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肥満細胞腫は、免疫細胞の1つである肥満細胞が腫瘍化したものです。
猫の肥満細胞腫は皮膚や脾臓、小腸といった全身のいたるところに発生します。
猫の皮膚に発生する悪性腫瘍の中で発生頻度が多く、悪性度によって治療が困難となる場合もあるため、注意が必要です。
また、「肥満細胞」という名前ですが、太ることの肥満とは全くの無関係です。
肥満細胞とは身体に備わっている免疫細胞で、アレルギーや炎症反応といった防御反応を行う重要な役割を果たしています。
しかしその免疫細胞が異常な働きをすることで腫瘍化してしまうことがあり、その原因は不明とされています。
猫の肥満細胞腫は大きく分けて、皮膚型、脾臓型、消化器型の3つに分類されます。
腫瘍化したからといって、全てが悪性化する(=ガンになる)という訳ではありません。
多くの猫に発生するのは皮膚型で、ほとんどが良性のため、経過観察や切除手術で済みます。
一方、脾臓型、消化器型は悪性度が高まりやすく、治療が困難となり命を奪うリスクがあるため注意が必要です。
ここからは皮膚型、脾臓型、消化器型のそれぞれの特徴について解説していきます。
猫の肥満細胞腫、皮膚型は、身体のいたるところに腫瘍が発生しますが、特に顔や耳、頭頚部に多いです。
また、腫瘍は1ヶ所のみの場合もあれば、数ヶ所に発生する場合もあります。
皮膚型の症状としては、皮膚上にできたしこり部分やその周辺に、脱毛や炎症、かゆみ、出血など皮膚病のように見えるものや、むくみが現れるのが特徴です。
皮膚型はほとんどが良性で、多発・転移の可能性も低く、多くは経過観察や切除で済みます。
しかし、まれに脾臓など内臓に転移することもあり、初期段階で症状が強く出ないことや、皮膚病と思われ発見が遅れる可能性もあるため、注意が必要です。
悪性化しやすい内臓型の肥満細胞腫ですが、特に脾臓型は早期発見が困難とされているため、とても厄介です。
猫の肥満細胞腫は、発生しても脾臓にできた段階では目立った症状も現れにくく、多くは肝臓など他の臓器に転移することでやっと症状が現れます。
そのため、発見段階ではすでに悪性度が高く、手遅れとなっている恐れがあるのです。
現れる症状としては、元気がなくなる、食欲が落ちる、体重の低下、嘔吐などが見られます。
猫の消化器型肥満細胞腫の特徴は、悪性度が高くほとんどが治療困難とされることです。
消化器型の細胞腫は、多くが近くの臓器やリンパ節へ転移している可能性が高く、細胞腫が広範囲に及んでしまっています。
食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少といった消火器系の不良がみられ、重症の場合は腹水といった症状が現れることも特徴です。
細胞腫の発生場所は主に小腸とされていますが、まれに大腸でも発生することがあります。
猫の肥満細胞腫の原因は、はっきりと解明されていません。
免疫細胞である肥満細胞が腫瘍化することで起こりますが、腫瘍化は品種や遺伝など様々な要因が絡み合い、引き起こされると考えられています。
一方で、犬の肥満細胞腫はKITと呼ばれるたんぱく質が、遺伝的変異することが原因の1つだと知られています。
猫の肥満細胞腫も約6~7割においては、犬の肥満細胞腫と同様にたんぱく質KITが変異を起こしていることが原因とされています。
肥満細胞腫にかかりやすい猫について、紹介します。
皮膚型はかかりやすいとされる特定の猫種が報告されていて、シャム、ラグドール、バーミーズ、メインクーン、ロシアンブルーなどの品種が挙げられます。
一方、脾臓型・消化器型では、かかりやすい特定の猫種はなく、高齢猫がかかりやすいと言われています。
猫の脂肪細胞腫の診断する方法は複数ありますが、多くは細胞診という注射針で病変から細胞を採取し、顕微鏡で調べる方法で診断します。
細胞診は鎮静や麻酔が不要で容易に行えるため、猫への負担も少ないです。
しかし、悪性か良性かの判断はできず、より詳しく調べるためには病理組織検査という治療を兼ねた手術を行います。
