保護猫シェルターとは、飼い主がいない猫たちを一時的に保護する施設です。
多頭飼育崩壊や虐待などさまざまな理由で保護されてきた猫たちや、保健所などで殺処分対象となってしまった猫を受け入れています。
運営は民間でおこなわれていて、活動内容もそれぞれのシェルターで微妙に異なります。
猫の譲渡をおこなっている保護猫シェルターもあるため、保護猫を家族として迎え入れたいと考えている方の選択肢にもなるでしょう。
この記事では、保護猫シェルターでおこなわれている活動や、シェルターから保護猫を引き取りたいとき、また保護してもらいたいときの条件について紹介していきます。
目次
保護猫シェルターとは?
保護猫シェルターとは、飼い主のいない猫を一時的に保護する施設です。
多頭飼育崩壊や飼育放棄、保健所で殺処分対象となった猫の受け入れなど、いろいろな経緯で保護された猫たちに適切なケアを施し、シェルターによっては里親探しまでおこないます。
また、重い病気や高齢などで里親が見付かりにくい猫たちを看取る場所としての側面もあり、その活動方針はシェルターによってさまざま。
一方で、厚生労働省が管轄する保健所では、病気の治療や予防接種などのケアはありません。
里親の募集をしても、希望者が現れなければ最終的には殺処分となってしまいます。
保護猫シェルターのお仕事内容は?
保護猫シェルター内のお仕事は多岐に渡ります。
ここからは、保護猫シェルター内の具体的なお仕事内容について詳しく紹介していきます。
殺処分対象となった猫の受け入れ
動物愛護センターや保健所で里親を探したものの見付からなかった場合、殺処分の対象となってしまいます。
今日本では、国をあげて「殺処分ゼロ」を目標に進めてはいますが、それでも現実には年間12,000頭もの犬猫が殺処分されています。
保護猫シェルターの中には、動物愛護センターや保健所と連携して、殺処分対象となった猫を率先して受け入れているところもあります。
動物愛護センターのお仕事について興味のある方は、コチラの記事を参考にどうぞ。
参考
環境省_統計資料 「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」(外部リンク)
保護猫のケア
掃除や食事などといった基本的なお世話や、通院や投薬といった医療ケアを行います。
特に掃除はシェルター運営の基本で、清潔さを保ち感染性の病気が広がることを防ぐと同時に、猫たちが健やかに暮らせる環境を整えます。
フードボウルの洗浄や、使用した毛布の洗濯などは欠かせません。
また、猫たちの体調管理も重要な仕事です。
体重や排泄物をチェックして、日々の小さな変化を見流さないような目配り、気配りが求められます。
保護猫がどこから来るのか、について詳しく知りたい方はコチラの記事をどうぞ。
保護猫の里親探し
譲渡も行っているシェルターでは、里親希望者の受付も行います。
訪れる里親希望者と面談をしたり、毎日のように届くメール相談や電話などに対応して、良い縁を探します。
そして、晴れて里親が見付かった後も、譲渡してそれで終わりではありません。
とくに初めて猫と暮らす里親にとっては、毎日が分からないことだらけ。そういった方々の良き相談相手となることも、保護猫シェルターの大きな役割の1つです。
ほかにも保護猫の里親になる方法としては「譲渡会」が挙げられます。譲渡会について詳しくはコチラ。
触れ合い(カフェなど)
保護猫シェルターには、猫と触れ合えるカフェなどを併設している施設もあります。
猫を飼えない環境の方でも気軽に猫と触れ合えると人気の猫カフェですが、近年増えているのが譲渡を目的とした保護猫カフェです。
食事やお茶を楽しみながら店内の猫たちと触れ合うことで、新しい家族に出会いやすくなります。
多くの人に保護猫の現状を知ってもらうきっかけにもなり、保護猫が人慣れする練習にもつながります。
看取り
看取りも、保護猫シェルターでのお仕事のひとつです。
保護猫シェルターには、高齢であったり病気や障害を抱えていたりと、譲渡が難しい猫も暮らしています。
そのため、保護猫シェルターで生涯を過ごす猫もいるのです。
保護猫シェルターは、殺処分を前提にしていません。
少しでも穏やかな時間を過ごせるように、保護猫シェルターでは最後までお世話をし、命に寄り添います。
シェルターから保護猫を引き取って里親になるには?
