猫の歯周病の治し方について|末期症状が出てからでは手遅れ?

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猫の歯周病の治し方について|末期症状が出てからでは手遅れ?

猫の歯周病は、歯垢が溜まって細菌が増殖しやすくなることで起こります。

口臭や歯石、歯茎の炎症や出血などの症状が見られるようになり、治療が遅れると抜歯が必要になる場合もあります。

さらに、症状を放置した場合は死亡するリスクもあるので大変危険です。

この記事では、猫の歯周病に対する具体的な治し方について紹介します。

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猫の歯周病の治し方

猫の歯周病の治し方

まずは、猫の歯周病の治し方について解説します。

歯周病は進行のスピードも早いので、発症した場合はすぐに処置をおこない、悪化を防ぐことが大切です。

歯石除去

歯周病の治し方のひとつは、歯石除去手術を用いる方法です。

手術は全身麻酔をおこない、原因になっている歯石を取り除いたうえで、治療したあともなるべく歯に付着しないように全体を磨いて仕上げます。

しかし、処置したあとも歯石を完全に付着させないことは難しく、歯にはどうしても歯石が蓄積していきます。

■歯石除去費用の目安
治療費は動物病院によっても差はありますが、比較的高額で5~10万円ほど必要になるケースがほとんどです。

投薬

猫の歯周病が軽症であれば、投薬するという治し方もあります。

投薬治療は、歯石を除去したうえで菌の繁殖を防いだり、腫れや赤みなどを抑えたり、痛みを緩和したりと、症状を改善することが目的です。

また、猫の歯周病に使用されるお薬は、以下のような種類があります。

猫の歯周病に用いられる薬
  • ステロイド
  • 抗生物質(クリンダマイシン・アモキシシリンなど)
  • 痛み止め(メロキシカム、ロベナコキシブなど)

抗生物質や痛み止めなど、ぽちたま薬局にも取り扱いがございます。

抗生物質
クリンダマイシン アモキシシリン
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痛み止め
メロキシカム ロベナコキシブ
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抜歯手術

抜歯手術は炎症が重度の場合や、歯のぐらつきが見られる歯周病に用いられる治し方です。

抜歯が選択される目安
  • 歯がグラついている
  • 炎症が深部に達している
  • 口臭が酷い(アンモニア臭)

歯を抜くことは残酷にも思える処置ですが、かわいそうだという気持ちから放置してしまうと、愛猫の炎症は隣の歯にも広がっていきます。

しかし、愛猫に抜歯をすれば歯周病がさらに悪化することを防げるうえに、炎症に伴う痛みも緩和してあげられるということを理解しておくことも大切です。

また、抜歯手術でかかる治療費は、動物病院や抜歯本数によっても大きな差があります。

■抜歯手術費用の目安
目安は1本1万円ほどですが、事前検査やレントゲンの費用も必要になるので、総額にすると20~30万円ほどかかることも珍しくありません。

参考
全臼歯抜歯を実施した若年性歯周炎の猫 1 例(外部リンク)

老猫の歯周病の治し方

老猫の歯周病は、若い猫と同じような麻酔を使った治し方で治療できない場合があります。

歯周病を治療するときは、原因の歯石を除去したり、ぐらついている歯を抜いたりするため、基本的に麻酔が必須です。

しかし、体力の低下や持病を抱えている老猫は麻酔ができない場合もあり、ステロイドや痛み止めなどのお薬を長期的に投与して、症状を緩和するための治療が用いられます。

猫の歯周病は完治する?

猫の歯周病は完治する?

