犬・猫の飼い主さんにとって、投与する機会が多いフィラリアの予防薬。
そんなフィラリア予防薬にも副作用があり、次のとおり投与するお薬のタイプによって異なる副作用があらわれます。
そのほとんどが一過性のものですが、中には動物病院を受診すべき症状もあるので注意が必要です。
そこで、ペットのくすりを扱うぽちたま薬局スタッフが、詳しい副作用や病院の受診目安について解説します。
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目次
フィラリア予防薬の副作用
フィラリア予防薬は、各タイプによって見られる副作用の症状が異なります。
以下3つのタイプに分けて、それぞれの副作用について解説します。
錠剤・おやつタイプの副作用

「ネクスガードスペクトラ」や「シンパリカトリオ」など、内服タイプのフィラリア予防薬では、以下のような 軽度の副作用 が見られることがあります。
- 嘔吐
- 下痢
- 食欲がなくなる
- よだれを垂らす
- 元気がなくなる(ぐったりする)
- 意識障害やけいれん(まれ)
特に寄生虫(ミクロフィラリア)にすでに感染している場合や、体重に合わない量を与えてしまった場合は、副作用が強く出ることがあるため注意が必要です。
ネクスガードスペクトラ
クレデリオプラス
シンパリカトリオ
イベルメック
また、食物アレルギーがある犬の場合、薬に含まれる原材料(豚肉・牛肉・大豆など)が原因で、嘔吐や下痢などの症状を引き起こすことがあります。
予防薬を飲んだ直後に下痢や嘔吐をした場合、薬が十分に吸収されず、予防効果が得られない恐れがあります。
排泄物に薬が残っていないか、注意して観察しましょう。
同じ副作用が続く場合は、薬の成分やタイプが体質に合っていない可能性があります。
その場合は、翌月から別のフィラリア予防薬に切り替えることも選択肢のひとつです。
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滴下タイプの副作用

滴下タイプのフィラリア予防薬では、以下のような副作用が見られることがあります。
- 投与部位の赤み・炎症・かゆみ
- 被毛のベタつきや脱毛
- 嘔吐や食欲不振(舐めてしまった場合)
レボリューション
プリノケート(アドボケートジェネリック)
多頭飼いのご家庭では、他の子が薬を舐めてしまわないよう注意が必要です。
投与後はエリザベスカラーの活用や、薬が完全に乾くまで別の場所で過ごさせるなど、舐めないための対策も大切です。
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注射タイプの副作用

注射タイプのフィラリア予防薬には、以下のような副作用が報告されています。
- ミクロフィラリア反応(幼虫が一斉に死滅することで起きる反応)
- アナフィラキシー(アレルギー性ショック)
- 発熱や顔のむくみ(ムーンフェイス)
- 注射部位のしこりや腫れ
とくにフィラリアにすでに感染している状態で注射をすると、体内のミクロフィラリア(フィラリアの幼虫)が急激に死滅し、アナフィラキシーや意識障害、血圧の急低下などを引き起こすリスクがあります。
また、死滅したミクロフィラリアが肺や腎臓、毛細血管に詰まることで、重大な臓器障害を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
以下のような犬には、注射タイプの投与はおすすめできません。
- 過去にアレルギー反応を起こしたことがある
- 成長期
- 妊娠中
- 高齢犬
- 持病がある(心臓病、肝疾患など)
フィラリア予防の注射については、飲み薬やスポット剤との違い・特徴をまとめた解説記事があります。
「どのタイプがうちの子に合うのか知りたい」という方は、こちらも参考にしてください。
副作用が出た場合の対処法

ここまで、フィラリア予防薬の種類ごとに起こりうる副作用をご紹介してきました。
では、実際に愛犬に副作用らしき症状が出た場合、どう対応すればよいのでしょうか?
副作用の程度によって、自宅で様子を見るだけでよいケースもあれば、早急に受診が必要なケースもあります。
以下に、具体的な対処法をまとめましたので、参考にしてください。
軽症の場合は経過観察
フィラリア予防薬を使ったあとに、軽い下痢や嘔吐、食欲がなくなる、なんとなく元気がないといった症状が出ることがあります。
これらは、副作用としてよくある一過性の反応で、ほとんどの場合は治療をしなくても自然に回復します。
「少し様子がいつもと違うかも…」と思っても、症状が軽く、長引かないようであれば、まずは自宅で様子を見守ることもひとつの方法です。
ただし、症状が悪化する、または続くようであれば、早めに動物病院に相談しましょう。
「こんな症状」が現れたらすぐ病院へ
フィラリア予防薬を使ったあとに、
- けいれんを起こす
- 激しく何度も嘔吐する
- ぐったりして動かない
- 呼吸が早く、明らかに様子がおかしい
といった症状が見られた場合は、重い副作用の可能性があるため、すぐに動物病院を受診してください。
また、軽い症状であってもなかなか治まらない場合は、自己判断せずに専門家の判断を仰ぐことが大切。
「受診するほどではないかも…」と迷ったときほど、念のため病院に行っておくのが安心です。
成分の異なる予防薬に切り替える

