愛犬が僧帽弁閉鎖不全症と診断された時。
「この子はあとどれくらい生きられるんだろう」
「余命は延ばせるの?」と、不安で胸がいっぱいになる飼い主さんは少なくありません。
どんな治療をするのか、費用はどのくらいかかるのか、そしてどのくらいの時間を一緒に過ごせるのかと考えることがたくさんあって、頭の中がいっぱいになっていることと思います。
本記事では、犬の僧帽弁閉鎖不全症の進行ステージごとの余命の目安をはじめ、余命を延ばすための治療法についてわかりやすく解説します。
愛犬との時間を一日でも長く、笑顔で過ごしてもらえるよう、治療に前向きに取り組んでいきましょう。
目次
僧帽弁閉鎖不全症の進行ステージと余命の目安
犬の僧帽弁閉鎖不全症は、病気の進行度に応じてステージが分類されます。
ステージはA〜Dに分類され、B2以降に投薬が始まります。
ステージが進むにつれて症状が重くなり、治療内容や余命の目安も変わってきます。
ステージB2の余命
ステージB2は心雑音はあるものの、まだ咳や息苦しさなど心不全の症状が出ていない段階です。
ステージB2の段階で治療薬ピモベンダン(ベトメディンやピモベハートの有効成分)の投薬を開始した場合、心不全が起こるまでの期間を平均約15ヶ月延ばせる可能性が、臨床試験で報告されています。
また、ピモベンダンの投薬により生存期間の中央値は約1,228日(約41ヶ月)であることも報告されており、早期からの投薬が余命を大きく左右します。
ステージCの余命
ステージCは、肺水腫(肺に水がたまる状態)などの心不全症状が出ている段階です。
ステージCの段階ではピモベンダンや利尿剤の併用など、適切な治療を続けることで、約9ヶ月〜数年単位で生存できるケースも少なくありません。
一方で、心不全を発症した犬の約半数が1年以内に亡くなるという報告もあります。
そのため、治療の継続が余命を延ばすうえで何よりも大切になります。
ステージDの余命
ステージDは最も進行した段階になります。
複数の薬を使っても症状のコントロールが難しくなっている状態です。
平均的な余命は数ヶ月〜1年未満と言われていますが、個体差が大きく、愛犬の状態や治療への反応によって異なります。
この時期はかかりつけの獣医師と相談しながら、どう治すかよりどれだけ苦しみを減らして、穏やかな時間を過ごすかが大事になります。
無治療の場合と治療した場合の余命の違い
僧帽弁閉鎖不全症は治療を受けた場合と受けない場合で、余命に大きな違いが生まれます。
| ステージ | 治療なしの場合 | 治療した場合 ピモベンダン投与 |
|---|---|---|
| B2 | 約766日 (約25ヶ月) |
約1,228日 (約41ヶ月) |
| C※初回 肺水腫以降 |
急速に悪化するケースも | 中央値267日 〜数年 |
ステージB2の段階で治療を開始した場合、治療しない場合と比べて約462日(約15ヶ月)長く一緒にいられる可能性が高くなります。
早期に治療を始めるほど、愛犬の余命と一緒に過ごせる時間の両方を延ばせます。
参考論文(外部リンク)
前臨床期の粘液腫性僧帽弁疾患および心肥大を有する犬におけるピモベンダンの効果:EPIC試験-無作為化臨床試験
犬の僧帽弁閉鎖不全症はどんな病気?

