てんかんとは、脳の神経細胞が過剰な電気的興奮を引き起こすことで筋肉が反応し、けいれんやひきつけを起こす病気です。
しかし、てんかんの発作はそれだけではなく、一見発作のようには見えないものもあります。
もの言わぬ犬だけに、いち早く兆候に気づいてあげることが大切です。
では、てんかん症状とはどのようなものなのか…
もしも、愛犬にてんかんの症状が起こったら…
愛犬にてんかんと疑われる症状がある場合は、ぜひこの記事チェックしてみてください。
ここでは犬のてんかんの症状と発作時の対処法について詳しく説明していきます。
てんかんの症状
犬のてんかんの症状には、主に3つの症状があります。
前兆となる発作
前兆となる発作は、飼い主さんは気づくことができないことが多いと言われています。
犬自身は違和感を感じていたとしても、飼い主さんが異変に気づけることが少なく、症状が出ていたとしても、てんかん以外の要因である可能性もあります。
前兆となる発作の特徴としては、以下のような症状が現れます。
・一時的にぼうっとした状態になる
・意識を失う
・目の焦点が定まっていない
・吐き気
・お腹に違和感を感じている
・落ち着きがなく不安そうにしている
部分発作
部分発作は、てんかんの初期症状ともいえる発作です。
てんかんは脳の一部が興奮状態となり、部分的に発作を起こします。
てんかんの初期症状ともいえる部分発作を見逃さず、適切な対処を取ることが重要です。
部分発作は、以下のような症状が現れます。
・体の一部のけいれん、しびれ
・瞳孔が開いている
・よだれが多く、口から泡を吹く
・名前を呼んでも反応がない
全身発作
てんかんの大きな発作となる全身発作では、脳全体が興奮状態になり症状が現れます。
主な症状は以下の通りです。
・意識消失
・突然倒れる
・全身がけいれんする
・嘔吐や失禁、脱糞などが起こる
この発作は通常、数十秒から数分で収まるとされており、発作がおさまると何事もなかったかのように普段と変わらず生活します。
しかし、発作の頻度が多くなったり、間隔が短くなったり、発作の時間が長くなったりした場合は、症状が重症化している恐れもあります。
全身発作が起こるようになった場合には、生活するうえで注意が必要です。
てんかんの原因
犬のてんかんは、「特発性(原発性)てんかん」と「二次性(症候性)てんかん」があり、それぞれ原因が異なります。
特発性(原発性)てんかん
特発性てんかん場合、検査により他の原因が分らないときに診断され、遺伝的な要因が関連しているとも言われています。
犬に起こるてんかんでは、特発性が多くダックス、プードル、ビーグル、ハスキー、レトリバー系などでは特発性てんかんの遺伝的な要因があると言われます。
二次性(症候性)てんかん
二次性(症候性)てんかんは、外傷などにより引き起こるものです。
交通事故や外傷などによる後遺症、脳腫瘍、農園、水頭症などの障害が原因となるものです。
飼い主さんができる対処法
てんかんは発作が起こったときに、飼い主さんができる対処法を紹介します。
・経過の観察
・広い空間を確保する
犬に呼びかけたり体に触れたりすると新たな刺激となり、次の発作を誘発する原因となることもあります。
犬には触れずに見守るだけにして、周囲に危険なものがあったらぶつからないように移動させておきましょう。
余裕があれば、発作が起きた日時や発作の継続時間、状況などをメモしておくとその後の対策に役立つこともあります。
出典:もし愛犬が痙攣発作を起こしたら?犬のてんかんについて知ろう
発作が起こった際には、飼い主さんが落ち着いて経過を観察することが大切です。
前兆となる発作や部分発作の時点では、基本的な対処法はありません。
どのようにして発作が起こったのか、発作のきっかけになったものはあるのか、発作が起こった時間や発作が続いた時間などを観察し、メモしておくことが大切です。
重症化してしまった場合は、これらを比較することになり、動物病院に連れて行った際にも獣医師に状況を説明できます。
てんかんは一度発症してしまうと、一生つきまとう病気となる恐れもあります。
些細なことでも、日々の観察が重要です。
発作が起きているときは、犬に呼びかけたり、体に触るなどはしないでください。
新しい刺激が加わることで、次の発作を誘発してしまう恐れもあります。
周囲に危険物があるならどかして、広い空間を作ってあげましょう。
これは、発作により動き回ったときにケガをしないためです。
てんかんの治療法
てんかんは、基本的に薬を使用して発作を抑えるという治療法をとります。
抗てんかん薬を使用し治療を行いますが、犬は薬を飲み続けなければいけません。
てんかんの症状を抑えることはできますが、薬によって肝臓に負担をかけてしまう恐れもあります。
肝臓の機能が低下してしまうため、注意が必要です。
参考
犬猫のてんかん|日本医科大学医学会雑誌18巻4号(外部リンク)
てんかんの犬に与える食事
てんかんは、食事を改善することでも症状を緩和することができます。
てんかんを抱えた犬の食事については、下記の記事で詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
てんかんは一度発症してしまうと、一生付き合っていかなければならない病気です。
また、原因がはっきりしないことが多く、戸惑ってしまう飼い主さんも多いかと思います。
愛犬に、てんかんと思われる症状が見られた場合は、注意してください。
発作は症状の重さによって変わります。
早期にてんかんだと気づいてあげることで、発作を最小限に抑える対策ができます。
発作を起こしても、飼い主さんが症状を観察しておくことで、症状の重さが分かります。
日々、細かいところまで愛犬を観察し、いち早く獣医師さんに診てもらいましょう。
ぽちたま薬局のライターです。猫が大好きです!
特に白が混ざった茶トラが好きで、来世できれば茶トラに生まれ変わりたいと少し本気で思っています。