近年、犬の高齢化に伴い、がんを抱えるケースが増えています。
抗がん剤治療は、がん治療の一つで、治療をしない場合と比べて大幅に生存期間を延ばせる可能性があります。
しかし、費用が高額になることも課題です。
この記事では、抗がん剤治療にかかる費用や費用負担を軽減する方法をわかりやすく解説します。
愛犬の抗がん剤による治療を考えている飼い主さんは、ぜひ参考にしてください。
目次
犬の抗がん剤治療にかかる費用
犬の抗がん剤治療にかかる費用は、体重や病状、使用する薬によって大きく異なります。
投薬の頻度も腫瘍の種類や薬によってさまざまで、週に1回の場合もあれば、2週間に1回、3~4週間に1回のものもあります。
費用の目安として、抗がん剤1回の治療には約2万~3万円ほどかかります。
リンパ腫の場合、6ヶ月で30~40万円程度になることもあります。
ただし、これらはあくまで参考金額で、実際の費用は動物病院によって異なるため、かかりつけの獣医師さんに確認してみてください。
参考
犬と猫のリンパ腫│北海道大学 大学院獣医学研究院(外部リンク)
抗がん剤が適応されるがんの種類
ここからは、犬のがん治療をする際に抗がん剤が適応されるがんの種類について紹介していきます。
抗がん剤の費用は動物病院によって違うため、具体的な治療費はかかりつけの動物病院に確認してみてください。
リンパ腫
リンパ腫とは、免疫を担うリンパ球という細胞が腫瘍化する病気です。
リンパ球は血液を通じて全身を巡るため、腫瘍は体のあらゆる場所で発生する可能性があります。
リンパ腫は発生部位によって、皮膚型、消化器型、多中心型などに分類され、それぞれ治療法が異なります。
中でも最も多いのは多中心型リンパ腫で、全身に作用する抗がん剤による治療が一般的です。
- ドキソルビシン
- ビンクリスチン
- サイクロフォスファミド
- プレドニゾロン
プレドニゾロンは免疫の抑制や炎症を抑えるステロイド剤として知られていますが、リンパ腫の治療では抗がん剤として使われています。
血管肉腫
犬の血管肉腫は、非常に悪性度が高い腫瘍です。
主に脾臓に発生することが多く、肝臓や心臓にも見られ、全身へ転移することが多い病気です。
この腫瘍は非常にもろく、破裂して大量出血を引き超すことがあります。
また、近くにある器官にくっついてしまう場合もあり、進行が早いのが特徴です。
破裂による出血は突然死の原因にもなるため、早急な対応が必要です。
治療の第一選択は外科手術で、転移リスクが高いため、抗がん剤を併用する場合もあります。
- ドキソルビシン
乳腺腫瘍
乳腺腫瘍は、乳腺の組織の一部が腫瘍化したしこりです。
初期は良性のケースも多いですが、しこりが大きくなると悪性の可能性が高まります。
犬の乳腺は、胸からお腹にかけて左右対称に縦に並んでおり、どの部位にも腫瘍が発生する可能性があります。
特に避妊手術を受けていない中~高齢の犬に多くみられる病気です。
乳腺腫瘍の治療では、第一選択の手術で腫瘍を取り除くことです。
がんの転移が見つかった場合は、手術に加えて放射線治療や抗がん剤治療が行われます。
- ドキソルビシン
- トセラニブ(分子標的薬)
参考
犬の乳腺腫瘍│北海道大学 大学院獣医学研究院(外部リンク)
膀胱癌
犬の膀胱癌の多くは、移行上皮癌と呼ばれる悪性腫瘍です。
特に、シェットランドシープドッグやスコティッシュテリア、ミニチュアダックスなどのメスで発症しやすいとされています。
ただし、腫瘍が良性の場合には手術で完治することも可能です。
膀胱癌の治療では、腫瘍の場所によって選択肢が異なります。
膀胱の「膀胱三角」以外にできた腫瘍は、手術での切除が基本です。
膀胱三角さえ温存できれば、膀胱全体から見て 70~80%を切除しても再生するといわれています。
一方で、膀胱三角に腫瘍ができた場合は、膀胱を全摘出する手術か、膀胱を残して放射線治療や抗がん剤治療をするかのどちらかです。
- ミトキサントロン
参考
犬の膀胱腫瘍│北海道大学 大学院獣医学研究院(外部リンク)
骨肉腫
骨肉腫は骨にできる悪性腫瘍のひとつで、転移しやすいのが特徴です。
特に中型犬や大型犬に多く見られ、長い骨がある足の部分に発生しやすいといわれています。
治療は最初に発生した原発巣(腫瘍)と、そこから離れた場所で進行した転移病巣の進行を抑える方法を同時に考えなければなりません。
原発巣の治療には、断脚や足の機能をできるだけ残す患肢温存術、精密な放射線治療(放射線外科/SRS)、痛みを和らげる緩和的放射線治療などが選択されます。