僧帽弁閉鎖不全症は、犬の心臓病の中で最も多い病気です。
心臓の左心室と左心房の間に僧帽弁(そうぼうべん)という弁が正常に閉じなくなることで、血液が逆流してしまう状態になります。
弁が閉じなくなると、心臓は不足した血流を補おうとして無理をするようになり、少しずつ拡大・疲弊していきます。
この状態が長期間続くことで心不全へと進行していきます。
主な原因は加齢による弁の変性です。
弁を支える組織が加齢とともに変質してしまうのです。
遺伝的な要因も関わっていて、特定の犬種で高い発症率が確認されています。
主な症状には、以下のものが挙げられます。
- 乾いた「カハカハ」という咳が続く
- 息切れや呼吸が速い状態が続く
- 散歩中に立ち止まる、疲れやすくなる
- 食欲が落ちる、元気がない
僧帽弁閉鎖不全症は、根本的な予防が難しい病気です。
そのため、上記の症状がある場合は、早めに動物病院を受診することが大切です。
小型犬に多い理由
僧帽弁閉鎖不全症は、特に小型犬に多く発症します。
小型犬は体の構造上、心臓に慢性的な負荷がかかりやすいためです。
特に発症リスクが高いことで知られているのは、以下の犬種です。
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- チワワ
- マルチーズ
- トイ・プードル
- シー・ズー
- ポメラニアン
僧帽弁閉鎖不全症は、早期発見が余命を守ることに繋がります。
そのため、症状が出ていなくても年に一度は心臓の聴診を受けることをおすすめします。
僧帽弁閉鎖不全症に気づくサイン
飼い主さんが日常の中で気づきやすいサインとして、以下が挙げられます。
- 「カハカハ」「ゴホゴホ」という乾いた咳が出る
- 寝ているときや安静時でも呼吸が速い
- 散歩の途中で立ち止まる、運動を嫌がる
- お腹が膨れている
- 舌や歯茎が紫色っぽくなる
なお、最も早期に発見できるのは獣医師による心雑音の確認です。
症状が出る前の段階でも心雑音で発見できることがあるため、シニア期に入ったら定期的に聴診を行うことが大切です。
余命を延ばすための治療法
犬の僧帽弁閉鎖不全症は根治が難しい病気です。
しかし、適切な治療を続けることで症状の進行を遅らせ、愛犬が穏やかに過ごせる時間を延ばすことはできます。
余命を延ばすための治療方法については、以下で解説します。
主な治療薬の種類
僧帽弁閉鎖不全症の治療では、病気のステージや症状に応じて、以下のような薬が組み合わせて用いられます。
| 薬の種類 | 代表的な薬 | 主な働き |
|---|---|---|
| ACE阻害薬 | フォルテコール | 血管を拡張し、心臓への負担を軽減 |
| 強心薬 | ベトメディン ピモベハート |
心臓の収縮力を高め、血液を全身に送り出す力を補う |
| 利尿剤 | トラセミド | 体内の余分な水分を排出し、肺水腫・腹水を改善 |
早期発見・早期投与
余命を延ばすために最も重要なのが早期発見・早期投薬です。
前述のとおり、ステージB2(心雑音+心拡大があるが症状は出ていない段階)で投薬を開始することで、心不全の発症を平均約15ヶ月遅らせられることが臨床試験で報告されています。
「まだ症状は出ていないから大丈夫」と思わず、定期的な健診で心雑音の有無を確認しましょう。
獣医師の判断に従って早めに対処することが、愛犬の余命を守る最善の方法です。
投薬以外の管理
治療薬の投与と並行して、日常生活での管理も余命に影響します。
日常のケアが、薬の効果を引き出す土台になります。
- 心臓に負担をかけないよう塩分(ナトリウム)を控えた食事を心がける
- 激しい運動は心臓に負担をかけるため、ゆっくりとした短時間の散歩にとどめる
- お薬の量の調整や病気の進行確認のため、定期的な受診を欠かさない
- 大きな音や環境の変化など、愛犬にとってストレスになる要因を減らす
薬を続けることが余命を守るポイント

犬の僧帽弁閉鎖不全症の治療にかかる薬代は、決して安くありません。
しかし投薬を途中でやめてしまうと、数日以内に肺水腫(肺に水がたまる状態)を引き起こすリスクがあります。
肺水腫になると呼吸困難に陥り、状態が急変する可能性があります。
お薬の費用が重くなってきた、通院が難しくなってきた、という状況でも、どうか投薬を続けることを諦めないでください。
治療中はつらい時期もあるかと存じますが、投薬を続けることが、愛犬の命と幸せな時間を守ることに繋がります。
費用を抑えて投薬を続ける方法

愛犬のために必死に費用を工面している飼い主さんは多くいます。
そこで費用を抑えて投薬を続ける方法に、個人輸入という選択肢があります。
動物病院から処方されたものと同じ薬、あるいは同じ成分のジェネリック医薬品を、海外から個人輸入することで、費用を大幅に抑えられる場合があります。
個人輸入と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、ぽちたま薬局のような個人輸入代行サービスを使えば、普段使い慣れた通販と同じ感覚でお取り寄せできます。
注意点として、個人輸入は海外からの発送になるため、お手元に届くまで2週間前後かかる場合があります。
注文する際は、お使いのお薬が切れる前に余裕を持って注文いただきますようお願いいたします。
■動物病院・通販別の費用比較
| 薬の種類 | 動物病院での処方 (月額目安) |
先発薬 (ぽちたま通販) |
ジェネリック (ぽちたま通販) |
|---|---|---|---|
| フォルテコール (ACE阻害薬) | 約2,400円〜 (30日分) |
28錠7,200円~ | 30錠2,100円〜 |
| ベトメディン (強心薬) |
約9,000円〜 (30日分) |
100錠9,200円〜 | 100錠7,700円〜 |
| トラセミド (利尿剤) |
※動物病院・犬の体重により異なる | 30錠9,100円〜 | 100錠2,200円〜 |
※価格は変動する場合があります。
最新の価格はぽちたま薬局の各商品ページでご確認ください。
まとめ
犬の僧帽弁閉鎖不全症は、進行してしまうと完治が難しい病気です。
ですが適切な治療を続けることで、愛犬が穏やかに過ごせる時間を延ばすことは十分に可能です。
大切なのは一人で抱え込まないこと。
費用の負担や通院の不安があるときは、かかりつけの獣医師に相談しながら、無理なく続けられる方法を一緒に探してみてください。
毎日薬を飲ませて、そばで寄り添い続けているあなたの愛情が、きっと愛犬に届いています。
その積み重ねが、一日一日の命を支えています。

実家で猫を保護したことをきっかけに猫の魅力に陥落。
猫に負けず劣らず犬にもメロメロ。
愛猫とゴロゴロしながらお茶を飲むのが一番の幸せ。











