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犬猫がフィラリアに感染する確率はどれぐらい?

「フィラリアってどれぐらいの確率で感染するの?」と気になっている飼い主さんは、少なくありません。

結論から言えば、フィラリアの感染率は飼い主さんが正しく対策しているかで変わってきます。

普段からフィラリア予防薬を正しく投与していれば、感染はほぼ0%に抑えられます。
しかし全く投与していない場合、犬の約22%(4匹に1匹)、猫の10%(10匹に1匹)がフィラリアに感染しています。

さらに、屋外飼育のワンちゃんで予防薬を3年間投与していない場合、フィラリアの感染率は92%に達します。

そのため、毎月1回の投与で犬や猫の命を守ることができるフィラリア予防薬は、必需品と言えるでしょう。
この記事では以下の3点について詳しく解説します。

・フィラリア予防薬で感染率がほぼ0%になるのはなぜ?
・感染率が高くなる要因は何か
・感染率を抑えるためにあなたができること

>>対策方法をすぐに知りたい方はこちら

>>犬のフィラリア予防薬について詳しくはこちら
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フィラリア予防薬が感染率をほぼ0%に抑えられるのはなぜ?

フィラリア予防薬

その理由は、寄生した幼虫を成長する前に余すことなく駆除できるからです。

フィラリア予防薬は、犬猫の血管内に入り込む前の幼虫(第3~4期幼虫)を駆除するものです。
蚊を媒介として犬猫に寄生した幼虫は、血管内に移動するまでに2~3ヶ月の期間を要します。
その間に毎月予防薬を投与することで、体内のフィラリアを一掃できるのです。

これが、予防薬が感染率をほぼ0%にできる理由です。

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※予防薬を投与する前の注意点
ただし、予防薬を初めて投与する際には、動物病院で事前検査を受けてください。
成虫やミクロフィラリアが住み着いている可能性があるからです。
成虫には予防薬を投与しても効果はありません。
また、成虫が産み出したミクロフィラリア(第1期幼虫)は駆除されることで強いショック症状を引き起こし、犬猫を死に至らしめることがあります。

検査で成虫やミクロフィラリアがいないことを確認してから、予防薬を投与するようにしましょう。

詳しくは「フィラリア検査の方法と費用について知りたい!」 をご覧ください。

フィラリアの確率を高める要因

フィラリアに感染する確率

「予防薬を投与していない」以外にも、様々な要因がフィラリアの感染率を高めます。

蚊が発生しやすい環境に住んでいる

蚊が発生しやすい環境

フィラリアを媒介するヒトスジシマカアカイエカなどの種類は、主に次のような場所に多く生息しています。

・池や水田
・掃除されていない下水溝
・雨水の溜まったバケツや水槽
・生い茂った雑草 など

水のあるところには産卵場所として、草木が生い茂る場所には隠れ家として、蚊は寄ってきます。
蚊の母数が多いと、それだけフィラリアを隠し持っている蚊の割合も多くなります。
池や水田が近くにある地域や、庭に雑草が生い茂っているご家庭は対策が必要です。

対策方法をすぐに知りたい方はこちら

お住まいの地域にフィラリア感染犬がいる

フィラリア感染犬

フィラリアの成虫に寄生された犬の体内には、ミクロフィラリアが産出されている場合があります。
体内にミクロフィラリアのいる感染犬を蚊が吸血すると、ミクロフィラリアは血液とともに蚊の体内に移動。
そこで第3期幼虫に成長し、別の犬猫に寄生する機会をうかがいます。

もし近所にフィラリア感染犬がいると、その第3期幼虫を体内に隠し持った蚊に刺され、感染するリスクが高くなります

感染犬が近所にいるかどうかは、お住まいの地域の動物病院に電話などで訊いてみましょう。

屋外で飼っている

屋外にいる時間が長い犬猫は蚊に刺されやすく、フィラリア感染率が高まります。

犬の場合

外飼いの犬

室内飼いより外飼いの方が多かった2000年の調査では、犬のフィラリア感染率は35%でした。

2006年~2008年までに実施されていた「犬糸状虫症の免疫学的診断法の改良に関する研究」報告書によると、犬のフィラリア症の感染率は40%前後という高い数値が記述されています。

また神奈川県の動物保護センターによる2013年の調査でも、感染率は22.7%でした。
捨て犬や迷子犬が保護されるまでに外で蚊に刺され、フィラリアに感染するケースが多いのでしょう。

対して室内飼いの割合が75%以上と高い2012年の調査では、フィラリアに感染する確率は3.6%(164件中6件)と比較的低い数値を示しています。

参考
犬糸状虫症の免疫学的診断法の改良に関する研究報告書(外部リンク)

猫の場合

猫

首都圏の動物病院による2008年の調査では、およそ10%の確率で飼い猫がフィラリアに感染したという報告があります。
またその内の61%は外飼い、あるいは自由に外出する猫だったそうです。

