フィラリア予防薬は、投与する前に必ずフィラリア検査が必要です。
動物病院でフィラリア検査が必要と言われて、「なんで検査しないといけないんだろう?」と疑問に思った飼い主さんもいると思います。
そこで、この記事では、フィラリア検査が必要な理由や検査をいつするべきなのか、費用や検査方法などについて解説していきます。
目次
フィラリア検査は必要ない?検査の必要性とは
フィラリア検査が必要かどうかは、まずフィラリア予防薬がどのようなメカニズムでフィラリア症を予防しているのかを知る必要があります。
一般的に「フィラリア予防薬」と呼ばれていますが、実際はフィラリアの「駆除薬」「駆虫薬」です。
フィラリアの幼虫・ミクロフィラリアが犬猫の体内に侵入。2~3ヶ月かけて血管に移動し、そこから肺動脈や心臓に寄生して成虫へ
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フィラリア予防薬は
「体内に侵入」してから「2~3ヶ月かけて血管に移動」する前の幼虫を駆除する薬
フィラリア予防薬は、フィラリアの幼虫が血管内に侵入して以降の段階では効かなくなるため、毎月1回の投薬で確実に幼虫を駆除する必要があります。
しかし、フィラリア予防薬の投与忘れや冬の休薬期間にフィラリアに感染すると、再びフィラリア予防薬の投与を開始する春には、繁殖により体内に大量の幼虫が存在していることがあります。
幼虫が大量に死滅してショック症状を引き起こしたり、死骸が血管に詰まったりすることで、命に関わる危険も!
そのため、フィラリア予防薬の投与を開始する前には、必ずフィラリア検査を行って感染の有無を確認する必要があるのです。
「フィラリア検査が必要って動物病院で言われたけど、必要ないんじゃない?」と思うかもしれません。
しかし、通年投与していない限り休薬中に感染するリスクがゼロではないので、フィラリア予防薬の投与前に検査が必要です。
フィラリア検査はいつすべき?適切な検査時期
フィラリアの検査を行う時期は、フィラリア予防薬を投与する直前になります。
フィラリア予防薬を投与する直前
フィラリア検査でフィラリアが検出されるまでは、感染から5~6ヶ月ほどの期間が必要だからです。
たとえば、12月にフィラリアに感染した場合、最短で5月頃から検出できます。
フィラリア予防薬は日本の多くの地域で5月から12月までの投与が推奨されているため、ちょうどフィラリア予防薬の投与を開始する時期は、ギリギリ検査でフィラリアを検出できるかどうかという時期になります。
そのため、フィラリア検査はできるだけフィラリア予防薬を投与する直前に実施するようにしましょう。
フィラリア予防薬はいつから?検査時期の目安
フィラリアの検査は、フィラリア予防薬を投与する直前に行う、ということがわかったので、次はフィラリア予防薬の投与がいつから始まるのかを知る必要がありますよね。
フィラリア予防薬の投与は、基本的に5月からとされています。
それは、フィラリアの感染源となる蚊の活動が活発になる気温が15~30℃ほどだからです。
しかし、日本の中でも地域によって気温は大きな差があるため、その地域によってフィラリア予防薬の投与が推奨される期間は異なります。
ほとんどの地域は5~12月がフィラリア予防薬の投与期間とされていますが、北海道や東北地方の一部、沖縄は期間が異なるので、注意しましょう。
ぽちたま薬局では、過去10年分の気温データをもとに、いつからいつまでフィラリア予防薬を投与すればいいのか、47都道府県別に最新の情報を掲載しているので、毎年確認しておくと役立ちますよ!
