原因がわからないけれど愛犬がプルプル震えているときってありますよね。
真冬でもなく、たくさん服を着せていても震えるので「まだ寒いのかな?」と、さらに防寒着を着せてしまうことも。
犬がプルプル震えるのには、寒さだけではない理由がありました。
特に、震えと合わせて食欲や元気が低下しているとき、熱が出ていたり、嘔吐や下痢がある場合などは病気が隠れていることもあります。
犬が震えているときは、どのようなことに気を付けたらいいのでしょうか。
震えと痙攣の違い
犬が震えているように見えても、震えというよりは痙攣であることもあります。
震えと痙攣はよく似ています。
そのため、見分けることも難しいことが多いです。
犬に痙攣が起こったときによくみられる症状を挙げておきます。
・手足をばたつかせる
・手足をこわばらせながら動かす
・背中を弓のようにしならせながら震える
・全身の筋肉が波打つように震える
・呼びかけても反応しない
・意識を失う
見分けるのは難しいですが、これらのようなことに注意してみるとよいでしょう。
痙攣をともなう犬の病気として代表的なものを挙げておきます。
・てんかん
・心臓発作
・脳腫瘍
・急性肝不全
・尿毒症
・肝性脳症
・心筋症など…
痙攣を起こす犬の病気としては「てんかん」がよく挙げられます。
また、それ以外の病気でも痙攣を起こすことがあります。
震えではなく痙攣を起こしている場合は、緊急性が高い状態だといえます。
犬の身に危険が及ばないように安静にさせて、一刻も早く動物病院へご相談されることをおすすめします。
犬が震える理由は?
犬の震えには、さまざま理由があります。
多くの場合は、そこまで深刻なものではないことが多いですが、中には痛みや不調を訴えているSOSであることもあります。
そのため、普段から愛犬の様子をよく見ておくことが大切です。
様子を見ても良い震え
様子を見てもよい震えは、以下のようなことが原因となって起こっています。
・寒さ
・恐怖、警戒心
・不安
・ストレス
・興奮
・嬉しい
・人の気を引くためにわざと震える
人間も寒いときに震えることがありますが、それは犬も同じです。
また、恐怖や警戒心、興奮やストレスで体がガタガタ震えることも、人間と同じように犬にもあります。
そのほか、病気でも恐怖でも寒さでもなく、震えているときに何かいいことがあったときなどは、何もなくてもわざと震えることがあります。
例えば、震えているときに飼い主さんが優しくしてくれた、美味しいおやつをくれた、などの過去の経験です。
震えていても、普段と同じように日常生活が送れている状況であれば、それは心配いらない種類の震えでしょう。
不調のサインとしての震え
震えているときに、震え以外の症状もあらわれている場合は、体の不調のサインである可能性があります。
主に、以下のような症状があらわれているときは注意した方がよさそうです。
・熱がある
・吐く
・下痢
・元気がない
・食欲がない
・動かない
・意識がはっきりしない
・口が空いて激しく呼吸している
・体重が減少する
・激しく震えている
など
犬の平熱
犬の体温は人間よりも高く、37.8~39.3度くらいが平熱であると言われています。
また、食事や散歩の後は、体温が高くなりがちになります。
熱が39.5度以上に達していると、発熱している状態といえるでしょう。
吐く、下痢、元気ない、食欲ない
直前に乗り物に乗った場合は、乗り物酔いである可能性があるので様子を見てみましょう。
しかし、そうではない場合、体の中で不調が起きている可能性がありますので、早めに動物病院へ行かれることをおすすめします。
熱がある、動かない、意識がはっきりしない、口を開いて激しく呼吸している
夏の暑い日、または暑くなり始めた時期に、震えながら口を開いて激しく呼吸している場合は熱中症になっている可能性があります。
体の震えのほか、体温の上昇とよだれ、意識がはっきりしていないなどの症状があらわれたときはまず熱中症を疑い、体を冷やすようにしましょう。
そして、なるべく早く動物病院へ行かれることをおすすめします。
震えの症状が出る主な病気
人間と同じように、犬にも震えが症状としてあらわれる病気があります。
その中でも主なものをご紹介します。
もしも愛犬に同じような症状が起きた場合は、すぐに動物病院へ連れて行くことをおすすめします。
てんかん
てんかんとは、脳の神経細胞に突然発生する発作が特徴の病気です。
通常、脳は興奮してもそれを抑制して一定に保つはたらきがあり、均衡が取れた状態を維持しています。
しかし、それがなんらかの原因みよって脳の興奮が過剰になったときにてんかんの発作となって症状があらわれます。
体が震える以外にはこのような症状が現れます。
・手足が引きつって硬直する
・よだれを垂らす
・顔面の一部が引きつる
発作が繰り返されることで脳がダメージを受けて死につながることもある病気のため、発作の回数を少なくして症状を軽くする治療がおこなわれます。
てんかんの治療薬や、病気の特徴、診断方法などについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
