アジソン病治療薬（猫）

猫のアジソン病は、副腎皮質ホルモンの生成が不足する病気のことで「副腎皮質機能低下症」とも呼ばれます。

副腎は腎臓の内側にある臓器で、副腎の外層部分である皮質からは、グルココルチコイド(糖質コルチコイド)やミネラルコルチコイド(電解質コルチコイド)といった、ステロイドホルモンが分泌されています。

グルココルチコイド(糖質コルチコイド)は、糖質の代謝を調整するホルモンです。

生き物が生きていくうえで大切なホメオスタシス機能（体の状態を一定に保つ機能）の維持に、重要な役割を果たしています。

ミネラルコルチコイド(電解質コルチコイド)は電解質の代謝を行い、カリウムの排泄やナトリウムの再吸収を促すことで、体液のバランスを取っています。

副腎で生成されるこれらのホルモンが不足することで、アジソン病を発症します。

猫がアジソン病になっても、はじめのうちは特に症状はなく、少し元気がない、軽い下痢になる、時々吐くといった症状が現れるようになります。

また、何かのストレスをきっかけとして副腎の機能が急激に悪化し、危険な状態になる場合があります。

愛猫が水をたくさん飲むようになり、オシッコの量が増えた、あまり食べなくなって痩せてきたという場合は、アジソン病の可能性があります。

気になる症状が現れた場合は、早めに動物病院を受診し獣医師に相談しましょう。

副腎皮質の機能が低下した状態でストレスが加わると、ショック症状に陥り危険な状態になることがあります。

この状態は、アジソンクリーゼ(急性のアジソン病)と呼ばれます。

虚脱、痙攣、失神の状態になっている場合、アジソンクリーゼの可能性が高いため、すぐに獣医師に診てもらいましょう

アジソンクリーゼは命に関わる可能性があるため、ショック症状を改善するために入院治療が必要になります。

猫のアジソン病の原因には、以下の2つが考えられます。

脳の下垂体にできる腫瘍や炎症、感染などが原因でホルモン分泌が減少し、アジソン病を発症する原因となります。

アレルギーや皮膚炎の治療のため、長期にわたってステロイドを使用している場合、急に投薬を中止すると体内のステロイドホルモンが足りなくなります。

また、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されるクッシング症候群の治療のために投薬することで、ホルモン分泌が抑えられすぎて発症することがあります。

アジソン病は、猫の発症自体が非常にまれな病気です。

発症する確率は非常に低いですが、発症が報告されている猫種としてヒマラヤン、ペルシャ、アメリカンショートヘアなどがあります。

猫のアジソン病の検査には、以下の方法があります。

ACTH刺激試験は、副腎皮質からコルチゾール分泌を促すACTH(副腎皮質刺激ホルモン)を注射して投与する試験です。

投与前と後のコルチゾールの値変化を確認し、コルチゾールの値が低くACTHの値が高ければアジソン病と診断されます。

内因性ACTH濃度測定は、アジソン病の原因が下垂体と副腎のどちらにあるのかを判別する検査です。

アジソン病は他の病気と似ている場合が多く、症状だけでは判断が難しいため、各種検査、症状などを見て複合的に判断されます。

猫のアジソン病には、以下の治療方法があります。

虚脱、痙攣、失神のようなショック症状を引き起こす急性のアジソン病「アジソンクリーゼ」に陥っている場合は、緊急処置が必要となります。

全身の状態を良くするために、入院して点滴や注射などを用いた治療を行います。

内科治療では、ミネラルコルチコイドや、グルココルチコイドを補充します。

内服薬による治療は生涯継続する必要がありますが、適切な治療を施せば長生きすることができます。

ミネラルコルチコイドとグルココルチコイドの補充量は、個体差によって違いがあります。

投与量が多いと、副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されクッシング症候群を発症する可能性があるため、注意が必要です。

適切な投与量を把握するためにも、定期的に動物病院で身体検査や血液検査を受けましょう。

一度アジソン病を発症すると、生涯お薬が必要となります。

なお、アジソン病の治療薬は動物病院から処方してもらう以外に、通販でも購入することができます。

【ぽちたま薬局で取り扱っている商品】

商品名:プレドニゾロン(パナフコルテロン)
価格:1本100錠2,900円～
有効成分:プレドニゾロン

不足したグルココルチコイドを補充できる治療薬です。

商品名:フルドロコルチゾン錠(コルティネフ)
価格:1本20錠2,200円
有効成分:フルドロコルチゾン酢酸エステル

不足したミネラルコルチコイドを補充できる治療薬です。

猫のアジソン病は、有効な予防方法がありません。

猫がアジソン病を発症すること自体まれですが、一度発症してしまうと生涯にわたり投薬治療が必要となります。

日頃から愛猫の体調変化に気を付け、定期的に健康診断を受けるようにしてください。

猫のアジソン病は発症自体がまれですが、一度発症してしまうと生涯投薬が必要となります。

また、個体差や症状の経過によって適用量が異なるため、投薬量の調整のためにも定期的な検査が欠かせません。

猫のアジソン病は有効な予防方法がないため、早期発見、早期治療が大切です。

日頃から愛猫の体調変化に気を付けて、たくさん水を飲むようになりオシッコの量が増えた、食欲がなくなり痩せてきた、下痢をしているなどの異変に気が付いたら、すぐに獣医師に相談しましょう。