なお、アメリカでは同じ地域でフィラリア予防薬の投与を行っていない犬の感染率に対して、5~15%の感染率。
埼玉県での感染率は約0.8%との報告もあります。

参考
若齢猫にみられた犬糸状虫感染症の1例(外部リンク)

室内飼いでも油断は禁物

このように外飼いの方が、犬猫ともにフィラリア感染率は高くなるとされています。
だからといって「うちは室内で飼ってるから大丈夫」と油断してはいけません

先ほどの調査結果に基づくと、室内飼いの犬でも3.6%(28匹に1匹)と低確率とはいえ感染するリスクはあります。
また猫の調査では、感染した猫の61%は外出する猫でしたが、裏を返せば39%(3~4匹に1匹)は完全室内飼いです。

実際に2011年に報告された資料においては、日本の野良猫では0.5~9.5%、室内飼いの猫で3%~5.2%にフィラリアの寄生が認められたという報告もあります。

つまり外飼いでも室内飼いでも、フィラリアに感染する可能性は十分にあるのです。

次に紹介する方法で、しっかり対策しておきましょう。

参考
猫における犬糸状虫感染症の1例(外部リンク)

感染を防ぐためにあなたができること

フィラリアに感染する確率は、様々な要因で高くなることをお伝えしてきました。

フィラリアに感染した犬猫は、命に関わる重篤な症状を引き起こします。
しかし感染初期は無症状である場合が多く、気づけば末期の状態だったというケースもよくあります。

愛する犬猫を守るには、飼い主であるあなたの努力が必要不可欠です。
これからご紹介するフィラリアの予防・対策方法を徹底し、フィラリアの感染率を0%に抑えるよう努めましょう。

フィラリアの予防・対策方法一覧

  • 汚れた側溝の掃除&水たまりの除去
  • 庭の草むしり
  • 殺虫剤、虫よけグッズを使う
  • 防蚊ウェアを着せる
  • 予防薬を投与する

汚れた側溝の掃除&水たまりの除去

側溝の掃除

フィラリア対策の一番の方法は、フィラリアを媒介する蚊自体を寄せ付けないことです。
前の項目でもお伝えしたように、蚊は汚れた側溝や水たまりに集まり、卵を産み付けます。
側溝に薬剤を撒いて掃除したり、雨水の溜まった水槽やバケツなどを捨てたりして、蚊の発生源を周りから排除しましょう。

庭の草むしり

草むしり

同様に、庭に生い茂った雑草も蚊を寄せ付ける要因のひとつですので、草むしりを定期的に行いましょう
年3回、以下の時期に行うと効率よく雑草が減らせますよ。

・雑草が発芽する3月頃
・梅雨とともに雑草が成長する6月終わり頃
・一年生雑草が育つ9月頃
※一年生雑草……発芽から枯れるまでの期間が一年以内の雑草

7~8月の真夏に行わなくていいのは嬉しいですね。

殺虫剤、虫よけグッズを使う

殺虫剤

犬猫が室内にいるときは、蚊取り線香やアースノーマット(アース製薬の製品)を焚(た)いておき、刺される前に蚊をやっつけましょう。
近年の殺虫剤はペットに有害な物質が含まれていないため安全です。

もちろん「外飼いの犬猫」や「お散歩で外出するワンちゃん」にも、

虫よけのボディースプレーを振りかける(散歩のときは飼い主さん自身も)
蚊よけネットを首輪に取り付ける

といった対策をしておきましょう。

防蚊ウェアを着せる

防蚊ウェア

防蚊ウェアは、蚊の嫌いなハーブのエキスを使ったモステクトという生地で作るお洋服のことです。
防蚊効果を持たせながらペットをコーディネートできますし、薄手のノースリーブタイプなら夏でも涼しげ。
蚊が逃げ去りはしないものの、洋服には止まらないので簡単に追い払えます。

防蚊ウェア ペット」で調べると様々なデザインのお洋服を見ることができますので、チェックしてみてください。

予防薬を投与する

フィラリア予防薬

冒頭で紹介したように、予防薬を毎月投与すれば感染率は0%に抑えられます。

投与期間は「蚊を見つけた1ヶ月後」から「蚊を見なくなった1ヶ月後」までとされていますが、安全を期して一年中毎月投与しても問題はありません。

また、フィラリア予防薬の種類は数多くありタイプも異なります。

・ビーフジャーキーのように食べられるおやつタイプ
・お肌に直接塗るスポットタイプ
・ノミ・マダニなど他の寄生虫も一緒に駆除できるオールインワンタイプ

フィラリア予防薬の選び方やおすすめの商品について知りたい方は、以下の記事をご活用ください。


まとめ

フィラリアは恐ろしい病気です。
確かに室内飼いのご家庭が増えて感染する確率は下がっていますが、決してゼロになるわけではありません。
あなたのペットにフィラリアが牙をむく可能性は十分にあります。

愛するペットの命を守るためにも、フィラリア対策は常に万全にしておきましょう。

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