【参考】
てんかん医療の現状と未来
椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアは、椎間板の繊維輪が破綻して中の髄核が飛び出し、背骨の上にある太い神経を圧迫することで起こります。
この病気は、首や胸、腰の辺りなどのどこにでも発症する可能性があり、急激な痛みとマヒといった神経症状が生じます。
体の震え以外にも様々な変化が現れます。
・突然歩くことを嫌がる
・背中を触ると痛がる
・四肢にマヒが起こる
・腰が立たなくなる
・排泄のコントロールが難しくなる
軽度ですと、いつもは飛び上がって上るようなソファの上にも上がらなくなるなど、いつもよりおとなしくなったなと感じる程度であることが多いため、気づきにくいことが多い病気です。
早期に発見することができれば、痛みをコントロールすることで愛犬の生活の質を向上させてあげることができます。
中毒
中毒になる原因はさまざまなものがありますが、犬に多い中毒は誤飲によるものです。
犬が中毒を起こす主な食品は、玉ネギ、チョコレート、キシリトールなどです。
その他、犬が食べてはいけないものについては、こちらの記事でも紹介しています。
これらの食品の中毒で起こる症状は、体の震えのほか、元気がなくなったり、嘔吐や血尿、貧血、黄疸、下痢や目の粘膜が白っぽくなったりします。
これらの症状があらわれていたら、すぐに動物病院へ行きましょう。
また、子犬の内はおもちゃなどの異物を誤飲する可能性もあります。
普段からおもちゃの管理にも気を配るように努めましょう。
アジソン病
犬のアジソン病とは、副腎皮質から分泌されるホルモンが不足する病気です。
副腎皮質は「コルチゾール」と呼ばれる、生命を維持するために必要なホルモンを分泌しています。
糖や脂質の代謝、たんぱく質の代謝、体の免疫系やストレスにも関わる重要な働きをします。
このような働きをしている副腎皮質に障害が起こると、コルチゾールの分泌量の低下によって、全身にさまざまな症状があらわれます。
体の震えのほか、以下のような症状が現れます。
・食欲の低下
・嘔吐
・下痢
・元気の消失
・体重減少
・多飲多尿
これらの症状は、アジソン病特有の症状ではないため、アジソン病になっていたとしても飼い主さんも気づかない場合が多いです。
症状がよくなったり悪くなったりしながら、ゆるやかに進行します。
そして突発的なショック状態に陥り、急激に悪くなって突然死につながる危険な状態になることもあります。
残念ながら、アジソン病が完治することはありませんが、早期に発見できてきちんと治療をすることができれば、健常な犬と同じように長生きができます。
アジソン病の治療薬、並びにかかりやすい犬種、原因などについてはコチラのページをご覧ください。
低血糖
低血糖は、血液中の糖分の濃度が低下することにより起こる症状です。
特に、生後3ヶ月頃までの子犬の時期に多く発生しますが、成犬でも発症することがあります。
子犬の低血糖は、長時間食事を摂っていないときや、寒さから来るストレス、寄生虫やウィルス性の腸の疾患などが原因となって起こります。
成犬の場合は、膵臓からのインスリンの過剰分泌や、副腎皮質機能低下症、分娩の前後のストレス、大量の授乳によって起こることがあります。
主な症状は体の震えのほか、ふらつきや元気の消失、食欲の低下、昏睡などです。
老犬が震える理由は?
犬も高齢になると、さまざまな理由で震えが起こります。
震えが起こる理由として、よくあるのは以下のようなことです。
・老化や運動の機会の減少により、筋力が低下して足腰が弱くなることでの震え
・筋肉量が落ちることで体温が下がり、熱を産生するための震え
・排便や食事の際に、足腰に負担がかかるために震える
・前述してきた病気による震え
また、老犬は精神的な影響も受けやすくなっています。
そのため、視力や聴力が衰えることで不安や恐怖を感じて震えたり、引っ越しなどの環境の変化にも敏感になって、不安に感じることで震えることもあります。
そのような場合は、飼い主さんが寄り添ってあげるだけで落ち着くこともあります。
さらに、筋力を維持させるために適度に運動をさせたり、急激な温度変化を避けるよう、散歩の際には防寒着を着せるなどの工夫をすることで症状が改善することがあります。
気になる症状があれば動物病院へ
犬が震える理由には、さまざまな理由があります。
それが、様子を見てもよいものなのか病気によるものなのかは、震え以外の症状が出ているかどうかが基準となります。
愛犬が震えているけれど、それが病気かどうか判断がつかないときは、震えている様子を動画に撮影して獣医師に見せることで診察がスムーズになるでしょう。
その場の状況や、普段通りの行動が取れているかどうかなども総合的に判断して、必要なときはなるべく早く獣医師さんにご相談ください。
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