「ミトタン」は、副腎皮質ホルモンを抑制するお薬です。
愛犬がクッシング症候群を抱えている場合は、動物病院で処方されたことがある飼い主さんもいるかと思います。
クッシング症候群は、副腎皮質から分泌されるホルモン、コルチゾールを過度に産生してしまう病気です。
一度発症すると完治が難しいともいわれており、基本的には適切な治療による管理が必要です。
ミトタンは高額で投与も継続しなければならないので、通販で手軽に買えないか気になる方もいるのではないでしょうか?
この記事では、ミトタンの価格や通販で購入する方法について解説します。
併せて、ミトタンに代わるお薬も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ミトタンの特徴と効果
ミトタンは犬のクッシング症候群の治療薬で、副腎皮質ホルモンの分泌を抑制する効果があります。
クッシング症候群は、副腎の皮質という部分からコルチゾールが過剰に分泌される病気です。
発症すると、水を飲み過ぎておしっこの量が増えたり、お腹が膨らんだり、皮膚が薄くなったりと、見た目にも変化が起こります。
ミトタンはクッシング症候群の中でもとくに、下垂体性クッシング症候群の治療に使われることが多いお薬です。
投与すると、副腎皮質機能が抑制され、過剰に分泌されていたコルチゾールが減るため、さまざまな症状が軽減されます。
ただし、副腎腫瘍性クッシング症候群の治療においては、手術による副腎の摘出が第一選択です。
犬の状態によっては獣医師さんの判断により、ミトタンやトリロスタンによる治療が用いられる場合もあります。
参考
副腎皮質機能亢進症の診断と治療(外部リンク)
ミトタンを通販で購入する方法
ミトタンは「商品名:オペプリム」に含まれる成分で、「薬価:788.9円」で販売されています。
しかし、残念ながら普段利用するようなAmazonや楽天市場などの通販サイトでは、購入できません。
個人輸入代行サイトであれば取り扱っているところもありますが、価格は「278,000円」と、かなり高額でした。
クッシング症候群の犬は、内科的治療で根治できないため、お薬の投与は生涯必要です。
ミトタンを使った治療は費用が積み重なり、治療を継続することが難しくなる場合もあるかもしれません。
犬のクッシング症候群に使用されるお薬はミトタンだけではなく、トリロスタンなどもあります。
現在はトリロスタンの使用が主流であり、お薬代はミトタンよりも安価です。
参考
医学文献検索サービスーメディカルオンライン(外部リンク)
ミトタンとトリロスタンの比較
ミトタンとトリロスタンは、どちらも犬のクッシング症候群の治療に使用されるお薬ですが、作用機序や副作用などに違いがあります。
■作用機序の違い
ミトタン | 副腎を直接破壊することで、副腎から分泌されるホルモンの量を少なくする。 副腎皮質に蓄積してゆっくり作用するため、効果が現れるまで1~3週間かかり、薬の量を調整しにくい。 |
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トリロスタン | 副腎から分泌されるホルモンの機能をブロックする。 効果は早く現れますが、適切な投与量が個体によって異なるため、一律に決めにくい。 |
■副作用の違い
ミトタン | ミトタンは副腎皮質を破壊する作用が強く、過剰に破壊されると糖質コルチコイドが不足し、命に関わる副作用が長期間続く危険がある。 |
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トリロスタン | トリロスタンは副腎の組織にダメージを与えないため、比較的副作用が少ない。 |
どちらのお薬も犬のクッシング症候群の治療には重要な役割を果たしますが、治療の選択は犬の状態や獣医師の判断によって異なります。
前述したように、ミトタンの薬価は1錠788.9円と高額です。
動物病院で処方される場合は、さらに高額になることがあります。
現在、当サイト「ぽちたま薬局」でミトタンは販売しておりませんが、取り扱う場合は詳細をご案内します。
一方トリロスタンについては、取り扱いがございます。
当サイトでは、「アドレスタンジェネリック」という商品名で販売しており、比較的安価での購入が可能です。
アドレスタンジェネリック(トリロスタン)の詳細はこちら
>>ペットの薬-通販サイト「ぽちたま薬局」
ミトタンの用量と注意点
ミトタンは過剰摂取してしまうと、アジソン病を引き起こす恐れがあるため、注意が必要です。
アジソン病はクッシング症候群と逆で、副腎皮質から分泌されるホルモンが異常に少なくなります。
治療する際は必ず獣医師さんの指示に従って、定期的に検査を受けることが重要です。
ミトタンを用いた治療は、次のように導入療法と維持療法の2つのステージに分かれます。
導入療法
導入療法では、1日にミトタン50mg/kgを2回に分けて(1回25mg/kgずつ)、食事と一緒に投与します。
最大7日間、もしくは次の症状があらわれるまで継続します。
ただし、食欲が低下している犬には絶対にミトタンを投与してはいけません。
また、以下の症状が導入療法中に見られた場合は投与をすぐに中止し、ACTH刺激試験による効果の確認が必要です。
・飲水量の減少(60mL/kg/日以下)
・食欲や元気が低下
ACTH刺激試験とは、副腎皮質ホルモンを注射して血液中のコルチゾール値の変化を確認する検査です。
導入療法の効果が認められた場合は、維持療法に移行します。
維持療法
導入療法後に行う維持療法では、1週間にミトタン25~50mg/kgを2~3回に分けて投与します。
初回の1ヶ月後と、そのあと3ヶ月ごとにACTH刺激試験や血液検査による状態の確認が必要です。
その際、コルチゾール値が目標(2~5µg/dL)を外れる場合は、投与量の増減を行います。
また定期的な検査による確認だけでなく、症状の再発がみられた場合は導入療法をやり直さなければなりません。
まとめ
ミトタンは、犬のクッシング症候群の治療に用いられるお薬です。
コルチゾールの分泌を抑えることで、症状を改善します。
しかしミトタンは高額なお薬であり、クッシング症候群は内科的治療による根治が困難な病気です。
投薬治療や検査による管理は生涯にわたって必要になるため、治療費は高額になります。
なお、犬のクッシング症候群にはいくつか治療薬がありますが、その中でも近年はトリロスタンが主流です。
クッシング症候群の犬には、定期的なACTH刺激試験や血液検査も欠かせません。
どのお薬を使用する場合でも、必ず動物病院で愛犬の体調を確認してもらいながら、治療を継続してあげましょう。
ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。