副作用が出てしまった場合、次回からは別の種類の予防薬に切り替えることで、症状を防げる可能性があります。
具体的には、以下のような方法があります。
●成分を切り替える
予防薬に含まれる有効成分が体質に合わないケースがあります。
(例)
モキシデクチン(製品例:シンパリカトリオ)で副作用が出た場合
→ ミルベマイシンオキシム(製品例:ネクスガードスペクトラ)に変更するなど。
飲み薬でも、成分が違えば体への影響が変わることもあります。
●薬の形状を変える
飲み薬(錠剤・おやつタイプ)で調子が悪くなる子には
→ 皮膚に垂らす滴下タイプに変更。
薬の投与方法を変えることで、胃腸などへの負担を軽減できる場合があります。
●複合薬から単独薬に変える
複合薬(フィラリア+ノミダニ駆除など)には複数の成分が含まれるため、その分副作用のリスクも増える可能性があります。
必要最低限の成分だけを含む単独薬に切り替えることで、体への負担を抑えられるかもしれません。
どの予防薬に切り替えるのが良いか迷う場合は、おすすめのフィラリア予防薬を一覧で まとめたこちらのコラムも参考にしてください。
副作用を防ぐ為の注意点
フィラリア薬の副作用を少しでも防ぐためには、事前の準備や与え方がとても大切です。
愛犬の体質や持病、犬種に応じて気をつけるべきことが変わってくることもあります。
以下の3つのポイントを押さえて、安全にフィラリア予防を行いましょう。
投与前にはフィラリア検査を
フィラリア予防薬を使う前には、必ず動物病院で血液検査を受けましょう。
これは、副作用を防ぐために非常に大切なステップです。
感染に気づかず、すでに体内にフィラリアがいる状態で予防薬を投与すると、虫が一気に死滅し、ショック反応を起こすことがあります。
重い場合は、命にかかわる可能性もあるため、検査なしの自己判断での使用は絶対に避けてください。
フィラリア検査の具体的な方法や費用については、以下の記事でわかりやすくまとめてい ます。
気になる方は参考にしてください。
コリー系統の犬種は有効成分に要注意

ボーダー・コリーやシェルティーなど、コリー系統の犬種の中には、フィラリア予防薬に含まれるイベルメクチンやミルベマイシンに対して、副作用が出やすい子がいます。
これは、脳を薬の影響から守る「MDR1遺伝子」の欠損が関係しています。
この遺伝子が欠けていると、有効成分が脳に届いてしまい、ふらつき・けいれん・昏睡などの神経症状を引き起こすことがあります。
重い場合は命に関わることも。
なお、イベルメクチンは低用量であれば安全とされていますが、リスクを完全に避けたい場合は、成分に配慮して薬を選ぶことが大切です。
コリー系統の犬種に使えるフィラリア予防薬について詳しく知りたい方は、以下の記事で安全に選ぶポイントをまとめていますので参考にしてください。
飲み薬の場合、与え方に一工夫を
フィラリア薬を飲ませたあとに「吐いてしまった」「ぐったりしてしまった」などの様子が見られる場合、与え方を変えるだけで症状を軽減できることがあります。
たとえば、空腹時を避けて食後に与える方法は、動物病院でも推奨されることがある工夫のひとつです。
ごはんやおやつと一緒に与えることで、胃への刺激をやわらげ、体への負担を減らせる可能性があります。
ただし、お薬の種類によっては「空腹時に与える必要があるもの」もあるため、使用前にパッケージや説明書を確認することが大切です。
老犬にフィラリア予防薬を投与した場合の副作用

年齢を重ねた愛犬にフィラリア予防薬を与える際、「体に負担がかからないか心配…」と感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
たしかにシニア犬は、若い頃に比べて肝臓や腎臓の働きが弱っていたり、持病を抱えていたりするケースも多く、副作用が出やすくなることがあります。
それでも、フィラリア症の感染リスクを考えると、予防薬を投与しないという選択はおすすめできません。
愛犬の健康を守るためにも、次のような対策を取り入れて慎重に投与していきましょう。
- 愛犬の健康状態を記録し、異変に気づきやすくする
- フィラリア薬を与えた日は、愛犬のそばで様子を見守る
- 投与後に少しでも異変が見られたら、すぐに動物病院を受診する
不安がある場合は、事前に獣医師さんと相談してからお薬を選ぶことも大切です。
フィラリア予防薬と抗生物質や他の薬との併用はできる?

