猫FIP(猫伝染性腹膜炎)は、「猫コロナウイルス」の突然変異によって発症する病気です。
とくに1歳以下の子猫が多く発症し、無治療の場合1~2週間で症状が進み、死亡率はほぼ100%という恐ろしい病気です。
これまでは死の病とされていた猫FIPですが、この数年でさまざまなFIP治療薬が登場し、治せる病気へと変わりつつあります!
ただし、治療薬は未認可薬になるため、高額な治療費がかかることも。この記事では最新の猫FIP治療薬の種類や治療費を比較しながら紹介します。
そこで、ペットのくすりを取り扱うぽちたま薬局ブログスタッフが最新のFIP治療薬・治療費を比較、さらに症状や原因、予防法まで、飼い主さんが知るべきFIPの情報を解説します。
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目次
【2024最新】猫のFIP治療薬と治療費を徹底比較
猫FIPの治療薬は、日本で認可されたものがまだありません。
保険適用ができないため全額自己負担となることに加え、動物病院では海外製のFIP治療薬を個人輸入する形で治療を行っています。
ここでは現在、主に使用されている4種類の猫FIP治療薬を比較・解説します。
治療薬 | ムティアン (Mutian) |
CFN (CHUANFUNING) |
レムデシビル | モルヌピラビル |
---|---|---|---|---|
パッケージ | ||||
タイプ | 錠剤 | 錠剤 | 注射薬 | 錠剤 |
効果 | 猫FIP治療(抗ウイルス薬) | |||
特色 | 効果と安全性は高いが、非常に高額 | 海外での実績があり効果と安全が高いが、価格も高い | 2023年に有用性が明らかになった新薬、圧倒的に治療費が安い | |
治療費 | 約100~200万円 | 約60~120万円 | 約3~5万円 | |
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ムティアン、CFN:効果と安全性は高いが、治療費は非常に高額
FIP研究者により2019年に開発されたFIPを完治させる薬剤「GS-441524」が治療薬として発売されなかったため、中国の会社が無断で非合法にコピーしてサプリメントとして発売したのが、ムティアンやCFNというFIP治療薬です。
ほかにも多数の「GS-441524」治療薬が存在しますが、成分や効果等はほぼ同じとされています。
日本で2019年6月~2020年12月に、ムティアンを141匹の猫に投与した結果を報告した論文によると、116/141頭が生存し、生存率は82.2%と有効性の高さを示しています。
「GS-441524」の投与後に軽度の下痢などの消化器症状と肝機能障害が観察されたが、重篤な副作用はありませんでした。
最新2024年の報告では、「GS-441524」を投与された猫から、の尿路結石が発見されたことが報告されています。
参考
総ビリルビン値から予測される猫伝染性腹膜炎の141頭の飼い猫に対するMutian® Xraphconnの治療効果(外部リンク)
Uroliths composed of antiviral compound GS-441524 in 2 cats undergoing treatment for feline infectious peritonitis [英語](外部リンク)
ムティアン、CFNを使用した場合の治療費
ムティアンやCFNなど「GS-441524」治療薬は、開発・販売元により高額な価格設定がなされています。
体重や症状により変わりますが、約100~200万円の治療費がかかります。
治療サプリメントの扱いとなり、未承認の薬となるため、保険適用もできず、非常に高額な治療費が必要となります。
なお、「GS-441524」薬は、84日間投与し続ける必要がありますが、最新の研究では42日間の投与でも有用性が示されたことが発表されており、今後より効率的で費用負担の少ない治療法の確立が期待されています。
レムデシビル:効果と安全性は高いが、治療費は高額
人間用の新型コロナウイルス治療薬として承認されているレムデシビルは、猫に投与した場合、体内で代謝によりFIPに効果がある「GS-441524」に変化します。
イギリスやオーストラリアでは猫用に調剤されたレムデシビルが広く使用されています。
レムデシビルは他のFIP治療薬と異なり、注射薬なので効きが早く、1~2週間で急速に悪化して死亡する猫FIPに対して有効な初期治療薬と言えます。
日本ではFIP猫に対してレムデシビルを66頭に投与し、94%の生存率という結果が報告されています。
参考
レムデシビル・GS-441524錠によるFIP(猫伝染性腹膜炎)の治療 (外部リンク)
レムデシビルは動物用医薬品として未承認薬のため、治療費は高額
レムデシビルは日本国内では未承認の動物用医薬品となるため、保険適用ができず、約60~120万円の高額な治療費が必要になります。
モルヌピラピル:高い効果に価格も安価、研究が進められている
レムデシビルと同様に人間用の新型コロナウイルス治療薬として承認されているのがモルヌピラビルです。
日本の獣医師が、猫FIPに対するモルヌピラビルの有用性を報告した論文が2023年8月に発表されたことで、大きな注目を集めることになりました。
最新の研究結果では、59匹中58匹が完治しており、FIP治療効果はムティアンやGS-441524薬と変わらないと言えます。
参考
・GS-441524 and molnupiravir are similarly effective for the treatment of cats with feline infectious peritonitis[英語](外部リンク)
・Open label clinical trial of orally administered molnupiravir as a first-line treatment for naturally occurring effusive feline infectious peritonitis[英語](外部リンク)
モルヌピラビルは副作用として催奇形性や発がん性の可能性があるとされていますが、用法・容量を守って投与することで副作用のリスクは限りなく低くすることができます。
さまざまな体重・症状の猫に対する治療により、適切な投与量が研究されており、今後は安全性がより高まることが期待されています。
モルヌピラビルは、圧倒的な治療費の安さがメリット
モルヌピラビルが注目を浴びた理由のひとつとして、治療費の安さが挙げられます。
モルヌピラビルは国内正規品を使用する場合で約10~30万円となり、ムティアンやCFNの約1/10の治療費で済みます。
さらに、ジェネリック薬を使用すれば治療費は3~5万円ほどで済むため、これまでクラウドファンディングを募るほど高額な治療費が必要だった猫FIPにおいて、多くの飼い主さんが愛猫の治療に踏み切れる金額になっています。
モルヌピラビルは、ぽちたま薬局でも取り扱っています。
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猫FIPを治療しない場合の余命は?
