腎臓病の猫に長生きしてもらうには?具体的なケア方法を紹介

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腎臓病の猫に長生きしてもらうには?具体的なケア方法を紹介

猫の慢性腎不全(腎不全)は、一度発症すると治らないといわれる病気です。
そのため、普段から予防対策を取り入れることや、早期発見が欠かせません。

しかし、どんなに気をつけていても実際に腎臓病になってしまう猫も多いでしょう。
腎臓病になっても大切な愛猫には長生きしてほしい!」そう思うのは、飼い主さんとして当然のこと。

そこでこの記事では、愛猫になるべく負担をかけず、長生きしてもらうためのケア方法を紹介します。

腎臓病の猫を長生きさせる方法

腎臓病の愛猫を長生きさせるためには、具体的にどのようなケア方法があるのでしょうか?
以下に、詳しく説明していきます。

継続的な投薬

継続的な投薬

腎臓病を抱える猫に長生きしてもらうためには、進行を緩やかにするための投薬が欠かせません。

代表的な腎臓病のお薬はセミントラ。
動物病院でも処方されており、猫の腎臓病治療の第一選択薬として知られています。

猫の腎臓の機能が低下すると、血液の中に老廃物がたまり尿にタンパク質が漏れ出します。
そうなると、腎臓障害を進行させ寿命を縮めてしまうことに。

そこで腎臓病の猫の治療には、尿タンパクを抑制するセミントラなどのお薬が必要になります。

また、セミントラはタイミングによって入手が困難になることもあります。
その際の代替薬として、セミントラと同じ成分を含む「テルミサルタン錠」もあるのでこちらも検討してみてください。
効果については、セミントラと同じです。

ぽちたま薬局では、セミントラやテルミサルタン錠をはじめ、猫の腎臓病治療薬を多く取り扱っています。

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食事療法

猫が腎臓病になってしまったときは、療法食に切り替えましょう。

療法食とは、腎臓機能が低下したことを考慮して作られたフード。必要な栄養素も適切な分量で摂取できます。
動物病院で取り扱うもの以外にもさまざまなメーカーが販売しているため、種類も豊富です。

腎臓病を抱える猫の食事については、以下のコラムも参考にしてください。

療法食に切り替える方法以外にも取り入れたいのは、オメガ3脂肪酸や食物繊維を多く含む食物の摂取。
オメガ3脂肪酸は、猫の健康維持に非常に重要。腎臓病の進行を抑制する働きも期待できます。

また、食物繊維には腸内細菌を増やして、血液中の有害物質も減らす作用があります。
そのため、オメガ3脂肪酸や食物繊維を摂取することで、猫の腎臓にかかる負担が軽減されるのです。
猫がご飯を食べてくれないときの対処法は?こちらをチェック

また、慢性腎不全になると脱水症状になりやすいため、水分も十分摂れるようにしてあげましょう。
猫が水を飲んでくれないときの対処法は?こちらをチェック

サプリで腎機能をサポート

サプリで腎機能をサポート

腎臓病の猫を長生きさせるためには、サプリメントの活用も効果的。
療法食を食べない、積極的に腎臓の負担を軽くしたい、尿毒症症状を改善したい場合におすすめの方法です。
サプリメントは医薬品ではないため、使用するうえで副作用が出ないという点も安心ですね。

たとえば「ネフロテックDS」は、腎臓病の症状を緩和する効果が期待できます。
ぽちたま薬局では、腎臓をサポートするサプリメントも取り扱っています!

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ステージ4の腎不全になっても
猫は長生きできる?


猫の腎不全は、以下のように1~4のステージに分類されます。

ステージ1

腎臓機能が33%ほどまで
低下している状態。
症状はほとんどなく、血液検査にも異常は現れない。

ステージ2

腎臓機能は、25%ほどまで低下した状態。
腎不全の初期に見られる多飲多尿の症状などが認められるようになる。

ステージ3

腎臓機能は、75%以上低下した状態。
この頃から老廃物や有害物質の排出が難しくなり、尿毒症の進行も始まる。
食欲不振や嘔吐、脱水など、さまざまな症状も見られる。

ステージ4

腎臓機能は、75%以上低下した状態。
腎臓機能が10%以下にまで低下した末期の状態。
尿毒症がさらに進行しているため、
積極的に治療しなければ生命を維持するは困難。

海外のデータで、ステージ2の猫は生存期間の中央値が1151日との報告があります。
さらに、ステージ3では778日ステージ4になると103日という結果も。

参考
Survival in Cats with Naturally Occurring Chronic Kidney Disease (2000–2002)(外部リンク)

「長生き」の基準は人それぞれですが、ステージ4と診断されたあと、約3ヶ月生きることができた猫もいます。
腎不全は進行性で、低下した腎臓の機能は回復しませんが、食事や投薬で進行を緩やかにすることが重要です。

ただ、猫の腎臓病の治療費が高いとお悩みの飼い主さんもいるかもしれません。
以下のコラムで薬を安く購入する方法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。

食事や投薬でなるべく健康をサポートしてあげて、飼い主さんともども穏やかな生活を送れるようにしたいですね。

猫が腎臓病になったとき
飼い主さんができること

これまでに紹介した方法も、愛猫が素直に水を飲んだり、食べたりしてくれれば問題なく実践できます。
しかしなかには、水を全然飲まない、ご飯も食べてくれない、という子もいるでしょう。

そんなとき、飼い主さんができることを紹介していきます。
愛猫の健やかな生活のために、ぜひ実践してみてください!

