腎臓病の猫が食べてはいけないもの、食べていいもの

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腎臓病の猫が食べてはいけないもの、食べていいもの

愛猫が腎臓病と診断された場合、腎臓に負担をかけずに食事を管理する「食事療法」をおこなうことが望ましいとされています。

健康な猫には必要な栄養素も、腎臓病を抱えた猫にとっては負担となってしまうことも。
本記事では、腎臓病になった猫に与えてはいけない栄養素や、与えた方が良い栄養素などを詳しく解説していきます。

愛猫とできるだけ長い時間を共に過ごすために、ぜひ参考にしてみてください。

猫の腎臓病について

猫の腎臓病について

腎臓病は「急性腎不全」と「慢性腎不全」に分けられます。
急性腎不全は、急激に悪化することが特徴です。
しかし、適切な治療をすることにより、回復する可能性があります。

一方、慢性腎不全は、自覚症状がなく時間をかけて悪化していくという特徴があります。
徐々に腎臓の機能が低下していき、回復する見込みはほとんどありません。

腎臓の働きが悪くなると老廃物の排出、血圧調整などが十分に機能しなくなります。
また、一度機能が低下してしまった腎臓は、元の状態に戻すことはできません。

腎臓病と診断された場合、まずは食事療法を行うことが望ましいですが、症状が進行している場合は、点滴やお薬の投与なども行われます。

詳しくは「猫の腎臓病」の記事をご覧ください。

腎臓病の猫が食べてはいけないもの

腎臓病の猫が食べてはいけないもの

愛猫が腎臓病と診断された場合、下記の栄養素を含む食べ物は与えないようにしましょう。

腎臓の機能が衰えた状態でこれらの栄養素を摂取すると、腎臓病が悪化しやすくなります。
また、高血圧などの合併リスクが高まり、不整脈や心不全を引き起こす危険性もあります。

リン

リンは本来、骨や歯を丈夫にする働きがあり、キャットフードに含まれるほど重要な栄養素です。

しかし、腎機能が低下している状態でリンを摂取すると、リンを正常に排出できず、腎臓病の進行にもつながります。

リンが排出できなくなると、体内でリンの濃度が高まり、そのバランスを保つために血中カルシウムが増加します。
カルシウム濃度が上昇すると、様々な臓器で石灰化が起こるリスクが高まるのです。

リンは肉類、乳製品、魚介類、豆類のほか、食品添加物にも多く含まれています。
愛猫が腎臓病と診断された場合、リンを含む食品は与えないようにしましょう。

タンパク質

猫にとってタンパク質は重要な栄養素ですが、腎臓への負担を軽減するために制限をする必要があります。
とくに、高齢の猫や腎臓病と診断された猫は注意が必要です。

過剰摂取により不要になったタンパク質は、分解時に毒素が発生し、尿毒症の発症につながる危険性があります。

尿毒症は、発症すると食欲の低下や激しい嘔吐が生じ、体からアンモニアのにおいがすることがあります。
また、脱水症状を引き起こし、治療をせずにいると命を落とす危険性もあります。

しかし、低タンパク質な食事を与え続けることで筋肉が減り、かえって良くありません。
そのため、タンパク質を極端に制限せず、必要最低限の量を与える必要があります。
タンパク質の割合が26%程度のフードを選ぶと良いでしょう。

タンパク質は、肉類、魚類、豆類などに多く含まれています。
フードを手作りする場合は、与える量に注意が必要です。

ナトリウム

ナトリウムは、塩素と結びついてできた物質であり、一般的には「塩分」として知られています。

猫にとって健康維持に必要な栄養素であり、多少過剰に摂取してもうまく排出する能力があります。

ただし、高齢の猫や腎臓病と診断された猫は、ナトリウムを正常に排出できないため、注意が必要です。
塩分が過剰になると、腎臓に負担をかけて腎不全を引き起こす可能性もあります。

塩分の多い食べ物
・ハム
・ベーコン
・ソーセージ
・チーズ
・かつおぶし
・塩シャケ
・しらす干し など

人間の食べ物には、猫にとって過剰な塩分が含まれているため、腎臓病の猫には絶対に与えないようにしましょう。

参考
環境省

腎臓病の猫が食べていいもの

腎臓病の猫が食べていいもの

腎臓病と診断された猫には、積極的に与えた方が良い栄養素もあります。
これらの栄養素を摂取することにより、腎臓の負担を軽減できる可能性があるため、参考にしてみてください。