フィラリア予防薬は、一緒に使う薬によっては副作用のリスクが高まる場合があります。
特に以下の薬剤とは、神経系に影響(毒性)が出る可能性があるため、併用前に必ず獣医師へ確認してください。
- ケトコナゾール
マラセチア皮膚炎などに使われる抗真菌薬 - シクロスポリン
アトピー性皮膚炎など、免疫系疾患の治療薬 - キニジン
不整脈など心臓病治療に用いられる薬
すでにフィラリアに感染している場合は、予防薬と抗生物質を併用する「ボルバキア治療」が選択されることがあります。
- 予防薬:体内のミクロフィラリア(幼虫)を駆除
- 抗生物質:成虫と共生するボルバキア菌を除去
時間をかけて成虫を弱らせ、体外へ排除していく治療法です。
より詳しい治療の流れ・注意点については、以下のコラムで解説しています。
気になる方はあわせてご覧ください。
フィラリア予防薬の副作用Q&A
フィラリア予防薬に関する副作用について、よくある質問をまとめました。
気になる症状や対処法がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
フィラリア予防薬を飲ませたら必ず副作用は出る?
副作用が必ず出るわけではありません。
出ないことも多く、出たとしても一時的な軽い症状で済むケースがほとんどです。
ただし、すでにフィラリアに感染している犬に予防薬を投与すると、強い副作用が現れるリスクが高まります。
安全のためにも、投与前には必ずフィラリア検査を受けましょう。
フィラリア予防薬を飲ませた後、薬を吐き出してしまったら?
吐き出したタイミングによって対応が異なります。
- すぐに吐いた場合:薬の成分が吸収されていない可能性が高いため、再投与してください。
- 1〜2時間以内に吐いた場合:吸収状況が不明なため、動物病院に相談のうえ再投与の判断を。
- 3時間以上経過後に吐いた場合:成分は吸収されていると考えられますが、念のため病院に相談してください。
フィラリア予防薬を飲ませたらぐったりしてしまった。これって副作用?
ぐったりして動かない、元気がないといった症状は、フィラリア予防薬の副作用の可能性もあれば、ほかの体調不良が隠れている場合もあります。
いずれにしても異変があるときは放置せず、早めに動物病院で診察を受けてください。
愛犬が「元気がない」と感じたときにチェックしたいポイントや、受診の目安については、以下の記事でも詳しく解説していますので参考にどうぞ。
去年買ったフィラリア予防薬の残りを飲ませても大丈夫?副作用が出たりする?
自己判断で与えるのは危険です。
残っている薬があるということは、昨年の投与を忘れていた、途中で止めてしまった可能性があります。
この場合、すでにフィラリアに感染している恐れがあり、予防薬を与えるとショック反応などの副作用を引き起こすことがあります。
まずは動物病院で血液検査を受けてから、使用の可否を判断しましょう。
なお、使用期限が切れている場合は使用せず、新しい薬を用意してください。
こちらから予防薬を買い足すことができます。
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狂犬病のワクチン接種とフィラリア予防薬の投与は同じ日に行っても大丈夫?副作用が出る?
同じ日は避けるのが無難です。
副作用が出た際に、どちらの薬が原因か分からなくなる可能性があるためです。
フィラリア予防薬の投与は、狂犬病ワクチンの翌日以降、もしくは2~3日ほどあけて様子を見てからにしましょう。
獣医師に従って、正しい対処を
フィラリア予防薬は、多くの犬にとって安全に使えるお薬ですが、体質や体調によっては副作用が出ることもあります。
投薬後に「ぐったりして動かない」「激しく嘔吐する」などの異常な症状が現れた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
早めの対応が、命を守ることにもつながります。
症状が軽い場合でも、無理に同じ薬を続けるのではなく、獣医師と相談しながら薬の種類や与え方を見直すことも大切です。
たとえば、
- 成分を変えた予防薬に切り替える
- 飲み薬から滴下タイプへ変更する
- 複合薬から単剤に変える など
副作用のリスクを減らすための工夫や選択肢はたくさんあります。
犬用のフィラリア予防薬を一覧で見たい方は以下のリンクをご参照ください。
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このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。




