フィラリアの検査方法と費用
フィラリアの検査方法は、幼虫を検出する「ミクロフィラリア検査」と、成虫を検出する「抗原検査」の2種類が用いられており、それぞれ費用にも違いがあります。
フィラリア検査の費用を比較
ミクロフィラリア検査 | 抗原検査 | |
---|---|---|
料金 | 500~1,000円 | 2,000~3,000円 |
検出対象 | ミクロフィラリア(幼虫) | 成虫のメス |
デメリット | ・検出率が低い ・成虫だけでは検出できない |
・検査代が高い ・オスだけでは検出できない |
フィラリア検査以外にも別途、1,000~2,000円ほどの初診料が必要です。
また、動物病院によってはフィラリア検査と一緒に、血液検査も実施できる場合があります。
6,500円ほどの費用がかかりますが、フィラリア検査のついでに健康診断もおこなえるため、糖尿病や腎不全などの病気が隠れていた場合は、早期発見にもつながります。
フィラリア予防薬は、通販を利用することで動物病院より費用負担を軽くできます。
通年投与であれば動物病院で検査をする必要がないので、結果的に費用負担はそれほど変わらずに確実にフィラリア感染を予防できます。必要に応じて活用してみてください。
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ここからは、ミクロフィラリア検査と抗原検査の詳しい内容を解説します。
参考
犬の寄生虫検査法(II)(外部リンク)
ミクロフィラリア検査(幼虫検査)
ミクロフィラリア検査は、フィラリアの幼虫を見つけるための検査です。
オスとメスの成虫が交尾をしてミクロフィラリアを産んでいないと検出できないというデメリットはありますが、料金が安いという特徴があります。
なお、ミクロフィラリア検査には4つの検査方法があります。
- 直接法
→血液を採取し、顕微鏡で検査 - ヘマトクリット法
→採取した血液を遠心分離機にかけ、血球層と血清層の境目のミクロフィラリアを検出 - フィルター集虫法
→専用のキットで、希釈した血液にフィルターを通し、ミクロフィラリアを顕微鏡で確認 - アセトン集虫法
→専用の試験試薬に入れ、ミクロフィラリアを染色後に遠心分離後、数回洗浄し、沈殿物内のミクロフィラリアの有無を顕微鏡で確認
抗原検査(親虫検査)
抗原検査では、成虫のフィラリアを検出できます。
しかし、メスの生殖器からの分泌物を検出する方法なので、体内にオスしかいない場合や幼虫しかいない場合は検出されません。
また、抗原検査で検出されるまでは、感染から5ヶ月以上の経過が必要です。
フィラリア検査で陽性だった場合
フィラリアは肺動脈や心臓に寄生するため、肺や心臓にダメージを与えます。
ダメージを受けた臓器は元の状態に戻らないため、体内からフィラリアがいなくなったとしても治療の継続は必要です。
さらに、体に負担がかかる運動(全力疾走やジャンプ、ボール投げなど)は避けるよう、運動制限が設けられることも多いです。
フィラリアに感染した場合の治療については、こちらの記事で詳しく解説しています。
フィラリア検査のよくある質問
フィラリア検査について、よくある質問をまとめました。愛犬をフィラリアから守るためにも、正しい知識を備えておきましょう。
猫のフィラリア検査は必要?
猫のフィラリア感染率は全国平均5%となっており、犬よりは低いものの感染するリスクがあります。
猫の場合、抗原検査を実施しても20%は検出できないことがありますが、逆に言えば80%は正しく検出できています。
猫もフィラリアに感染するリスクがある以上、猫もフィラリア検査をしておくと安心です。
また、猫用のフィラリア予防薬には「投与前に犬糸状虫寄生の有無を検査等により判定すること」という注意事項もあるため、猫もフィラリア検査は必要です。
通年フィラリア予防薬を投与している場合にも必要?
沖縄のように蚊が年中活動している地域では、通年投与している方も多いと思います。
また、最近は平均気温の上昇により蚊の活動期間が長くなっているため確実にフィラリア感染を予防したり、飲み忘れを防いだりするために、通年投与を推奨する獣医師も多いです。
このように通年投与を行っている犬や猫に対しては、フィラリア検査は必要ありません。
また、動物病院では1年に一度接種すれば、通年フィラリア予防ができるフィラリア注射も行われています。
フィラリア注射の費用や副作用については、こちらで詳しく解説しています。
フィラリア予防薬の通年投与は、確実にフィラリア症を予防できるメリットがありますが、1年分のフィラリア予防薬が必要になるため費用がかかるというデメリットがあります。
ぽちたま薬局では、さまざまなフィラリア予防薬を動物病院よりも安い価格で販売しているので、利用することで費用負担を軽減できます。
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子犬のフィラリア予防は必要?
子犬に対するフィラリア予防薬の投与は、予防薬の種類によって異なり、生後42日(6週齢)あるいは56日(8週齢)から投与できるものが多いです。
しかし、投与可能な週齢になったとしても、フィラリア検査は行わずに投与を開始することがほとんどです。
検査によってフィラリアを検出できるのは感染から5ヶ月ほど経ってからになるため、生後8週齢の子犬では仮に感染していたとしても検査によってフィラリアを検出できないからです。
ただし、2年目以降は休薬期間を設けた場合、予防薬を使う前に検査が必要です。
まとめ
- フィラリア検査は、フィラリア予防薬を投与する直前に実施する。
- フィラリア予防シーズンは、地域によって推奨される時期が異なる。
- フィラリア検査は、感染から5ヶ月以上経過しないと検出できない。
- 感染した状態でフィラリア予防薬を与えると、最悪の場合ショック症状を引き起こす。
- フィラリア検査は、フィラリア予防薬を通年投与すれば必要ない。
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ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。