一方、転移巣には抗がん剤治療や分子標的療法が用いられます。
- ドキソルビシン
- シスプラチン
- カルボプラチン
参考
犬の骨肉腫│北海道大学 大学院獣医学研究院(外部リンク)
肥満細胞腫
肥満細胞腫は、犬の皮膚や皮膚の下にできる悪性腫瘍です。
肥満細胞とは、体内に侵入した異物に対して、炎症反応やアレルギー反応を引き起こす役割をしている免疫細胞の一種です。
この腫瘍は、進行の速度や悪性度がさまざまです。
悪性度の低いものもあれば、急激に進行する高悪性度のものもあります。
そのため、治療方法は進行具合によってことなります。
主な治療方法は、手術、放射線療法、内科療法(ステロイドホルモン剤、抗がん剤、分子標的薬)などです。
- ビンブラスチン
- ロムスチン
分子標的薬に分類されるお薬はイマチニブやトセラニブ、マシチニブなどです。
当サイト「ぽちたま薬局」では、抗がん剤の「ロムスチン」や分子標的薬の「イマチニブ」も取り扱っています。
同じお薬を動物病院で処方されている方は、購入方法を切り替えることでお薬代を軽減できる可能性があります。
参考
犬の肥満細胞腫│北海道大学 大学院獣医学研究院(外部リンク)
日本獣医がん学会獣医腫瘍科認定医II種講習会│化学療法(外部リンク)
犬の抗がん剤治療は保険適用される?
加入しているペット保険や犬のがん保険の補償内容によっては、犬の抗がん剤治療費が一部補償される場合があります。
いくつかの保険会社では、ペットの保険証を発行しており、提携している動物病院で保険証を提示することで、治療費を保険で精算できることもあります。
ただし、契約内容や保険プランによっては、保証してもらえない場合もあります。
愛犬のがん治療に保険が適用されるかは、加入している保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。
犬の抗がん剤治療費を軽減する方法
犬の抗がん剤治療は決して安いものではないため、期間が長くなると費用もかなり高額になります。
ここからは、飼い主さんの負担を抑えるため、愛犬の抗がん剤治療費を軽減する方法を紹介します。
クラウドファンディングの利用
抗がん剤治療にかかる費用は、クラウドファンディングを利用して集める方法もあります。
クラウドファンディングは、インターネットを通じて発信した内容に共感してくれた人に支援してもらう方法です。
犬のがん治療は、抗がん剤だけでなく手術や放射線治療も行うため、治療費は高額になります。
そのため、リンパ腫の抗がん治療にかかる費用の支援を募集するクラウドファンディングを立ち上げている飼い主さんもいます。
しかしクラウドファンディングの方式によっては、支援を受けても目標金額を達成しなければ費用を調達できない場合もあります。
さらに支援を募った方に中には、攻撃的なメッセージなどの誹謗中傷を受けた方も実際にいるようです。
クラウドファンディングを活用する際はデメリットがあることを理解して、予期せぬトラブルや失敗を避けられるようにしましょう。
通販を利用
動物病院で処方される抗がん剤は、個人輸入代行サイトで購入できるものもあります。
通販を利用することで、お薬代を抑えられるかもしれません。
お薬を使用するときは必ず獣医師さんの指示に従い、用法用量を守ることが大切です。
当サイト「ぽちたま薬局」では、ロムスチンなどの抗がん剤も取り扱っています。
愛犬の抗がん剤治療費が高くて継続することが難しい方は、ぜひお役立てください。
まとめ
犬の抗がん剤治療は、1回投与して終わるものではありません。
治療が6ヶ月ほどの期間続けば、リンパ腫の場合で費用が30~40万円ほど必要になる可能性もあるので、かなり高額になります。
しかし抗がん剤治療は、がんを抱える犬にとって欠かせない治療方法のひとつです。
治療によって穏やかに過ごせる可能性もあるので、愛犬の治療はできるだけ続けたいと思う飼い主さんも多いでしょう。
少しでも費用を軽減したい場合は通販を利用して、動物病院で処方されているようなお薬を購入するもおすすめです。
当サイト「ぽちたま薬局」では、犬の抗がん剤治療で使われている抗がん剤や分子標的薬なども取り扱っているので、購入方法を変えることで費用を抑えられるかもしれません。
ただし抗がん剤を購入する際は、必ず獣医師さんに相談したうえで治療に取り入れることが大切です。
愛犬が少しでも長く元気で過ごせるように、より治療を続けやすい方法を探してみてください。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。