甲状腺機能亢進症は、高齢猫が発症しやすい病気で、10歳以上になると10匹に1匹の割合で発症すると言われています。
この病気を発症しても食欲は旺盛で、活発になる傾向があることから、一見元気に見え、早期発見に至ることが難しいです。
完治することはなく、投薬などにより生涯治療を続ける必要があることに加え、合併症などで余命が短くなるケースがあります。
この記事では、そんな甲状腺機能亢進症になった猫の余命や寿命、発症の原因や特徴的な症状、治療法について、詳しく解説します。
目次
甲状腺機能亢進症とは
甲状腺機能亢進症は猫のバセドウ病とも呼ばれており、甲状腺ホルモンが過剰に分泌、生産される病気です。
甲状腺ホルモンとは
- 摂取した食事をエネルギーに変換する
- 血圧や心拍数を上昇させる
- 細胞の新陳代謝を高める
→身体のさまざまな臓器に影響
そのため、食欲が旺盛になったり、元気で落ち着きがなくなったり(興奮状態)と、病気とは思えない様子が見られるようになります。
甲状腺機能亢進症は高齢猫になると発症しやすく、9歳以上の発症率は9.8%であることが報告されています。
さらに近年は猫の長寿化に伴い、発症率も年々上昇していることが確認されています。
参考
Hyperthyroidism in Cats: What’s causing this epidemic of thyroid disease and can we prevent it? [英語](外部リンク)
甲状腺機能亢進症の余命・寿命
甲状腺機能亢進症は、投薬等により甲状腺ホルモンをコントロールすれば寿命までまっとうできる病気です。
平均生存期間は1.6~4年と聞くと短いと思うかもしれませんが、9歳以上の高齢猫で発症しやすいことを考えると、寿命までまっとうできるケースが多いことがわかります。
しかし、甲状腺機能亢進症に加えて慢性腎臓病を併発した猫の余命は0.5~2年ほどと、短くなります。
平均生存期間1.6~4年
(高齢猫の発症がほとんどなので、寿命までまっとうする猫も多い)
↓慢性腎臓病を併発すると…
平均生存期間0.5~2年
甲状腺機能亢進症になった猫は、甲状腺ホルモンが異常に分泌・生産されることで全身の臓器にも影響を及ぼすため、ほかの病気も発症しやすく、余命も併発する疾患によって左右されます。
その中でも、特に慢性腎不全や高血圧症を併発しやすいとされています。
そのため、甲状腺ホルモンの分泌・生産をコントロールする治療などを行い、余命・寿命に影響する併発病の発症を防ぐことが大切です。
参考
Effects of feline hyperthyroidism on kidney function: a review [英語](外部リンク)
甲状腺機能亢進症の治療
猫の甲状腺機能亢進症の治療は、主に3つの方法があります。
外科的療法:甲状腺の摘出手術
外科的療法では、膨張してしまった甲状腺を摘出する手術を行います。
甲状腺機能亢進症は高齢猫に多いため、麻酔のリスクが伴う治療法というデメリットもあります。
そのため、食事療法や内科的療法を行っても改善が難しいケースで、麻酔のリスクを考慮して行われる、いわば最後の手段としての治療になります。
甲状腺は喉の左右に1つずつありますが、両方の甲状腺を摘出した場合、手術後も甲状腺ホルモンを補うための投薬が生涯にわたって必要です。
食事療法:ヨウ素が少ないフード
猫のフードをヨウ素が制限された療法食に切り替えるという方法もあります。
甲状腺機能亢進症を発症すると甲状腺ホルモンが生産・分泌が過剰になりますが、甲状腺ホルモンの合成にはヨウ素が欠かせません。
そこで、ヨウ素が少ないフードに切り替えることで、体内の甲状腺ホルモンをコントロールできれば、投薬治療が不要になる場合があります。
内科的療法:甲状腺機能亢進症の薬
内科的療法は、甲状腺機能亢進症の一般的な治療法です。
国内では、チアマゾールが猫の甲状腺機能亢進症の治療薬として認可されています。
チアマゾールは甲状腺ホルモンの生産を抑える効果があり、甲状腺機能を正常な状態に導くことで、よい状態を維持できます。
欧米では、チアマゾールと同じ効果をもつメチマゾールを用いた治療が主流となっています。
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甲状腺機能亢進症の原因
猫が甲状腺機能亢進症になる原因は、主に「甲状腺の過形成」と「腫瘍」。
甲状腺の過形成は、細胞が過剰に増殖することで肥大してしまった状態。
腫瘍も同様に甲状腺が肥大している状態ですが、良性であることがほとんどで、悪性腫瘍になるケースは稀です。