猫FIPにかかってしまうと、約9日間という短期間で命を落としてしまいます。
治療を選択しなければほぼ100%で死に至る病気ですが、発見したときにすでに症状が進んでいる場合、治療を行っても間に合わない場合もあります。
短期間で命を落とす病なので、検査結果を待たず、疑わしい場合はすぐに治療薬の投与を開始する場合もある病気です。
猫のFIPの症状
猫FIPの症状として、以下のものが現れます。
・元気消失
・食欲低下
・体重減少
・下痢
・嘔吐
ケージを乗り越える元気がない、食欲が目に見えて落ちるなどの症状は、一般的な体調不良時にも見られる症状なので、これだけで猫FIPと判断するのは難しいです。
そこで重要になるのが、猫FIPはウェットタイプとドライタイプという2つのタイプに分類され、それぞれに特徴的な症状があるということ。
飼い主さんがこの2つのタイプを知っておくことで、早期治療へとつなげることができます。
猫FIPウェットタイプの症状:胸水、腹水
FIPウェットタイプは、体の水分が胸やお腹に溜まり、不自然な膨らみを作り出す「胸水」「腹水」といった症状が代表的です。
お腹に水が溜まるとお腹だけぽっこりとした体型になるため、症状がわかりやすいです。
ウェットタイプは、もう一つのドライタイプより病気の進行が速い傾向があります。
しかし、症状が特徴的なため動物病院で早期発見することができ、結果的に早期治療を開始できることが多いようです。
猫FIPドライタイプの症状:化膿性肉芽腫
FIPドライタイプは、一言で言うと「内蔵に変化が出る」症状です。
体内の炎症が原因で、肝臓、腎臓といった臓器に「化膿性肉芽腫」と呼ばれるしこりができます。
また、中枢神経系に変化が生じることから、目が黄色く変色するなどといった症状が出ます。
外見からは症状がわからないため発見が遅れることが多く、結果的に命を落とすことが多いのがドライタイプになります。
混合タイプ
ウェットタイプ、ドライタイプといったふたつの症状に分けられず、どちらの症状も出てしまうのが混合タイプと呼ばれています。
特徴が多く出ることは症状も見極めやすいと考えて、早期発見にプラスと取り、適切な治療に繋げてゆきたいものです。
初期症状から各症状タイプの詳しい情報、余命や感染予防などはこちらのコラムで解説しています。
FIPの検査・診断
FIPは特有の症状がないため、問診や複数の検査を組み合わせて総合的に判断を下す必要があります。
主に以下の検査が実施されることが多いです。
・血液検査
・エコー検査
・PCR検査
猫FIPを診断するためには、これらの検査結果をもとに総合的な判断が必要になります。
しかし、治療が数日遅れただけで命を落とす可能性がある病気のため、疑わしい場合は診断結果が出る前に治療薬の投与を開始するケースもあります。
猫のFIPの原因
猫FIPは「猫コロナウイルス」の突然変異によって発症します。
猫コロナウイルス自体は多くの猫が保有しているもので、病原性は低く、感染することが直接の原因になりません。
ただ、それが「FIPウイルス」に変わることで毒性が強くなります。
猫コロナウイルスがFPIウイルスに変異する原因は解明されていないため、FIPウイルスの発症を防ぐことはできません。
猫のFIPは予防できる?
猫のFIPを予防する方法は、猫コロナウイルスに感染させないこと、すなわち「外に出させない」「多頭飼育を避ける」という2つの要素がすべてと言っていいでしょう。
猫FIPウイルスに突然変異することが発症原因になるため、まずは愛猫が猫コロナウイルスを保有しているのかどうか、猫用のコロナウイルス抗原検査キットで調べてみることをおすすめします。
猫FIPウイルスはうつる?
名前に「伝染性」とついていますが、猫FIPウイルス自体はうつることはありません。
しかし、変異前の猫コロナウイルスは、猫の排泄物を介してうつると言われています。
上述した通り、猫コロナウイルス自体の病原性は低いですが、保護猫や野良猫を迎える場合や、多頭飼育の方は感染リスクが高いことを覚えておきましょう。
ちなみに、猫コロナウイルスは、その名の通り猫特有のものなので猫以外の動物にうつることもありません。
まとめ
猫FIPは非常に危険な病気であり、発見が少し遅くなっただけでも生死に関わるものです。
最悪の事態を避けるには早期発見、早期治療しか方法はありません。
また、自費診療で84日間もの投薬が必要になることから治療費が非常に高額になります。
モルヌピラビルやジェネリック薬を活用し、飼い主さんの費用負担を抑えながらFIP治療を進められることが望ましいです。
いざという場合に備えて、モルヌピラビルの購入先までチェックしておくと安心です。
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