愛犬の健康を守るには、様々な病気の予防が欠かせません。
フィラリア症も予防が必要な感染症のひとつですが、愛犬にとっても飼い主様にとっても、多くの病気を防ぐことは大変です。
混合接種や狂犬病のように、フィラリア症の感染を予防できるワクチンもあるのでしょうか。
この記事では、フィラリア予防薬について詳しく解説していきます。
フィラリアについてあまり詳しくない方は、コチラの記事も一緒にご覧ください。
目次
フィラリア予防薬にワクチンはない
フィラリア予防薬に、体に免疫をつけることで感染を予防するようなワクチンはありません。
フィラリア症は蚊が運んできた糸状線虫が成長して、血管や心臓に寄生することで命に関わる可能性もある感染症です。
そんなフィラリア症は、混合ワクチンや狂犬病ワクチンと同じように、ワクチン接種で予防できると勘違いされることがあります。
しかし、フィラリア予防薬はワクチンとは働きが異なります。
感染を防ぐためには、フィラリア予防薬の投与が必要です。
なお、ワクチンではありませんが、フィラリア予防注射は接種することで1年間フィラリアを予防できるので、ワクチンと同じ感覚で接種させることが可能です。
フィラリア予防薬について
フィラリア予防薬は、犬の体に入ったフィラリアの幼虫を、成虫になる前に退治するお薬です。
フィラリアは血管や心臓に寄生することで血流を悪化させて、様々な臓器機能に障害を起こします。
フィラリア症は命の危険を伴うこともある感染症ですが、予防薬を正しく投与すれば、100%感染を防ぐことが可能です。
なお、フィラリア予防薬にはタイプがいくつかあるため、愛犬に合ったものを選べます。
ここからは、フィラリア予防薬の種類について詳しく解説していきます。
参考
犬糸状虫および犬糸状虫症に関する犬の飼い主の知識と意識(外部リンク)
食べるタイプのフィラリア予防薬
食べるタイプのフィラリア予防薬は、おやつ・錠剤・チュアブルタイプがあります。
有効成分を体内で吸収することで全身に効果が行き渡り、フィラリアが成長する前に退治して感染を予防するタイプのお薬です。
■メリット
・種類が豊富
・犬が喜んで食べるような工夫がされている
・ノミやマダニなども一緒に予防できるタイプもある
■デメリット
・おやつタイプは食べ物にアレルギーがある場合は使用できない
・吐き戻す可能性がある
・飲ませ忘れる可能性がある
滴下タイプのフィラリア予防薬
滴下タイプのフィラリア予防薬は、背中の皮膚に直接垂らして使用するお薬です。
皮膚から浸透し、全身に行き渡った有効成分が寄生虫を退治して愛犬を守ります。
■メリット
・食べ物にアレルギーがある犬にも投与できる
・ノミやマダニなども一緒に予防できるタイプがある
・吐き出す心配がない
■デメリット
・毎月投薬が必要
・投与し忘れる可能性がある
・皮膚が弱い場合は投与できない
注射タイプのフィラリア予防薬
注射タイプのフィラリア予防薬は、動物病院で注射をしてもらって予防するお薬です。
注射した液体の中に不溶性の微粒子が分散しており、体内でゆっくり効果が広がるように工夫されているので、1回の投与で長い期間フィラリアを退治できます。
■メリット
・飲ませ忘れる心配がない
・1年中感染するリスクがない
・吐き出す心配がない
■デメリット
・フィラリア予防のみでノミ・ダニなどは予防できない
・体重が変わる成長期や高齢の犬には投与できない
・重い病気の治療中や妊娠中は投与できない
フィラリア予防薬の選び方
フィラリア予防薬の選び方のポイントは、タイプで異なるメリットやデメリットを理解することです。
・食べることが好き:おやつタイプ
・食物アレルギーがある:滴下タイプ
・確実な予防がしたい:注射タイプ
上記のように、フィラリア予防薬の特徴を考慮して愛犬の体質や性格、飼育環境などに合ったタイプを選んでみてください。
愛犬に適したフィラリア予防薬を選ぶことで、愛犬だけでなく飼い主さんも投薬によるストレスを軽減できます。
よくある質問
フィラリア予防とワクチンについて、よくある質問を紹介します。
気になる点がある場合は、しっかり確認してフィラリア予防薬を使用しましょう。
フィラリア予防と混合ワクチンは同時にできる?
フィラリア予防と混合ワクチンを同時にできるかは、病院によって異なります。
副作用やアレルギーのリスクがあるため、食べるタイプや滴下タイプ、注射タイプに関わらず、フィラリア予防薬は基本的にワクチンとの同時接種が勧められていません。
フィラリア予防薬と混合ワクチンは、単独でも副作用が起こることがあります。
副作用のリスクを避けるためにも、予防は同時ではなく日にちをずらして行いましょう。
フィラリア予防と狂犬病ワクチンは同時にできる?
フィラリア予防と狂犬病ワクチンは、同時に実施できるところもありますが、病院によっても異なります。
狂犬病ワクチンの接種時に血液検査を行い、感染がなければフィラリア予防薬が処方されることもあります。
しかし、フィラリア予防薬の投与は同日ではなく、翌日以降など数日ずらすことが推奨されています。
まれに成分に対してアレルギー反応が起こることがありますが、何が原因なのか把握できなくなるため、フィラリアを予防する場合は狂犬病ワクチンと別日にしましょう。
フィラリア予防とノミダニ予防は同時にできる?
フィラリア予防とノミダニ予防は、同時に行わない方が良いです。
体調によっては、副作用が起こる可能性があるためです。
因果関係は明確になっていませんが、ノミダニ予防薬やフィラリア予防薬を投与した後に嘔吐した例も報告されています。
フィラリア予防を行った場合、ノミダニ予防薬の投与は1日~数日空けてください。
同時にフィラリア予防とノミダニ予防を済ませたい場合は、オールインワンタイプのお薬がおすすめです。
フィラリア予防の時期はいつから?
フィラリア予防は4月からの開始が一般的ですが、投与が推奨される時期は地域によって異なります。
近年は地球温暖化やペットの飼育環境の変化が影響しているため、冬でも生存する蚊が発生しています。
そのため、年間を通してフィラリア予防を行う飼い主さんも増加しています。
フィラリア予防薬は、蚊が出て1ヶ月後から蚊がいなくなって1ヶ月後まで投与が必要です。
確実にフィラリアを予防したい場合は、通年投与が推奨されています。
まとめ
フィラリア症には、混合ワクチンや狂犬病ワクチンのようにワクチンがありません。
感染を防ぐためには、フィラリア予防薬の定期的な投与が必要です。
フィラリア症は予防薬を正しく投与することで100%感染を防げる病気です。
また、愛犬に適したタイプのフィラリア予防薬を選ぶことで、愛犬・飼い主さん両方の負担を軽減できます。
当サイトでは、フィラリア予防薬も先発薬からジェネリック医薬品まで幅広く取り扱っているため、種類が豊富です。
愛犬を病気から守り、健康で楽しい生活を送れるようにしましょう。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。