食べてくれないときの食事管理

療法食に飽きて、食べなくなってしまう猫もいます。
その際は、フレーバーや味、食感が違うフードに変更してみましょう。

また、猫の食欲を誘うためにフードを温めて、香りを立たせる方法も効果的です。

それでも食べてくれない子には、食欲増進剤を使用する方法もあります。
なかでもミラタズ軟膏は、猫の耳に塗るだけと投与方法が手軽なお薬でおすすめです。

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また、最終手段にはなりますが、どうしても食べてくれないときは、強制給餌という方法もあります。
シリンジに流動食を入れて、少量ずつゆっくりと与える方法です。

しかし、強制給餌は猫にとっても負担がかかるため、獣医師さんに相談したうえで検討してください。
詳しい情報は、以下のコラムでも説明しています。

嘔吐の緩和

腎不全の猫は、嘔吐症状が現れやすいといわれています。
そのため、吐き気があまりにも強い場合は、吐き気止めを投与する場合もあります。

「セレニア」は、犬用の嘔吐抑制剤として承認されていますが、猫への安全性も確認されているお薬です。
動物病院でも、獣医師さんの判断で用いられるケースが増えています。

効果や用量、副作用の詳しい情報については、以下のコラムで説明しています。

歯周病の治療

実は歯周病と慢性腎臓病は関連性があると言われています。
歯周病の口腔内細菌が腎臓にたどり着くことで炎症が起こり、腎機能に影響を及ぼすのです。

参考
猫のワクチン接種と慢性腎臓病および予後に関する回顧的調査(外部リンク)

現状、歯周病を治療すれば腎臓病の症状も緩和される、という報告がされているわけではありません。
しかし、歯周病の治療をすることでほかの病気や悪化するリスクは軽減できるでしょう。

ただ、腎不全が進行している場合は、麻酔することが難しいため、処置できないケースもあります。
対応は動物病院によって異なるため、歯周病の治療を希望する場合は獣医師さんに相談しましょう。

水を飲んでくれないときの水分補給方法

慢性腎不全の猫は、腎臓の働きが悪くなるため水分を再吸収する働きが低下します。
その結果、体に必要な水分もおしっことしてたくさん出してしまい、脱水状態に陥る可能性も。
そうならないためにも、水分補給は重要です。

水を準備しているのに、愛猫が水を飲んでくれない!というときは、以下の方法を試してみましょう。

  • 常に新鮮な水を用意する
  • 水用の食器を替えてみる
  • ウエットフードに切り替える
  • シリンジを活用して
    直接水を飲ませる

猫にとって水を飲む環境も大切です。
もしかしたら器が合わず飲んでくれないということもあるかもしれません。

環境を整えても飲まない場合は、ウエットフードに切り替え水分量を増やすという方法もあります。

ストレスを緩和させる

病気とストレスは、切っても切り離せない関係です。
人間も、ストレスを抱え込めば元気がなくなり、体調不良になりやすいですよね。

それは猫も同様で、たとえば以下のような状況でストレスを感じることがあります。

  • 動物病院での診察
  • 引っ越しで環境が変わった
  • 知らない人間が家にいる
  • ほかの猫と暮らすようになった
  • 掃除機や洗濯機などの音
  • ひとりの留守番

ストレスを感じたとき、活性酸素という物質が増え老化を進めてしまう状態を酸化ストレスといいます。
とくに、この酸化ストレスは腎不全を悪化させる原因です。

参考
慢性腎臓病(CKD ステージ 1)の猫に対する電子水給与の抗酸化能への影響(外部リンク)

愛猫にストレスをためさせないために、なるべくひとりにせず、触れ合う時間を増やすなどしてあげましょう。
人間は気にならない生活音も、猫にしてみれば騒音かもしれません。
猫の目線で考えて、過ごしやすい環境が整っているか確認してください。

まとめ

猫の慢性腎不全(腎不全)は、一度かかったら治ることはありません。
そのため、なるべく早く治療を開始して、進行を緩やかにすることが重要です。
慢性腎不全になったら投薬や食事療法、サプリメントなどを取り入れて、愛猫をサポートしましょう。

また、腎不全末期ステージ4と診断された猫の中には、約3ヶ月生きた子もいます。
適切な治療は、愛猫の性格や病状によっても異なるため、獣医師さんと相談しながら行いましょう。

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