【死亡リスクも】猫の肝リピドーシスとは?症状と予防のポイントについて

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【死亡リスクも】猫の肝リピドーシスとは?症状と予防のポイントについて

気分屋な子が多い猫にとって、ご飯を食べないときがあるのは珍しいことではありません。

しかし、実は猫の食欲不振は、放っておくと大変な事態を招くこともあります。

「肝リピドーシス」という、死亡リスクが高く治療も困難という厄介な病気を引き起こす恐れがあります。

この記事では、食欲不振から発展する肝リピドーシスの怖さ、そして予防する上で大切なことをお伝えしていきます。

肝リピドーシスとは?

肝リピドーシスとは

猫の肝リピドーシスは、エネルギー源として多くの脂肪を肝臓に取り込んでしまい、機能が低下する病気。

まずは、原因症状治療法など基本的な部分を抑えていきましょう。

参考
猫の脂肪肝症(外部リンク)

原因

肝リピドーシスの原因は、食欲不振による栄養不足です。

とくに、以下のような状況になると発症リスクが高まります。

肝リピドーシスの原因は?
  • 肥満の猫
  • 体に多く蓄えている脂肪が、食欲不振によって肝臓に蓄積しやすい。

  • ストレスがある
  • 引っ越しや家族構成の変化などが影響して、急に食べなくなる場合がある。

  • 病気
  • 腎臓病や糖尿病など、慢性疾患がある場合は食欲不振になるため、肝リピドーシスを誘発するリスクがある。

とくに肥満の猫は数日の食欲不振でも発症する恐れがあります。

日本の猫は約40%が肥満ともいわれているため、決して他人事ではありません。

また、食欲不振を引き起こす病気から二次的に肝リピドーシスを発症するケースも多いので、病気治療中の猫も注意しておく必要があります。

症状

肝リピドーシスの症状は?

  • 食欲がなくなる
  • 元気がなくなる
  • 体重減少
  • 黄疸
  • 嘔吐
  • よだれが出る
  • 脱水

皮膚や白目が黄色くなる黄疸や、尿が濃いオレンジ色になってしまうのが特徴です。

症状が進行するとますます食欲がなくなり肝機能が低下、やがて肝不全になり死亡してしまいます。

ただの食欲不振と油断していると、知らぬ間に症状が進行し、最悪の事態を招く恐れがあります。

愛猫の様子をよく観察し、異変を感じたら迷わず動物病院を受診しましょう。

治療

肝リピドーシスは自然治癒することはありません。

治療の際は、主に以下のような治療方法が用いられています。

肝リピドーシスの治療法
  • 強制給餌
  • 人の指やシリンジを使って、強制的に食事を与える。

  • 手術
  • 胃ろうチューブ(鼻や食道の場合も)を設置し、胃に直接食事を流し込む。

  • 点滴
  • 脱水症状や電解質のバランス異常を整える。

  • 内服薬の投与
  • 肝臓の負担軽減や、嘔吐抑制効果があるお薬などが使用される。

治療で大切なポイントは、とにかく「栄養補給」をし続けること。

最も多く用いられる治療法は、胃ろうチューブです。

とにかく食べることが重要な肝リピドーシスの治療において、猫と飼い主さんの両方に最も負担のない治療法と言えます。

しかし、それでも肝リピドーシスの治療には数ヶ月を要する場合が多く、また家での治療が中心となることから、献身的な看護が欠かせません。

死亡例が多く、治療が困難な病気

死亡例が多く、治療が困難な病気

上述の通り、肝リピドーシスは非常に厄介な病気です。

食欲を失った猫に食べてもらうのは非常に困難ですし、治療のための強制給餌も猫との信頼を損ねる恐れがあり、飼い主さんにとっては非常につらい。

胃ろうチューブを設置するには手術が必要で、猫が引っ張ってしまったり、周辺の皮膚が荒れたり栄養剤が逆流してしまったりなど、管理が大変。

それでいて治療は長期間に渡るので、発症した時点で愛猫と飼い主さんの双方に大きな負担が掛かってしまうのです。

だからこそ、猫の食欲不振は楽観視してはいけないのです。

最大の予防は「食べること」でも…

最大の予防は「食べること」

肝リピドーシスの予防において最も大切なポイントは食べることです。

しかし、「食べない猫」に食べさせるのは、非常に難しい。

いろんな種類のご飯を試したり、トッピングしたり温めたり、フードボウルや食事の時間を変えてみたり…。

「どうにかしてご飯を食べてもらいたい!」という一心で、愛猫のためにたくさん努力している方もたくさんいるでしょう。

それでも、一度食べないと決めた猫はとっても頑なです。

食べて欲しいけど、しつこく迫ると嫌われそうで、それなら自然に食べてくれるのを待つ…という選択になってしまうのはある意味自然なことなのかも知れません。

「食べない猫」に、自分から食べてもらうには?

「食べない猫」に、自分から食べてもらうには?

この記事を読んでいる段階で、既に様々な工夫を凝らしてきたことと思います。

飼い主さんとしては無理やり食べさせるより、愛猫が自分の意志で食べてくれることが理想ですよね。

そんなときの解決策として、動物病院でも用いられるケースがあるのが「食欲増進剤」を投与する方法です。

その名の通り、猫の食欲を刺激することで、猫が自らの意思でご飯を食べるよう促してくれるお薬です。

いろいろ工夫しても食べてくれない猫には、食欲増進剤を使うこともひとつの手段です。

耳に塗ることで効果を発揮する食欲増進剤

猫の食欲増進剤には、口から飲ませる錠剤や液剤などがあります。

しかし、ただでさえ食べない猫にこれらを与えるのは非常にハードルが高い。

そんなときおすすめなのが、「ミラタズ軟膏」という食欲増進剤。

耳に塗ることで効果を発揮する食欲増進剤

経口薬と違って、耳に塗って皮膚から吸収するタイプで投与がとても簡単です。

有効成分のミルタザピンが猫の自発的な食事を促すため、腎臓病膵炎など、食欲を失ってしまう病気の治療にも実際に用いられています。

投薬の簡単さも相まって、今後も使用は広まっていきそうです。

ミラタズ軟膏について
>>ミラタズ軟膏の詳細ページへ(ぽちたま薬局)

参考
1. 食欲不振のメカニズムと食欲増進薬(外部リンク)

食べることは健康の土台!食欲不振に警戒を!

猫の肝リピドーシスは、とても危険な病気です。

とくに肥満の猫は、数日の食欲不振でも発症リスクがあるので警戒が必要です。

肝リピドーシスは予防と治療の両面において食べることが重要ですが、猫に自分から進んでご飯を食べてもらうのは非常に大変です。

そんなとき、食べてもらう為の工夫を取り入れることはもちろんですが、食欲増進剤を常備薬として手元に置いておけば役に立てるかもしれません。

ミラタズ軟膏について
>>ミラタズ軟膏の詳細ページへ(ぽちたま薬局)

※ミラタズ軟膏は市販されていません。購入は通販のみで可能です。

もちろん、愛猫の食欲不振が改善されそうにないときや、食欲以外にも症状が出ている場合は、動物病院を受診する必要があります。

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