具体的な原因は不明で、予防する手段はありませんが、遺伝的要因やヨウ素の過剰摂取、環境中の化学物質などが関与しているのではないかと考えられています。
甲状腺機能亢進症の症状
甲状腺機能亢進症を発症すると、下記のような症状が見られるようになります。
- 甲状腺が腫れる
- 元気で落ち着きがなくなる
- 夜鳴きをする、興奮した鳴き声になる
- 顔つきが強張っている
- 食欲が増えたのに体重が減る
- 多飲多尿
- 慢性的な嘔吐や下痢
- 被毛にツヤがなくなる
- 心拍数や呼吸数の増加
猫の甲状腺の病気なので、発症すると喉の真ん中より下あたりにある甲状腺にしこりが見られるようになります。
喉の片側のみにしこりがある場合は、甲状腺機能亢進症を発症している可能性があります。
ほかにも、食欲が増えると元気な証拠だと思ってしまいがちですが、甲状腺機能亢進症になった猫は、食べる量が増えても太らないといった点が特徴的です。
ここからは、甲状腺機能亢進症の猫にみられる変化の中でも、特徴的な3つの症状について解説していきます。
元気で落ち着きがなくなる
甲状腺ホルモンの役割のひとつは、体内の組織の代謝を活性化すること。
そのため、甲状腺機能亢進症になると猫は急に活動量が上がり、活動的になる、落ち着きがなくなる、といった異変が起こる場合があります。
夜鳴きをする、興奮した鳴き声になる
猫は、甲状腺機能亢進症になると発情期のように鳴き続けることも。
この病気は、愛猫がこれまでと違う鳴き声を出すようになったという異変で、発見されるケースも珍しくありません。
猫が興奮して大声で鳴く、夜鳴きをするといった異常がある場合は発情期ではなく、病気の可能性もあるのです。
夜鳴きについては、認知症の猫にも多くみられる症状ですが、甲状腺機能亢進症の興奮によってあらわれる可能性にも注意しておきましょう。
顔つきが強張っている
猫は甲状腺機能亢進症になると、顔つきに変化が起こる場合も。
興奮気味でリラックスしていない、常に警戒しているように目を細めているなど、愛猫の顔つきが強張っているときは、病気が原因の可能性もあります。
余命にも影響する合併症・併発症
甲状腺機能亢進症は、さまざまな臓器にも悪影響を及ぼします。
ここからは、甲状腺機能亢進症の合併症や併発症として、猫の余命にも影響する3つの病気を解説します。
高血圧
甲状腺機能亢進症になった猫のうち、約20%は高血圧を併発するといわれています。
甲状腺機能亢進症を発症すると、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、心拍数が上昇します。
その結果、心臓の収縮する力が強くなり、猫は高血圧を引き起こしてしまうのです。
さらに、甲状腺ホルモンは代謝を活発にする役割もあるため、血流が増加することでも高血圧になる可能性が高まります。
高血圧になってしまうと、心臓や血管などの機能に悪影響を及ぼすリスクも高まるため、とくに注意してあげましょう。
肥大型心筋症
肥大型心筋症とは、筋肉でできている心臓が肥大してしまった状態。
この病気も、甲状腺機能亢進症が原因で発症する可能性がある病気です。
なお、もともと肥大型心筋症を持っている猫は、心臓の肥大が重度になるというリスクがあります。
慢性腎不全
猫は高齢になると腎臓病を発症しやすいですが、甲状腺機能亢進症になると腎不全も発症しやすくなります。
発症メカニズムとしては、甲状腺機能亢進症により高血圧が併発し、血流が増加することで腎臓の数値を低下させ、腎不全になります。
高血圧に隠れて発症するため見過ごされやすく、隠れ腎不全と呼ばれます。
猫の甲状腺機能亢進症の治療費
猫の甲状腺機能亢進症は、片側の甲状腺を摘出することにより、根治する場合もあります。費用は15~30万円ほど。
しかし、その外科的療法が適応されるのは、一般的な治療法である食事療法や内科的療法で改善できなかったケース。
- 食事療法や内科的療法:月1万円前後(年間12万円)
- 外科的療法:15~30万円
内科療法の場合、費用は1回の通院で1万円ほどですが、投薬治療は生涯にわたって続くため、飼い主さんにも大きな負担がかかるでしょう。
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まとめ
もし、愛猫が甲状腺機能亢進症になった場合、余命は治療法や合併症によっても大きく変わります。
つまり、適切な治療で体調を維持できれば、愛猫の寿命を延ばせる可能性も十分あるのです。
治療中は定期的な診察や検査を受け、そのときの状況に応じて最適な治療を行い、愛猫が少しでも長く元気でいられるようにしましょう。
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