他にも、血液検査やX線検査、長音波検査、遺伝子検査が必要に応じて行われます。
検査では腫瘍の悪性度やステージ分類、転移など様々な方面から調べ、慎重に判断されます。
猫の肥満腫細胞の治療方法として挙げられるのは、外科手術、放射線療法、化学療法(投薬)です。
腫瘍の大きさ・場所・数など状態に応じて、これら複数の治療法を組み合わせて行うこともあります。
脾臓型肥満細胞腫では他の臓器にすでに転移してしまっている、手術が困難な場所に腫瘍がある、腫瘍が大きい、複数ある、全身に転移していて摘出が難しいといった場合は、放射線療法や化学療法(抗がん剤、分子標的薬、ステロイドの投与)を行います。
猫の肥満細胞腫の治療で外科手術が行えない場合は、抗がん剤を使った治療を行うことがあります。
具体的には悪性度が高く、すぐに肺などの臓器に転移する恐れがある場合や、すでに転移が見られる場合です。
抗がん剤治療には、従来の抗がん剤と新しい「分子標的薬」と呼ばれるものがあります。
ガン細胞に狙い撃ちでダメージを与える分子標的薬は、従来の抗がん剤に比べ、副作用が出にくいことが特徴です。
抗がん剤による治療は、遺伝子検査の結果によって使用を検討します。
猫の肥満細胞腫の治療を行う上で、費用の負担はできるだけ軽減したいものです。
猫の肥満細胞腫の治療薬は、動物病院だけでなく通販でも購入できる治療薬があります。
ここでは、当サイトぽちたま薬局にて購入可能な治療薬をご紹介していきます。
価格:100㎎(120錠)10,000円~
効果:犬猫の肥満細胞腫の治療
犬猫の外科手術が困難な肥満細胞腫の治療に用いられます。
「分子標的薬」と呼ばれる新しい抗がん剤治療薬で、腫瘍細胞にピンポイントで働きかけるため、副作用が少ないとされています。
価格:100㎎(10錠)2,600円~
効果:犬猫の肥満細胞腫の治療
手術が難しい悪性腫瘍の治療に用いられる、犬猫兼用の悪性腫瘍治療剤です。
がん細胞のみを攻撃する分子標的薬で、副作用は比較的少ないとされています。
猫の肥満細胞腫に有効な予防方法は、残念ながらありません。
肥満細胞が腫瘍化する原因がはっきりとはわかっていないため、予防は困難とされています。
そこで、飼い主さんにできることは早期発見・早期治療です。
日頃から愛猫の体をこまめに触り、しこりや皮膚の異変を見つけたら、早めに動物病院で診察を受けましょう。
猫の肥満細胞腫について、よくある質問と回答を紹介します。
A.猫の肥満細胞腫を放置してしまうと、症状の進行や転移につながり、最悪の場合は手遅れとなる可能性があるため、大変危険です。
猫の肥満細胞腫は自然に治るものではなく、手術や薬、放射線といった治療が必要です。
猫の肥満細胞腫を見つけたら、放置せずに早めに動物病院を受診することをおすすめします。
A.肥満細胞腫が進行すると、発生した細胞腫が周辺の臓器に転移し全身に広がることで、様々な不調を引き起こします。
末期症状には食欲不振、嘔吐、腹水、虚脱などがあります。
特に、見た目や触ることでは気づきにくい内臓型の肥満細胞腫は発見が遅れやすく、症状が現れた時にはすでに末期だった、ということも珍しくありません。
A.猫の肥満細胞腫の余命は、皮膚型で転移がなく外科手術で腫瘍を切除できれば、健康な猫と変わらず長生きできます。
一方、内臓型は悪性度により予後が異なります。
脾臓型は脾臓を全て摘出することで約1~1年半以上、生存期間が伸びることもありますが、消化器型は転移していることが多く、3ヵ月で死亡してしまうケースもあります。
A.猫の肥満細胞腫は、皮膚型で転移がなければ、外科手術によって完治が見込めます。
しかし、転移している可能性が高い脾臓型・消化器官型の場合は、抗がん剤を使った治療を行っても完治は困難とされています。
そのため、脾臓型・消化器官型は多くの場合、延命治療となります。
生存率を上げて余命を伸ばすためには、早期発見・早期治療が重要です。
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