最終更新日: 2025.01.27

【犬のバベシア症】治療薬と効果を徹底解説

犬のバベシア症は、マダニの吸血によって感染する深刻な病気です。
原虫バベシアが犬に寄生すると、赤血球を破壊しながら増殖し、貧血や発熱、黄疸などを引き起こします。

治療には高い駆除効果を持つ抗バベシア原虫薬や、試験で効果が確認された併用療法が用いられます。
犬のバベシア症を放置すると症状が悪化し、命に関わることもあるため、疑わしい症状があればすぐに動物病院を受診し、適切な治療を行うことが重要です。

この記事では、犬のバベシア症に用いられる治療薬の効果や副作用、予防法まで詳しく解説します。
愛犬の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。

犬のバベシア症を治療する方法

犬がバベシア症にかかった場合、治療の中心となるのは抗バベシア原虫薬の注射や内服薬です。
これらのお薬を使用して、体内のバベシア原虫を駆除していきます。

また、抗菌剤や抗生物質を併用することで、バベシアの増殖を抑えながら症状を改善する方法も効果的です。

ただし、抗バベシア原虫薬を使用しても、体内の原虫を完全に排除できるケースは少なく、再発のリスクが残ることが多い点には注意が必要です。
そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要となります。

犬のバベシア症に対して効果が報告されている治療薬は、以下のとおりです。

・ジミナゼン
・フェナミジン
・ペンタミジン
・イミドカルブ
・アトバコン
・クリンダマイシン
・ドキシサイクリン
・アジスロマイシン

このうち、ジミナゼンとフェナミジン、ペンタミジン、イミドカルブは注射薬です。
ただし、イミドカルブについては日本で販売されていません。

一方、アトバコンやクリンダマイシン、ドキシサイクリン、アジスロマイシンは、内服薬として使用されます。

治療薬の選択は症状の進行や犬の健康状態によって異なります。
必ず獣医師さんと相談し、最適な治療法を選びましょう。

参考
犬バベシア症（外部リンク）

ジミナゼンは、抗バベシア原虫薬として世界中で広く使用されています。
日本では「ガナゼック」という商品名で販売されている注射薬で、接種後24時間以内に症状が改善したとのとの報告もあります。

この薬は高い駆虫効果が特徴ですが、副作用にも注意が必要です。
具体的には、注射部位の痛みやしこり、嘔吐、下痢が一般的な副作用として挙げられます。
非常に稀ではありますが、運動失調や発作が起こることもあります。

また、原虫の耐性を防ぐために、反復投与には慎重になる必要があります。

アトバコン・プログアニル合剤は、犬のバベシア症に有効な内服薬で、安全性が高い抗マラリア薬としても知られています。

研究では、アトバコンを1日2回（20 mg/kg）10日間投与したところ、貧血の改善が確認されたとの報告があります。

この薬は副作用が少ない点が強みですが、日本では未販売のため輸入が必要で、比較的高価です。
そのため、治療費用が課題になる場合もあります。

クリンダマイシン、ドキシサイクリン、メトロニダゾールを組み合わせた治療法は、ジミナゼンの効果が十分でなかった場合に有効とされています。

バベシア症の感染犬を対象とした研究では、以下の投薬量が使用されました。

・クリンダマイシン：25 mg/kgを12時間毎
・メトロニダゾール：15 mg/kgを12時間毎
・ドキシサイクリン：5 mg/kgを12時間毎

これらを併用した結果、4頭中3頭に症状の改善がみられ、原虫が検出されなくなったことも確認されました。
ただし、投薬期間は100日近くに及ぶケースもあり、長期治療になる点に注意が必要です。

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