ノミ・マダニの駆除やフィラリア予防を兼ね備えた「ネクスガードスペクトラ」。
簡単に投与できるオールインワンタイプの予防薬のため、使用を検討している飼い主さんも多いかと思います。
しかし「本当に使用して大丈夫?」
「安全性が気になる」という声もあるため、本記事では、ネクスガードスペクトラの死亡事例と安全性についてご紹介します。
ネクスガードスペクトラの使用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ネクスガードスペクトラの副作用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
目次
ネクスガードスペクトラによる死亡事例
ネクスガードスペクトラの有効成分は、犬のために開発されているため安全性が高いと言われています。
ただし、死亡事例はいくつかあります。
ネクスガードスペクトラによる死亡事例について、表にまとめてみました。
死亡事例のあった超小型犬用から大型犬用まで、それぞれ詳しくご紹介します。
ネクスガードスペクトラ11.3
ネクスガードスペクトラ11.3の死亡報告数:4
犬種・年齢 | 健康状態・既往歴 | 因果関係 |
---|---|---|
ポメラニアン(14歳) | 健康状態:不明 既往歴:不明 |
不明 |
トイ・プードル(3歳) | 健康状態:不明 既往歴:不明 |
不明 |
雑種(6ヶ月) | 健康状態:不明 既往歴:不明 |
不明 |
トイ・プードル×マルチーズ(4歳) | 健康状態:不明 既往歴:不明 |
不明 |
参考
ネクスガードスペクトラ11.3│動物用医薬品等データベース(外部リンク)
ネクスガードスペクトラ22.5
ネクスガードスペクトラ22.5の死亡報告数:5
犬種・年齢 | 健康状態・既往歴 | 因果関係 |
---|---|---|
ミニチュア・ダックスフント(5歳) | 健康状態:健康 既往歴:処方時に来院していないため不明 |
不明 |
マルチーズ(7歳) | 健康状態:健康 既往歴:なし |
不明 |
ペキニーズ(4歳) | 健康状態:不明 既往歴:子宮内膜炎、膀胱結石、臍ヘルニア |
不明 |
チワワ(14歳) | 健康状態:健康 既往歴:心疾患(ACVIMステージB2)、クッシング症候群 |
不明 |
シェットランド・シープドッグ(15歳) | 健康状態:健康 既往歴:口腔内腫瘤 |
因果関係がないとはいえない |
参考
ネクスガードスペクトラ22.5│動物用医薬品等データベース(外部リンク)
ネクスガードスペクトラ45
ネクスガードスペクトラ45の死亡報告数:2
犬種・年齢 | 健康状態・既往歴 | 因果関係 |
---|---|---|
ポメラニアン(8歳) | 健康状態:健康 既往歴:耳が聞こえにくい、 下痢やふるえ症状で来院したことがある |
不明 |
雑種(5歳) | 健康状態:健康 既往歴:フィラリア陽性 |
因果関係がないとはいえない |
参考
ネクスガードスペクトラ45│動物用医薬品等データベース(外部リンク)
ネクスガードスペクトラ90
ネクスガードスペクトラ90の死亡報告数:1
犬種・年齢 | 健康状態・既往歴 | 因果関係 |
---|---|---|
雑種(9歳) | 健康状態:健康 既往歴:なし |
不明 |
参考
ネクスガードスペクトラ90│動物用医薬品等データベース(外部リンク)
ネクスガードスペクトラの注意点
ネクスガードスペクトラを使用する際の注意点について、ご紹介します。
・事前にフィラリア検査を行う
・食物アレルギーがないか確認する
・愛犬の体重に合ったサイズのお薬を選ぶ
・毎月1回必ず投与し、飲ませ忘れに気を付ける
・持病がある犬、シニア犬は使用前に獣医師に相談
・てんかん発作がある犬、コリー犬種の犬は使用前に獣医師に相談
ネクスガードスペクトラは投与開始前に、必ずフィラリアに感染していないか検査を行ってください。
すでにフィラリアに感染している犬にフィラリア予防薬を投与すると、アレルギー反応を引き起こして最悪の場合、死に至ることがあります。
また、健康状態が良くない犬やシニア犬、てんかん発作の病歴がある犬、コリー犬およびコリー系統の犬種については、ネクスガードスペクトラの使用に注意が必要です。
使用を希望される場合は、獣医師に相談しましょう。
なお、以下に該当する犬はネクスガードスペクトラの安全性が確認されていないため、ネクスガードスペクトラを使用できません
・妊娠中、授乳中の犬
・8週齢未満の子犬
・体重1.8㎏未満の犬
ネクスガードスペクトラの副作用
ネクスガードスペクトラの副作用について、以下の症状が挙げられます。
・皮膚のかゆみ
・食欲不振
・嘔吐
・下痢
・元気消失
これらの症状は一過性のものであり、自然に回復することがほとんどです。
症状が悪化している、2日以上経っても回復しない、以下の症状が見られる場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
・アナフィラキシーショック
・けいれん、運動失調などの神経症状
・血尿
・呼吸促迫
特にアナフィラキシーショックや神経症状については、命に関わる場合があるため注意が必要です。
投与後は愛犬の様子をしっかりと観察して、異常があれば獣医師へ相談してください。
ネクスガードスペクトラの副作用については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ネクスガードスペクトラの代替品
ネクスガードスペクトラは安全性の高い予防薬ですが、使用に不安がある方は同じような効果をもつ「シンパリカトリオ」、「レボリューション」がおすすめです。
それぞれの特徴やネクスガードスペクトラとの違いについて、詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
【比較】ネクスガードスペクトラとシンパリカトリオ、レボリューション
「ネクスガードスペクトラ」、「シンパリカトリオ」、「レボリューション」について、以下の項目で比較してみました。
商品名 | |||
---|---|---|---|
タイプ | |||
有効成分 | アフォキソラネル ミルベマイシンオキシム |
サロラネル モキシデクチン |
セラメクチン |
予防・駆除できる寄生虫 | ノミ、マダニ、回虫、鞭虫、鉤虫、フィラリア予防 | ノミ、マダニ、内部寄生虫、フィラリア予防 | ノミ、耳ダニ、フィラリア予防 |
体重制限 | |||
妊娠・授乳中の犬 | |||
商品詳細 | >>ネクスガードスペクトラの詳細 | >>シンパリカトリオの詳細 | >>レボリューション【犬用】の詳細 |
これらの薬は、それぞれ異なる有効成分からなる予防薬です。
そのため、コリー系統の犬種に対する安全性が異なります。
ネクスガードスペクトラやシンパリカトリオについては、ミルベマイシンオキシムとモキシデクチンが含まれており、コリー系統の犬種は副作用が強く出る可能性があり、注意が必要です。
レボリューションの成分セラメクチンは、コリー系統の犬種においても比較的安全に使用できます。
まとめ
ネクスガードスペクトラは安全性が高く、フィラリア予防薬の中でも人気のあるオールインワンタイプのお薬です。
いくつかの死亡事例が出ていますが、シニア犬であったり既往歴、健康状態などにもともと問題があったり、投薬との因果関係が不明のケースが多いです。
ネクスガードスペクトラによる死亡を防ぐためには、注意点をしっかりと守って使用しましょう。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。