あまり知られていませんが、フィラリア症はフェレットにも感染します。
しかも犬よりも心臓が小さいフェレットは、寄生数が少なくても死に至りやすいとされています。
フェレットのフィラリア予防には犬用のお薬が使用されますが、基本的には適用外となるため、投与には獣医師への相談が必須です。
この記事では、フェレットのフィラリア対策が必要な時期や感染確率、おすすめの予防薬について解説していきます。
目次
フィラリア症に感染したときの症状
フェレットがフィラリア症に感染すると、次のような症状がみられます。
- ・咳
- ・呼吸困難
- ・食欲不振
- ・嘔吐
フェレットは、犬と同じくフィラリアの終宿主となります。
また、犬より心臓が小さいため、フィラリア症に感染すると重篤になりやすく、死に至りやすいとされています。
そのため、フェレットも犬と同様、フィラリア予防を必ずおこないましょう。
参考
犬における犬糸状虫感染症の予防・診断・治療最新ガイドライン(2018年改訂)(外部リンク)
フィラリアにかかる確率は?
犬の場合でみると、フィラリア症は予防すれば発症を0%に抑えられます。
しかし、予防していない犬では、以下の確率で感染するリスクがあります。
犬がフィラリアに感染する確率 | |
---|---|
シーズン | 感染確率 |
1年目 | 38% |
2年目 | 83% |
3年目 | 98% |
一方、猫の感染確率は犬の10%ほどとされ、10匹に1匹は感染していると言われています。
猫がフィラリアに感染する確率 | |
---|---|
シーズン | 感染確率 |
1年目 | 4% |
2年目 | 8% |
3年目 | 10% |
このように、散歩の習慣がない猫の方が、フィラリアに感染する確率が低いことがわかります。
フェレットも同様に、必ずしも散歩が必要なペットではないため、感染率は高くないと想定されます。
しかし、感染源である蚊を1匹も室内に侵入させないのは、現実的ではありません。
蚊と接触する可能性がゼロでない限り、フェレットに対しても予防が必要となります。
いつからフィラリア予防すればいい?
フィラリア予防が必要な時期は、一般的に5~12月までの期間です。
対策時期に関しては犬や猫と同じで、蚊が発生した1ヶ月後から、蚊がいなくなった後の1ヶ月間までは必要となります。
つまり、約8ヶ月にわたって、月に1回の投薬を継続しなければなりません。
蚊が生息する時期は地域によっても異なるため、地域ごとの予防期間はこちらのコラムも参考にしてください。
フェレットのフィラリア予防薬
現在は、フェレット専用のフィラリア予防薬はありません。
そのため動物病院では、犬用の予防薬を使用することが多いようです。
予防薬には、口から服用する経口タイプと、皮膚に垂らすピペットタイプの2種類があります。
獣医師さんと相談しながら、お薬の種類や投与量を決めていきましょう。
なお、フィラリア予防薬は、インターネットで購入できるものもあります。
ここでは、当サイト「ぽちたま薬局」で購入できるお薬を紹介します。
[注意]
犬猫用の薬をそのまま使うと、過剰投与になる可能性があります。投与量は必ず獣医師の指示にしたがってください。
参考
Therapeutics in Ferrets(外部リンク)
レボリューション
価格 | 5,300円/1箱(3本) |
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1年でかかる費用 | 14,130円(1年で8本使用する場合) |
レボリューションは、フィラリア予防に加えて、ノミや耳ダニ駆除も可能なお薬です。
皮膚に垂らすだけのピペットタイプなので、口からお薬を飲ませる必要がなく、手軽に投与できます。
2.5kg未満の子犬用もあるので、フェレットにも使いやすくなっています。
シンパリカトリオ
価格 | 6,000円/1箱(3錠) |
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1年でかかる費用 | 16,000円(1年で8錠使用する場合) |
シンパリカトリオは、犬に広く使用されているフィラリア予防薬です。
フィラリアだけでなく、ノミ・マダニ・内部寄生虫もまとめて対策できます。
経口投与が必要なチュアブルタイプですが、ミートフレーバー付きなのでおやつ感覚で与えられます。
有効成分である「モキシデクチン」は、フェレットのフィラリア症予防に推奨される成分です。
