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猫の慢性腎臓病のお薬セミントラが販売中止?欠品の原因と代替品について

セミントラは動物病院でも処方されている、猫の慢性腎臓病の治療薬です。
そんなセミントラが2023年11月にはメーカー欠品のため、一時販売中止となりました。

この記事ではセミントラが欠品になった原因と、セミントラが欠品している時に代替品として使用できる治療薬について紹介します。

セミントラについて

猫の慢性腎臓病治療薬セミントラ

セミントラは猫用に開発された慢性腎臓病の治療薬です。
2014年7月に4ml、2022年に9月に10mlが販売されており、動物病院でも処方されている猫の腎臓病治療の第一選択薬です。

液体タイプのため、気まぐれな性質の猫にも与えやすいお薬となっています。

猫の腎臓が悪くなると血液中に老廃物が溜まり、尿の中にタンパクが漏れだします。
タンパク尿は腎臓の障害を進行させるため短命となってしまいます。

そこでセミントラを投与することで、有効成分のテルミサルタンの継続的な降圧作用によりタンパク尿が抑制され、短命の回避が期待できます。

参考
セミントラ® 4mg/mL経口液猫 概要・特徴 | ベーリンガー | 飼い主さま向け製品情報サイト(外部リンク)

セミントラの販売中止について

セミントラが2023年11月にメーカー欠品となり販売中止になった際には、各動物病院で在庫が残りわずかとなって処方数が制限されたことで、セミントラが手に入りにくい状態となりました。

猫は7歳以上のシニアになると、30~40%は腎臓病にかかっていると言われます。

腎臓病の猫はセミントラが販売中止になっても治療を中断するわけにはいかないため、他の代替薬を使用するなど、猫にとっても飼い主様にとっても厳しい状況となってしまいました。

セミントラが販売中止となった原因

そもそも、セミントラはなぜ販売中止となったのでしょうか。

各動物病院には、セミントラの製造会社であるベーリンガーインゲルハイムから直接文書で通知が届き、以下の内容が告知されていました。

「海外の製造拠点において製造工程上の一部で逸脱がみとめられたことに起因するものであり、今後の製品供給を盤石にするため、現在、製造工程の精査をおこなっております。
そのため、予防的な措置として当該製造拠点からの出荷は全て停止されております。」

引用元:セミントラに関するご連絡 | 鈴木ペットクリニックhttps://suzuki-pc.com/weblog/?p=11285

製造工程の一部で問題が発生したため、出荷を一時中断し欠品となったようです。
そのため在庫の確保が難しくなり、動物病院でも処方ができなくなってしまいました。

過去にも欠品になったことがある

セミントラは、過去にもコロナウイルス感染症の影響で供給がストップしてしまったことがあります。

その時は長期間の欠品となってしまったため、使い勝手は悪いけれど他の錠剤薬に切り替えることで、乗り切った飼い主さんも多くいたようです。

セミントラのような海外から入荷するお薬は、情勢の変化によって供給に支障が出る可能性があります。

現在は販売を再開している病院もある

2023年11月に一度供給がストップしたセミントラは、翌月の12月には供給停止が解除されました。

再び在庫確保が可能となったため、セミントラの販売は再開しています。

現在は通常通りの処方ができるようになったため、12月20日前後に再販の告知をしている動物病院が複数ありました。

参考
販売再開 | 杉山動物病院(外部リンク)

セミントラの代替品について

セミントラのように海外から入荷するお薬は、情勢によって入手できなくなる可能性があるため、欠品時には代替品が必要です。

ここでは、セミントラの代替品として動物病院が処方する治療薬を紹介します。

テルミサルタン錠

テルミサルタン錠

セミントラと同じ有効成分「テルミサルタン」が配合されているお薬です。
セミントラとは以下の違いがあります。

  • 液体ではなく錠剤タイプ
  • 人間用の治療薬

テルミサルタン錠は、人間用の血圧を下げる薬として用いられています。
動物用の医薬品としては承認されていませんが、動物にも使用可能です。

ぽちたま薬局でも取り扱いがあり、通販で手軽に購入できます。
なお、猫にテルミサルタン錠を使用する際は、必ず獣医師にご相談ください。

フォルテコール

フォルテコール

フォルテコールには、猫の慢性腎不全によるタンパク尿が漏れ出るのを抑制し、腎臓を保護することで病気の進行を抑制する効果があります。

犬の心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」に対しても、血管を拡張させる作用や心臓保護作用により、症状の改善効果が認められています。

錠剤タイプですがフレーバー付きのため、犬や猫の食いつきが良く与えやすいお薬です。
また、フォルテコールには低価格のジェネリック医薬品もあるため、先発薬であるフォルテコールよりも安く購入できます。

ぽちたま薬局ではフォルテコールとジェネリックの両方を扱っているため、愛猫や飼い主さんに合ったものを選ぶことができます。

ラプロス

ラプロス

2017年4月に販売されたラプロスは腎臓の血管を広げ、血流を改善して酸素不足から腎臓を保護します。

また、慢性的な炎症を抑えることで、腎臓病の進行そのものを抑える効果があります。

その他にも腎臓がダメージを受けると食欲不振になり、ご飯をあまり食べなくなりますが、ラプロスを投与することで食欲が出て体重維持が可能となります。

このように優れた効果を持つラプロスですが、下記のデメリットも存在します。

  • 他の治療薬より高い
  • 1日2回の投与が必要で猫によってはストレスになる

今後も欠品する可能性について

セミントラは現在、動物病院での取り扱いが再開しています。
しかし通販サイトでは100mlが売り切れで次回の入荷が未定など、いまだに品薄状態が続いています。

過去にもコロナウイルス感染症による影響で製造などが滞り、1年近く欠品となったことがありました。
また、直近でも製造工程の一部で問題が発生したことにより、出荷の一時中断で欠品していました。

残念ながら、今後も海外情勢の変化と関連して、セミントラが欠品する可能性は否定できません。

まとめ

セミントラで腎臓病を治療する猫

セミントラは2023年11月にメーカー側での欠品となりましたが、翌月の12月には販売が再開されています。

過去にもコロナウイルス感染症の影響で長期にわたる欠品があったため、今後も海外情勢の変化やメーカー側の事情により、手に入らなくなる可能性はあります。

愛猫がセミントラを服用している場合、飼い主さんは欠品時に備えて、代替品となる「テルミサルタン錠」「フォルテコール」「ラプロス」を用いた治療についても考えておきましょう。

かかりつけの獣医師とよく相談し、愛猫に合った代替品を活用してください。

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