猫の歯周病は、侵された歯を抜歯すればそれ以上の炎症を食い止めることはできます。

しかし、歯周病になった猫は歯肉や骨、皮膚などもダメージを受けているため、抜歯しても失った機能や組織は元の状態に戻ることはありません。

発見・治療が遅れるほどに、愛猫に残るダメージは大きくなってしまいます。

愛猫に不自由な生活を送らせないためにも、日ごろから歯磨きやチェックを怠らないように心がけましょう。

猫の歯周病の末期症状

猫の歯周病は炎症が奥深くまで進行すると、以下のような状態を引き起こす恐れがあります。

歯周病の危険な末期症状

  • 口腔鼻腔瘻:口腔と鼻腔が繋がる
  • 眼窩下膿瘍:眼の下に腫瘍ができる
  • 外歯瘻:歯の周囲の骨が溶け皮膚に穴が開く
  • 根尖周囲病巣:歯の根元に膿が溜まる

猫の歯周病が進行した場合に起こるのは、上記のような末期症状だけではありません。

重度の歯周病があるケースでは、健康な猫よりも慢性腎不全の発症リスクが高まることも報告されています。

参考
猫における歯周病と慢性高窒素血症腎疾患の発症リスクとの関連性(外部リンク)

歯周病が原因で死亡することも

歯周病は、猫が死亡する原因にもなる恐ろしい病気です。

炎症を起こす歯周病菌は、歯や骨、皮膚だけでなく、組織が破壊された歯肉から血管にも侵入しやすくなるため、敗血症を引き起こす恐れもあります。

上述したように、腫瘍や腎臓病などの多くのリスクが伴う猫の歯周病は、一刻も早く治療することが大切です。

また、以下の研究によると、年に1回の歯石除去を行っていた犬は、そうでない犬と比べて死亡率が18.3%低かったというデータが得られたようです。

死亡という最悪のケースを避けるためにも、歯石除去は定期的に行った方が良さそうですね。

参考
プライマリケア動物病院で評価されたペット犬の寿命に関連するリスク要因(外部リンク)

自宅でのケア方法&注意点

猫の歯周病の自宅ケア方法&注意点

愛猫が歯周病になってしまった場合、上述した治療の他に自宅でのケアも重要になります。

その際の助けになる情報を、以下に3点まとめておきます。

歯磨きに慣れさせる

歯石除去や投薬治療をしても、またすぐに歯石が付いてしまいます。

そのため、日々の歯磨きを習慣にすることは欠かせません。

しかし、いきなり歯磨きを試みようとしても難しいので、まずは口の周りに触れることから徐々に慣れさせることが大切です。

怖がらせないように少しずつ段階を踏んで、歯磨きできるように練習していきましょう。

猫用の口腔ケアサプリを活用する

歯磨きがどうしても難しい場合は、サプリの助けをかりることも効果的です。

最近は、普段のフードや水に混ぜるだけで口内細菌の繁殖を抑えたり、歯垢を付きにくくしてくれる物もあります。

有効に活用して、愛猫の口腔環境を整えましょう。

ぽちたま薬局でも取り扱いがありますので、気になる方は以下のリンクから詳細をチェックしてみましょう。
>>フードに混ぜるプラークオフパウダーはコチラ
>>水に混ぜるアクアデントはコチラ

人やペットにうつる可能性がある

歯周病菌は人と猫で共通のため、愛猫のお世話をする過程でうつる可能性があります。

飼い主さん自身が感染しないためにも、濃厚なスキンシップは避けたり、お世話をした後は手を洗うことを徹底しましょう。

もちろん、猫から猫への感染も発生するので多頭飼育の場合は注意が必要です。

じゃれあい、毛づくろい、使用している食器などを介して感染が拡大する可能性があることを覚えておきましょう。

躊躇せず早めの治療と予防を

猫の歯周病は、放っておくと死亡する恐れもあります。

処置が遅れると炎症が広がって重症化するため、全身にも悪影響を及ぼします。

愛猫が歯周病になった場合は、危険性をしっかり理解して医師の指示に必ず従い、躊躇せずに治療を受けさせることが大切です。

また、治療しても歯垢は蓄積していくため、愛猫の歯周病予防はしっかり続けてあげましょう。

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