また、対象体重が1.25kg以上と、小さな子犬や小型犬にも安全に使用できるため、フェレットにも使いやすいお薬です。
参考
エキゾチックアニマルの生物学(外部リンク)
ミルプラゾン
価格 | 2,500円/1箱(2錠) |
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1年でかかる費用 | 10,000円(1年で8錠使用する場合) |
ミルプラゾンは、線虫や条虫(サナダムシ)、多包条虫まで駆除できるフィラリア予防薬です。
有効成分の「ミルベマイシンオキシム」は、フェレットのフィラリア症予防にも用いられる成分です。
錠剤タイプなので、体重に合わせて分割して使用することも可能です。
0.5kg以上の子犬や小型犬にも使用でき、フェレットの場合も、体重に合わせて投与量を調整しやすくなっています。
プリノケート
価格 | 3,600円/1箱(3本) |
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1年でかかる費用 | 9,600円(1年で8本使用する場合) |
プリノケートはフェレットに使用できるフィラリア予防薬です。
「イミダクロプリド」と「モキシデクチン」を有効成分としたお薬で、ノミ・ダニの駆除も同時に対策できます。
皮膚に垂らすだけで投与できるので、口からお薬を摂取させる必要がありません。
費用を抑えることができ、1万円未満で年間のフィラリア予防をすることができます。
フィラリア予防の前には検査が必要
フェレットにフィラリア予防をする際は、投薬する前に必ず検査をしましょう。
フィラリア検査は、少量を採血しておこなわれます。
結果は5分ほどで判明し、陰性ならフィラリア予防薬の投与が可能です。
もし陽性の場合(すでにフィラリアに感染している状態)に投薬してしまうと、体内でフィラリアが死滅して、危険な状態に陥る恐れもあります。
フィラリアは、仮にペットの体調に異変がなくても、体内に侵入してしまっている場合もあります。
4~5月頃になったら動物病院を受診して、必ずフィラリア検査を受けましょう。
フェレットのフィラリア予防にかかる費用
フェレットのフィラリア予防にかかる費用は、1年間で12,000円ほどです。
フィラリア予防費用の内訳 | |
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フィラリア検査(1回) | 2,500円 |
フィラリア予防薬(年間) | 9,600円 |
1年間の合計 | 12,100円 |
フィラリア予防薬にはいくつか種類があるので、どのお薬を選ぶかによってかかる費用は大きく変わってきます。
コスト面の負担はありますが、フェレットは一度フィラリアに感染すると重篤化しやすく、治療費の方が高額になる可能性があるため、予防はとても重要です。
参考
家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査(外部リンク)
フェレットのフィラリア治療法
フィラリアにかかってしまった場合は、駆虫薬による治療が基本になります。
犬であれば、駆虫薬に加えて手術で心臓から虫を取り除くこともできますが、フェレットは心臓が小さく手術が極めて困難です。
1匹でも寄生すると心臓に与える負担が大きく、死に至る可能性もあるため、フェレットのフィラリア治療は難しいとされています。
こうした背景からも、フェレットのフィラリア予防はとても重要であるといえます。
参考
フェレットによくある病気と主な症状(外部リンク)
フェレットには犬用のフィラリア予防薬でしっかり対策を
フェレットは外で散歩をしない分、犬よりも感染確率は低いと考えられます。
しかしながら、室内に蚊を1匹も入れないのは現実的ではなく、蚊がいる限りはフェレットにも予防が必要です。
しかも怖いのが、心臓が小さなフェレットは、フィラリアに感染すると命を落とす恐れがあるということ。
命の危険にさらさないためにも、蚊が生息する季節は、フィラリア予防薬を欠かさないようにしてください。
大切な家族であるフェレットは、飼い主さんがしっかり守ってあげましょう。
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ペットのお薬通販『ぽちたま薬局』スタッフのブログです。
このブログではペットのご飯を中心にペットの健康について考えたいと思います。