療法食

療法食は、機能が低下した腎臓を考慮して作られているため、必要な栄養素を適切な分量で摂取することが可能です。
療法食、動物病院で購入できるほか、様々なメーカーからも販売されています。

しかし人間と同じく、猫にも味の好みがあります。
口に合わず食べない場合は、愛猫にあった療法食をいくつか試すことが必要です。

療法食に切り替えるタイミングや、どの療法食を選択するのかなどは、獣医師と相談しながら進めるようにしましょう。

【参考】
慢性腎臓病の栄養管理|J-STAGE

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は猫の健康維持に重要な要素であり、腎臓病の進行を抑制する効果が期待できます。

リン・タンパク質・ナトリウムを低減させる働きがあり、これにより血液中の有害物質や余分な塩分の排出が促進され、腎臓への負担が軽減されます。

オメガ3脂肪酸を多く含む食材
・魚類(マグロ、イワシ、サーモンなど)
・ナッツ類(アーモンド、くるみ)
・亜麻仁、エゴマ油など

腎臓病の進行を抑えるためにも、積極的に与えるようにしましょう。

食物繊維

食物繊維は、腎臓病の猫の食事に積極的に取り入れたい栄養素です。
摂取することで腸内細菌を増やし、血液中の有害物質を減少させる働きがあります。
その結果、腎臓への負担が軽減されるのです。

食物繊維が豊富な食材
・野菜(レタス、キャベツ、水菜など)
・きのこ類(舞茸、エリンギなど)

ただし、食物繊維は消化しづらいというデメリットもあるため、少量を細かくして与えるようにしましょう。

よくある質問

愛猫が腎臓病と診断された飼い主さんから寄せられる、よくある質問とその回答をまとめました。
愛猫に負担をかけずに、最善のケアをしてあげましょう。

猫は腎臓療法食を食べない?

栄養素が制限されている療法食は、一般的なキャットフードと違い、香りや食感に違和感を覚える猫もいます。
猫は神経質な性格もあり、好みではない食べ物には口をつけず、一切食べない場合もあります。

対策としては、いきなり療法食に切り替えるのではなく、今まで与えていたキャットフードに少量ずつ混ぜるなどの工夫をしましょう。

猫が腎臓病になった時は、食事は手作りフードを与えてもいいの?

食欲がでない愛猫のために、好みにあわせたフードを手作りしたい気持ちもあるかと思います。
しかし手作りの場合、必要な栄養素を全て補うことは難しいものです。
腎臓の負担を軽減し、必要な栄養素のバランスを保つためには、療法食を活用することをおすすめします。

どうしても手作りのご飯を与えたい場合は、獣医師へ相談したうえで判断するようにしましょう。

腎臓病の猫におやつは与えていい?

おやつは絶対に与えてはいけない、というわけではありません。
ただし、与える量やおやつの内容を選ぶ必要があります。

特にささみなどの肉類やチーズなどの乳製品、魚などは、リンが多く含まれているため与えてはいけません。
また、人間用のおやつも絶対に与えないようにしましょう。

猫の腎臓病を予防する食べ物は?

オメガ3脂肪酸は、腎臓病の進行を抑制するのに有効です。

抗酸化作用により腎臓の機能を守る効果があり、日頃から与えることで腎臓病の予防にも期待できます。

オメガ3脂肪酸は、マグロ、イワシ、サーモンなどの魚類、アーモンドなどナッツ類、亜麻仁・エゴマ油などに多く含まれています。

愛猫の健康を維持するためにも、積極的に与えるようにしましょう。

【参考】
ふじわら動物病院|腎臓病の猫ちゃんの食事について

まとめ

腎臓病は、猫によく見られる病気のひとつです。
病気が進行していないと症状が現れない特徴があるため、早期に発見し、治療をおこなうことが重要です。

愛猫が腎臓病と診断された場合、腎臓に負担をかけずに食事を管理する「食事療法」を取り入れましょう。
それと同時に、効果的な治療を行うことが最適です。

なお、ぽちたま薬局では猫用の腎臓病治療薬セミントラや、セミントラと同じ有効成分のテルミサルタン錠、サプリメントを取り扱っています。

動物病院で処方された治療薬やサプリメントを低価格で購入したい場合は、通販での購入も一つの方法です。

【参考】
犬の慢性腎不全の治療(ARB製剤) |ふく動物病院
セミントラ 4mg/mL経口液猫|動物用医薬品等データベース

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