウンドが起きる
アポキルでまず気をつけたいのは、それまで使っていた薬を急にやめることで、抑えられていた症状が反動から悪化してしまうことです。
これを「リバウンド」と呼びます。本来はゆっくり慣らして、リバウンドを最小限にすることが理想です。
アポキルの場合、抑えられていたかゆみの反動が一気にくるのです。
その際、全身を掻くなどして、皮膚を傷つけ、場合によっては感染症の恐れも出てきます。
特にアポキルは免疫を抑制することから、リバウンドによる外傷や心理的ストレスには気をつける必要があります。
そのため副作用を恐れるあまり、急にアポキルの使用をやめてしまうと、副作用以上のダメージがくる場合もあるので気をつけましょう。
獣医師と相談した上で始める
アポキルはやめても、リバウンドで痒みはぶり返します。また、リバウンドを起こさなくても、かゆみだけは残ることがあります。
なぜなら、ただアポキルをやめるだけでは、根本的な解決にはならないからです。原因は消えず、再び愛犬がかゆみに苦しむことになるでしょう。
アポキルをやめるタイミングと、新しい治療法を始めるタイミングを合わせたりする必要があるため、やめる場合も自己判断ではしないことを心がけます。
アポキルのやめ方を考える際には、獣医師に必ず報告し相談することです。代替の薬や方法を獣医師の指導のもとに行いましょう。
投薬の間隔を空けていく
アポキルをやめるときの方法は、薬の量を減らすか、それとも間隔を空けるかのどちらかです。
リバウンドがないかを確認しながら、愛犬の体をアポキルなしの状態に慣らします。
このとき、半量を毎日与えるよりも「1錠を2日に1回与える」といったように間隔を空けていく方が効果的です。
最初は、1日だけを空けますが、徐々に日数を伸ばしていきましょう。
もしくは頓服(症状が出たときのみ)にするなどして、徐々に伸ばしていく方法もあります。
アポキルをやめた後のケアについて
アポキルをやめた後のこともしっかり押さえておくことが大事です。
アポキルはかゆみを抑える薬なので、アポキルをやめると痒みがぶり返します。その結果、再び体を掻いてしまったり、齧ってしまったりなどが起きる可能性も考えられます。
そこで、アポキルをやめた後のことを想定して、獣医師と相談し、食事改善やスキンケアなどの知識や助言を得ておきます。
具体的には、やめた後の愛犬のケアについて、特に毛や皮膚のケアをできるように、流れや方法を確認し、事前に準備しておくことです。
そして、なにか症状が出たり異変があったりした場合は、必ず獣医師に愛犬を診てもらいましょう
犬用のスキンケア用品は、ぽちたま薬局にも取り扱いがございます。
まとめ
アポキルはかゆみを抑えるのに適した薬ですが、副作用が気になるからといって絶対に自己判断で急にやめないことです。
やめても次の治療法などが決まっていないと、また愛犬は痒みに苦しむことになりますので、今回紹介した通りに、必ず相談し計画的にやめていくことが大切です。
この記事を読んで、もう少しアポキルを続けてみたいが、費用が気になるという方は、もう少し価格が手頃な「アポキルチュアブル」で代用するのもありでしょう。
以上、アポキルのやめるかどうかの判断は副作用を十分に考慮し、辞める場合には急激なリバウンドを起こさせないことが大切です。
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