譲渡も行っているシェルターであれば、条件をクリアすれば引き取りが可能です。
引き取り条件はシェルターによって異なりますので、気になるシェルターがある方は事前に細部までチェックしておくことをオススメします。
引き取りたい子が見付かったらシェルターのスタッフに申請をしましょう。条件に合致すれば、1~2週間程度のトライアルに移行します。
トライアルとは、実際に猫を引きとって生活に馴染めるかどうかを試す期間(トライアルを実施していないシェルターもあります)。
トライアル期間を経て問題なしと判断されたとき、晴れて里親になることができます。
猫をシェルターに引き取ってもらいたいときは?
家族として迎え入れた猫は最後まで責任と愛情を持って面倒を見ることが大前提です。
ただ、病気や不慮の事故などで、どうしても猫を飼えなくなってしまったということもあるかもしれません。
そんなとき、保護猫シェルターは猫を引き取ってもらう施設として検討できる場所の1つです。
とはいえ猫を引き取ってもらうのも無料ではありません。条件やかかる費用の一例を見てみましょう。
費用は条件によって変わる
保護猫シェルターに猫を引き取ってもらう際、条件とかかる費用は以下のようなものがあります。
去勢・不妊手術が済んでいる | 1万5000円~3万円 |
血液・猫ウイルスの検査を受けている | 1万円~1万3000円 |
混合ワクチンを接種している | 3000円~7000円 |
保護猫シェルター内の繁殖や感染症を防ぐため、去勢や不妊手術をしていること、ウイルス検査をしていることなどが引き取りの条件としてあるようです。
保護猫シェルターによって引き取りの条件や費用は変わります。詳細はお近くのシェルターで確認してください。
保護猫シェルターをつくるには?
保護猫シェルターをつくるには、大きな覚悟が求められます。
場所の確保や費用の確保、届け出など、たくさんの準備が必要です。
保護猫シェルターは、どのような経緯を経て活動を始めているのでしょうか。
ここからは、保護猫シェルターのつくり方を詳しく解説していきます。
保護の計画を立てる
保護猫シェルターをつくるには、まず計画を立てる必要があります。
スタッフ1人に対する保護猫の頭数には上限があるため、預かる頭数やスタッフの数を決めなければなりません。
ほかにも、保護猫のお世話や掃除、行政とのやり取りや事務仕事もあります。
多くの仕事のスケジュールや保護猫の健康管理など、現実的な計画プランが必要です。
場所と資金の確保
保護猫シェルターをつくるには、場所と資金の確保も必要です。
飼育環境には定められている基準があるため、寝床や休息場所、運動スペースが確保できる広い敷地を用意しなければなりません。
さらに、保護猫シェルターでは、治療や飼育など多額の費用がかかります。
そのため、最近増えているのが、クラウドファンディングでの寄付金を活用した設立。
維持費もかなりかかるため、助成金やチャリティーグッズなどを販売して、資金に充てている保護猫シェルターもあります。
第二種動物取扱業の届出
保護猫シェルターをつくるために資格は必要ありませんが、第二種動物取扱業の届出が必要です。
行政が実態を把握するために設けられた届出です。
不適切と判断された場合には、必用に応じて改善の勧告や命令もおこないます。
また、カフェ併設型の保護猫シェルターの場合には、食品衛生責任者などの資格が必要です。
複数の事業をおこなう場合には、その業種ごとに届出をしなければなりません。
保護猫シェルターはボランティアも募集している
自分で保護猫シェルターをつくるには費用の余裕がない、けれど保護猫を一頭でも多く救いたい……。
そんな方は、ボランティアを募集しているシェルターを探すのもいいでしょう。
シェルターを長く運営していくには人手もお金も必要。あなたの「猫のためにできることはないか」と考える気持ちが、一頭でも多くの保護猫を救い、幸せにするはずです。
適切なケアを受け、里親を待つ場所
保護猫シェルターは、適切なケアを受けながら穏やかな日々を過ごせる場所。
掃除や食事など基本的なお世話に加えて、医療や体調管理などのケアもおこない、猫たちが不自由なく生活できるようにサポートしています。
里親を募集している保護猫シェルターでは、触れ合いや面談、トライアル期間を経て問題がないか確認したうえで譲渡できるか決まります。
保護猫を引き取りたい場合には、保護猫シェルターも選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか?
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。