犬のアトピー性皮膚炎は、犬によくみられるアレルギーの一つです。
アトピー性皮膚炎を引き起こす原因は、食事やダニ、ハウスダストなどさまざまです。
完治するのが難しいとされており、治療や予防が難しいとされています。
今回の記事では、犬のアトピー性皮膚炎の原因と食事管理、おすすめレシピなどを解説していきます。
愛犬のアトピー皮膚炎で困っている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
犬アトピー性皮膚炎の原因
犬のアトピー性皮膚炎の原因は、以下のようなアレルゲンと呼ばれるものに対して必要以上の免疫反応を見せたため、発症します。
・ダニ
・ハウスダスト
・花粉
基本的に、1〜3歳の若いうちに発症すると言われていますが、免疫力の低下が原因で皮膚のバリア機能が衰えて、老犬になってから発症することもあります。
皮膚のバリア機能が低下すると、カビやほこりなどが皮膚から体内に入りやすくなります。
遺伝子が関与する病気でもあるので、皮膚の弱い柴犬やシーズー、フレンチブルドックなどに多くみられます。
アトピー性皮膚炎はかゆみから始まり、後に皮膚炎として現れ完治が難しいので、生涯にわたり食事管理をしながら、上手く付き合っていく必要があります。
参考
吉田動物病院(外部リンク)
犬アトピー性皮膚炎の食事管理
犬のアトピー性皮膚炎は、食事管理で免疫・皮膚バリア機能の向上が見込めるので、良い成分が入っているドッグフードや手作りご飯を与えると良いでしょう。
食物アレルギーのある犬の場合、食事が原因で発症することもあります。
そのため、若いうちからアレルギーを把握しておき、成分を摂取しないように食事の配慮も必要です。
下記リンクにアトピーに効く食材探しと予防法について解説している記事を執筆しているので参考にしてください。
皮膚のバリア機能を向上させる成分・食材
皮膚のバリア機能を向上させるには、かゆみの原因となるアレルギーの侵入を防ぐために大切です。
皮膚のバリアは「セラミド」という角質層の隙間を埋める役割をしている成分で構成されています。
セラミドが少ない場合、皮膚の角質層に隙間ができるので、ほこりやカビなどが体内に侵入してしまい、アトピーの症状を引き起こす原因です。
ビタミンB群は、次の4つから構成されています。
摂取できる食材と共に紹介していくので、参考にしてください
成分 | 食材 |
---|---|
ナイアシン | マグロ/鶏むね肉/鶏ささみ/とうもろこし など |
パントテン酸 | 鶏レバー/鶏ささみ/モロヘイヤ など |
コリン | 大豆/卵黄/牛レバー/ベーコン など |
ヒスチジン | マグロ/カツオ/大豆/鶏胸肉 など |
免疫力を向上させる成分・食材
犬のアトピー性皮膚炎には、普段の食事で免疫力を向上させる成分を積極的に摂取する必要があります。
免疫は、体内に侵入してきたウイルスや病原体を排除する体内の仕組みです。
犬も人間と同じように免疫が構成されており、身体的・精神的要因で活性化されたり、弱くなったりします。
体内の免疫力を安定させるためには、腸内環境を整えることが効果的です。
腸内環境を整え、免疫力を向上させる食材を以下の表にまとめてみました。
発酵食品 | 納豆/ヨーグルト(味のついていないもの)/チーズなど |
---|---|
オリゴ糖 | バナナ/さつまいも/キウイ/キャベツ など |
食物繊維 | キャベツ/レタス/白菜/セロリ/さつまいも など |
サプリメント | 乳酸菌/ビフィズス菌/乳酸菌生成エキス など |
皮膚の炎症を抑える成分・食材
犬がアトピー性皮膚炎になると、完治するのは難しいとされていますが、しっかりと栄養バランスの取れた食事を与えることで、炎症を抑えることができます。
犬の皮膚を守るために必要な成分として、代表的なものは「オメガ3系」です。
オメガ3系のサプリメントを12週間摂取させることで、かゆみや被毛の状態を緩和できたという報告があります。
ただし、オメガ3系を摂取しすぎると、嘔吐や下痢の症状や肥満になることもあります。
自身で調節するのが難しいと感じる方は、獣医師に相談するといいでしょう。
オメガ3系が摂取できる食品は、以下のとおりです。
マグロ
サンマ
イワシ
えごま油
亜麻仁油 など
参考
日本脂質栄養学会 – オメガ3-食と健康に関する委員会(外部リンク)
犬アトピー性皮膚炎の食事に関する注意点
愛犬がアトピー性皮膚炎と診断された場合は、添加物や保存料の多いおやつやドッグフードを与えるのは控えましょう。
犬のおやつやドッグフードには、X-inducerという成分が含まれており、この成分がアトピーの原因であることが分かっています。
体内に入ったX-inducerは、かゆみや赤み、フケなどの症状があらわれます。
つまり、X-inducerを犬の体内に入れないことが、アトピーの症状を抑える対策につながるのです。
X-inducerは、すべてのドッグフードに含まれているわけではありませんが、購入する際にしっかりと成分を確認する必要があります。
X-inducerの吸収を防ぎ、アレルギーやアトピーを起こしにくい体質に改善するために作られた、ごとふ動物病院の藤本愛彦獣医師が開発したサプリメント「ニコわんベジタブルパウダー」のようなサプリを活用するのも良いかもしれません。
参考
ごとふ動物病院(外部リンク)
アトピーの犬におすすめのレシピ
アトピーの犬におすすめの簡単手作りレシピを紹介します。
■鶏ささみと野菜を使った料理
食材(1週間分)
鶏ささみ:適量
にんじん:1本
きゃべつ:1/4
小松菜:2株
水:2リットル
白米:適量
アマニ油:数滴
作り方
1.鍋に水2リットルを入れ火にかける
2.沸騰するまでの時間、野菜を細かく切る
3.中火で15分程度煮込む
4.鶏ささみは、茹でて使わない分は冷凍(愛犬の食べる量に合わせて入れる)
5.柔らかく炊いたご飯の上に、アマニ油をかけて完成
1週間程度であれば、冷蔵保存可能です。
まとめ
・犬のアトピーは、一部のドッグフードに含まれるX-inducerが原因
・予防や症状を抑えるには、食事に気をつけると良い
・手作りご飯が作れない方は、市販のアトピー向けのドッグフードやサプリで代用可能
アトピー性皮膚炎になる原因はさまざまですが、食事による対策も有効です。
ただし、毎日手作りでご飯を作る時間がないという方でも、市販のドッグフードやサプリメントで症状を抑えられる可能性があります。
過剰摂取などを控えて、適切な量を与えてあげるようにしましょう。
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